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テレビ,新聞,週刊誌,ブログの健康情報を読み解く4つのポイント

最近,SNS,ブログ,NHKの「ガッテン」などの健康情報の読み取り方がまた問題になっています。

その根底には,医療への不信,「効く」ものを渇望する不安に対し医療者が真摯に取り組んでこなかった尊師性が問われていると思われます。
もう一つは,われわれ医師の間にも,十分な吟味をせずにビデンスに基づかない過剰な検査や治療を行っている現実があると思われます。これらを正していくことも喫緊の課題ですが,健康情報をどう読み解くかをを皆で考えていくことも大切だと思います。

2年前に「テレビ、新聞、雑誌の健康情報をどう読み取るか?」に関する患者さん向けパンフレットを作りましたが,そこで挙げた「健康情報を読み解く4のポイント」を再度,紹介いたします。

【テレビ,新聞,雑誌,ブログの健康情報を読み解く4つのポイント】
紹介された情報の根拠となる研究や実験が
1)ヒトを対象としたものか
2)(薬であれば)飲んだ人と飲まない人を比べているか
3)医学論文に載ったものか(その出典を明らかにしているか)
4)複数の研究に支持されているかです。

1)紹介された研究が動物実験であれば,一旦判断保留です。

2)薬の情報のときは,その薬を飲んだ人と飲まない人とで結果を比べているかが大きなポイントになります。飲まない時のデータを対象におかない研究では,本当にその薬が効いたのか,いわゆるプラシーボ(偽薬)効果なのかがわかりません。

3)患者さんの体験談や医学博士の推薦文だけでは信頼度はかなり低いです。またたとえ学会で発表されたことを謳っていても,学会発表だけでは信頼できる根拠にはなりません。最低限査読を受けた「論文」に既に発表されている研究であれば信頼度は高くなります。そしてその論文の名前と雑誌名が記されていればより良いと思われます。

4)STAP細胞のケースでわかるように,1つの論文だけでは本当に信頼できる情報かどうかはわかりません。これまで複数の論文や学会のガイドラインに掲載され,専門家の間での推奨度が高い情報であることが必要です。「他の研究からも支持されています」「ガイドラインでも強く推奨されています」と言った記載や言い回しに注意したいところです。

厳密には医師は4)まで満たしてはじめて薬や検査についてある程度自信を持って勧めることができます。スライドにまとめました。
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以前のブログはこちらです。http://dobashin.exblog.jp/20744661/

また上記とは反対の角度から「こんな週刊誌などの健康情報は鵜呑みにしてはいけない8つのポイント」もまとめましたのでご参照ください。

【こんな健康情報は鵜呑みにしてはいけない8つのポイント】
1.くすりや治療の副作用だけを伝え,効果(どのくらい有効か)について伝えていない
2.重大な副作用だけが述べられ,その数字(確率)が示されていない
3.副作用や効果についての根拠(理由)が示されていない
4.論文や診療ガイドラインについて伝えられていない
5.紹介された論文が動物を対象としている
6.紹介された論文がその薬を飲んだ人と飲まない人とをくらべていない
7.医師の意見や患者の体験談だけを根拠にしている
8.「飲んではいけない」「受けてはいけない」などの言葉を使っている

by dobashinaika | 2017-03-02 00:27 | 患者さん向けパンフレット | Comments(0)

こんな週刊誌などの健康情報は鵜呑みにしてはいけない8つのポイント

週刊誌などで「飲んではいけない薬」「やってはいけない薬」と言った見出しの記事が話題となり,患者さんからの問い合わせが増えてきています。そうした患者さんの不安や疑問に応えるために,「くすりを飲むとき,手術を受けるとき,何をどう考えたら良いのか」について,「基本的考え方」および「こんな健康情報は鵜呑みにしてはいけない8つのポイント」書きました。不十分な点もあるかもしれませんが,現時点で参考になれば幸いです。

【基本的考え方1】
「薬を飲む」「手術を受ける」。。。そうした医療行為には全て,それらを受けることによって病気が良くなる,あるいは病気にならなくなる「利益(効果)」があります。その一方,それを受けることによって生じる「副作用(リスク)」も当然存在します。
一般に「その治療の利益」>「その治療の副作用」となるときに薬の処方や手術は行われるべきです。

