心房細動における認知症の評価と治療のまとめ:AFNET/EHRAコンセンサス会議から
引き続き,第8回AFNET/EHRAコンセンサス会議の報告から,認知症と心房細動についてです。番号は元論文内の文献番号です。
<心房細動における認知機能障害の評価と治療について>
・心房細動における認知症の原因は:
1)脳卒中(無症候性脳虚血を含む)2)それ以外53,54:全身性炎症、 慢性脳低灌流55 、 薬剤の副作用56。
・心房細動は認知障害や認知症の負担に直接関与し、 介護者や社会にとって間接的に大きく影響6,57。
・認知機能の評価を考慮した統合的な心房細動管理は、認知症のリスクを低減できる1 。
・しかし、観察研究が多く、心房細動治療を認知症予防の関連は、確立されていない。ただしいくつかの無作為化試験が進行中(表1)。
・ESC の 2020 年ガイドラインに具体的な推奨事項がなく1 、医師が心房細動の認知機能への影響について認識していないことが、臨床現場における大きなハードル
・患者、その家族・介護者、そしてプライマリケア医の関与が必要。
・逆に、認知症患者(図4)では、高血圧や糖尿病などの危険因子を共有し、心房細動が発見されないと認知機能がさらに低下する可能性があるため、心房細動のスクリーニングは妥当。
心房細動と認知機能障害(または認知症)の3つの一般的な症例に関するフローチャート:
(i) 心房細動が判明しているが、精神状態に問題のない患者、 (ii) 認知障害が判明している患者、 (iii) 心房細動と認知障害の両方が判明している患者。心房細動が判明している患者については、認知機能の簡単なテストにより、認知障害の原因を評価し、可逆的な原因に対して治療を開始するための詳細な評価の必要性を確認することができる。同様に、認知機能障害を呈する患者は、心房細動の機会ごとにスクリーニング(脈拍触診、最終的には心電図)を受け、心房細動が発見された場合は、欧州心臓病学会が推奨するA-B-C (Atrial fibrillation Better Care schemeに従って専門家によって評価・管理すべき。
<認知機能障害患者におけるマネジメントの特質>
・認知機能障害とは、成人の生涯にわたって記憶力、認識力、判断力、精神的な鋭敏さなど、1つ以上の認知能力が低下すること。
・MMSEやMoCA,神経科医による評価,MRIによる画像診断が有用
・残念ながら、認知機能障害は抗凝固療法を中止する要因の一つであり、それによって脳卒中や死亡のリスクが高まる59,60。
・認知機能障害は、ビタミンK拮抗薬の至適治療域になる期間の短さと関連58。
・EAST-AFNET 4試験は、早期のリズム管理と脳卒中リスクの低下の関連を示唆するが4、早期のリズム管理が無作為化後2年の認知機能に影響するという明確なエビデンスはなし36。
・大規模コホート研究では、カテーテルアブレーション患者は、非実施患者と比較して脳卒中と認知症のリスクが減少していた61。潜在的な交絡やバイアスがあるにもかかわらず、抗不整脈薬治療と比較してアブレーションにより心房細動の負担が軽減されたことに起因している可能性あり30。
・しかし、心房細動アブレーションは、MRI を用いた研究においては、無症候性の白質病変も引き起こすとされる。
・したがって、アブレーションによって誘発される脳病変を最小限に抑え,かつ適切な抗凝固療法下でのリズム管理を考慮すべき(図 4)68。
・心血管系危険因子の特定と治療により、 認知症を減らすことができる69 。
・心房細動患者におけるライフスタイルの修正の重要性を指摘する証拠が増えつつある70。定期的な運動による認知症のリスクの低下が指摘されている71。
<心房細動患者における認知機能障害の実際と研究上の意義>
・疑いが強くなくても、心房細動患者において正しい認知機能評価を行うべきである2 。
・心房細動は認知機能障害の独立した危険因子であるため、その存在について評価すべきである。
・認知機能障害の進行を防ぐための最適な(非)医学的治療を目指すべきである73-76。
