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第5回心房細動を考える会

昨日(27日)、私が世話人を務めます。心房細動を考える会の第5回が開催されました。

はじめに東北大学病院循環器内科の福田浩二先生から「抗不整脈薬の作用機序による使い分け」について、詳しい解説がありました。最近心房細動治療において、不整脈の薬は以前より重視されなくなってきている傾向があります。無理に正常なリズムに戻さなくてもよいとする研究結果が発表されているからです。しかし、やはり心房細動は、症状のある人にとっては、ないに越したことはありません。その時不整脈の薬はやはり有力な武器となります。今回改めて、そういった薬の細かい使い分けについて、福田先生から詳細にお話しいただき、理解を新たにいたしました。

後半は、何といっても心房細動治療で一番知りたい「ワーファリンの実践的使用法と課題」についてわたし、五十人町おおとも内科の大友淳先生、福田先生からそれぞれワーファリンの導入、休薬、維持、相互作用についてお話しいたしました。
昨日は、仙台市内で非常にたくさんの勉強会が開かれた模様で、出席者こそ少なめでしたが、その分、講演の途中でも質問が相次ぎ、大変密度の濃い勉強会ができたと思います。
# by dobashinaika | 2010-05-28 08:26 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)

大動脈ステント治療の進歩‐第8回みやぎ心臓疾患症例検討会‐

おととい(25日)、私が世話人をしております、みやぎ心臓疾患症例検討会の第8回が開催されました。仙台近辺の循環器を専門とする開業医の先生を対象に、循環器の病気のそれぞれの専門の先生に最新の治療につき、講演していただく勉強会です。

今回は、仙台厚生病院心臓血管外科の阿部和男先生に、胸部、腹部大動脈瘤に対するステント治療についてお聞きしました。ステントとはいわゆる金属の筒で、狭心症などでは今や標準的な治療法となっています。一方、近年高齢化に伴い、心臓から全身に血液を送る大動脈が膨れてこぶ状になる大動脈瘤にかかる患者さんが増加しています。司馬遼太郎やアインシュタインもこの大動脈瘤が破裂したために死亡したとのことです。従来この病気は、血管を人工のものに取り換える手術しか治療法がありませんでしたが、瘤の部分にステントを挿入し、弱い壁のところを補てんして破裂しないようにする治療が開発されました。と言いましても、欧米では10年以上前から実用化され、日本ではようやく数年前から行われるようになったとのことです。

仙台厚生病院では早くからこの治療法に取り組まれており、阿部先生は宮城県では一人しかいない同治療法の指導医です。ステント治療は胸やおなかを切らないでカテーテルで挿入するため、体への負担が少なく、入院期間も短いことが長所です。一方やはりどうしても手術でないと治らない場所があり、全部の患者さんができるとは限りません。また医療費の関係もあり腹部大動脈瘤では、リスクの高い方に限って適応されるとのことです。

ステント治療法は、どんなステントを選ぶか、どこの場所においてくるかなど熟練した技術が要求されますが、近所にこのような素晴らしい先生がおられることに、幸せを感じる会でした。
# by dobashinaika | 2010-05-27 08:23 | 開業医の勉強 | Comments(0)

平成22年度日本ペースメーカー友の会宮城県支部総会

本日は平成22年度の日本ペースメーカー友の会宮城県支部総会があり、来賓として出席いたしました。この会も設立から2年半を迎え、新規入会の方も増えており、順調に運営されているように思われます。ただ会員の方、役員の方にはご高齢の方も多く、どうしても会の出席を継続できない方もおられるとのことで、今後は役員数を増やしていくことで全員の賛同が得られました。

午後からは恒例の質疑応答があり、ペースメーカーと低周波治療器、電気毛布、CT、乳がん検診、タッチパネル式携帯電話との関係に関する質問や、術後の痛み、高齢でも手術はできるのか、などかなり多様な質問が出されましたが、回を重ねるごとに質問も進化しており、答える側も勉強しなければとの思いを強くいたしました。
平成22年度日本ペースメーカー友の会宮城県支部総会_a0119856_2362221.jpg

