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ダビガトランの服薬アドヒアランス:JMCP誌

A Retrospective Descriptive Analysis of Patient Adherence
to Dabigatran at a Large Academic Medical Center
Timothy W.et al
J Manag Care Pharm. 2014;20(10):1028-34


疑問:実臨床でのダビガトランのアドヒアランスはどうか?

方法:
・カリフォルニアの単一施設での後ろ向きカルテ解析
・ダビガトラン3ヶ月以上処方例
・プライマリ・ケア医、循環器疾患専門医
・MPR (medication possession ratio;総投薬量に対する実服薬量の割合)

結果:
1)159人対象

2)平均MPR 0.63

3)43%の患者はMPR80%未満:このサブグループの平均MPR:0.39 ± 0.27

4)57%の患者はMPR80%i以上:平均MPR0.94 ± 0.08

5)MPR0.8未満の群:男性多い。必要に応じた(PNR)処方が多い(1.73 vs. 0.86, P = 0.0039)

6)入院患者5名:出血3, 幻覚1、ダビガトラン非関連死1

結論:MPRが比較的低く、より改善されたサービスが必要。

### 最近服薬アドヒアランスに関心があるので、ダビガトランのアドヒアランス論文が目につきました。
以前にも報告されていてその論文では80%未満が27.8%でした。今回は43%で多いですね。

どんな時飲み忘れるか知りたいのですが、詳記はないようです。投与早期でもあとでも関係ないとも記載があります。

ただし重篤なアウトカムはなく、特に塞栓症は1例もないようです。平均年齢が70歳と若いこともあるかもしれませんが、多分連続して飲み忘れる症例がなかったのかもしれません。夕方1回程度の飲み忘れはダビガトランの場合大丈夫なのでしょうか?

どんな時に飲み忘れやすいか、飲み忘れやすい人のプロフィールなども知りたいところです。

a0119856_2314534.jpg

今日の散歩は近所の朝顔。朝散歩でもしない限り、朝顔なんて小学校の宿題以来じっくり愛でたことはなかったですね。

何気ない日常の風景も被写体として、「見る」対象としてみると、語りかけてくる何かがあります。
by dobashinaika | 2014-10-13 23:28 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトラン申請時データに関するBMJの報道

BMJからダビガトランの申請時の際、モニタリングのデータを出さなかったとの報道が出ているようです。
http://www.bmj.com/node/761314


http://www.bmj.com/node/761316
http://www.bmj.com/node/761315

それに対する本社の見解も出ているようです。
http://www.boehringer-ingelheim.com

全容を把握できるまでの情報が得られるまで、注意深く見て行きたいと思います。
by dobashinaika | 2014-07-25 19:27 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトラン服用中に頭蓋内出血をきたした人の予後はワルファリンと比べてどうか?:Stroke誌

Stroke 7月3日
doi: 10.1161/STROKEAHA.114.006016
Intracranial Hemorrhage Mortality in Atrial Fibrillation Patients Treated With Dabigatran or Warfarin
Alvaro Alonso et al


疑問:現実世界でのダビガトランの頭蓋内出血のアウトカムはどうか?

P:The Truven Health Marketscan Research Databasesにおいて、頭蓋内出血で入院かつ心房細動ありの患者

E/C:プロペンシティースコアをマッチさせたダビガトラン服用者とワルファリン服用者

O:入院時死亡率

結果:
1)2391人:ワルファリン2290人 vs. ダビガトラン531人

2)死亡:531人

3)死亡率:ワルファリン22% vs. ダビガトラン20%

4)スコアマッチ後のダビガトランの相対リスク0.93(0.62−01.37)

5)頭蓋内出血のタイプごと(脳内出血、クモ膜下出血、硬膜下出血)での差はなし

結論:今回のセッティングでは、ダビガトランはワルファリンに比べて、入院時死亡率がより高くはなかった。したがって、中和薬がないことを理由にダビガトランの使用を避ける事はこの結果からは支持されない。

###一旦出血を起こしてしまった症例の予後の比較ですね。

アウトカムが「大出血」においてはダビガトランのほうがやや良いという結果も出ています。
http://dobashin.exblog.jp/18716677/

ダビガトランの頭蓋内出血のほう軽傷で済むという報告もありますが、今回の報告では死亡をアウトカムにすると同じくらいということです。
http://dobashin.exblog.jp/19645660/

