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心房細動脳梗塞後のワルファリンは心血管イベントや死亡率減少に明らかに関連あり:BMJ誌

Real world effectiveness of warfarin among ischemic stroke patients with atrial fibrillation: observational analysis from Patient-Centered Research into Outcomes Stroke Patients Prefer and Effectiveness Research (PROSPER) study
Ying Xian et al
BMJ 2015; 351 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h3786 (Published 31 July 2015)


目的:一般住民における、ワーファリン治療と虚血性脳卒中後のアウトカムの関係を評価

デザイン:観察研究

セッティング:the Get With The Guidelines (GWTG)-Stroke program (2009〜2011年、米国)参加の1487病院

参加者:メディケア受給者。虚血性脳卒中で入院した、ワーファリンナイーブの心房細動患者。退院時のワルファリンあり、無しで2群に分類

主要アウトカム:メジャー心血管イベント(MACE)、退院後次回入院までフリーの時間

結果:
1)ワルファリン使用者;全12552人のうち11039人、88%

2)ワルファリン群の方がやや若く、脳卒中、冠動脈疾患既往例は少ない。脳卒中重症度は同じ

3)次回入院までの時間:ワルファリン群のほうが47.6日(平均2年間で)長い

4)MACE:ワルファリン群で少ない:ハザード比0.87(0.78-0.98)
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5)全死亡:ワルファリン群で少ない;ハザード比0.72(0.63-0.84)

6)虚血性脳卒中再発:ワルファリン群で少ない:ハザード比0.63(0.48-0.83)

7)年齢、性別、脳卒中重症度。冠動脈疾患の既往などのサブグループでも同様の結果

結論:心房細動合併虚血性脳卒中の患者においては、ワルファリン治療は長期アウトカムを改善し在宅期間を延長させる。

### まず確認すべき点として、平均年齢が両群とも80歳以上であり、かなり高齢者を対象とした研究であることがわかります。

2年間の絶対数を見てみると,MACEはワルファリン群で54.7%、非ワルファリン群で66.8%とかなり多いです。

一度脳梗塞を起こした症例の再発率は、ワルファリンをしていても8%程度、なにもしないと12%にも登ります。一方出血性脳卒中は両群とも1%ちょっとです。

このことは80歳以上のひと(全体の52.5%!)でこそよく当てはまることが示されています。

残念ながらTTRが明らかになっていませんが、少なくともRCTよりは劣ると思われます。それでもとにかく脳卒中既往例はワルファリンでいいから投与すべきであるということが厳然と示されたものと思われます。

脳梗塞後の重症度と抗凝固療法の関連はこちら
http://dobashin.exblog.jp/21096293/

日本での脳梗塞後患者の抗凝固薬使用の内訳はこちら
http://dobashin.exblog.jp/20710237/

海外での脳梗塞後の抗血栓療法の実態
http://dobashin.exblog.jp/20463616/

脳梗塞直後の抗血栓療法のアウトカムはこちら
http://dobashin.exblog.jp/15188394/

### 昨日は、私にとっては毎年の特別な日でした。早朝、七夕に飾られた大崎八幡宮に赴き、お祈りしました。
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by dobashinaika | 2015-08-03 22:13 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

心原性脳塞栓患者の重症度は抗凝固薬によって違うのか:JSCD誌

Severity and Functional Outcome of Patients with Cardioembolic Stroke Occurring during Non-vitamin K Antagonist Oral Anticoagulant Treatment
Hirofumi Tomita et al
Journal of SCD


疑問:心原性脳塞栓を起こした人の重症度は抗凝固薬により違いがあるのか

方法&結果:
・mRSスコア1点以下の心原性脳塞栓発症48時間以内の患者連続355例
・抗凝固なし262例、ワーファリン低INR(入院時INR1.6未満)63例、 ワーファリン至適INR(1.6以上)16例、NOAC14例

・NIHスコア:ワーファリン至適群及びNOAC群<抗凝固なし群およびワーファリン低INR群
・退院時身体機能:ワーファリン至適群及びNOAC群>抗凝固なし群およびワーファリン低INR群
・mRSスコア1点以下:ワーファリン至適群63%及びNOAC群64%>抗凝固なし群31%およびワーファリン低INR群33%
・薬剤管理は、NOACの服薬状況に関連

結論:心原性脳塞栓患者の脳塞栓重症度と機能アウトカムはワーファリン至適INR群とNOAC群で同じ。ワーファリン低INR群と抗凝固なし群よりは良い。

###こちらは、いつもの趣味のブラウジング。興味深い論文があったので、アップしました。

適切に抗凝固薬を使っていればたとえ脳塞栓が起きても、投与なしまたはアンダードーズよりは重症度は軽い。ということです。
対象数が少なめで観察研究ですので、参考としますが、NOAC群の中に低用量群はどの程度あったたのかが知りたいところです。
by dobashinaika | 2015-04-07 23:15 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

脳卒中後の心房細動を見つけるのに脈を取ることが有用:Stroke誌

Neurology 10.1212/WNL.0000000000000690

Peripheral pulse measurement after ischemic strokeA feasibility study
Bernd Kallmünzer et al


方法:
・三次脳卒中センター患者を含む脳卒中後患者256名
・患者さん、及びその家族に脈拍の測り方と心房細動の脈の特徴を教育
・参加者の脈を医療のプロと患者とが同時に測り、心電図所見と比較

結果:
1)脈拍測定の感度:医療プロ96.5%、患者家族76.5%、患者自身54.1%

2)脈拍測定の特異度:医療プロ94.0%、患者家族92.9%、患者自身96.2%

3)患者自身の測定時:偽陽性率=6例、2.7%、陽性的中率76.9%、陰性的中率90.0%

結論:脳卒中後の心房細動患者の心電図診断に至るガイドとして、末梢の脈を取ることが簡便で有用であり、非侵襲的な第一選択のスクリーニングとして、低い偽陽性率をもって提示された。

このデータは前向き試験の存立根拠となりうるし、現に進行中であるエビデンスレベル:クラスI

###偽陽性が2.7%とはすばらしいです。感度が低いのは、心房細動なのに心房細動と診断されない事が多いことを示しますが、やはり脈が飛び飛びでも、意外と不規則性には気づきにくい場合が多いからだと思われます。逆に、脈が整であれば、それを心房細動と診断することは少ないということになります。おそらく心房期外収縮の連発などが偽陽性となるものと思います。

ペースメーカー患者さんに自脈を取ることをよく勧めますが、かなり脈が取りにくい人でも、ペースメーカーの状態を知ることの大切さがわかっているため、何回も脈を取ることで、習熟されてくることを実感します。同様に心房細動と診断することの重要性を、患者さんによくわかってもらうことがこのプロジェクトの鍵を握るのかと思います。

なかなかわかりにくい方がおられるのも事実ですが。。

関連論文
http://dobashin.exblog.jp/17677394/
by dobashinaika | 2014-07-28 20:04 | 心房細動:診断 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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