<ナレッジギャップと研究の機会>
・抗凝固療法が心房細動患者の認知症リスクの低下と関連するという新たな証拠が得られてはいるが、認知(障害)機能と心房細動およびその治療の相互作用を扱うさらなる前向き研究が緊急に必要77,78。
・逆に、リズム管理または併用疾患の治療が認知低下を抑制できるかどうかは不明
・したがって、心房細動の管理戦略を評価するランダム化比較試験では、認知機能の経過も評価する必要がある。MRIなどの評価項目も必要である。
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1)心房細動と認知機能低下の関連が示唆されている
2)心房細動患者での早期の認知症評価,および認知症患者での心房細動の検出が考慮されるべきである。
3)早期のリズム治療,抗凝固薬,統合的マネジメントが認知症低下リスクを減らすことを示唆するデータは多く取り組むべきだが,前向き研究が少ない
おおよそ以上のようなメッセージかと思われます。カテーテルアブレーションあるいはDOACが認知機能低下を抑制できるか。認知症の経過がそれ自体長期なため,前向き研究は大変ですね。本当に早期になくしてしまえばよいならアブレーションのモチベーションが上がります。もちろん心房細動だけが認知症の要因ではないので,「統合的マネジメント」が基本とされていますね。まあ,認知症予防は本当に可能なのか,すべきなのかという議論がその前にあるわけですが。。
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by dobashinaika
| 2023-04-20 07:29
| 心房細動:疫学・リスク因子
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AIによる心房細動の診断と発症予測:現状と課題:AFNET/EHRAコンセンサス会議から
・人工知能は、教師あり学習と教師なし学習の2つに大別される。
・教師あり学習では、出力や目標が定義されている(例:心電図上の洞調律や心房細動の認識など)。学習プロセスでは、ラベル付けされたデータセットを使用して、分類や回帰の問題を解決する。教
・教師なし学習では、出力の予測やラベル付けされたデータの必要性はない代わりに、パターンや構造を特定し、類似した変数をクラスタリングすることを目的として、生データがモデル化される。
・現在、教師なしディープニューラルネットワークが、最も一般的な方法だが、大規模なデータセットを必要とし、独自の論理プロセスを生成するため、複雑な説明分析手法を必要とするブラックボックスを作り出す。
・AFの分野ではAI関連論文が大量に増加しており、2016年以降、PubmedでAFとAIに関する5298件の論文がインデックスされている163。
・増加の理由として第一に、心房細動評価の二本柱である電気信号と画像信号は、機械学習アプローチに適していること。
・第二に、Computing in Cardiology challenge 2017/PhysioNetのような大規模なデータセットの作成が、AIに関する研究の展開を促進したことである164。
・AI技術は、心房細動の発生・再発予測や、マルチモビディティ患者の薬剤治療への反応に関する研究において用いられてきた165。
・例えば、ECG信号とパルスプレチスモグラフィー信号に基づく心房細動検出には、ディープニューラルネットワークが用いられてきた166-168。診断能力は従来のアルゴリズムより高い。
・AIの心房細動の心電図診断発症予測についての最近の論文→169
・ 洞調律の標準12チャンネル心電図1枚にから今後31日以内の心房細動を予測能はAIC0.87→170。
・上記アルゴリズムによる、平均寿命7.4年の高齢者のコホートでの、心房細動発症予測能は,臨床情報、ECGパラメータ、および血圧測定を組み合わせた臨床心房細動リスクスコアと同等→171.
