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アジア人のNOAC不適切低用量処方はワルファリンに比べてアウトム良好あるいは同等:AJC誌


目的:NOAC標準用量適応となる心房細動患者の低用量処方パターンとアウトカムとの関係を検討

方法:
・韓国の国内保険データベース
・NOAC新規処方でNOACが標準用量の適応と考えられる16568例を,ワルファリン投与例4536例と比較
・血栓塞栓イベント(虚血性脳卒中,全身性塞栓症),全死亡,大出血
・追跡期間中央値15.0ヶ月

結果:
1)NOAC標準用量適応例のうち,8549例(51.9%)で不適切低用量処方(リバーロキサバン50.6%,アピキサバン53.%)

2)リバーロキサバン低用量処方群:
血栓塞栓イベント,全死亡はワルファリン群により低い(血栓塞栓HR0.53; 95% CI: 0.41–0.69)(全死亡HR 0.57, 95% CI: 0.41–0.82)。大出血は同等 (HR 1.10, 95% CI: 0.82−1.46)

3)アピキサバン低用量処方群:
血栓塞栓イベント,全死亡はワルファリン群と同等(血栓塞栓HR: 0.90; 95% CI: 0.70–1.16)(全死亡HR 0.94, 95 CI: 0.71–1.24)。大出血も同等 (HR 0.84, 95% CI: 0.61–1.17)

結論:韓国のNOAC標準用量適応例において,不適切低用量処方は日常的であり,そのワルファリンに対する臨床的優位さはNOACごとで異なった。特にアピキサバンはワルファリンに比べて有効性の優位は認められなかった。

### 日本のSAKURA AFレジストリでも同様の報告があります。日本の不適切低用量は少ないようですが,アウトカムは変わらなかったでようです。

低用量処方についてはデンマークの大規模研究がありますが,ここでは虚血性脳卒中,全身性塞栓症がアピキサバン低用量で増加傾向を示していました。

イグザレルトは低用量にしても15mgから10mg(韓国は20mgから15mgでしょうか)で2/3ですが,アピキサバンは半量ですので,その点も影響するのかもしれません。

全文を入手していないので患者背景がわからず踏み込んだことは言えませんが,いずれにしても不適切低用量でもワルファリンより悪いことはないようですね。

最近見た処方では,50代のCHADS2スコア0点の人にアピキサバン2,5x2が処方されいるのありました。とりあえず低用量を処方しておこうというのは一番危険のように思います。不適切低用量と言ってもクライテリアギリギリの場合であれば大きな問題はないと思います。

$$$ キャットタワー登ったはいいけど降りられない
アジア人のNOAC不適切低用量処方はワルファリンに比べてアウトム良好あるいは同等:AJC誌_a0119856_07064174.jpg




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by dobashinaika | 2020-02-17 07:07 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

心房細動への低用量NOAC処方の多くは不適切で,血栓塞栓症や死亡が多い傾向(ORBIT-AF II試験):JAHA誌


P:ORBIT-AF IIレジストリ登録者のううちNOAC服用7925例。前向き,米国国内,心房細動患者登録

E:低用量NOAC

C:標準量NOAC

O;心血管疾患,出血

T:前向き,米国国内,心房細動患者登録研究,1年追跡

結果:
1)標準用量6636例(84%),FDA基準合致96%

2)低用量1289例(16%),FDA基準合致43%

3)不適切低用量処方者:適切低用量例に比べ
若年(79歳vs84歳,P<0.0001)
ORBIT出血リスクスコア少ない(26%vs45%, P<0.0001)

4)不適切低用量処方者:適切標準量例に比べ(補正前)
血栓塞栓症高値(2.11 vs 1.35 events per 100 patient years, hazard ratio 1.56, 95% confidence interval 0.92‐2.67)
死亡高値(6.77 versus 2.60, hazard ratio 2.61, 95% confidence interval 1.86‐3.67).

5)補正後は有意差内が傾向はあり
心房細動への低用量NOAC処方の多くは不適切で,血栓塞栓症や死亡が多い傾向(ORBIT-AF II試験):JAHA誌_a0119856_22463986.jpg

結論:心房細動患者への低用量NOAC処方の多くは,FDA推奨に反していた。NOACの正しい処方への改善の機会である。

### 補正後は有意差はないとは言え,注意しなければならないデータです。
この論文では米国でも”NOAC”ですね。

$$$ 密教美術もかなり好きです。千手観音も躍動していました。
心房細動への低用量NOAC処方の多くは不適切で,血栓塞栓症や死亡が多い傾向(ORBIT-AF II試験):JAHA誌_a0119856_22472608.jpg


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by dobashinaika | 2018-02-21 22:48 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

NOACでは適応外用量処方が多く,有害事象も多い:ORBIT-AF II試験


Off-Label Dosing of Non-Vitamin K Antagonist Oral Anticoagulants and Adverse Outcomes
The ORBIT-AF II Registry
J Am Coll Cardiol 2016;68:2597-2604.


疑問:NOACのオフラベル(適応外)使用の頻度とアウトカムはどうか?

方法:
・米国の地域での242施設の登録研究(ORBIT-AF II)
・5738人,平均0.99年追跡
・FDA認可に基づき,過小用量,適切用量,過大用量に分類
・アウトカム;脳卒中/全身性塞栓症,心筋梗塞,大出血(ISTH分類),入院(関連のある),全死亡

結果:
1)過小用量9.4%,過大用量3.4%,適切用量87%

2)オフラベル群は適切群より:より高齢,女性多い,電気生理学医少ない,CHA2DS-VAScスコア高値,ORBIT出血スコア高値

3)過大用量群は適切群より;全死亡多い(補正後ハザード比1.91;95%CI1.02-3.60;p=0.04)

4)過小用量群は適切群より:心血管疾患による入院多い(補正後ハザード比1.26;95%CI1.07-1.50;p=0.07)
NOACでは適応外用量処方が多く,有害事象も多い:ORBIT-AF II試験_a0119856_1931766.gif

結論:NOACのオフラベル使用例は非常に多い(全体の1/8)。こうした例は有害事象のハイリスクあり

### 本文からの追加データでは,
・NOAC別過小用量群:ダビ7.5%,リバーロ8.0%,アピ11.8%
・過大用量群:ダビ3.4%,リバーロ0.5%,アピ2.1%
でした。

ダビガトランはCrCl30-50の23%が過小量(米国では150x2推奨にかかわらず),リバーロキサバンはCrCl15-50の34%が過大用量(米国では15mgx1推奨),アピキサバンは透析患者の32%で過小用量でした。

ただ残念なことに,腎機能別の用量変更についてのデータはなかったようです。低用量にするのは,腎機能が適応範囲ギリギリの例が多いと思われますが,そういう例でアウトカムがどうなのかというのが一番知りたいところかと思います。

過大用量で死亡が多いのは大出血のためでしょうが,日本では適応より多い用量を使う場合は殆ど無いように思われますので,むしろ過小用量で心血管疾患入院(おそらく脳梗塞)が多い点を教訓にしたいと思います。
### すずめの学校
NOACでは適応外用量処方が多く,有害事象も多い:ORBIT-AF II試験_a0119856_221823.jpg

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by dobashinaika | 2016-12-16 19:06 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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