【基本的考え方2】
「薬を飲む」「手術を受ける」。。。そうした医療行為をしようと決めるのにはどんな条件が必要でしょうか。医師は、まずいま述べた「その治療の利益」>「その治療の副作用」の根拠となる医学論文や学会から出されるガイドラインなどを参考にします(これらをエビデンスと呼ぶことがあります)。また医師は自分の経験や専門性を考えて薬などを処方します。さらに患者さんの希望や好みが最も大切な要素です。
治療行為はこうした
1.医学的な情報
2.医師の経験や専門性
3.患者さんの意向

の3つの要素が医師と患者さんとでよく相談され、するかしないかを決定されるべきと考えます。

【基本的考え方3】
医学的に見た場合,
1.その治療の副作用より利益が明らかに大きく絶対治療を受けたほうが良い場合
2.治療の副作用と利益が同じくらいのため,治療を受けるかどうかはケースバイケースである場合
3.副作用が利益を明らかに上回るため,治療を受けないほうが良い場合

の3パターンが考えられます。
患者さんがこの3つのどれに当てはまるのかを考える,そして患者さんに伝えるのが医師の役目とも言えます。自分がこの3つの場合のどれに当てはまるのかを医師とよく話しあい,特に2の場合には,自分の意向も積極的に医師に伝えて,治療を受けるかどうかを決める必要があります。

【こんな健康情報は鵜呑みにしてはいけない8つのポイント】

1.くすりや治療の副作用だけを伝え,効果(どのくらい有効か)について伝えていない
あらゆるくすりや治療法には効果(利益)副作用(リスク)の両者があります。副作用だけを伝え,その治療の効果,あるいはその治療を受けないことによって病気になるリスクについても述べられていない情報は,一面的で良い伝え方とはいえません。

2.重大な副作用だけが述べられ,その数字(確率)が示されていない
副作用の大きさは,その副作用の(重大さ)x(その副作用の確率)で決まります。非常に重大な副作用であっても,極めてまれにしか起こらないいものもあります。その副作用が1年間で何人中何人に出るのかというデータが示される必要があります。

3.副作用や効果についての根拠(理由)が示されていない
ある薬の副作用や効果をいう場合,それが何にもとづいて述べられているのか,その出処が明らかになっていない情報を鵜呑みにすることは危険です。

4.論文や診療ガイドラインについて伝えられていない
専門家のインタビューや患者体験談だけを根拠にしている情報では,偏ったものとなる可能性があります。また学会発表は多くの人に支持されたものではありません。最低限医学雑誌に掲載された論文を元にしているかを確認してください。複数の論文に支持されているなら,一層信頼できる情報と言えます。また各学会からでている診療ガイドラインは,問題のあるもののありますが,概ね専門家の同意が得られており,それを参考にしているかどうかもポイントになります。

5.紹介された論文が動物を対象としている
参考にしている論文がラットなどの動物を対象にした研究結果は,動物からヒトに実用化されるまでに相当の時間がかかり,また実用化される研究のほうが少ないと言われています。対象が動物の場合は,ヒトでの効果が証明されるまで待つという姿勢で良いと思われます。

6.紹介された論文がその薬を飲んだ人と飲まない人とをくらべていない
薬には「偽薬効果(プラシーボ効果)」といって、ニセの薬を飲んでも何らかの改善が見られることがよくあります。このため、必ず「その薬を飲まなかった人(または他の薬を飲んだ人)」に比べて、「その薬を飲んだ人」がどのくらい効いたのかを比べる必要があります。

