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がん合併心房細動例では,脳卒中予防の点でNOACは少なくともワルファリンより劣ることはない:JAHA誌


背景:がん合併心房細動に対するNOACの効果は一定しない。このポピュレーションにおけるNOAC vs. ワルファリンのメタ解析を行う

方法;
・5試験。NOAC8908例,ワルファリン12440例,ランダム効果モデル

結果:
1)心房細動患者では,がんの状態と脳卒中/全身性塞栓症,大出血,死亡とに有意な関連なし

2)ワルファリンに比較してNOACは以下を減らした。
脳卒中/全身性塞栓症(RR, 0.52; 95% CI, 0.28-0.99),
静脈塞栓血栓症(RR, 0.37, 95% CI, 0.22-0.63),
頭蓋内出血または消化管出血(RR, 0.65; 95% CI, 0.42-0.98) ,
虚血性脳卒中(ボーダーライン) (RR, 0.63; 95% CI, 0.40-1.00) ,
大出血 (RR, 0.73; 95% CI, 0.53-1.00)

3)NOAC vs. ワルファリンの上記のアウトカムは,がんのあるなしに関係なく同様
a0119856_07292493.png
a0119856_07295145.png

結論:がん合併心房細動においては,NOACはワルファリンに比べて血栓塞栓症と出血は同等もしくは少なかった。静脈血栓塞栓症リスクは減らした。

Disclosures:なし

### 一緒にまとまっているClinical Perspectiveが親切です。
What Is New?
・がんの状態と脳卒中/全身性塞栓症,大出血,死亡は関係ない
・NOACは,ワルファリンにくらべ,脳卒中/全身性塞栓症,大出血は同等もしくは減少,静脈血栓塞栓症は減少させた
・がんのあるなしにかかわらず,上記の関係は同じ

What Are the Clinical Implications?
・がん合併心房細動例では,脳卒中予防の点でNOACは少なくともワルファリンより劣ることはない。

がんのステータスとイベント発症率は関係ないのですね。メタ解析ならではの結果なのでしょうか。NOACのほうが概ねワルファリンより良好ですが,予想された結果ではあります。

とはいえ,用量設定や併用薬剤については不明で手探りな点が多く,慎重に使うことには変わりありません。

$$$ すわん君。不整脈心電学会で頑張ってました。
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by dobashinaika | 2019-07-30 07:32 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

心房細動とがんの関係:JACC誌

JACC 3月18日号より

Insights Into Onco-CardiologyAtrial Fibrillation in Cancer
Dimitrios Farmakis, MD, et al
J Am Coll Cardiol. 2014;63(10):945-953. doi:10.1016/j.jacc.2013.11.026


【疑問】心房細動とがんの関係は?

JACCの最新号に心房細動がんの関係の関係に関する総説が掲載されています。

膨大ですので、エッセンスだけまとめます。

・がん患者において心房細動が診断される頻度が増加している。特に手術後の患者
・心房細動患者の2,4%にがんが合併
・がんと診断された患者の1.8%に心房細動が新たに発症
・新たに診断された患者では、血栓塞栓症は非がん患者の2倍、心不全は6倍

・これは、共通の生体内環境、腫瘍の直接的影響、手術や薬物による合併症ーーなどが機序として考えられる

・共通の分母としては炎症があげられる

・担がん患者の抗凝固療法はチャレンジングである

・がんは塞栓症、出血両者を増加させるからである

・CHADS2スコアは予測には適用されない
  ・出血リスクが高く単純に抵抗できない
  ・まずHAS-BLEDスコアで評価し、低出血リスクの場合にCHA2DS2-VAScスコアを適応する
a0119856_23553391.jpg


・エビデンスがないので個々の対応を迫られる

・非がん患者対象のガイドラインや既存がん患者のエビデンスを参考にしながら行う

###がん患者さんというくくりで心房細動を考えたことは、ありませんでした。
しかし、最近他院から心房細動で紹介されてくる方の中にがん患者さんや、腫瘍専門医からの紹介が増えていることを実感します。

単に患者さんの高齢化とも思っていましたが、やはり共通の病態を考えるべきなのです。

抗凝固療法はたしかにやりにくいですが、そのがんがどのくらいのアクティビティで、塞栓と出血のリスクがどの程度なのか、について腫瘍内科あるいは、専門医としっかり連携を取る必要があると痛感します。

循環器内科医と腫瘍専門医とのコラボも必要な時代です。

NOACはがん患者さんの出血にはワルファリンに比べ、どの程度リスク減少があるのでしょうか?
各RCTはアクティブながん患者は除外基準に入りますので、なかなか明らかな情報はないかと思います。
ただ抗がん剤との併用は、ワルファリンよりはやりやすいと思われます。

今後注目すべき分野かと思われます。
以下はまとめの概念図です。
a0119856_23555740.jpg

by dobashinaika | 2014-03-14 23:57 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

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