アリストテレス試験では大出血後の予後はアピキサバン群のほうがよかったとの報告もありますが、こちらはRCTです。
http://dobashin.exblog.jp/19815143/
もちろんだからアピキサバンのほうが有利とはいえません。

いつもながら観察研究ですので、スコアマッチング済といえども交絡因子はありますことは注意です。
by dobashinaika | 2014-07-04 20:01 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

新規経口抗凝固薬は現実世界で適切に使われているのか?:AP誌

Ann Pharmacother June 30, 2014
Appropriateness of Prescribing Dabigatran Etexilate and Rivaroxaban in Patients With Nonvalvular Atrial FibrillationA Prospective Study
Anne-Sophie Larock et al


疑問:NOACは現実世界では適正に使用されているのか?

方法;
・ベルギーの薬局グループで2013年4月〜10月まで処方されたダビガトランとリバーロキサバンの使用適切性を調査
・the Medication Appropriateness Indexの10項目のうち9項目で評価
・一次アウトカム;不適切処方、二次アウトカム:不適切の内容と有害事象の頻度、薬剤師の介入

結果:
1)対象69人

2)1項目を満たす例:16人23%

3)2項目以上を満たす例:18例26%

4)不適正の内容
・不適正な(薬剤)選択:28%
・誤った用量:26%
・非現実的な処方様式:26%

5)有害事象:51%に認められた:TIA8例含む

6)薬剤師の介入:48回:94%は医師に受け入れられた

結論:ダビガトランとリバーロキサバンの不適切使用はよくあり、有害事象につながる可能性あり。ヘルスケア従事者と患者への再教育必要。薬剤師とのコラボがことを好転させる。

### 「不適切」の中身が問題ですね。不適切な選択とは、腎機能、併用薬剤禁忌などでしょうか。全文入手しだいまた報告します。

それにしても有害事象51%って多いですね。皮下出血も含んでいるのでしょうか。薬剤師の役割は大変大事だと思います。
by dobashinaika | 2014-07-02 22:16 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

結局、ダビガトランはワルファリンより心筋梗塞を増やすのか?:JAHAメタ解析

J Am Heart Assoc.2014; 3: e000515

Dabigatran Etexilate and Risk of Myocardial Infarction, Other Cardiovascular Events, Major Bleeding, and All‐Cause Mortality: A Systematic Review and Meta‐analysis of Randomized Controlled Trials
Jonathan Douxfils et al


【疑問】結局、ダビガトランはワルファリンより心筋梗塞を増やすのか?

【方法】
・結果に心筋梗塞、心血管イベント、大出血、全死亡を含んだRCTをメタ解析
・501の文献から14RCTを抽出
・対照群による層別化解析とダビガトランの用量別解析を設定
・fixedモデルでPetoオッズ比を算出

【結果】
1)ダビガトランのオッズ比(対対照群)
心筋梗塞:1.34 (95% CI 1.08 to 1.65, P=0.007)
他の心血管イベント:0.93 (95%CI 0.83 to 1.06, P=0.270)
大出血:0.85 (95% CI 0.76 to 0.96, P=0.007)
全死亡:0.89 (95% CI 0.80 to 1.00, P=0.041)

2)ダビガトランのオッズ比(対ワルファリン)
心筋梗塞:1.41 (95% CI 1.11 to 1.80, P=0.005)
他の心血管イベント:0.94 (95%CI 0.83 to 1.06, P=0.293)
大出血:0.88 (95% CI 0.79 to 0.99, P=0.029)
全死亡:0.90 (95% CI 0.81 to 1.01, P=0.061)

3)ダビガトラン150mg BIDのみで比べた場合(対対照群)
心筋梗塞:1.45 (95% CI 1.11 to 1.91, P=0.007)
他の心血管イベント:0.95 (95% CI 0.82 to 1.09, P=0.423)
大出血:0.92 (95% CI 0.81 to 1.05, P=0.228)
全死亡:0.88 (95% CI 0.78 to 1.00, P=0.045)

【結論】このメタ解析では、ダビガトランが心筋梗塞リスクを明らかに増加させるというエビデンスが示された。このリスク増加は、大出血や全死亡との総括的なベネフィットも考慮に入れて論じるべき

### この問題は長い論争、と言うかモヤモヤ状態が続いています。

経緯は以下のブログでまとめました。
http://dobashin.exblog.jp/18709455/
http://dobashin.exblog.jp/14384703/

