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心房細動患者の死因上位は心臓突然死と心不全,脳卒中は少数:RCTメタ解析


Causes of Death in Anticoagulated Patients With Atrial Fibrillation
JACC Volume 68, Issue 23, December 2016 DOI: 10.1016/j.jacc.2016.09.944


疑問:抗凝固療法下の心房細動患者の死因は何か

E/C:DOAC対ワルファリンのRCT登録患者

O:死亡率,補正後の死因

T:メタ解析

結果:
1)4RCT, 71,683人

2)死亡率9%,補正後死亡率4.72%/年 (4.19-5.28)

3)心臓死:46%,非出血性脳梗塞/全身性塞栓症:5.7%,出血関連死;5.6%

4)生存例に比べ死亡例では:心不全の既往(OR1.75),持続性/永続性心房細動(OR1.38),糖尿病(OR1.37),男性 (0R1.24),高齢者 (3.2歳高),CrCl低値 (-9.9)

5)死亡率減少はDOAC> ワルファリン:-0.42%/年。多くは出血の減少による
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結論:最近の心房細動トライアルでは,多くの死亡は心臓死であり,脳卒中や出血由来は小さな層にとどまる。抗凝固療法を超えた介入が心房細動の死亡率減少には必要。

### 死因をよく見ると,心血管系では,血管死64%,心臓死46%,突然死/不整脈28%,心不全15%,心筋梗塞3%(重複あり)。非心血管系では,悪性腫瘍11%,感染症9%,呼吸器疾患3%とのことです。

抗凝固療法をしっかり行っている場合,心房細動患者の死因は脳卒中や出血以外であるという,以前から言われているfactのまとめですね。死因の半分は心臓死で多くは突然死か心不全です。突然死には虚血が多く含まれていると思われますので,結局抗凝固をしっかりやったあとは動脈硬化の危険因子と心不全に注意せよという。当たり前のしかしながら重大で怠りがちなTake home messageです。

DOAC vs ワルファリンの差は年間0.4%ですが,虚血の危険因子と心不全管理をガッチリやればこの差は余り大きくないようにも思えますが。例えばこのメタ解析は100%抗凝固施行(脱落はある)ですが,以下の登録研究では抗凝固率60%で死亡率は同じかむしろ少ないような数字ですね。

by dobashinaika | 2016-12-08 22:25 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

心房細動例の死亡原因1位は心不全の30%,脳卒中は8%:Lancetより

Occurrence of death and stroke in patients in 47 countries 1 year after presenting with atrial fibrillation: a cohort study
Lancet Published Online: 08 August 2016

目的:世界全体での心房細動の長期予後について解析

方法:
・世界47カ国において心房細動/粗動で病院救急外来を受信した15400例対象
・一次アウトカム:受診1年後の死亡及び脳卒中
・北米,西ヨーロッパ,オーストラリアをレファレンスとした
・2007〜2011年登録

結果:
1)1年死亡率:11%

2)心房細動が主診断例のほうが,二次的な心房細動例に比べ死亡率が少ない(3%vs16%,p<0.0001)

3)南米とアフリカは北米,ヨーロッパ,オーストラリアに比べ死亡率大(17%,20%vs10%,p<0.0001)

4)死亡原因:1位心不全30%,2位脳卒中8%

5)死亡の4%は1年以内

6)1年以内死亡率も二次的心房細動のほうが多い

7)脳卒中順位:1位アフリカ8%,2位中国,東南アジア7%,最低インド1%未満

8)北米,西ヨーロッパ,オーストラリアの脳卒中率は3%

結論:心房細動例の脳卒中と死亡率は地域間で大きな,臨床的な変数では説明の付かない差異がある。心不全による死亡抑制が心房細動治療の大きな優先事項になるべき。

### 全世界的に見ても心房細動の死亡原因は心不全であって,脳卒中ではないということですね。抗凝固療法の普及の他に,地域格差の原因としては,医療水準や教育経済的格差など様々な要因があるのでしょう。

やはり心房細動治療も,抗凝固時代から心不全最優先時代に入ってきたと言っても良いと思われます。

$$$ ときどきうちの庭をゆうゆうと散歩するネコ。鼻をブーブー鳴らしていましたが,最近治っているようです。
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by dobashinaika | 2016-08-15 22:59 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

心房細動の死因の第1位は心不全と悪性腫瘍。脳梗塞は5.1%:GARFIELD-AFより

Two-year outcomes of patients with newly diagnosed atrial fibrillation: results from GARFIELD-AF
European H J First published online: 29 June 2016


目的:リアルワールドでの抗凝固療法下の心房細動症例におけるアウトカムはどうなっているのか

方法:
・GARFIELD-AF登録研究:日本を含む50カ国,1000以上の施設から非弁膜症性心房細動患者55,000例を前向きに登録し,抗凝固療法の管理と転帰を評価する世界規模の登録研究
・17,162人を対象
・ベースラインリスクとアウトカムの関係を解析

