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日本の大規模コホートでは心房細動のイベント予測因子はCHADS2スコアとやや違う:PLOS one誌

Predictors for Stroke and Death in Non-Anticoagulated Asian Patients with Atrial Fibrillation: The Fushimi AF Registry
Yasuhiro Hamatani et al
PLOS ONE | DOI:10.1371/journal.pone.0142394 November 5, 2015


背景:リアルワールドの心房細動患者における脳卒中や死亡の予測因子に関するデータは,大規模で前向きのアジアコホートにおいては限定的である。

方法:伏見AFレジストリ−,3304人中抗凝固薬なしの1541人,平均追跡期間741日

結果:
1)平均73歳,女性44%

2)平均CHADS2スコア1.76点,CHA2DS2-VAScスコア3.08点

3)累積イベント数:脳卒中/全身性塞栓症61例4%,死亡230例15%

4)死亡/脳卒中/全身性塞栓症の予測因子ハザード比
高齢1.68,低体重(BMI<18.5)1.71 ,脳卒中/全身性塞栓症/TIAの既往1.59,CKD1.53,心不全1.59,貧血2.41

5)上記6リスクの累積数は抗凝固薬の有無にかかわらず,死亡/脳卒中/全身性塞栓症リスクの層別化を可能にする

結論:高齢(75歳以上),低体重,脳卒中/全身性塞栓症/TIAの既往,CKD,心不全,貧血(Hb男13未満,女12未満)は,日本の抗凝固療法を施行していない心房細動患者における死亡/脳卒中/全身性塞栓症リスクに関連している

### この中でCHADS2スコア,CHA2DS2-VAScスコアと重なるのは,高齢,脳卒中/全身性塞栓症の既往,心不全で,高血圧,糖尿病,女性,血管疾患は入ってきていません。かわりに低体重,CKD,貧血が入っています。

もともとCHADS2スコアの項目は1990年台の米国の臨床研究で俎上に上がった要因を退役軍人病院の大規模コホートにvalidateさせたものにすぎないので,血圧や糖尿病管理のいい現代日本のコホートには,とくにこの2つの因子は合致しないのかもしれません。また,低体重の女性などで脳塞栓をよく経験しますので,われわれの実践感覚をよく反映しているように思われます。

CHADS2スコアで1点以下の低スコアの場合,あるいは高齢者で抗凝固を躊躇したくなる場合で,低体重,CKD,貧血があったら抗凝固薬処方を「考慮」する参考になります。

さてこの6つの頭文字,なんて略したらいいでしょうか。うまく”FUSHIMI”に収まらないかな。

$$$ 勾当台公園です。仙台も今が極彩色
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by dobashinaika | 2015-11-09 21:44 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

日本の大規模コホート研究では発作性心房細動のほうが持続性よりも脳卒中リスクは低い:Stroke誌

Incidence of Stroke or Systemic Embolism in Paroxysmal Versus Sustained Atrial Fibrillation
The Fushimi Atrial Fibrillation Registry
Kensuke Takabayashi et al
Stroke.2015;STROKEAHA.115.010947published online before print October 29 2015


臨床上の疑問:アジア人(日本人)の心原性脳塞栓症の頻度は,発作性心房細動と持続性とで違いはないのか?

方法:
・Fushimi AF Registry
・発作性1588例,持続性 (persistent & permanent)1716例

結果:
1)発作性のほうが若く,合併症が少なく,抗凝固薬使用が少ない

2)脳卒中/全身性塞栓症:発作性の対持続性ハザード比:
抗凝固薬非使用者0.45,0.27−0.75,p<0.01
抗凝固薬使用者0.59.0.35−0.93,p=0.03

3)脳卒中/全身性塞栓症+全死亡:発作性のほうが低い
抗凝固薬非使用者0.77,0.59−0.99,p=0.046
抗凝固薬使用者0.59.0.46−0.75,p<0.01

4)「発作性」のみが脳卒中/全身性塞栓症の予測因子(多変量解析)