・表4は、心房細動の治療にAIを使用する現在進行中の登録試験の一覧。
・これらのアルゴリズムは優れた予測能力がある一方、アルゴリズムがどのように動作し、診断が下されるのかについて十分な知見が得られていないことが多く、検証や一般化可能性に不確実性が残り、日常臨床への導入が危ぶまれる。
<ナレッジギャップとリサーチの余地>
・データの構成とアクセスは、研究および臨床応用の両方にとって大きな課題。
・異なるデータセットには異なるデータ保護規則が適用されるため、特にヨーロッパではアクセス性が制限される。
・データセットは多様なステークホルダー(AIツールを開発・商業化する民間企業や、開発・比較・実装を行う学術機関)によって所有・管理されている。データの利用には、データ保護と利用に関する厳格な法的枠組み(一般データ保護規則や医薬品の臨床試験実施基準など)が適用される。
・再現性のためには、アルゴリズムで生成された予測の検証のために、データアクセシビリティが重要である。また、国際医学雑誌編集者委員会(ICMJE)に従い、科学的透明性を確保するためにも、優れたデータアクセシビリティが要求される
・この文脈では、AIを使用したすべての前向きな臨床試験や登録が、公式の試験登録に記載されることが要求されるべきである。
・残念ながら、欧州内外の学術パートナー間のデータ共有と流通のためのプロセスが現在複雑で無秩序。
・EUは、データ戦略(Strategy for Data | Shaping Europe's digital future (europa.eu))とデジタル資産の管理およびスチュワードシップに関するFAIR(Findability, Accessibility, Interoperability, and Reuse)指導原則について声高に主張しているが、しばしば個々のプロジェクトレベルでは他の欧州および国内の規制と衝突する。
・特に、医療機器規制(MDR)の更新に伴い、診断予測ツールを使用する際の医療責任という基本的な側面も評価する必要がある。
<人工知能の臨床導入を促進するためのステップ>
・AIを用いた調査や応用の結果は、今後ますます利用できるようになるだろう。
・このようなアプリケーションは、当局の正式な規制の承認にとどまらず、その性能と使用方法を心房細動治療の現状と照らし合わせて比較する必要がある。
・このような状況は、ESCやEHRAのような専門学会によって生み出される。
・AIを用いた心房細動検出法の方法論とその意味を理解するには、情報学、計算ネットワーク、生物統計学、法的・医療法的意味合い、医学の分野の専門知識を含む特定の知識(医療経済分析を含む)が必要である。
・ESCやEHRAのような心臓病学会が、ガイダンスを作成のために、このような専門知識を備えたワーキンググループを設立・推進することが推奨される。
### AIによる心房細動の診断や発症予測の目覚ましい進歩とともに,データセットの設定,データの管理,アルゴリズムの透明化など,様々な問題をはらんでいるとの指摘ですね。個人的には,以前から述べているように,無症候性の人に,AIによる予測をどこまで,どうやって伝え,意思決定していくかに関心があります。人々のAIに対する信頼ですね。
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by dobashinaika
| 2023-04-14 07:30
| 心房細動:診断
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心房細動診療の新しい"ABCパスウェイ”:早期リズム管理の重要性
前回に引き続き,第8回AFNET/EHRAコンセンサス会議の報告から,リズムマネジメントについてです。番号は元論文内の文献番号です。
リズムマネジメントの役割増加
<リズムマネジメントのパラダイム>
・リズム管理には、(i)薬物療法、(ii)アブレーション、(iii)除細動、(iv)房室結節治療がある。
・最近の研究は、リズムコントロールの安全性,早期介入の有効性(QOL改善,予後改善)を支持する。AF buedenの低下による効果であるという仮説が明確に支持されている 4,36,37 。
・とくに心血管系疾患を合併した高齢の心房細動患者における早期リズムコントロールの安全性,有効性は、AF-CHF33,CASTLE-AF試験34,ATHENA(ドロネダロン有効性評価)35 およびEAST-AFNET 4(心房細動患者における早期リズム制御療法)4 などのRCTにより証明されており,観察研究でも裏付けられている31,32。