簡単に言うと、もともとのRE-LY論文でワルファリンよりダビガトラン150が心筋梗塞を有意に増やした。しかしのちに FDAが勧告して、もう一度心電図を調べ直したら、心筋虚血を示した心電図が当初より少ない事がわかり、訂正論文が出た。ということです。

それで以下のメタ解析は、その訂正データを入れていないのですが、ダビは心筋梗塞を増やしたとなっています。
http://dobashin.exblog.jp/14384703/

また修正論文を入れての別なメタ解析でも、やはり心筋梗塞を増やすという結果が出ています。
http://bmjopen.bmj.com/content/2/5/e001592.full

一方、リアルワールドの登録研究では心筋梗塞は減るというデータがでています。
http://dobashin.exblog.jp/17599884/

更に最近の登録研究では、ワルファリン経験者がダビガトランに切り替えた症例で心筋梗塞が増加する(統計的には有意でない)という報告もあります。
http://dobashin.exblog.jp/19628093/

これらをふまえ本メタ解析は、上記の修正データや更に最近出たダビガトラン関連RCTを組み入れての最新版メタ解析です。

結果は心筋梗塞40%増加、大出血は12%減少、全死亡は10%くらい減る傾向、ということでした。

その説明として筆者らは、ワルファリンに心筋梗塞減少効果あること、トロンビン阻害薬が血小板活性を活性化させること、プラーク破綻は爆発的トロンビン生成の引き金になってしまい、ダビガトランの抗血栓作用を上回ってしまう、などをあげています。

このメタ解析の限界は、直接的なオッズ比が使えずPeto ORを採用している点、心筋梗塞の定義が試験ごとで曖昧な点、などがあります。

実臨床では、上記の登録研究のようにまた違うデータがでており、また日本人のデータももっとほしいところです。
いまのところ、やはり心筋梗塞既往例などには、やや慎重に使いたいという姿勢で行きたいと思います。

追記(2014・6・12):リアルワールドでの大切なコホート研究に言及するのを忘れておりました。
http://dobashin.exblog.jp/19798706/
FDAの13万例対象のビッグデータでは、心筋梗塞はリスク同等との結果が出ています。
RCTの世界と、なぜ違ってくるのか、考えてみます。
by dobashinaika | 2014-06-10 23:52 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

プラザキサの中和薬(イダルシズマブ)の臨床試験開始予定

プラザキサの中和薬の実質的な第III相試験が始まるようですね。

プラザキサによる大出血、またはアブレーション時のタンポナーデなどに塞栓症リスクを増やすことな口利用できるのか、興味あるところです。

http://www.risfax.co.jp/risfax/article.php?id=44790

このブログの薬と同じでしょうか
http://dobashin.exblog.jp/16751720/
by dobashinaika | 2014-06-03 23:55 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトランの服薬アドヒアランスとアウトカムの関係:AHJ誌

AHJ 4月7日付オンライン版より

Adherence to dabigatran therapy and longitudinal patient outcomes: Insights from the Veterans Health Administration
Shore S et al
doi:10.1016/j.ahj.2014.03.023


【疑問】ダビガトランの服薬アドヒアランスはどうか?アドヒアランスとアウトカムに関係はあるのか?

P:退役軍人病院において2010年10月〜2013年9月までにダビガトラン服用を開始した非弁膜症性心房細動5,376例

E/C:ダビガトランの服用カバー率 (PDC)

O:全死亡、脳卒中、出血、心筋梗塞

【結果】
1)平均年齢71.9歳、男性98.3%、CHADS2スコア平均2.4(CHA2DS-VAScスコア3.2)点

2)PDC中央値:94% (四分位値76〜100%、平均84%)

3)平均追跡期間:244日(四分位値140−351日)

4)PDC80%未満(=アドヒアランス不良例):1494例、27.8%

5)低アドヒアランスは全死亡及び脳卒中リスクに関連:HR1.13, 95%CI1.07-1.19、10%PDC減少ごと

6)アドヒアランスと非致死的出血、心筋梗塞は無関係

【結論】服薬開始1年でのダビガトランのアドヒアランスは大部分の患者で良好。ただし28%は不良。低アドヒアランスは有害事象リスク上昇と関連あり。アドヒアランス適正化の努力が求められる。