結論:日本の大規模コホート研究では,持続性に比べて発作性であることが脳卒中/全身性塞栓症リスク低下に関係していた。このことは上記のような患者でリスク因子の少ない場合の抗凝固薬投与の意思決定に助けとなる

### 発作性と持続性で心原性脳塞栓に差があるかについては,ことし1月にまとめましたので,参考にしてください。
http://dobashin.exblog.jp/20674608/

これまで発作性も持続性も同じリスクとされていますが,実はエントリーされている症例の”AF burden"つまり心房細動の累積持続時間により,かなり違った結果が出るというのが真実ではないかと思われます。

筆者が指摘しているように,Fushimiレジストリーの場合は12誘導心電図かホルターでAFが記録された症例を対象にしていますが,たとえばJ-RYTHMレジストリーは,リスク補正後の塞栓症頻度は両者で同等でしたが,こちらは1年い所湯洞調律が維持されていた症例は省かれています。Fushimiのほうがよリ”burden”の少ない発作性心房細動を見ているというわけです。

というわけでCHADS2スコア0−1点,CHA2DS-VAScスコアで1−2点などの症例でも,慢性でやや罹患期間が長い心房細動ではやや積極的に抗凝固を考えるという姿勢は勧められると思われます。

$$$ 昨日は,近所の大学で行っている総合診療セミナーに散歩がてらと言ってはなんですが顔を出しました。総診に興味を持つ学生が東北でも増え,非常に熱いものを感じました。それにしても昔では到底考えられないような新しく教育施設が出来ていてびっくり。最近の学生さんは恵まれてるな−。
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by dobashinaika | 2015-11-02 18:31 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

日本の85歳以上心房細動患者の脳卒中発症率は85歳未満より高いが大出血率は同じ:Chest誌

Clinical characteristics and outcomes in extreme elderly (age ≥85) Japanesepatients with atrial fibrillation: The Fushimi AF Registry
Yugo Yamashita et al
Chest. 2015 Jul 16. doi: 10.1378/chest.15-1095.


背景:85歳以上の超高齢者への抗凝固療法はチャレンジングである

方法:
・FUSHIMI AFレジストリー:2011年3月〜2014年7月。3304例
・同レジストリーでの85歳以上の超高齢者(479例、14.5%)の特徴とアウトカムを比較

結果:
1)超高齢者は合併症、高リスクスコア例が多いが、抗凝固療法例は少ない

2)平均追跡期間2.0年

3)全死亡17.6、脳卒中/全身性塞栓症5.1、大出血2.0/100人年

4)超高齢者のハザード比:脳卒中/全身性塞栓症+全死亡3.20、脳卒中/全身性塞栓症2.57、死亡率3.48

5)大出血は85歳以上と未満で同じ

結論:今回のコホートでは、日本の超高齢者心房細動患者の脳卒中発症は高頻度、大出血は若年者と変わらない。

### 非常に貴重なデータです。日本人の超高齢者心房細動患者のデータはおそらく初ではないでしょうか。

本文を見ますと、85歳上のコホートは平均CHADS2スコア2.8点。抗凝固率41.3%(ワルファリン38.3%、ダビが途端2.5%、イグザレルト0.2%、アピキサバン0.0%)です。

85歳以上の人はそれ未満に比べて、脳卒中/全身性塞栓症は2.6倍、大出血は同じということです。

有名なSingerらのネットクリニカルベネフィットは高齢者ほどベネフィットが大きく、その根拠はやはり高齢者ほど脳卒中が多く出血は年齢に散れてそれほど増えないためとされています。最近のアジアの大規模コホート研究でも、高齢になるに連れ脳卒中/全身性塞栓症リスクは増加しますが大出血リスクは年齢との相関はないことが明らかになっています。
http://dobashin.exblog.jp/19554092/

こうしてみると各種エビデンスからは、高齢者でもしっかりと抗凝固を行って脳梗塞を予防するという方向性が示されていると言っても良いと思われます。

町医者としては、こうした超高齢の認知症の程度、転倒リスク、服薬管理者、アドヒアランス、抗凝固療法を行っていない場合の理由など、よりナラティブな実情も知りたいところです。

$$$ 好物のロマネスコと自家製ミニトマト、それにもずく。健康的な夕食^^
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by dobashinaika | 2015-07-23 21:27 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

日本の代表的心房細動登録研究では未治療時の年間脳梗塞は1.3%と低い:CJ誌

Incidence of Ischemic Stroke in Japanese Patients With Atrial Fibrillation Not Receiving Anticoagulation Therapy.
Suzuki S et al
Circ J. 2014 Dec 11


疑問:日本人の心房細動で抗凝固療法なしの場合の脳梗塞発症率は?

