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製薬企業をスポンサーとするDOAC/NOAC関連イベントと処方数,もしくは医師の生涯学習のあり方


目的:製薬企業をスポンサーとするNOAC関連イベントの質,数,内容を明らかにする(オーストラリア)。それらとNOACの消費量とを比較する。

デザイン&セッティング;
・Australian pharmaceutical industry transparency reportsのデータからのcross-sectional study
・2011年10月から2015年9月までのNOAC関連イベント,および2011年4月から2016年6月までのNOAC消費量(Australia’s Pharmaceutical Benefits Scheme (PBS)による)を調査

主要アウトカム:
NOAC関連教育イベントの特性,内容,コスト,頻度,参加者の情報,NOACの消費率

結果;
1)イベント数:2797イベント(月平均45件)

2)コスト:$A10 578 745(約7億5700万円:1豪ドル=71.6円として)。うち飲食代:$A4 23
8 962(約1億7千万円)

3)対象:GP(42%),循環器専門医(35%),血液専門医(23%)

4)場所:48%が診療外:レストラン,バー,カフェ

5)形式:55%がカンファランス,ミーティング,セミナー

6)2つのイベントにおいては,認可されていない適応や(NOACに)好ましい利益/害のプロフィールが提示され,スピーカーは製企業と親密な関係であった。

7)NOAC関連イベント数とNOAC処方数は経時的に増加した
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リバーロキサバン

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アピキサバン

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ダビガトラン

結論:4製薬企業によるNOAC関連イベントの莫大な資金は,販売促進目的であることが示された。医療従事者は,新しく提供された薬剤については例えば官庁などからの,(製薬企業から)独立した情報を探索すべきである。

### 著者はシドニー大学の薬学センター/薬学部の先生です。
NOAC関連イベントが月平均45件とのことですが,日本では例えば今年9月の仙台だけでも私の知る限り5-6件くらいあります(最近少なくなったとはいえ)。発売当初2−3年はそれは大変な数でした。日本全国でみるとオーストラリアをかなり凌駕する(数倍?)くらい開催されているのではないでしょうか。また費用もこれよりかなり多いかと思われます。
場所はレストランなどが多いとのことですが,日本はホテルが圧倒的に多いですね。最近はWebカンファランスも増えています。

しかしこの論文では相当手厳しく実例が挙げられています。2014年のEuropean Haematology Association’sのあるセミナーでは5人の講演者全員が製薬企業から講演料,研究グラント,相談業務を受けていて,一人の講演者は「NOACは禁忌は完全にない」,他の講演者は「小児にも ‘last resort therapy’として使える」と言った,などと生々しいレポートが記載されています。イベント数と薬剤消費量は直接関連があるかどうか不明ですし,結論最後の政府関連情報を,というのも違うかもしれないとしても,考えさせられます。

私自身,NOAC発売は医療従事者の生涯学習のあり方について深く考えさせられる契機となりました。新薬に関してはやむを得ない面はあるにせよ,とくに開業医では生涯学習(特に薬剤について)において製薬企業ベースの講演会が大きな位置を占めているのは否めません。自分でエビデンスを探すよりもいろんな意味においてconvinientです。

しかし著者も指摘しているように,そうした情報は数々のバイアスが入り込みやすいということは十分知るべきでしょう。日本ではオピニオンリーダーと呼ばれる医師が上記のような講演会のスピーカーとなっており,バイアスを見分けるのは非専門家にはかなり困難な状況と考えます。

新たな勉強法としては,日々の診療で発生する疑問を解決するために1)ネット(UpToDateなど)やSNSを参考にしていわゆるパーソナルナレッジベースをつくる 2)近所の開業医仲間で小さい勉強会を開いて問題解決を図る,などが考えられます。

コンプライアンスの関係や時代の流れから見て,おそらく製薬企業関連教育イベントは希少になっていくものと思われます。自ら主体的に学ぶ姿勢の探索が求められます。

開業医の生涯学習については,後日まとめて書くつもりです。

$$$ 今日のニャンコ
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by dobashinaika | 2019-08-30 08:29 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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