7.医師の意見や患者の体験談だけを根拠にしている
これも上記4と同様の理由です。

8.「飲んではいけない」「受けてはいけない」などの言葉を使っている
確かにその薬を「飲んではいけないひと」、手術を「受けてはいけないひと」はいます。医学的に禁忌と言われる方です。たとえば腎臓の悪い方が腎臓から排泄される薬を飲むことは危険が生じます。また非常に軽症の人に薬を出すことも慎まなければなりません。
しかしその一方で,その治療を受けないと病気になる,あるいは悪化する可能性が非常に高い人は存在します。そうした、治療すると効果が得られる可能性が非常に高い人がいるにもかかわらず,すべての人が飲んではいけないという印象を持つようなリスクの伝え方は良い伝え方とはいえません。そうした標題のある健康記事を見つけた場合は,全幅の信頼は置かない心がけが大切かと思います。

番外編
「〜名誉教授」|医学博士」「医療ジャーナリスト」「医者○○人に聴きました」「匿名の医師」などからの情報を「主な」根拠にしている

今後図などを用いた,薬別のよりわかりやすい患者さん向けパンフを作成する予定です。
拙ブログ「テレビ、新聞、雑誌の健康情報をどう読み取るか?」について患者さん向けパンフレットを作りました」も参考にしてください
http://dobashin.exblog.jp/20744661/

ちなみに,このブログの表題も「〜してはいけない」になってますね^^100%は鵜呑みはしないでください,何事も。。。

$$$ びわの和菓子。びわ好きなんです。
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by dobashinaika | 2016-07-14 21:44 | 患者さん向けパンフレット | Comments(1)

第7回どばし健康カフェ「「テレビ,新聞,雑誌の健康情報〜何が正しい?」を開催いたします。

第7回どばし健康カフェを開催いたします。

今回のテーマは「テレビ,新聞,雑誌の健康情報〜何が正しい?」

日時:平成28年 1月16日(土)15:00〜(約2時間)
場所:土橋内科医院待合室(仙台市青葉区八幡2−11−8)


市民と医療従事者が垣根を超えて,健康・医療・福祉について気軽に語り合うカフェです。
今回はいろいろな健康情報を上手に読み解くにはどうしたら良いか,具体的に「赤ワインは糖尿病に良い」という記事を読みながら考えていきます。

以下のサイトから申し込み可能です。
”こくちーずpro 第7回どばし健康カフェ 申し込み”

どなたでも気軽に参加できます。お待ちしております!
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by dobashinaika | 2015-12-04 22:43 | 土橋内科医院 | Comments(0)

患者向けスライド:「テレビ、新聞、雑誌の健康情報をどう読み取るか?」ダウンロードできます

以前ブログでご紹介し、ケアネットの連載にも掲載された「テレビ、新聞、雑誌の健康情報をどう読み取るか?」の内容が、わかりやすいスライドになって、ダウンロードできるようになりました。
http://www.carenet.com/slide/224
(要無料登録)

患者さんの中でもより初心者向けではありますが、健康番組や新聞雑誌の健康に関する広告等に関する問い合わせを受けた時、または疑問に思った時などにお使いいただければ幸いです。

以前のブログはこちらです。
http://dobashin.exblog.jp/20744661/
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by dobashinaika | 2015-04-17 22:22 | 患者さん向けパンフレット | Comments(0)

「テレビ、新聞、雑誌の健康情報をどう読み取るか?」について患者さん向けパンフレットを作りました。

日々の診療で、「昨日の新聞で○○という薬が脳梗塞を予防すると書いてありました」「テレビの番組で○○が認知症にいいと言っていました」といったいわゆる健康情報について、本当かどうか聞かれることは大変多いです。そこでこうしたお問い合わせの際に、とにかくこの点にだけは注意して読み取ってほしいというポイントを、私なりに書いてみました。

大変大雑把ですので、もしわかりにくい点や、追加したほうが良いと思うものがございましたらご一報ください。初版ですので、批判的吟味を頂いてより良いものにしていきたいと思います。

より詳しいバージョンは後にまたアップしたいと思います。

############################################
       テレビ、新聞、雑誌の健康情報をどう読み取るか?