# by dobashinaika | 2010-05-23 23:06 | ペースメーカー友の会

レニンアンジオテンシン系の抑制による心房細動予防のメタ解析

心房細動の一番大本もある原因は何でしょうか?それは心房が筋肉でできるているからです。というと禅問答のようですが、若い人の全く障害のない筋肉は筋肉繊維の束(筋肉は筋肉細胞が束状に集まって、細長い繊維を作っています)がまっすぐで電気もスムーズに流れます。ところが、様々な原因でその筋肉の配列に乱れが起きたり、間に電気を通さない組織(線維組織)が入り込んだりすると電気にも乱れがおきますこれが心房細動です。このようなよけいな組織が入り込まないようにする薬として、血圧の薬であるアンギオテンシン変換酵素阻害薬あるいはアンギオテンシン受容体拮抗薬(以下ACE/ARB)が注目されてきました。実際数年前までは、効果があるとするデータが次々と発表され、大変な期待が寄せられたものです。しかしながらここ数年その効果に否定的なデータも出され、結論は出ていないままになっていました。今回、これまで出た数々の論文をまとめて分析した、メタ解析の結果が発表されました。(J Am Coll Cardiol 2010;55:2299-2307).

目的)ACE/ARBの心房細動抑制に関する臨床試験データを概観する

背景)これまでの結果は、各研究で一定でない。

結果)計87,048人を扱った23の無作為割り付け試験(ACE/ARBを飲んだ人とそうでない人を無作為に分けて結果を比較する)を解析した。元々心房細動がない人の新たな心房細動発症を対象にした試験は、高血圧患者対象が6試験、心筋梗塞対象が2、心不全対象が3だった。一方心房細動を持っている人の再発を調べた試験は、心房細動を(電気ショックなどで)元に戻して(除細動)からの再発を調べたのが8試験、薬による再発予防患者を対象としたのが4試験であった。
全体としてACE/ARBは、それを飲んでない人に比べ33%心房細動を抑制した。しかし各試験の間で、その対象などにはばらつきがあった。新たな心房細動発症を調べた解析では、心不全、高血圧、左心室の肥大がある患者で有効性が認められたが、心筋梗塞後の患者では有効ではなかった。心房細動の再発を調べた解析では、抗不整脈薬を飲んでいる患者で、よりACE/ARBが有効だった。全体として、除細動後の患者で45%、抗不整脈薬服用中の患者で63%も再発が抑制され、新規の発症よりも効果が大であった。


###同様の解析は2005年にも同じ雑誌で発表されましたが、今回はその後に、効果がないとする論文がいくつか出たことを受けての解析だと思われます。ですが、今回の論文は一応それでも全体としてACE/ARBの心房細動への効果はあり、と結論されています。しかしながら、まだまだ結論づけるのは早そうです。論文の中でも述べられていますが、解析の対象となった試験の多くは、心房細動を主要な検討項目として最初から設定していません。つまり最初から心房細動が起きるかどうか調べると決めずに、後からそういえば心房細動はあったのだろうか、と振り返って調べられているものがあるのです。そのような研究では調べ方も年1回心電図を取るだけであったりしています。そもそも心房細動があったかどうかを心電図だけで判定するのには限界があり、電話伝送などの方法を用いないと発作が見逃されたりします。
そうした限界をできるだけ排除して、はじめから心房細動のみを標的として行われたGISSI-AFという試験ではACE/ARBの効果は全く証明されませんでした。
心房細動は、多種多様な疾患です。それは時間的に進行するため、どのくらい進行した段階で、つまり発作性の段階か、持続性の段階かによって、どんな治療が効果的なのかが変化するからです。同様に今度は同じ進行度の患者さんでもその背景、例えば高血圧があるかないか、心不全があるかないかでも違ってきます。心房細動治療はこの時間軸と空間軸との両方から考えなければうまくとらえることができません。その意味で、いわゆる前向き試験がより多く行われ、もっと解析されるべきでしょう。
レニンアンジオテンシン系の抑制による心房細動予防のメタ解析_a0119856_23131620.jpg

# by dobashinaika | 2010-05-21 23:13 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

健康増進外来の見学

ブログにアップするのが大変遅れてしまったのですが、先週の11日(火)、坂総合病院北部診療所の看護師さん1名が、当院の健康増進外来を見学にいらっしゃいました。
同診療所では家庭医療の実践を目指し、診療されているとのことで、保険医協会新聞等をご覧になり、当院のナースによる健康増進外来について興味を持たれたとのことでした。
こんな小さな診療所に、他の施設から見学に来ていただけるということは、それだけで大変名誉なことであり、今後の励みにもなります。当院看護師もやや緊張しながら、質問に答えていました。
# by dobashinaika | 2010-05-18 00:14 | 心理社会学的アプローチ | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

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