人気ブログランキング |

タグ:左心耳閉鎖術 ( 3 ) タグの人気記事

脳卒中予防の費用対効果は左心耳閉鎖術>NOAC>ワルファリン:JACC誌

Time to Cost-Effectiveness Following Stroke Reduction Strategies in AF
Warfarin Versus NOACs Versus LAA Closure
Vivek Y. Reddy et al
J Am Coll Cardiol. 2015;():. doi:10.1016/j.jacc.2015.09.084


目的:左房閉鎖術の費用対効果はワルファリンやNOACに比べてどうか

方法;
・マルコフモデルで、メディケア、メディケイドの20年推測モデルを用いて、左房閉鎖術、ワルファリン、NOACの費用対効果を算出
・70歳、中等度リスク症例
・左房閉鎖術はPROTECT AF試験、ワルファリン、NOACはメタ解析のデータを使用

結果;
1)ワルファリンに比べての左房閉鎖術の費用対効果は良好(7年目)

2)ワルファリンに比べてのNOACの費用対効果は良好(16年目)

3)左房閉鎖術はNOAC(5年まで)、ワルファリン(10年まで)よりも費用対効果は良い

4)左房閉鎖術はワルファリン、NOACに比べてのQALYは良い(5.855 vs. 5.601 vs. 5.751)

5)感度分析をしても、手技費用が2倍だとしても、左房閉鎖術はワルファリン、NOACよりも費用対効果は良い

結論;NOACと左房閉鎖術は、ワルファリンに比べて費用対効果が良かった。左房閉鎖術はNOACよりも費用対効果は良く、生活の質も改善。この結果は治療ポリシーやガイドライン作成時に考慮されるべき。

### 左房閉鎖術はWATCHMAN Deviceですが、これは日本では認可されていません。日本人のデータがまだありませんので、そのまま我々の実臨床には当てはまるかどうかは不明です。その点東京都立多摩総合医療センターの大塚俊哉先生が施行されている左房切除術(W-O法)は、かなり有望と思います。

またNOACはワルファリンより16年の年月があれば,コスパが良いということのようです。16年というのをどう考えるか。あくまでシミュレーションモデル上の比較ですが。

$$$庭に侵入した”うしにゃん”。網戸越しで見えにくくてすみません。。
a0119856_23172574.jpg

by dobashinaika | 2015-11-26 23:18 | 心房細動:左心耳デバイス | Comments(0)

左心耳閉鎖デバイスWatchmanの長期成績:JAMA

Percutaneous Left Atrial Appendage Closure vs Warfarin for Atrial FibrillationA Randomized Clinical Tria
lVivek Y. Reddy et al
JAMA. 2014;312(19):1988-1998


疑問:左心耳閉鎖デバイスWATCHMANの長期成績はどうか?

方法:
・対象:18歳以上、非弁膜症性AF、CHADS2スコア≧1、ワルファリンの長期投与
・デバイス群436例:経食道的心エコーガイド下にLAA閉鎖術を施行後、45日間ワルファリン+アスピリン投与
 ワルファリ群244例:INR2〜3目標
・主要評価項目:脳卒中、全身性塞栓症、心血管死/原因不明死(複合エンドポイント)

結果:
1)平均追跡期間3.8年(2012年10月時点アウトカム)

2)イベント率:デバイス群8.4%(2.3イベント/100人年)vs. ワルファリン群13.9%(3.8イベント/人年):ハザード比0.65(0.41〜1.05);非劣性及び優越性クライテリアを満たす

3)心血管死亡率 :デバイス群3.4%(1.0イベント/100人年)vs. ワルファリン群9.0%(2.5イベント/人年):ハザード比0.40(0.21〜0.75:P=0.005)

4)全死亡率:デバイス群12.3%(3.2イベント/100人年)vs. ワルファリン群18.0%(4.8イベント/人年):ハザード比0.66(0.45〜0.98;P=0.04)

結論・臨床適用:脳卒中リスクのあるNVAFの3.8年間の追跡後、経皮的左房閉鎖術は、ワルファリンに比べ、非劣性、優越性とも複合エンドポイントのクライテリアを満たした。