結果:
1)平均年齢69.8歳,平均CHA2DS2-VAScスコア3,3点,平均追跡期間2年

2)抗凝固療法60.8%,抗血小板療法のみ27.4%,抗凝固療法なし11.8%

3)全死亡:3.83/人年,脳卒中/全身性塞栓症1.25/人年,大出血0.70/人年

4)上記アウトカムは,それも最初の4ヶ月が最も高率

5)全死亡原因の内訳:心不全,急性冠症候群,突然死,悪性腫瘍,呼吸不全,感染症/敗血症が全体の65%,脳梗塞は10%未満

6)抗凝固療法により死亡率は36%減少

結論:3大アウトカムのうち,最も高頻度だったのは全死亡で,明らかに抗凝固療法とは関係ない項目だった。このことは非弁膜症性心房細動のアウトカム改善にはより包括的なアプローチが必要であることを示唆する。抗凝固療法に加えて,目標となる合併症への介入,特に死亡の危険因子での介入は必要である。

### より詳しく死因を見ると,心血管死40.5%に対し,非心血管死は35.8%でした。脳梗塞は5.1%,最多(その他を除く)は心不全と悪性新生物の10.8%でした。

これまでもいろいろな統計が示すように,ある程度抗凝固療法が施行されている心房細動では,脳梗塞が死因の第一ではなく心不全やがんなどが最多となるわけですね。でも抗凝固施行率60%ですので,まだまだ助けられる命はあるように思われます。また特に心房細動の心不全には今後ますます留意が必要と考えます。

ちなみに抗凝固の内訳はVKA50%,Xa阻害薬5.5%,直接トロンビン阻害薬5.3%

$$$ことしの初収穫!やっぱり,味,食感,そして達成感などなど,どれをとってもとれたての野菜に優るものはないのです^^
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by dobashinaika | 2016-07-10 22:43 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(2)

心房細動、抗血小板療法に関する原稿を書かせていただきました。

最近心房細動や抗血小板療法の関して、以下に記事を書かせていただきました。
機会がありましたら、ご高覧下さい。

循環器急性期診療 - Critical Care Cardiology - 編集:香坂 俊 慶應義塾大学医学部循環器内科(株式会社メディカル・サイエンス・インターナショナル)
「心房細動・長期予後」

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糖尿病診療マスター 2015年08月号 (通常号) ( Vol.13 No.8)(医学書院)
特集 糖尿病から脳を守る
「糖尿病と心房細動と脳梗塞」

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CardioVascular Contemporary 2015 Vol.4/No.2(メディシンラトル)
特 集「 アスピリン後の世界 」
〈巻頭座談会〉血管病変治療におけるアスピリンの功績と、これからの抗血小板療法
実地臨床における抗血小板薬選択のポイント

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Cardio-Coagulation-循環器における抗凝固療法 2015年7月号(Vol.2 No.2)(メディカルレビュー社)
Round Table Discussion:後期高齢・超高齢者に対する抗凝固療法

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by dobashinaika | 2015-07-30 18:21 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

心房細動関連脳梗塞後の長期予後:Neurology誌

Neurology 3月25日号より

Long-term survival after ischemic stroke in patients with atrial fibrillation
Neurology March 25, 2014 vol. 82 no. 12 1033-1037


【疑問】心房細動患者の脳卒中後の長期予後はどうなのか?

E:コンピューターデータベース中の心房細動13,559例のうち虚血性脳卒中と診断できた1,025例:平均6年追跡

C:年齢、性別、人種、合併症、登録期間をマッチさせた対照群

O:(イベント後の)生存年。

【結果】
1)生存年平均値1.8年vs. 対照群5.7年:HR2.8 (2.5-3.2)

2)初回脳卒中から6ヶ月生存舌576例の解析後でさえ全死亡の増加を認めた;HR2.0(ワーファリン使用で補正後)

3)死亡リスクは脳卒中重症度と強い相関あり

【結論】
虚血性脳卒中は心房細動患者の死亡率を3倍にする。この影響は長期に渡っており、脳卒中後の障害程度と強く相関する 。30日生存率に限っても通常考えられているより抗凝固療法の効果大きい

### 多くが心原性脳塞栓と思われます。心房細動の方が脳梗塞を起こすと、その後平均1.8年しか生きられないー。これはそうなのですね。
久山町研究でも1年生存率は50%。こうした数字は個人的に実際します。

これまでさまざまな心原性脳塞栓症患者さんを見させていただきましたが、開業してからは床上生活の方を往診で診させていただく機会が多いです。むしろ1.8年は正直これでも長いとも思います。やはり肺炎や心不全の合併が問題となるケースが多いです。

心原性脳塞栓は、やはりそうなる原因がそれなりにあって、INR管理が甘かったり、何らかの理由で服薬を中断した場合など、やはりあとから反省すべき点も多いと思われます。

1.8年という数字を改めて心に留めたいと思います。
by dobashinaika | 2014-04-08 23:21 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

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