テレビ番組やCM、新聞や雑誌の広告など、現在たくさんの健康に関する情報は。今、世の中にあふれています。こうした情報の中から、ほんとうに正しい情報を見極めるのは、大変難しいと感じられるのではないでしょうか?
やや大まかではありますが、わたしは、患者さんがいろいろな情報を読む場合は、まず以下の2つのポイントを満たしているかをチェックするようにおすすめしています(坪野吉孝先生の「検証!がんと健康食品^健康情報の見分け方ー(河出書房新社)」をベースに改変しています)。

ポイント①ヒトが対象か
ポイント②飲んだ人と飲まない人を比べた研究か?


以下、具体的な健康情報について考えてみます。

ポイント①:ヒトが対象か
 新聞やテレビのニュースで時に取り上げられる大学などからの研究成果は、動物実験の結果に基づいたものが少なくありません。たしかに動物実験で効果が証明された薬や治療法は、ヒトに応用できる可能性が出てきたと言えます。しかしながら、これまで動物で認められ効果が、ヒトでは証明されなかった治療法は、実は非常に多く、むしろ実用化される治療法のほうが少ないことが指摘されています、
 また動物実験の段階から、ヒトでの効果が証明されるまでには少なくとも数年はかかると言われています。
 もし目にした記事がネズミなどの動物を対象にしたものであったら、その治療法についてはヒトでの効果が証明されるまで待つという姿勢で良いと思われます。

ポイント②:その薬や食品を摂取した人と摂取していない人を比べた研究か?
 ではヒトを対象にした治療法の場合はどうでしょうか?その場合、その薬や食品を摂取した人と、摂取しなかった人または別な薬(食品)を摂取した人との間で効果を比較しているかどうかがポイントになります。
 「(薬を)飲んだ人は、飲まなかった人に比べて〜」といった文章や、比較したグラフ等があるかどうかに注目しましょう。
 ではなぜ比べなければならないのでしょうか?
 薬には「偽薬効果(プラシーボ効果)」といって、ニセの薬を飲んでも何らかの改善が見られることがよくあります。その原因としては、「薬を飲んでいる」と思いこむことによる安心感(暗示効果)や、そもそも薬を飲まなくても自然に治る病気だったことなどが考えられます。
 このため、必ず「その薬を飲まなかった人(または他の薬を飲んだ人)」に比べて、「その薬を飲んだ人」がどのくらい効いたのかを比べる必要があります。
 雑誌などの広告はだいたい次の5つの情報を掲載しています。1)体験談 2)医学博士の推薦談 3)成分紹介 4)その治療をした人のデータ(比較なし)5)その治療をした人としない人の比較データ。
 とくにその薬や食品を摂って効いた人の体験談がよく掲載されています。体験談しか掲載されていない場合は、先に述べたプラシーボ効果の可能性があり、良し悪しを判断できません。
 またたとえば「血糖を下げる」とされる食品などでは、その食品を飲んだ人の血糖の下がり具合だけが書いてある場合がありますが、同じような理由からそれだけでは信頼できません。必ずそれを飲まなかった人(または他の薬を飲んだ人)と比べているかが重要となります。
 このように比べたかどうかがはっきり書いていない場合は、とりあえず判断を保留にするという姿勢で良いと思います。
 
 まとめの図を示します。
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まとめ:テレビニュース、新聞の健康情報、雑誌の広告を見たら、まずこの2つポイント
「ヒトが対象か?」
「比べているか?」

をチェックしてください。2つのポイントとも満たしている情報はおそらくかなり少ないということがわかるかと思います。

もし2つとも満たしている場合はどう判断したら良いでしょうか?
 実は、その先は専門家でないと、なかなか判断が難しいかもしれません。その先は、ポイント②の比較試験を更に詳しく考える必要があります。
 具体的には
・ 医学論文に発表されているか?
・ 複数の研究に支持されているか?
・ その研究は前もって計画されたものか?
・ 結果は何か?
・ 統計学的に検討されているか?