・AFFIRMの時代にくらべリズムコントロールの概念は変化した40。大規模な健康データセットの追加解析が進行中であり、早期リズム管理療法の安全性に関するさらなる情報が得られるかもしれない
・心房細動のABCパスウェイは,今後は従来の適切な抗凝固療法('A')と併存する心血管疾患や危険因子の治療(’C’)にくわえ、「B」の意味が「選択された患者におけるより良いリズム管理」となる可能性がある(図2)。
<洞調律の維持の試み>
・しばしば治療の反復や適応が必要となる。期待の度合いの管理が大切
・洞調律維持の困難例として;1)無症候性長期持続性心の「レガシー」患者
2)重度の心房心筋症や心房肥大 3)最近の脳卒中の既往、リズム管理を拒否した患者 4)終末期の緩和患者 5)データが限られている超高齢者などがある。
<生涯のリズム管理>
・リズムコントロールを開始時には、慢性疾患であることを伝え、治療法の選択肢を提示する必要がある(図3)。現実的な治療目標を設定が重要。
・ATHENA や EAST-AFNET 4 で示されたように、 抗不整脈薬によるリズムコントロールは、予後改善が期待できる。
・心房細動アブレーションと抗不整脈薬は相乗効果あり43-45。
・ カーディオバージョンはリズム管理の重要な要素であるが、それ自体がリズム維持戦略ではなく、抗不整脈薬またはAFアブレーションへの橋渡し。
・β遮断薬、ベラパミル/ジルチアゼム、ジギタリス、ペースメーカーなどの房室結節治療は、長期持続性心房細動において重要な役割あり。
・しかし、新しいエビデンスによれば、多くの患者に対して洞調律回復を試みるられるべきである。
<心房細動アブレーション治療の可能性>
・心不全 患者では心房細動アブレーションを優先する可能性が示唆されている34,46 。
・症状の強い患者,AF burdenの軽減が臨床的に重要と思われる患者では、特に早期の場合、心房細動アブレーションも好ましく, 抗不整脈薬治療よりも QOL や症状の改善に有効である 49,50 。
<リズム管理を改善するための実装>
・トレーニングやリソースの提供に大きな影響を与える。各分野の医師,看護師主導の心房細動クリニックや患者教育も非常に重要。
実用的な次のステップとしては、以下のようなものがある
1)抗不整脈薬に関する知識は、心房細動ガイドラインの遵守
2)カテーテルアブレーションへのアクセスは改善される必要あり。よく訓練されたチームによる専門センターに集中したほうがよい。
3)除細動へのアクセスも改善する必要あり。専門センターだけでなく、一般医が鎮静下で行うことができるようにする。vernakalantのような新しい薬によって、より効果的な迅速薬理除細動が可能になる51。
### ABCパスウェイの概念は。もともとLip先生が2017年に提唱し,ESCガイドラインでも,その心房細動診療のコアコンセプトとして掲げられていたものです。
その中では,ABCのBは”Better symptom management”とされていて,あくまでレートコントロールが先に記述され,それでも症状が残る場合にリズム治療を考えるとなっていました。
それが,今回Bは”Better rhythm management in selected patients”のBに変換されています。図2を見ると,レートコントロールが吹き飛んでいますね笑。
心房細動が10年以上にわたり長期に持続した場合,抗凝固薬の使用,脳塞栓症リスクの他に,機能性の僧帽弁あるいは三尖弁閉鎖不全症を合併し,徐々に心房拡大をきたすいわゆる心房機能性MR,TRの状態となるケースが,ここ最近急増しています。従来レートコントロールでもOKとされていた長期持続性AFですが,やっぱりサイナスにしておけばよかったと思うケースです。
もちろん心房細動は進行性の疾患ですから,早期に叩くだけではだめで,背景リスク因子の管理が極めて重要であることは基本ですが。
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by dobashinaika
| 2023-04-10 05:00
| 心房細動診療:根本原理
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心房細動早期発見の現状と課題:系統的スクリーニングとコンシュマー主導型スクリーニングの組み合わせが有用:AFNET/EHRAコンセンサス会議より