### 左心耳閉鎖デバイスWATCHMANの成績です。すでに2.3年時点の結果は報告されています。
http://dobashin.exblog.jp/17206624/

今回はより長期の3.8年後の長期成績です。出血などの安全性エンドポイントは、デバイス群3.6/人年、ワルファリン群3.1/人年で非劣性(同等)でした。一番知りたい虚血性脳卒中はデバイス群5.2%、ワルファリン群4.1%で差がなかったようです。2.3年の時より安全性の差が縮まっている印象です。やはり施行後早期の手技にまつわるイベントが多いからと推測します。

私が高リスクの心房細動だったら、そうですね、ワルファリンと比べるとなるとかなり考えますね。日本人のデータがないので当然ですが。左心耳切除術ですね、自分なら

$$$ 近くの美術館にミレーを見に行ってきました。ミレーの描く農民や農村は大変敬虔で宗教的な雰囲気を醸し出しています。地平線まで続く農地、祈り、落穂ひろい。日本の農村のような、田んぼと水が主体ですぐ山に囲まれ、集約的でもっと現世的な風土とは根本的に違う世界ですね。
a0119856_22563323.jpg

by dobashinaika | 2014-12-01 22:56 | 心房細動:左心耳デバイス | Comments(0)

左心耳閉鎖術に関する賛成反対両論:Circulation誌

今週のCirculationに左心耳閉鎖術に関するコントロバーシが掲載されています。

一方は「新規抗凝固薬は左心耳切除でデバイスの必要を消滅させる」
Novel Anticoagulants Eliminate the Need for Left Atrial Appendage Exclusion Devices
Michael D. Ezekowitz and Anthony P. Kent
Circulation. 2014;130:1505-1514,doi:10.1161/CIRCULATIONAHA.114.008139


もう一方は「左心耳閉鎖術は、近年の抗凝固療法の進歩にもかかわらず、心原性脳塞栓の未だ満たされていない莫大なニーズを満たす」
Left Atrial Appendage Occlusion Addresses the Tremendous Unmet Needs of Stroke Prevention in Atrial Fibrillation That Persist Despite Recent Advances in Anticoagulation Therapy
Brian Whisenant et al
Circulation. 2014;130:1516-1523,doi:10.1161/CIRCULATIONAHA.114.008140


結論だけまとめます。

新規抗凝固薬推奨派
・NOACの普及が多数の心房細動の治療に貢献している
・左心耳閉鎖術は術者の訓練を必要とし、適応は未だに不確定
・左心耳閉鎖術は術後短期の抗凝固が必要だが、同薬禁忌には使えず
・NOACは医師、患者が使いやすくできている
・有効性、安全性もワルファリンから改善されている
・左心耳閉鎖術は良いスタディが少なく、NOACに比べて有効性は低い
・ただし両者の比較試験はない
・最近のエビデンスは、左心耳閉鎖デバイスを不要にする

左心耳閉鎖術推進派
・多くの患者は、抗凝固療法の危険にさらされる
・加齢とともに出血リスクが増える
・抗凝固下では、血栓リスク、出血リスク、心血管有害事象の恒常的なリスクがある
・永続的な抗凝固療法は、多くの満たされない臨床的ニーズを放置することである
・臨床試験は左心耳が心原性脳塞栓の病因として重大であり、左心耳閉鎖術が抗凝固療法不適合者の代替治療であることを示している
・血栓と脳卒中の巣である左心耳を1回で除去するやり方は、永続的抗凝固療法に比べで本質的に優れている
・左心耳閉鎖術と抗凝固療法や抗不整脈薬との併存も良いことが示されている
・左心耳閉鎖術は、技術とデバイスのリファインを要求する
・最近の研究は、Watchman試験の効果を強固なものにしており、今の治療戦略にどう組み込んでいけばよいかの理解を広げてくれる

### 新しいテクノロジーが登場する際、よくかわされる議論ですが、まとまっています。
ステントやアブレーションが出てきた時も、なんと危険で野蛮な、とほんとにみんな思ったわけです。

普及の鍵はやはり安全性の向上で、それにはデバイス改善と医師スキルの向上、それによる広い普及が不可欠かと思われます。

@@@今日の散歩は中島町界隈。天賞酒造の「元店舗」を移築した「八幡社の館」。堂々たる風格です。
a0119856_231778.jpg

近所の小学校の紅葉。自然のパッチワークです。なんで自然はこうも人間が「美しい」と感じるような仕方で存在するのか?いわゆる「人間原理」を信じたくなる瞬間です。
a0119856_23144277.jpg

by dobashinaika | 2014-10-24 23:18 | 心房細動:左心耳デバイス | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