もし詳しくお知りなりたい方は以下等を参考にしてください。

坪野 吉孝「検証!がんと健康食品」河出書房新社
中山 健夫健康「医療の情報を読み解く 第2版 健康情報学への招待 (京大人気講義シリーズ)」丸善出版
by dobashinaika | 2015-01-18 12:47 | 患者さん向けパンフレット | Comments(0)

健康情報のプレスリリースや報道における誇張:BMJ誌より

The association between exaggeration in health related science news and academic press releases: retrospective observational study
Petroc Sumner et al
BMJ 2014;349:g7015


目的:健康情報の報道(プレスリリース、ニュース)において、読者の健康関連行動に影響を与えかねないような主結論の歪曲、誇張、変節を同定する

デザイン:後ろ向き、量的解析

セッティング:雑誌記事、プレスリリース、関連ニュース

主要アウトカム測定:読者への行動変容アドバイス、相関研究から導いた因果、ピアレビューを超えた動物リサーチのヒトへの効果言及

結果:
1)プレスリリースでの誇張されたアドバイス:40%(33〜46%)

2)誇張された因果関係;33%(26〜40%)

3)動物研究のヒトへの誇張された言及:36%(28〜46%)

4)上記の誇張がプレスリリースでなされた場合のニュースにおける誇張、因果、ヒトへの言及の割合
プレスリリースで誇張あり:58,81,86%
誇張なし:17,18,10%
オッズ比:6.5,20,56%

5)プレスリリースの誇張がニュースの購読を増やしたというエビデンスは乏しい
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結論:報道での誇張はプレスリリースの誇張と強く相関。学問的プレスリリースの正確さは健康関連ニュースの誤解を軽減する重要な機会を提供する

### イギリスの20の大学が属するグループがマスコミ向けに出版するプレスリリースの誇張について検討した非常に興味深い研究。プレスリリースの時点から35〜40%も誇張があるとのことですね。

まずこうした誇張は一般臨床医は見分けられません。それを見分けるのがメディアの役目かもしれませんが、的確なリテラシーをマスメディアに求めるのも限界が有るように思われます。

イギリスでこの数字ですので、日本ではどうなるのか。

それにしてもこれ動画付き論文です!!初めてみました。

以前から「科学情報の3つ」として「真実」「偶然」「バイアス」が言われていて、わたし、最近これに「捏造」を加えるというオヤジギャグが気に入っていましたが、これにさらに「誇張」を加えなければならなさそうです(バイアスに入るのかもしれませんが)。まさに胡蝶の夢ならぬ誇張の夢。(オヤジギャグ^^失礼します)

$$$きょうのにゃんこ。どこにいるかわかりますか?
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by dobashinaika | 2014-12-11 22:38 | リスク/意思決定 | Comments(0)

第2回どばし健康カフェ「健康や病気について正しい知識を得るためには?」盛況の内に終了いたしました!

長らくブランクのありました、第2回どばし健康カフェ、本日盛況のうちに終了いたしました。
今回も前回同様16名の参加者があり、「健康や病気について正しい知識を得るためには?」をテーマにコーヒー、冷たいものを飲みながらの文字通り「健康カフェ」でした。

参加者は、町内会長さん、薬剤師さん、保険師さん、栄養士さん、町内会長さん、当院の患者さんから、全くの一般の参加者まで、年齢層も若いかたからベテランの型まで前回よりも多彩な顔ぶれとなりました.

3グループに別れ、オープニングクエスチョンとして
「あなたは、病気や薬について、どんなところから情報を得ていますか?」「あなたはどんな情報を正しいと信じますか?」という2つの問いに、グループごとに討議してもらいました。

「どんなところから情報を得ていますか?」では、やはり、本、テレビ、ネット、新聞のほか、知人友人、メーカーの人や患者さん(薬剤師)、医師や薬剤師などが挙りました。分類するとメデイアかからか人的リソースからと言う感じです。

「どんな情報を正しいと信じますか?」へのコメントは箇条書きします。
・テレビ、新聞は全面的には信用できない
・ネットは同じような情報がたくさんあって判断できない
・値段が安すぎると信用できない
・誰が言っているのか(○○先生が言っているから)で決める
・信用する医師、薬剤師のいいことを信用する
・医師、薬剤師から情報を得て、ネットで確認する
・説明が詳しい医師を信用する
・かかりつけの信頼できる先生の説明を信用する
・自分の経験に基づいて判断する:この薬を飲んだら効いた、など
・科学的根拠があるかに基づく