2021年10月にハンブルグで2日に渡って行われた,Atrial Fibrillation NETwork (AFNET) と the European Heart Rhythm Association (EHRA)の第8回合同コンセンサスカンファランスの報告です。箇条書きでまとめました。
心房細動の早期発見とリズムコントロールに関するもので,いずれもいま心房細動分野では最もホットな話題です。今回はまず「早期発見ースクリーニング」から。
心房細動スクリーニングの実装
<アプローチ>
1)ESCでは,65歳以上の機会あるごとのスクリーニング(外来受診時ごとの検脈や心電図)とハイリスク者の系統的スクリーニング(定期的なデバイス使用)を推奨
2)機会あるごとのスクリーニング」は,最近のRCTで心房細動検出率を上げないことが示された。
・「系統的スクリーニング」は,2つのRCTで検出率を増加させる(一方はアウトカムも改善)。
・「コンシューマー主導型スクリーニング=スマートウォッチなど」は成長株で,それなりの能力はあるが,高齢者使用の可否,プライバシーや法的問題,なにより過剰診断や治療時期決定において課題あり。
<系統的スクリーニングのエビデンスに基づく実施>
1)75歳以上すべてと,65歳以上でハイリスクの人に医療機関から連絡し,単回心電図,携帯心電計(2週間1日1回),5−7日ホルターを繰り返す。
2)電子カルテや住民登録を使って、年齢に応じてスクリーニングの対象となる参加者を特定し、オンラインアンケートへのリンク(QRコードなど)が付いた手紙を送付
3)65歳以上では,プライマリ・ケア医の協力で併存疾患を同定し,ハイリスク者にECGパッチやPPGベースの脈拍計を郵送。
<コンシューマー主導の心房細動スクリーニング>
1)スマートウォッチなどは偽陽性率が高いことが懸念されるが,これまで大規模試験では比較的少ない。
2)医療資源の利用拡大(負担)につながる。問題として1)医療者による検証 2)心房細動以外の不整脈の検証 3)低リスク者への適応 がある。
3)医療資源の負担とはなるが,広い層への予防啓発やshared decision-makingの浸透という点で意味ある。
<ナレッジギャップ,ハードル>
以下の問題あり
1)臨床判断の問題:1)再診のタイミング 2)脳卒中リスクとなるようなAF burdenの閾値 3)抗凝固薬開始 の意思決定
2)リテラシー,マイノリティの参加,アウトリーチ活動,市民教育
3)経済的保証
### 機会ごとの検脈/心電図は有効かもしれないが,限界がある。系統的スクリーニングとコンシューマー主導スクリーングを組あわせて,治療の必要な心房細動を同定し,ABCパスウェイにいかにつなげるか、そこにはまだ技術的,社会経済的な面で不確定な問題がある。という感じです。
ここ数年で,この分野も全く様変わりしています。この会議は1年半前ですので,さらにコンシューマー主導スクリーニングの普及が進んでいますね。
この会議では,従来のABCパスウェイにも,ついに見直しが入りました。それについては次回まとめます。大変重要です。
【イントロダクション】
・特に高齢者において,検出されない心房細動は,公衆衛生学上重大な負担および,患者家族への重大な影響を与える1,2。
・心房細動がより多く長く続くと、より高い合併症率と関連するはずだと直感的に思われるが、この仮定をデータで裏付ける明確な生物学的勾配には欠けている3。
・スクリーニングする集団とスクリーニングのモード,分析が定義されている必要がある4,5。
・EAST-NET4試験では,早期のリズムコントロール療法のより、心房細動と心血管危険因子を持つ患者の心血管アウトカムや死亡率を改善できることが示されている4。
・新規心房細動への断固としたリズムコントロールが望ましいが,それには再発時のためのレートコントロールも含まれる。
・心房細動患者における認知機能評価にも注目が集まっており、認知機能障害が治療コンプライアンスに与える悪影響も指摘されている6。
・トランスレーショナルリサーチにおいて,心房心筋症という概念が提示されている。
・AIベースの情報統合は有望だか,データの公正かつ安全な使用と法的障壁の克服が必要。
・第8回AFNET/欧州心拍協会(EHRA)コンセンサス会議:不整脈・心不全専門医、心房細動患者、患者団体、薬理学者、翻訳科学者、一般開業医、神経科医、看護師、疫学者、公衆衛生医学コンサルタント、臨床試験医、医療経済学者など83名の国際的学際専門家。ドイツ、ハンブルク。2日間、全体会と分科会で議論
