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リバーロキサバンのモニターにコアグチェックが有効か;Stroke誌

Point-of-Care Testing of Coagulation in Patients Treated With Non–Vitamin K Antagonist Oral Anticoagulants
Matthias Ebner et al
Stroke Published online before print August 13, 2015


目的:コアグチェックでNOACのモニターは可能か

方法:
・虚血性脳卒中で新たにNOACを開始した60例
.6ポイントの採血.コアグチェック測定及び検査室での下記のアッセイ施行;PT,aPTT抗Xa活性,ヘモクロット,直接の血中濃度

結果:
1)356検体

2)コアグチェックの結果はリバーロキサバン血中濃度と強く相関(相関係数0.82.P<0.001)

3)ダビガトラン,アピキサバン血中濃度とは相関なし

4)低濃度のリバーロキサバンを評価する場合,コアグチェックはたとえ鋭敏な試薬を使用した場合で
も正常なPT,aPTTの予測能を上回る

5)コアグチェックの結果が1.0以下のリバーロキサバン血中濃度に対する特異度は.血中濃度32未満は90%,および100ng/mL未満は96%

結論:脳卒中急性期のリバーロキサバン使用時に,もしXa活性が測定できない場合,コアグチェックはおすすめできる

### 興味深いデータです.対象は二次予防の患者さんですが,リバーロキサバンであればとくにコアグチェックが低値なら,血中濃度も低いことが予測できるとのことです.

コアグチェックはPT-INRを測定しますが,PTとあまり相関のないダビガトラン血中濃度や,あっても上下の少ないアピキサバン血中濃度では相関が薄い一方,1日1回でピ−クとトラフのはっきりしているリバーロキサバンであれば,ある程度相関するということかと思われます.

当院では最近,NOACの患者さんでも,アドヒアランスが不安な患者さんなどに「飲んでいない」ことを探るために3〜4ヶ月に1回,ピークのタイミングで採血することにしています.ダビガトランはaPTT,リバーロキサバン,アピキサバンはPT(試薬:リコンビプラスチン)を測定し全然上昇していない時に,飲んでいないことを疑うということにしていました.

もしコアグチェックが使えるなら簡便でいいですが.追試を期待します.

$$$ 雨上がりの早朝,秋の雰囲気漂う春日神社の境内です.今までこの空気感を味わなかったのはもったいなかった,そう思わせられるほどの清澄さ
a0119856_18485594.jpg

by dobashinaika | 2015-08-18 18:50 | 抗凝固療法:リバーロキサバン | Comments(0)

PT-INRの迅速検査はワルファリン管理を改善させる:Circulation J誌

Circulation J 4月8日オンライン版より

Introduction of Point-of-Care Testing in Japanese Outpatient Clinics Is Associated With Improvement in Time in Therapeutic Range in Anticoagulant-Treated Patients
Okuyama Y et al
http://dx.doi.org/10.1253/circj.CJ-13-1256


【背景】ワルファリは心房細動患者の脳卒中リスクを減らすが、中等〜高度のTTR管理が要求される。PT-INRのポイントオブケア(POC)検査はワルファリン服用患者のTTRを改善させるという仮説を立てた。

【方法・結果】
・PT-INRのPOC検査を提供できる8外来クリニックが参加
・POC検査導入前後最低12ヶ月間ワルファリンを内服した連続148例対象
・POC導入前後のTTRを比較

・POC導入後のTTRは、導入前に比べ有意に高い:51.9%±33.0% vs. 69.3%±26.3%;P<0.0001
・TTR改善度は、POC導入前のTTRが低い(70%未満)患者で統計学的にあきらか。
・POC導入後、INR目標値を超えた時間は変わらなかった:3.7%±10.6% vs. 3.3%±6.3%, P=0.7322
・POC導入後、INR目標値を下回った時間は明らかに改善された:44.4%±34.4% vs. 27.4%±27.6%, P<0.0001

【結論】POC検査の導入はTTR改善と相関する。特にINR目標域を下回る時間が減少する。

### 尊敬する大阪大学の奥山先生の論文です。INR管理におけるコアグチェックの有効性を示した非常に臨床に役に立つ論文と思います。

当院でもコアグチェックを使用していますが、採血後約1分でINRが測定できます。

これを使うと、使用前に比べTTRが平均52%から69%に改善し、とくにアンダードーズの期間が短縮した。というのが主所見です。

この理由として奥山先生は、
1)医師がワルファリン用量を調節しやすい。INR測定の間隔が約10日間程度短くなるため
2)その場で結果が出ることによる、ワルファリン服薬への理解の向上と服薬アドヒアランスの改善
を挙げられています。

私もこの推察のとおりと思います。
当院でも開業当初の2〜3年、検査会社に外注する形でINR測定を行っておりました。
採血結果は早くても翌日午後に伝票として届けれられていました。
当院では、当時、もしINRが至適レベルであれば患者さんには連絡しない。
上回ったら、翌日夕方に患者さんに電話をして、ワルファリンを0.5mg程度減らすように指示し、
下回っていたら、予備に渡しておいた0.5mg製剤を追加して飲むように指示していました。

こうすると、上回った場合、例えば3.5mg出していた方が3mgに減らすときは良いのですが、3mgを2.5mgに減らすときは1mgをご自分で割っていただくが、別に前もって0.5mgも処方してそちらに切り替える、あるいは3mgと2mgを隔日で交互に飲んでもらう、というようにしました。

下回った場合は、前もって0.5mgを出しておいて、そちらを追加してもらうようにしていました。

このやり方は、十分理解力のある方でないと服用量を誤る可能性があります。また、上回った場合は電話を必ずしていましたが、下回った場合、たとえば70歳以上で1.4〜1.5くらいだったら、電話をしないでそのままのこともありました。やはり下回った場合、どこかで出血は回避できるとの妙な安心感から、電話をつい怠ってしまうことがあったように思います。

コアグチェックではこの億劫感が解消されますので、下回った時間が顕著に改善されたのだと思います。

TTR69%まで改善できればもう少しでNOACも要らないレベルになりそうですね。

コアグチェックは、指先からも採血でき、当院では患者さんに好評です。しかし最大の問題は検査キットのコストですね。
これが高いゆえに導入していないクリニックも数多いと思います。安くなればもっともっと普及するように思います。
by dobashinaika | 2014-04-25 23:47 | 抗凝固療法:ワーファリン | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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