方法:
・Shinken Database (n=1,099), J-RHYTHM Registry (n=1,002), and Fushimi AF Registry (n=1,487) の3登録研究のうち、抗凝固療法を受けていない人の虚血性脳卒中の発症率を検討

結果:
1)全3588例、平均68.1歳、平均追跡1.4年

2)虚血性脳卒中:13.3/1000人年 (10.5-16.8)

3)CHADS2スコア別:5.4(0点), 9.3(1点),24.7(2点以上)

4)CHA2DS2-VAScスコア別:5.3(0点), 5.5 (1点), 18.4 (2点以上)

5)虚血性脳卒中/全身性塞栓症の既往(ハザード比3.25)、75歳以上(2.31)、高血圧(1.69)は虚血性脳卒中の独立した予測因子

結果:CHADS2スコア2点以上以外の日本の非弁膜症性心房細動患者では、虚血性脳卒中の発症率は低い。このプール解析では、虚血性脳卒中/全身性塞栓症、高齢、高血圧が虚血性脳卒中の独立した予測因子

### 日本を代表する3つの心房細動登録研究のプール解析で、極めて貴重なデータです。
3つのコホートは年齢や危険因子が異なっており、年齢はShinkenで68歳、Fushimiは73歳でした。

やはり日本人は虚血性脳卒中リスクが低いのです。
例えばCHA2DS2-VAScスコア1点の65〜74歳の発症率は9.8/1000人年、約1%です。
有名なデンマークのコホート研究では65〜74歳の発症率は2.88%ですのでだいぶ違います。
http://www.bmj.com/content/342/bmj.d124.full

年間1%だと、ワルファリンで70%相対危険が減ってもワルファリンで助かるひとは年間0.7人で、これだと頭蓋内出血とトントンかもしれません。

今回データでの高血圧例の発症率は1.83%、糖尿病例は1.89%ですので、出血リスクが低ければまあまあ抗凝固療法のベネフィットが上回るかくらいですね。

CHADS2スコア別のイベント(虚血性脳卒中)率も出ていて、
0点:0.54%、1点:0.93%、2点1.54%、3点2.66%、4点6.05%、5点3.89%、6点7.24%でした。

CHADS2スコアのもとになったJAMAの元論文では
0点:1.9%、1点:2.8%、2点4.0%、3点5.9%、4点8.5%、5点12.5%、6点18,2%で点数の2倍と覚えろと言われていましたので、これより半分〜2/3以上少ない感じですね。この論文のコホートは2点以上が66%と高リスク集団ではあります。

また糖尿病、女性、心不全、虚血性心疾患、抗血小板薬使用は統計上は独立した予測因子ではありませんでした。

こうした違いが何に由来するのか。以前の論文よりも血圧管理その他の脳梗塞予防治療が行き届いてきている可能性などが推測されますが、検討すべき余地は大いにあると思われます。

もちろんこの3つのコホートはそれぞれ背景がかなり違いますし、抗凝固療法を施行していない患者は、血圧も糖尿病も管理良好な例にほど多いという選択バイアスなど考える必要はあります。

まず利用できるメッセージとしては、あらためてCHADS2スコア2点以上なら抗凝固療法をしっかりすること、1点では高血圧、75歳以上を特に重視すること、ですね。反対に「65歳〜74歳」は、ややゆっくり考えても良いのかもしれません。

まだまだ読み解きがいのあるペーパーです。

$$$ 最近は日の出が6時40分ころなので、ちょうど散歩中に日の出を見られたりします。平日の朝、街なかから登ってくる太陽を見るのはちょっと感動しますよ。
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夜は、雪のページェントでした。
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by dobashinaika | 2014-12-17 23:33 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)

日本の現場での心房細動抗凝固薬使用状況とアウトカム:伏見AFレジストリー1年後の結果:CJ誌

Inappropriate Use of Oral Anticoagulants for Patients With Atrial Fibrillation
– 1-Year Outcomes of the Fushimi AF Registry –
Masaharu Akao et al
http://dx.doi.org/10.1253/circj.CJ-14-0344


疑問:日本のコミュニティーにおける抗凝固療法の現状はどうか?