【心房細動スクリーニングの実装】
スクリーニングのアプローチ
・2020年,ESCガイドラインのスクリーニングに関する推奨は以下1:
1)65歳以上の高齢者における心房細動の機会あるごとのスクリーニング(クラスI、レベルB)
2)75歳以上、または脳卒中のリスクが高い高齢者における心房細動の系統的スクリーニング(クラスIIa、レベルB)
・スクリーニング以外の目的で受診した際の機会あるごとの「スクリーニングの推奨:2005 年以前に英国で実施された脈拍触診を用いた研究に基づくもの
・<プライマリケアにおける機会あるごとのスクリーニング>は、 65 歳以上の高齢者における心房細動の検出を増加させないことが示された8。
・VITAL-AF(Screening for Atrial Fibrillation Among Older Patients in Primary Care Clinics)試験では、定期的な診察時に単一リードのハンドヘルド ECG を使用した場合、85 歳以上の患者で検出が増加するシグナルを除き、心房細動検出に差がないことが証明されている9。
・MonDAFIS(Systematic monitoring for detection of atrial fibrillation in patients with acute ischaemic stroke)試験では,急性性虚血性脳卒中の入院患者に、最長7日間入院してホルター心電図を追加記録するモニタリングと通常ケアを比較したが,同様の見解が示された10.
・これらの研究は、機会的スクリーニングのよく知られた欠点=ハイリスク層を見逃す可能性のあることを示唆する。
・<体系的な心電図スクリーニング>は、未受診患者を含めることで心房細動の検出を改善できることが、最近の 2 つのRCTで実証されている11,12。
1)STROKESTOP 試験では、75-76 歳の人対象に、携帯心電計で毎日 2 週間記録したが,死亡、脳卒中、重篤な出血の複合転帰が対照群と比較して減少した。
2)LOOP試験では、3年間植込み型LOOPレコーダーを使用し,6分以上の心房細動が検出された場合経口抗凝固薬(OAC)療法が開始された。心房細動の検出とOACの開始が3倍に増加したにもかかわらず、対照群と比較して脳卒中と全身性塞栓症のアウトカムが改善することはなかった。
・心房細動を検出するアルゴリズムを組み込んだ多くの医療機器の普及で。消費者主導のスクリーニングは、成長傾向13-15。
・スマートウォッチなど検出の概念的な能力は示されている。
・しかし技術へのアクセス、高齢者集やハイリスク集団での使用、プライバシー、法律、データ転送の問題、心房細動診断の検証、そして重要なことは、臨床的意義のない不整脈を過剰診断する可能性,治療を開始する時期に関する適切な情報(どう判断するかなどの問題あり。
・短くて稀な心房性不整脈を検出することの治療的意義が理解され、高齢者集団における使いやすさと信頼性が改善されれば、心房細動スクリーニングを強化するのに適した方法となるかもしれない16,17。
【心房細動の系統的スクリーニングのエビデンスに基づく実施】
・第8回AFNET EHRAコンセンサス会議の参加者は、心房細動の体系的なスクリーニングを実施するために、さまざまな医療システムに適した、シンプルでスケーラブルかつ実用的な心房細動スクリーニング方法を提案している。
・コンセンサス会議の専門家は、75 歳以上のすべての人に系統的なスクリーニングを推奨し、65-74 歳で追加の危険因子 (例: 心不全、高血圧、糖尿病、脳卒中/TIA、心筋梗塞、下肢動脈疾患、NT-proBNP≧125 ng/L,フォトプレチスモグラフィー上陽性(図1))を持つ人には系統的なスクリーニングを考慮することができるとしている。
・スクリーニングの対象となる個人は、担当医療機関から、地域の都合や慣行に基づいて、手紙、電子メール、電話、またはテキストメッセージで招待される可能性がある。
・理想的には、この招待状には、心房細動スクリーニングの潜在的な利益と害に関する情報を、参加者の母国語で、簡単な表現で記載することが望ましい。
・スクリーニングの方法は、利用可能な医療資源にマッチさせる必要がある1。