### 以前少数例での同様の報告を紹介しましたが、そのときは80%未満の不良例は11%でした。当院で直近3ヶ月のみですが、ダビガトランのアドヒアランスを調査したところ(n=84)では80%未満の方は一人もいませんでした。
http://dobashin.exblog.jp/18148054/

本報告では約28%ということで、けっこう多い気がします。しかも脳卒中や全死亡と有意な相関があるというのは非常に貴重なデータと思います。
不良例の特徴、たとえば夜忘れやすいのか、ワルファリンナイーブが多いのか、年齢はどうなのか、より知りたくなります。
また不良例をワルファリンや他のNOACに変更した場合はどうなのかも知りたいですね。
by dobashinaika | 2014-04-15 13:28 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトラン服用中での頭蓋内出血の特徴:Circulation J誌

Circ J 3月24日オンライン版より

Intracranial Hemorrhage During Dabigatran Treatment
– Case Series of Eight Patients –Komori M et al
http://dx.doi.org/10.1253/circj.CJ-13-1534


【疑問】NOAC服用下での頭蓋内出血はワルファリンに比べて軽症か?

【方法・結果】
・ダビガトラン内服下で頭蓋内出血をきたした8例9出血対象
・5例は少〜中等度硬膜下血腫、2例は頭蓋内出血、1例は脳挫傷を伴う外傷性くも膜下出血+皮質下出血
・入院時aPTT:31.6~72.4秒
・入院後、頭蓋内出血の2例では血圧を140mmHg維持。硬膜下血腫の4例では外科的手術
・血腫拡大なし。ほとんどの例で転帰良好

【結論】ダビガトラン内服下の急性頭蓋内出血に由来する血腫は少〜中等度で拡大しにくく管理しやすい

###日本の矢坂先生のグループからの報告です。
9例中7例はmRSスコアが0か1点だったとのことです。ワルファリン内服下の出血が高度になる理由として、ワルファリンは脳内に豊富に存在する組織因子と結合して凝固活性を示すVII因子を抑制してしまうためと説明されています。ダビガトランはVIIをおさえないので、比較的出血が少なく、出血しても拡大しにくいと考えられます。

その他にダビガトランはトロンビン分子の活性化中心に選択的、可逆的に結合し、thrombin activatable fibrinolysis inhibitor(TAFI) の生成を抑制しないことで線溶のダウンレギュレーションを促す、あるいは半減期が短いため、すぐに体内から消失するなどが機序として考察されています。

以前マウスでもこのことを示唆する論文がありました。
http://dobashin.exblog.jp/18041572/

実際の現場からのデータは、使う者にとっても大変参考になります。
by dobashinaika | 2014-04-05 12:54 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

「リアルワールド」におけるダビガトランとワルファリンの心筋梗塞イベント比較:AJM誌

The American Journal of Medicine 4月号より

Myocardial Ischemic Events in ‘Real World’ Patients with Atrial Fibrillation Treated with Dabigatran or Warfarin
http://dx.doi.org/10.1016/j.amjmed.2013.12.005


【疑問】心筋梗塞予防の点で、ダビガトランのVKAに比べての実力はどうなのか?

P:デンマークの国民的登録研究登録心房細動患者

E:VKAナイーブのダビガトラン内服例/VKA経験者のダビガトランへのスイッチ

C:ワルファリン

O:心筋梗塞。追跡期間平均16.0ヶ月

【結果】
1)VAKナイーブダビガトラン服用群は、ワルファリン群に比べて心筋梗塞を統計的に明らかでないが低下させる傾向。
110㎎:HR0.71(0.47~1.07)。150㎎:HR0.94 (0.62~1.41)

2)VAK経験ダビガトラン服用群は、ワルファリン群に比べて心筋梗塞を統計的に明らかでないが増加させる傾向。
110㎎:HR0.45(0.98~2.15)。150㎎:HR0.30 (0.84~2.01)

3)VKA経験者ダビガトラン服用群の心筋梗塞増加は投与60日未満初期で明らか
110mg:HR3.01(1.48-6.10)。150mg:HR2.97 (1.31-6.73)

4)同様結果は複合エンドポイント(心筋梗塞、不安定狭心症、心停止)でも見られた

【結論】
大規模コホート試験では、ワルファリン服用者がダビガトランへのスイッチする初期に、ワルファリン継続者に比べ心筋梗塞が多くなることが認められた。VKA服用者がダビガトランにスイッチする場合は特に注意喚起がなされるべきである。