総じて、メディアの情報は、わかりにくいないし懐疑的、友人や医師や薬剤師の情報は比較的信用する、それに自分の経験を加味して判断する、といった態度が浮かび上がりました。

これらを中間まとめとして共有してから、さらに
「正しい情報と判断できるためには何に気をつければよいか」に言う方向に問いを進化させた形で話が進みました。
メディアからの情報については、
・何人を対象にしてデータなのか
・誰が書いたものなのか
・長期間調査したデータなのか
と言う視点が大事だ、というまとめがなされました。

また
・日本人はブームに弱い
・正しいかどうかは時代による:例)ハンセン氏病
・正しいかどうかは地域にもよる:例)アメリカの州による進化論容認の違い
・治験の薬は信用してよいのか
と言う文化論的あるいはより医療の専門的な論議もありました。

さらに医師、薬剤師からの情報を信用するかどうかと言う点では
・その医師が信用できるかどうかは、その治療法(処方)で効いた、よくなった経験による
・医師、薬剤師からの信用でいる情報とは付き合いを続けていくうちに大切にしてくれると感じられる人からの情報である
・話を聞いてくれる、相談を聴いてくれる、対応がきちんとしている、医師薬剤師からの情報
・メディアからの情報は全体的なもので、個人に当てはめるわけにはいかない。1対1の対応からの情報が信頼できる

と言う、医療コミュニケーションの非常に深いレベルにまで論議が及んでおりました。

正直ここまで論議が深まるとは思いませんでしたので、参加された皆様の問題意識の高さに敬服するばかりです。

以上から私の印象をまとめますと
・医療情報はメディアと人的リソースの2系統がある
・メデイアの情報は全面的に信用できる訳ではない
・医療者からの情報を信用する場合は、その人のスキルとコミュニケーション(話を聞いてくれる)とで判断する


と言ったところでしょうか?医者として身につまされる結論です。

今回のカフェで、健康情報の読み方、使い方について医療従事者と一般の方とが何を考えどう行動しているかが、見えてきました。何かトンネルを抜ける瞬間のような気分です。

次回、今回出たいくつかの反省点ももとに、2−3ヶ月後をめどにまた開催したいと思います。
その節は皆様、よろしくお願い申し上げます。
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by dobashinaika | 2014-05-17 23:28 | 土橋内科医院 | Comments(0)

第2回どばし健康カフェ「健康や病気について正しい知識を得るためには?」開催します

昨年11月以来、長い休止期を経て第2回どばし健康カフェを開催いたします。

今回のテーマは「健康や病気について正しい知識を得るためには?」 です

テレビ、新聞、雑誌、そしてインターネット。私たちの周りには体のこと、病気のこと、薬のこと、健康食品や健康器具のことなど、ほんとうに様々な情報に満ち溢れています。

これだけたくさんの情報があると、何を信用して良いのか、わからないこともよくあります。わたしたちは、正しい情報をどのようにして手に入れ、得られた情報をどのように考えればよいのでしょうか?
今回のカフェでは、からだや病気についての情報をどのようにして取り入れているのか、ご自身のを語っていただきながら、正しい知識を得るためにはどうしたら良いのか?、そもそも正しい情報とはどんなものなのか?などについて、肩肘張らない感じで考えて行きたいと思います。


■概要
日時:2014年5月17日(土)(15:00~17:00)
場所:土橋内科医院待合室
参加費:無料
定員:約20〜30名

以下のサイトから申し込み可能です。
またこのブログのコメント欄からでも申し込み・お問い合わせを受け付けいたします。
http://kokucheese.com/event/index/121076/

■ プログラム
1) 自己紹介
2) はじめのレクチャー
3) どばし健康カフェ
4) 全体振り返り
* 途中休憩あります

■ 主催
どばし健康カフェ実行委員会
なお、当カフェはみんくるプロデュースさんが主催する「みんくるカフェ」の系列店として活動しています。
http://www.mincle-produce.net

皆様も参加を心よりお待ち申し上げております。
by dobashinaika | 2014-04-22 23:38 | 土橋内科医院 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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