・対面の場合、例えばリズムストリップや12誘導心電図を用いた1回のスクリーニングで心房細動を診断することができる。あるいは、5-7 日間(最大 14 日間)の連続 ECG パッチまたはホルター記録を実施することもできる18 。連続モニタリングでは、現行のガイドラインによれば、30 秒以上続く心房細動エピソードが診断の対象となる19。
・心房細動の発見後、診断確定、予後評価のために、心房細動管理に精通した医療チームによる、対面または遠隔での医療評価が必要である。
・評価では、患者情報、CHA2DS2-VASCスコアの確認、その他の合併する心血管疾患や危険因子の検出を行う。その後、併存する心血管疾患や危険因子の診断と治療を考慮し、ガイドラインが推奨するアプローチのすべての要素を取り入れた包括的な心房細動管理を開始するこ。
・このような患者では、検出前のリスクのカテゴリーごとに、繰り返しスクリーニング/モニタリングの時間枠を設定する必要がある。
・心電図を用いた反復スクリーニングの価値とフォローアップ(FU)の理想的な時点はまだ不明であり、将来の試験で調査する必要がある20-22。
・COVID-19後、心房細動スクリーニングのデジタルアプローチが急速に開発され、好ましい方法になる可能あり。系統的な心房細動のスクリーニングは、完全にデジタル技術で実現可能:
・ 電子カルテや住民登録(あれば)を使って、年齢に応じてスクリーニングの対象となる参加者を特定し、オンラインアンケートへのリンク(QRコードなど)が付いた手紙を送って、個人がスクリーニングプログラムに参加する意思があるかどうかを確認することができる。
・また、65~74歳の個人には、併存疾患に関する質問に答えてもらう(必要であれば一般開業医の助けを借りる、図1)。その後、ECGパッチやPPGベースの脈拍計などのスクリーニング機器を参加者に郵送して記録し、医療提供者に返却してデジタル経路を完成させることができる。あるいは、参加者がすでに入手している機器を利用することも可能である。
・心房細動が検出され、記録で確認された場合、参加者は、A-B-Cパスウェイに従って推奨通りの治療を実施するために医療専門家との予約を取るように招待され1、これはまたデジタル予約として実施できる可能性もある。
【コンシューマー主導の心房細動スクリーニング】
・自分の機器を用いる、すなわち消費者主導のスクリーニングでは、機器による偽陽性が系統的スクリーニングよりも高頻度かもしれない。
・偽陽性の割合は、機器の仕様やそのアルゴリズム、個人における検査前の確率に依存する。そのため個人のリスクや認識されていない症状などを考慮した確認が必要である。
・大規模なApple13、Huawei23、Fitbit (NCT04380415) Heart Studiesは、スクリーニング参加者の迅速かつ全国的な募集の可能性を示し、偽陽性の割合が低いことを実証している。しかし参加者の大半は50歳未満であり、脱落率は高かった。
・また、消費者主導の心房細動スクリーニングは、短期的には医療資源の利用拡大につながることが示された。
・まず、医療専門家による確認と検証。第二に、他の不整脈の所見があった場合の検証。第三に、低リスクの人への施行。
・脳卒中リスクのない患者や若年層におけるスクリーニングの意味や効果については、エビデンスが不足している。関係する資源の大きさは不明であり、評価の際に推定する必要がある。
・コンシューマー主導スクリーニングは、ハイリスク者の体系的なスクリーニングプログラムへの入り口となる可能性があるため、資源は相当なものになるかもしれないが、有利な面もある。
・それは、人々を巻き込むこと=心房細動や自分の健康についての管理や学習,予防への意識喚起と,それによってshared decision-makingという概念がより強化される可能性を持っている14。
・コンシューマー主導のスクリーニングによって発見された心房細動の臨床的な意味は不明であり、より専門的な研究が必要である。
・コンシューマー主導のスクリーニングでは、推定される心房細動の負担は、使用する機器によって異なる13-15。
・最近のデータでは、未治療の機会ごとのスクリーニングで検出された心房細動は、臨床的に検出された心房細動と同様の脳卒中リスクを有することが示されている21,25。
・ 心強いことに、LOOP試験で用いられた抗凝固療法は、出血リスクの増加を示さなかったが、脳卒中率は予想よりも低かった12。
【知識のギャップとハードル】
・モニタリングによる検出と,以下のような臨床判断,社会情勢とのギャップがある。
・以下の臨床的判断についての情報不足:1)再診の理想的なタイミング 2)脳卒中リスクの上昇についての心房細動負荷の閾値 3)経口抗凝固療法(および他の心房細動治療)の開始
