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心房細動アブレーションのリアルワールドでの成績:欧州の登録研究より:EHJ誌

EHJ 1月31日付オンライン版より

The Atrial Fibrillation Ablation Pilot Study: an European Survey on Methodology and
Results of Catheter Ablation for Atrial Fibrillation: conducted by the European Heart Rhythm Association
Eur Heart J (2014)doi: 10.1093/eurheartj/ehu001


【疑問】ヨーロッパでの心房細動アブレーションの実態はどうなっているのか?

【方法】
・ヨーロッパの10ヶ国72施設
・初回アブレーション20連続症例を登録、1年間追跡。除外基準なし
・2010年10月〜2011年5月

【結果】
1)1410人組み入れ。1391人アブレーション施行(98.7%)、93.5%完全追跡

2)不整脈記録:心電図76%、ホルター52%、電話伝送8%、植込み型デバイス4.5%

3)50%以上は無症候性

4)21%は術後不整脈のために再入院

5)抗不整脈薬なしの成功率:40.7%:発作性43.7%、持続性30.2%、長期持続性36.7%

6)2回目アブレーションは18%

7)43.4%は抗不整脈薬管理

8)有害事象;33人2.5%。左房由来心房頻拍272例21%

9)死亡4例:出血性脳卒中1,虚血性心疾患による心室細動1,がん1、不明1

【結論】
この心房細動予備調査は、リアルワールドの心房細動アブレーションにおける疫学、管理、結果に関して極めて重要な情報を提示している。
成功(かどうか)の評価は(最善とは言わないまでの)少なくとも次善のものである。
こうした文脈においてさえ、12ヶ月成功率は単一の臨床試験の報告よりいくらか低く認められる。

### 抗不整脈薬なしでの洞調律復帰率は40%、再入院は21%です。
以前紹介したヨーロッパの登録研究では洞調律復帰率(抗不整脈薬なし)は59%(発作性)。合併症は3.9%でした
http://dobashin.exblog.jp/16008039/

こうした登録研究は当然登録施設の臨床レベルや、アウトカム評価の方法などが結果を大きく左右しますので、単純比較よりも複数の研究を眺めて、全体の傾向を知ることに意味があると思われます。
しかし、抗不整脈薬なしで成功する人が4割というのは、低い印象があります。
また心房頻拍が多いのにも注目したいと思います。
by dobashinaika | 2014-02-10 18:20 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)

心房細動アブレショーション成功後も抗凝固療法は続けるべきか?:EP誌

Europace 1月19日付オンライン版より

Incidence of cerebral thromboembolic events during long-term follow-up in patients treated with transcatheter ablation for atrial fibrillation
Europace (2014)doi: 10.1093/europace/eut406


【疑問】心房細動アブレショーション成功後も抗凝固療法は続けるべきか?

P:イタリアの1病院で心房細動アブレーションを受けた患者:3ヶ月後

E:CHADS2スコア1点以下で再発なく、抗凝固療法中止

C;CHADS2スコア2点以上で抗凝固療法継続

O:血栓塞栓イベント、出血イベント

【結果】
1)766人、60.5ヶ月追跡

2)血栓塞栓イベント;継続群2,2%vs. 中止群1%;P=0.145;全員心房細動の再発ありの症例

3)CHADS2スコア及びCHA2DS-VAScスコア2点以上は、高血栓塞栓リスクと関連:各P=0.047,0.020

4)CHADS2スコア1点以下のうち、CHA2DS-VAScスコア2点以上は血栓塞栓イベントの予測因子:P=0.014

5)CHA2DS-VAScスコア2点以上の血栓塞栓イベントは0.6/100人年。出血イベントは7例で全員継続例

【結論】
・アブレショーション施行心房細動例は、抗凝固療法継続の有無にかかわらず、一般心房細動例より血栓塞栓リスクが低い
・再発リスクは予測できないので、CHADS2スコア、CHA2DS-VAScスコア、HAS-BLEDスコアのルーチン使用が抗凝固療法継続するかどうかの意思決定の際には勧められる
・このリズムコントロール治療が持つ血栓塞栓イベント予防の潜在的能力評価にはさらなる無作為化試験が必要

### アブレーション後、CHADS2スコア、1点以下の症例なら抗凝固療法をやめる施設は多いと思われます。やめると5年で1%に血栓塞栓症が起こリ、それはすべて再発例である。
再発の有無にかかわらずCHADS2スコア2点以上で継続した場合は5年下で2,2%で発症する。とのことです。