プロフィールを見る
画像一覧
更新通知を受け取る

S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

カテゴリ

全体
インフォメーション
医者が患者になった時
患者さん向けパンフレット
心房細動診療:根本原理
心房細動:重要論文リンク集
心房細動:疫学・リスク因子
心房細動:診断
抗凝固療法:全般
抗凝固療法:リアルワールドデータ
抗凝固療法:凝固系基礎知識
抗凝固療法:ガイドライン
抗凝固療法:各スコア一覧
抗凝固療法:抜歯、内視鏡、手術
抗凝固療法:適応、スコア評価
抗凝固療法:比較、使い分け
抗凝固療法:中和方法
抗凝固療法:抗血小板薬併用
脳卒中後
抗凝固療法:患者さん用パンフ
抗凝固療法:ワーファリン
抗凝固療法:ダビガトラン
抗凝固療法:リバーロキサバン
抗凝固療法:アピキサバン
抗凝固療法:エドキサバン
心房細動:アブレーション
心房細動:左心耳デバイス
心房細動:ダウンストリーム治療
心房細動:アップストリーム治療
心室性不整脈
Brugada症候群
心臓突然死
不整脈全般
リスク/意思決定
医療の問題
EBM
開業医生活
心理社会学的アプローチ
土橋内科医院
土橋通り界隈
開業医の勉強
感染症
音楽、美術など
虚血性心疾患
内分泌・甲状腺
循環器疾患その他
土橋EBM教室
寺子屋勉強会
ペースメーカー友の会
新型インフルエンザ
3.11
未分類

タグ

(40)
(35)
(35)
(27)
(27)
(26)
(25)
(24)
(21)
(20)
(20)
(19)
(18)
(16)
(14)
(13)
(13)
(13)
(13)
(13)

ブログパーツ

ライフログ

著作

もう怖くない 心房細動の抗凝固療法


プライマリ・ケア医のための心房細動入門

編集

治療 2015年 04 月号 [雑誌]

最近読んだ本

ケアの本質―生きることの意味


ケアリング―倫理と道徳の教育 女性の観点から


中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)


健康格差社会への処方箋


神話・狂気・哄笑――ドイツ観念論における主体性 (Ν´υξ叢書)

最新の記事

【Apple Heart S..
at 2019-11-26 07:35
心房細動合併透析患者において..
at 2019-11-21 06:49
日本の心房細動患者の死因の半..
at 2019-11-11 07:22
CHA2DS2-VAScスコ..
at 2019-10-30 17:36
中高年開業医におけるヤブ化防..
at 2019-10-18 07:27
日経メディカルオンライン:第..
at 2019-10-15 06:26
新規発症心房細動では服薬アド..
at 2019-10-06 10:47
心房細動診断においてスマホに..
at 2019-09-19 06:30
第17回どばし健康カフェ「心..
at 2019-09-05 08:51
強い症状のない血行動態の安定..
at 2019-09-04 06:36

検索

記事ランキング

最新のコメント

いつもブログ拝見しており..
by さすらい at 16:25
いつもブログ拝見しており..
by さすらい at 16:25
取り上げていただきありが..
by 大塚俊哉 at 09:53
> 11さん ありがと..
by dobashinaika at 03:12
「とつぜんし」が・・・・..
by 11 at 07:29
> 山川玲子さん 山川..
by dobashinaika at 23:14
運慶展を観た方にWEB小..
by omachi at 19:45
> terryさん ご..
by dobashinaika at 08:38
簡潔なまとめ、有り難うご..
by 櫻井啓一郎 at 23:16
いつも大変勉強になります..
by n kagiyama at 14:39

以前の記事

2019年 11月
2019年 10月
2019年 09月
2019年 08月
2019年 07月
2019年 06月
2019年 05月
2019年 04月
2019年 03月
2019年 02月
2019年 01月
2018年 12月
2018年 11月
2018年 10月
2018年 09月
2018年 08月
2018年 07月
2018年 06月
2018年 05月
2018年 03月
2018年 02月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 03月
2007年 03月
2006年 03月
2005年 08月
2005年 02月
2005年 01月

ブログジャンル

健康・医療
病気・闘病

画像一覧

ファン