### 以前BMJ openで同様のことが報告されており、おそらく同じコホートと思われます。
http://dobashin.exblog.jp/17767149/

通常ワーファリンナイーブ者は抗凝固療法に慣れておらず、出血予防の知識もないため出血イベントが多いことが知られています。心筋梗塞においても抗凝固療法への意識やスキルが豊富な分イベントは少ないことが考えられます。

ところがリアル・ワールドは逆のようです。上記のBMJの考察にもあるように、リアルワールドではスイッチする患者はもともとワルファリンのアドヒアランスが悪かったり、高リスクである方が多いことが予想されます。またスイッチングの初期に多いことからオーバーラップの仕方が不十分だったりした可能性もあると思われます。

また、ダビガトランそのものが持つ冠動脈血栓に対しての弱い面があるのかもしれません。
その辺のことは以下のブログでまとめてあります。
http://dobashin.exblog.jp/18709455/

一方、同じデンマークでも以下のコホートでは心筋梗塞は減っています。
http://dobashin.exblog.jp/17599884/

観察研究は交絡因子がどうしても介在し、患者背景がそれぞれ異なってしまうため、結果がまちまちに出るものと思われますが、スイッチング時要注意ということは、気にしたほうが良いと思われます。
by dobashinaika | 2014-03-31 19:47 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

リバーロキサバンとダビガトランの心房細動アブレーション周術期使用はワルファリンより有効かつ安全:EP誌

Europace2月18日付オンライン版より

Rivaroxaban and dabigatran in patients undergoing catheter ablation of atrial fibrillationRui Providência et al
doi: 10.1093/europace/euu007


【疑問】リバーロキサバンの、カテーテルアブレーション周術期での有効性と安全性はダビガトランに比べてどうか?

P:フランス、トゥールーズの1医療施設で心房細動アブレーションが施行された連続556例(2012年10月〜2013年9月);平均61.0歳。発作性61.2%

E/C:周術期投与薬:ビタミンK阻害薬192例、リバーロキサバン188例、ダビガトラン176例

O:有効性:アブレーション後30日間の死亡率、全身性または肺塞栓症。安全性:出血イベント

T:観察研究

【結果】
1)1年間の登録期間中NOAC使用は10%未満から70%に増加

2)血栓塞栓症:VKA2.1%、リバーロ1.1%、ダビ0.6%;P=0.410

3)大出血:VKA4.2% 、リバーロ1.6%、ダビ1.1%;P=0.112

4)小出血:VKA2.1%、リバーロ1.6&、ダビ0.6%;P=0.464

5)致死性イベント無し

【結論】アブレーション周術期のNOACの使用はここ1年で7倍に増加した。プレリミナリーデータではあるが、リバーロキサバンとダビガトランの心房細動アブレーション周術期使用はVKAに比べて有効かつ安全である。

### 薬剤の投与方法ですが、VKA群は術前5日前からワルファリンを止めてヘパリンブリッジ、術後当日夜からワルファリン再開。リバーロキサバン群は術前ワルファリンまたはリバーロキサバン投与、術後リバーロキサバン投与。ダビガトラン群は術前ワルファリンまたはダビガトラン投与、術後ダビガトラン投与。リバーロ群は術前24〜48時間、ダビ群は術前24〜36時間中断しヘパリンブリッジ。術度4〜6時間で再開、です。

3群での患者比較ではダビ群で若年者、発作性、CHADS2スコア低値、CHA2DS2-VAScスコア低値、HAS-BLEDスコア低値、高血圧が多いとのことでした。

観察研究ですので当然選択バイアスは大きいです。ダビガトランはより軽症例で使われているようです。VKA群で出血が多いのは、穿刺部出血
が多かったためのようです。おそらくワーファリンが切れるまでヘパリンとのオーバーラップ期間があることなども出血に傾きやすい要因かもしれません

ダビガトランのアブレーション時データはこれまで幾つか報告されていましたが、リバー力サバンは初めてだと思います。
http://dobashin.exblog.jp/16413289/
http://dobashin.exblog.jp/16973024/

使いやすく安全であることから今後アブレーション周術期の抗凝固薬は、ますますNOACが主流になるのでしょうか。
by dobashinaika | 2014-02-26 22:54 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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