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ダビガトランの日本での市販後調査6772例の中間解析:JA誌

Journal of Arrhythmia Published Online:January 16, 2016

ダビガトランの市販後調査( J-Dabigatran Surveillance )の中間解析結果が発表されてます。

方法:
・日本のNVAF例,2011年12月〜2013年11月まで登録,1042施設
・アウトカム:重篤及び非重篤有害事象

結果:
1)6772例登録。最終症例数6148例

2) 平均70.87±9.9歳。75歳以上37.8%,男66.8%

3)平均CHADS2スコア1.8点

4)ワルファリンからの切り替え:27.7%

5)アドヒアランス(投与後3ヶ月):92.0%は完全に毎日2回服用

6)重篤な有害事象:
心筋梗塞5例(0.06%),大出血46例(0.55%),胃腸障害(非出血性)11例(0.13%),死亡15

結論:この中間解析結果は先行RCTに比べ,ダビガトランがより安全なプロファイルであることを支持している。

### 日本におけるダビガトランの大規模な市販後調査データです。CHADS2スコア0点の人も11%で,0点1点で40%も占めています。
RE-LYに比べても比較的軽症例に投与されていることがわかります。

220mg/日が4560例で74%を占めています。
注目の消化管出血は上部15例,下部12例でした。頭蓋内出血は4例しかみられていません。
アドヒアランスは飲み忘れ全く無しが92%,2/3~が4.1%で非常に良好でした。
ワルファリンからの切り替え例の方がCHADS2スコア高点で慢性が多かったとのことです。

年齢で見ると65歳未満の53.9%,70歳未満の47.7%にしか300mg/日が投与されていませんでした。
腎機能でみるとClcrが30未満の禁忌例にも38例で投与されていました。

全体に110mg主体の使い方で,対象もCHADS2スコア低点例が多いため大出血も少ないものと追われます。
問題の消化管出血もあまり多くないようです。
胃腸障害は実際よりかなり少ないような印象ですが。

虚血性脳卒中の結果は発表されていませんし,もちろん市販後調査のバイアスは大きいですが,軽症例への110mgであればおそらくワルファリンと比べても安全に使えるという印象を補完してくれるデータでした。

$$$ 本日朝の医院周辺
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by dobashinaika | 2016-01-19 18:26 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

リバーロキサバン市販後調査(日本)の論文化:JSCD誌

リバーロキサバンの市販後調査がでています。

Present Profiles of Novel Anticoagulant Use in Japanese Patients with Atrial Fibrillation: Insights from the Rivaroxaban Postmarketing Surveillance RegistryJournal of Stroke & Cerebrovascular Diseases

・10038例
・2012年4月〜2013年6月

・48.9%が75歳以上
・CHADS2スコア平均2点(1〜3点)
・54.5%は他の抗凝固薬、、抗血小板薬からの切り替え
・45.3&%が抗凝固薬ナイーブ
・1039例で6ヶ月追跡完了
・本来高容量(15mg)を投与すべきにもかかわらず、1/4の例で低用量(10mg)が投与された
腎機能に加え、年齢、出血リスクのため

・大出血及び臨床上問題となる出血:36/1035
・16人中5人が抗血小板薬2剤以上併用で出血
・75歳以上あるいは50kg以下の158例のうち8例で出血
・複合エンドポント(脳卒中/全身性塞栓症、心筋梗塞):6/1034

・この登録はリアルワールドの有効性安全性を提供する

### RCTであるJ-ROCKTより平均年齢が2歳高い、腎機能は同じくらいです。最も大きなプロフィールの違いはCHADS2スコアで、こちらは0〜1点が3割程度です。

以前から指摘されているように、全くエビデンスのない「腎機能良好ながら10mgを使っているひと」がだいぶいますね。
J-ROCKETでは22.1%が10mgで140人位のデータしかないわけです。しかも全例CCr50未満です。そもそも腎機能が良好なひとで10mgで脳梗塞がどのくらいあるのか、これまで世の中に全くデータがないわけですね。

まだ有効性のアウトカムを言うだけのデータは出ていませんが、今後脳塞栓症の中にこの不適切投与例がどのくらい出るのか、注意したいところです。

先の心臓病学会で現在進行中の別の大規模登録研究(EXPAND)でも10mg投与が少なくなかったと報告されているようですね。

その他日本を代表する循環器専門施設でもかなり多いと聞いたこともあります。

これ出血リスクの過大評価の典型例ですが、降圧薬とかスタチンみたいに低用量からという発想はきっぱり捨てないといけないです。
by dobashinaika | 2014-09-30 23:05 | 抗凝固療法:リバーロキサバン | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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