方法:
1)FUSHIMI AF Registry登録患者3282人(伏見区人口283,000人)を1年間追跡
2)アウトカム;抗凝固薬の服用状況、脳卒中、大出血

結果:
1)2,914人追跡:追跡率88.8%

2)抗凝固薬の使用:1546人53.1%:大多数がワルファリン
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3)PT-INRの至適範囲内患者:54.4%(日本のガイドライン基準に基づく)

4)脳卒中;抗凝固薬内服者2.7%vs. 非内服者2.8%:有意差なし

5)虚血性脳卒中:内服者2.1% vs. 非内服者2.0%:有意差なし

6)大出血:内服者1.4% vs. 非内服者1.5% :有意差なし
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結論:FUSHIMI AF Registryは、日本の都市のコミュニティーにおける心房細動管理の現在をユニークに切り取っている。本研究では、心房細動患者に対する抗凝固薬の不適切な使用が明らかになり、ガイドラインとリアルワールドの不一致が示された。

### 国立病院機構京都医療センターの赤尾先生のグループから伏見AFの1年後フォローアップデータが発表されています。既に今年の日本循環器学会で発表され、本ブログでも取り上げさせていただきました。

確認事項ですが、抗凝固療法施行率は登録時は53.1%、1年後は54.6%でした。使用薬剤の50%がワルファリンで、ダビガトランとリバーロキサバンは数%でした。のこり30%程度は抗血小板薬でした。またPT-INRのデータは登録時のワンポイントのものとのことです。

本文をさらに読みますと、CHADS2スコア2点以上の患者では使用率がやや増えますが、それでも3点以上で68%、代わりに0点でも40%弱の人に抗凝固薬が処方されていました。

ワルファリンからNOACへの切り替えは約5%の患者にしか見られず、ダビガトラン開始者の23%が何らかの理由で内服を中止しました。また10%の人がNOACを新規で処方されましたが、やはり新規も大部分はワルファリンでした。なお登録期間は2011年3月〜2012年10月までの患者さんですので、そこから1年ということは、ダビガトラン発売開始直後から、リバーロキサバン発売1年半後までの期間が含まれることになりますね。

さらに、PT-INRはガイドラインで定められた至適範囲にあった患者さんは、70歳未満では26.5%に過ぎず、逸脱者の大半は2.0より低めに管理されていたとのことです。

そして、やはり衝撃的だったのは、この集団内では抗凝固療法をしてもしなくても、脳卒中と大出血の発現率に差がなかったということですね。
ただし、表2でもあるように、実際は抗凝固療法を受けていない層というのは、低年齢で、心不全や脳卒中の既往のない例が多く、より低リスクの患者さんが多く、患者背景は異なっているということはできます。

それにしてもRELY試験ではダビガトラン150mgの脳卒中発症率は年間1,11%(ワルファリンでも1.71%) ですので、それらのいずれよりも伏見の抗凝固療法群は発症率が多いです。一方、大出血はRELYのダビ110では2,71%、ARISTOTOLEのアピキサバンでは2,13%ですから、本研究の1.4%はかなり低いことになります。

個人的に興味深かったのは、表2で抗凝固療法のインセンティブは男性、年齢、心不全、脳卒中の既往、持続性かどうかが関与しており、高血圧、糖尿病は影響していなかったといことですね。こうしたデータなど、現場の感覚が肌で伝わってきます。