ROCKET-AFのワーファリン群のイベント発生率が1年間で2,4%、ENGAGE AFが1.80%ですので、アブレーションでだいぶリスクが減ることになります。

全例再発例とのことですが、心房細動の再発はなかなか100%把握できないのがつらいところですが、1点以下で中止、2点以上で継続という方向は間違っていないことを裏付けるデータかもしれません。
by dobashinaika | 2014-01-31 20:24 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)

欧州心臓病学会の”不整脈この1年(2013年)”その2:新しいテクノロジー

Eur Heart J 1月2日付オンライン版より

The Year in Cardiology 2013: arrhythmias
Eur Heart J (2014)doi:10.1093/eurheartj/eht552


一昨日の続きです。
ヨーロッパ心臓病学会による「循環器病学ことしの1年,2013年」の不整脈編”心房細動管理の新しい、未来の技術”

・左房閉鎖術(LAA)は、protect-AF試験において、抗凝固薬に比べ死亡率、心血管死、出血性脳卒中を減らすことが示された。
・特にワーファリン不適患者には有効で、今後普及していくと思われる

・レーザーアブレーションの初の多施設研究の結果が期待できる
・クライオアブレーションの、抗不整脈薬に比べての安全性、有効性がSTOP-AF試験で示された
・Fire and Ice試験が進行中であり、このデバイスのさらなる知見が期待できる
・新しい多電極Spiral RFアブレーションの米国でのreMARQable 試験が進行中である

CONFIRM試験は巣状のインパルスとそのrotorを修飾することによる新しいアブレーションについての有効性に関する最初の試験である
・Man and Machine試験は VisiTag™を使った接触圧をモニターできるカテーテルによるアブレーションは組織との接触やカテーテルの安定性を改善するものと期待される
・もう一つの有望なイノベーションとしてMRIを使ったアブレーションが既に紹介されている
 欧州心臓病学会の”不整脈この1年(2013年)”その2:新しいテクノロジー_a0119856_19405126.gif


### こうしてみるといろいろありますね。アブレーションテクノロジーの進歩はここまで来ていたんですね。すっかり論文読み飛ばしていました(笑)。
これらのうち、どのデバイスが生き残っていくのか、興味はつきません。
by dobashinaika | 2014-01-22 19:41 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)

カテーテルアブレーション時リバーロキサバン継続の有効性安全性:JACCより

5日も更新していないと、禁断症状が出ます(笑)。お正月気分も完全に抜けましたのでまたコツコツアップしていきます。

JACC 1月8日付オンライン版より

Feasibility & Safety of Uninterrupted Rivaroxaban for Periprocedural Anticoagulation in Patients Undergoing Radiofrequency Ablation for Atrial Fibrillation: Results from a Multicenter Prospective Registry
doi:10.1016/j.jacc.2013.11.039


【疑問】カテーテルアブレーション前後でリバーロキサバンを中止せずに継続した場合の有効性安全性はどうか?

P:北米8施設の心房細動アブレーション患者の症例対照研究

E:アブレーション前後でリバーロキサバン継続患者

C:アブレーション前後でワルファリン継続:年齢、性別、心房細動のタイプをマッチング

O:出血イベント、塞栓症イベント

【結果】
1)641人、平均63±10歳。69%男性、51%発作性。

2)HASーBLEDスコア:ワルファリン群で有意に高い(1.70 ±1.0 vs 1.47 ±0.9; p=0.032)

3)出血&塞栓イベント:47例7.3%&2例0.3%

4)最初の30日間におけるイベン発症に両群間の差はなし
   大出血:5/1.6% vs 7/1.9%; p=0.772
   小出血:16/5.0% vs 19/5.9%; p=0.602
   塞栓症:1/0.3% vs 1;0.3%; p=1.0

【結論】アブーレション施行前後のリバーロキサバン継続は、ワルファリン継続に比べて有効性安全性とも同等

### ダビガトランで同様の報告が日本から出ていますが、ダビの方は出血が少なかったとあります。しかしながら割付試験でなくnも小さいので、エビデンスレベルとしては本論文のほうが高めと思われます。
http://dobashin.exblog.jp/16413289/

こういう現場の報告は大事です。アウトカムが同じならINR管理に面倒がいらず、すぐに体内から消え、直ぐに効果の出るリバーロキサバンのほうがいいとも言えます。

ただ大出血が起きた場合などの中和薬がない、などのデメリットも有りますが。
術中のヘパリン使用など知りたいところです。
by dobashinaika | 2014-01-15 22:55 | 抗凝固療法:リバーロキサバン | Comments(2)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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