・デジタルヘルスリテラシー、マイノリティの参加、アクセスの平等26-28、参加を可能にするデジタル機器、アウトリーチ活動、地理的距離の克服29、心房細動に対する認識、教育が重要
・経済的な補償も必要がある。世界のほとんどの地域では、心電図さえも広く普及しておらず、脈拍触診を代替手段として考慮しなければならないのに、今日、デジタル心房細動スクリーニングを進めることは、特権である。
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by dobashinaika
| 2023-04-09 10:58
| 心房細動:診断
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高齢者へのDOAC。本当に減量・中止すべき患者とは/日本循環器学会「クリニックで選択されるべき循環器治療薬~Beyond guideline~」より
3月12日,福岡での第87回日本循環器学会学術集会のセッション「クリニックで選択されるべき循環器治療薬~Beyond guideline~」において,『心房細動抗凝固薬(アブレーションを望まない高齢のPAFなど)』の演題名で発表させていただきました。Japan Cardiology Clinic Network (JCCN)が企画します,日本心臓病学会とのコラボセションです。
私は主に,高齢者への抗凝固療法における注意すべきポイント,特に減量と中止のときに考えたいことをお話いたしました。
高齢者は「多様」ではあるけれども,なんとかそれらを「カテゴリー」でくくって,同一のものを見出し,その特徴を比較する。これこそは科学の方法論ですが,高齢者の場合何が「カテゴリー」なのか,何を「同一のもの」としてくくれるのか,その問いからまず考える必要があります。
はたしてカテゴリー化は妥当なのか,そもそもカテゴリー化できるのか?
これまでの論文では,年齢,腎機能,体重,併用薬剤などの「カテゴリー」で高齢者の中から同一のものを抽出していましたが,それだけではくくれないものがある。もっとunknown factorsがあるのではないか。
従来の論文やスコアリングにおいて,unknown factorsとされるものはすなわちフレイル,認知症(服薬アドヒアランス),ポリファーマシー,マルチモビディティー・・・といったおなじみの言葉でした。これらは,年齢,腎機能,体重,併用薬剤など(ハードプロブレム)に比べて定量化しにくいある意味ぼやけた概念です(ソフトプロブレム)。
一方,ソフトプロブレムはある程度,操作が可能な部分でもあります。フレイル,転倒リスク,服薬アドヒアランス・・こうしたfactorはANAFIEレジストリーのサブ解析をはじめとするいくつかの高齢者対象登録研究などにおいて,概ねアウトカムの独立危険因子にはならないとの報告がなされています。
しかしながら,私達がよく診察室や在宅の現場で診る高齢者は,それらのfactorを複数抱え,各facter間が複雑に絡み合っています。さらにたとえば,同じ「フレイル」とくくっても,実はその中にもかなりの幅がある。低体重ながらよく散歩をし,足腰のしっかりした方も入れば,肥満で膝関節痛や脳梗塞の既往があり,ふらつきやすい方もいる。このように,上記ソフトプロブレムは,お互いに絡み合い,輪郭の不明瞭で,なかなか「同一のもの」として独立に抽出できないものなのです。「多様」の正体はそこなのです。
そこには,たとえばパートナーによる細かな歩行介助だとか,薬剤服用時の見守りだとか,食事の管理といった生活的,文脈的なアプローチが欠かせないと思われます。そして,それらと科学的なアプローチの両面からなるべく出血を少なくするように試みがなされて,はじめて安全に高齢者でも抗凝固薬を使用することができるように思います。
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by dobashinaika
| 2023-03-23 19:12
| 抗凝固療法:全般
|
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土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。
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