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75〜76歳の一般住民が2週間1日2回心電図を取れば3%で心房細動が見つかる:Circu誌

Mass Screening for Untreated Atrial Fibrillation: The STROKESTOP Study
Emma Svennberg et al
Circulation Published online before print April 24, 2015


背景:心電図を使った75−76歳の人への系統的なスクリーニングプログラムによる無治療心房細動の有病率を明らかにする。またそれらの人への抗凝固療法の意義を評価する

方法:
・スウェーデンの2つの地域の75〜76歳高齢者の半数対象
・事前に心房細動の診断なし
・2週間以上に渡り間欠的に心電図記録
・心房細動が認められた場合、経口抗凝固薬を勧められる

結果:
1)28ヶ月間で13331人に勧誘

2)7173人53.8%が参加

3)心房細動:218人3.0%(2.7〜3.5)

4)最初の心電図で心房細動あり:37人(全体の0.5%)

5)間欠的な心電図は新規心房細動の発見を4倍増やす

6)事前に心房細動が認められいていた人:666人9.3%

7)全心房細動:12.3%

8)事前に認められていた症例のうち抗凝固薬なし:149人2.4%

9)全参加者の5.1%は無治療心房細動

10)スクリーニングにより抗凝固薬を開始した人;3.7%

11)事前に診断されていない90%以上のひとが、抗凝固療法を承諾

結論:75〜76歳の人のマススクリーニングにおいては、かなりの割合で心房細動が見つかる。予防的脳卒中治療の開始は新たに同定された心房細動において高率に成功する。

### 「スウェーデンの75〜76歳の一般住民を、2週間に渡り時々心電図を取れば、新たに3%の人に心房細動が見つかる」というのが主旨です。
心電図はこのような感じで1日2回、親指をデバイスに当ててwebで送るようになっています。1回30秒記録できます。
a0119856_22202699.jpg

ついに「サイドー健診」が現実味を帯びてきましたね。これはオムロンの携帯心電計より簡単ですね。親指でいいので下着をめくる手間がありません。

それにしても3%とは多いです。75歳以上なので自動的にCHA2DS2-VAScスコア2点で欧州では抗凝固療法の適応になります。
新たに見つかった人の90%が抗凝固療法を選択というのもちょっと驚きです。無症状で、機械にたまたま親指を当てただけで脳卒中のリスクが大きいから血液サラサラ薬をの飲みましょうと言われても、日本で果たして90%以上のひとが抗凝固薬を納得して飲むでしょうか?

こうして飲んだ集団のアウトカムが知りたいところです。

私はどうしても、昨日の総合医セミナーで高名な救急医療の先生がプレゼンされた、「70代女性、軽度の交通事故後の骨盤骨折→その後死亡。NOAC服用中」というケースを思い出します。

プライマリ・ケア医の基本姿勢は安全優先、Do no harmだとすれば、抗凝固療法基本方針は以下で良いのだろうと思います。
1)CHADS2スコア2点以上にしっかり抗凝固療法を行う
2)1点以下は慎重に考える。
3)ワルファリンの扱いに習熟し、TTR70%以上(おおよそ7割以上の採血でINRが標準範囲)を保てる場合はワルファリン
4)ワルファリンに自信のない場合NOACだが、そういう医師は導入時できれば信頼できる専門医に紹介


実際はこの「信頼できる専門医」がミソかもしれません。実は、抗凝固療法への習熟度は専門医の間でも千差万別です。

抗凝固薬の選択は「エビデンス」「患者の好み」「環境、周囲の状況」「医師の専門性」のブレンドと拙著にも書いていますが、実際は「医師の専門性」というか「治療法への習熟度」あるいは「医師の事情」が一番大きなファクターかも知れません。院内処方の診療所ではまずもって一種類くらいしかNOACを揃えられないし、まだまだNOACはプライマリ・ケア医が安易に処方しなくて良い薬ではないかと思います。

$$$ 大阪出張時、仙台空港で見た大友克洋の復興レリーフ。風神雷神というより、光琳の紅白梅図の濁流に金太郎が波乗りしているようなイメージに見えました。
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by dobashinaika | 2015-04-27 22:23 | 心房細動:診断 | Comments(0)

「Medical Practice」10月号で心房細動についての座談会とフォローアップ法についての記事が掲載されました

内科総合誌「Medical Practice」(文光堂)10月号「日常診療における心房細動治療Up to Date
最新の動向を日常実地診療に生かす」のなかで、座談会「日常実地診療における心房細動治療─そのすすめかたとポイントとコツ─
」で開業医の立場からお話させていただきました。

またセミナー「心房細動治療におけるかかりつけ医の役割─どのようにフォローアップするか─」で、座談会で話した内容をさらに文章でまとめる形で書かせていただきました。

ご参照いただければ幸いです。

この10月号は現在の心房細動診療のA to Zが一望でき、大変読み応えがあると思います。

http://www.bunkodo.co.jp/mp_51/magazine_detail_1.html
by dobashinaika | 2014-09-25 22:02 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

Japan Medicine MONTHLYの心房細動の抗凝固療法に関するインタビュー記事

Japan Medicine MONTHLY(じほう) 5月号に「心房細動診療におけるプライマリ・ケア医の役割」と言った内容のインタビュー記事が掲載されています。

http://www.jiho.co.jp/news/jmm/tabid/147/Default.aspx

・心房細動の早期発見は、プライマリ・ケア医の仕事。
・NOACの適応は、腎機能、コスト意識、服薬アドヒアランスの3項目のチェックが必要で、これはプライマリ・ケア医の真価が発揮できる領域
・NOACが使える時代になって、改めてワルファリンの使い方にも習熟する必要が生じる
・抗凝固療法導入期:PC医→専門医、維持期:専門医→PC医という患者さんの流れを構築できれば

といったところが趣旨です。
本当は、
・早期発見にはそれなりの「リスクによる囲い込み」現象が生じるので、リスクコミュニケーションはセットで綿密に行う必要あり

ということも盛り込みたかったのですが、字数その他の関係で強調しておりません。

ご興味のある方はご購読いただければ幸いです。
by dobashinaika | 2014-05-04 23:48 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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