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心房細動患者の死因は何か?ROCKET-AF試験から:JAHA誌

Cause of Death and Predictors of All‐Cause Mortality in Anticoagulated Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation: Data From ROCKET AF
J Am Heart Assoc. 2016 Mar 8;5(3).

疑問:心房細動患者の死因は何か?

方法:
・ROCKET-AF試験参加者
・ITT解析をしえた患者の死因を検討

結果:
1)参加者プロフィール:平均73歳、CHADS2スコア3.5、1.9年以上追跡

2)1214人8.6%死亡。1年間4.2%、2年間8.9%

3)死因:大部分は心血管死(72%)、非出血性脳卒中および全身性塞栓症は6%のみ

4)リバーロキサバンとワルファリンで死亡率に有意差なし

5)心不全(ハザード比1.51)、75歳以上(ハザード比1.69)は死亡に大きく関連

6)腎機能低下、COPD、男性、末梢血管疾患、糖尿病も死亡に関連

結論:抗凝固療法中の非弁膜症性心房細動患者における死亡原因は、約7割が心血管死で、非出血性脳卒中や塞栓症は1割以下。心不全、腎不全、COPD、糖尿病への適切な対処が心房細動の死亡率を改善する可能性あり。

### 本文で死因の内訳をもう少し見てみますと、「突然死または目撃者のない死亡」が最も多く、次いで心不全で、脳卒中はかなり低めでした。

「突然死/目撃者のいない死亡」の中には心筋梗塞や不整脈死、あるいは心不全死も含まれている可能性があります。

RELYでも同様の解析がなされ、これまた同様な結果が出ています。
http://dobashin.exblog.jp/18603453/

同様の研究、論説は以下
http://dobashin.exblog.jp/17627741/
http://dobashin.exblog.jp/17196337/

表から単純計算すると、「突然死または目撃者のない死亡」が30%程度、「心不全」が14%、非出血性脳卒中が6%くらいですが、抗凝固薬投与下でこの数字であることは一応注意したいところです。もし抗凝固薬がなければ死亡率はもっと増加すると思われます。(若干表現を訂正しました。)

ですので抗凝固薬が重要なことは間違いない。しかし抗凝固の適応が明確になった今の時代、もはや心房細動治療は抗凝固以外のジェネラルな視点でとらえよという、当たり前のメッセージの再確認です。その際は心不全、COPD、糖尿病を特に。

$$$ 突然庭先にバサバサという音が。見上げればトンビでした。何を狙っていたのか。。
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by dobashinaika | 2016-03-16 09:42 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

心房細動を死因とする人は増えたのか?EP誌

Europace (2014) 16 (6): 797-802.

Atrial fibrillation as a cause of death increased steeply in England between 1995 and 2010Marie E. Duncan et al

【疑問】心房細動を死因とする人は増えたのか?

【方法】
・英国の公的死亡診断書から死亡の背景あるいは寄与因子を解析
・英国全体(1995〜2919年)および長期にカバーできている地方(1979〜2010年)のコホート対象

【結果】
1)心房細動を死因と言及された例(英国の1995〜2010年における45歳以上):192,770人、全死亡の0.254%

2)心房細動は全死亡のうちの21.4%で、背景因子と記載された

3)このような背景因子としての心房細動は1995〜2010年で3倍に増加:202.5人→554.1人/100万人

4)年間6.6%(6.3−7.0)の割合で増加

5)心房細動の死亡率は1990年半ばまでは明らかな上昇なし:オックスフォードにおいては100万人辺り145.4(1979年)→178.1(1995年)→505.1(2010年)

【結論】心房細動は公的な死因としてもよりコモンなものになってきている。この原因は多面的、すなわち人口学的、生活スタイル、治療の進歩及び(心房細動を取り巻く)状況の重要性が診断医に及ぼす認識の変化によっている

### やはりこれだけ心房細動がクローズアップされると、診断する医師も背景因子として当然気にするわけで、その点で統計学的に死因として寄与する割合も増えるというのが一番大きいのではないかと思われます。
私が初期研修医だった30年近く前は、今から思うと心原性脳塞栓だと思われる症例でも心房細動に起因するからなどとあまり意識することなく治療していたように思います。tPAなども当然ない時代でした。ワルファリンもあまり積極的に処方していなかった時代ですね。

その時からするとだいぶ時代は変わりました。。。
by dobashinaika | 2014-05-29 18:38 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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