70歳未満でもINR1.6~2くらいを目指してワルファリンを出している。高血圧や糖尿病だけの人にはなかなか手を出さない。この論文を読んでいると私自身も確実に持っている、そういうリスク回避の心象が、はっきり浮かび上がります。

スコアマッチングさせての比較だとどうなるのか。NOAC登場で今後この数値がどうなるのか。興味がつきません。
by dobashinaika | 2014-06-27 23:25 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

心房細動における病診連携の島宇宙:伏見レジストリーを介した病診連携

本日(3日)は、国立病院機構京都医療センターの赤尾昌治先生を仙台にお迎えして、伏見AFレジストリーの登録後1年のアウトカムと、心房細動の病診連携のお話を聞くことが出来ました、

赤尾先生は、日本の最前線の医療現場を最も反映している伏見AFレジストリー<を統括され、結果を精力的に発表されている先生です。拙著「プライマリ・ケア医のための心房細動入門」にも伏見のデータを何回も引用させて頂いており、日本のAF診療の実態を語る上で欠かすことのできない研究です。

まもなく論文化されるとのことで、あまり詳細は書けませんが、全登録症例3985例でそのうち67/77施設が開業医です。
https://edmsweb16.eps.co.jp/edmsweb/002001/FAF/top.html

興味深かった点として

1)抗凝固療法ありの群が55.0%で、1年前の登録時とほぼ同じ
2)脳卒中発症率は抗凝固あり群と無し群で有意差なし
3)大出血も有意差なし

ということです。もちろん無作為割付ではないので抗凝固あり群のほうがCHADS2スコアは高く、年齢も高いという点は考慮しなければなりません。
そう言いう意味では、高リスク群でも出血はふやさず、塞栓症はリスクの分を考えると減らしているということもできるため、ある意味絶妙なところでのINRなどがコントロールされているとも言えます。ただやはり基本的に、日本の医師の抗凝固療法はunderdoseだということは言えるでしょう。

PT-INRの管理状況や血圧の管理状況など知りたいとことです。

また、赤尾先生の施設では、周辺開業医と連携し、まず心房細動患者を診たら、1回は紹介してもらうようにしそこで初期評価と抗凝固薬の導入を行い、3ヶ月後に逆紹介の形をとっているとこのです。

常々思っていることですが、プライマリ・ケア医で循環器に詳しくない先生は、正直なところワーファリン導入は相当荷が重いし、NOACの使い分けも難しいと思います。たとえば、これだけNOACが宣伝されワーファリンと3つのNAOCの特徴は分かったとしても、いざ処方となるとあまりにも副作用のインパクトが強く、経験のない先生には非常に敷居が高いと思われます。

そういう時、赤尾先生のように、全幅の信頼をおいて診て頂ける専門医の先生がお近くにいらっしゃづるだけで地域の心房細動診療レベルは相当向上するように思います。

仙台でも、仙台循環器病センターの藤井先生が心房細動外来を開設されております。

とかく開業医は、「心房細動くらいで」と思いがちですし、患者さんも特に無症候性の永続性心房細動のかたなどは、症状もないのに、大病院に紹介されるのは非常に面倒を感じるかもしれません。

しかし、例えば臨床的に胸部写真で異常陰影が見つかれば必ず呼吸器専門施設に紹介するわけで、心房細動も抗凝固しないことのリスクは異常陰影を放置するリスクとは全然違いますが、ものすごくかけ離れてもいない(すみません、しっかりした根拠持ってないですが)と思われます。

患者さんにことの重要性をしっかり認識していただく、そして初期段階で専門医に紹介する。こうしたシステムの構築が各地域でできれば脳塞栓症もかなり減るかもしれません。

それには、開業医と専門医の地域での顔の見える関係が何より大切かと思います。

今後ますます、地域の中核病院を核にしての、周辺の開業医が回りにある島宇宙のような連携集団が日本各地にでき、心房細動のみならず勉強会を含めて医学医療全般の地域活動のCOREになっていくようなシステもが模索していければと思います。問題は、日本の都市部の場合、地域の核となる病院が地域にいくつも病院があり、分野ごとに核となる病院が違うことですが。
by dobashinaika | 2014-06-04 00:45 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

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