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経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)/大動脈弁置換術後の心房細動新規発症率は50%


目的:TAVI(経カテーテル大動脈弁留置術)やAVR(外科的大動脈弁置換術)後の新規発症心房細動の頻度と予後を検討

方法:
・対象:米国のNationwide Inpatient Sample(NIS)登録者で TAVIまたはAVR施行患者
・主要評価項目=新規発症心房細動(入院中発症を除く)。副次評価項目=入院,死亡率(心房細動発症/非発症ごと)
・ニューヨーク州の入院患者データベースと発症率を比較

結果:
1)TAVI48715人(平均81,3歳),AVR122765人(平均67.8歳)

2)新規発症心房細動:TAVI50.4%,AVR50.1%

3)新規発症心房細動例は非発症例に比べ,入院死亡率が高い(TAVI: odds ratio, 1.57; 95% CI, 1.21-2.04; and AVR: odds ratio, 1.3
6; 95% CI, 1.08-1.70)

4)ニューヨーク州の入院患者データベースにおいては新規発症はTAVI14.1%,AVR30.6%

結論:大規模国民登録研究において,TAVI/AVR後のかなりの心房細動新規発症負担が観察された。TAVI/AVR施行者は,一般入院患者に比べ心房細動新規発症率が高かった。

### もちろん,こうした外科的治療を受ける患者さんは,それだけハイリスク例なので心房細動発症頻度も高いという選択バイアスはあります。

ただし,50%で発症というのはかなり高率ですね。発症した人のほうが予後が悪いとのことですので,重症者のメルクマールとして考えると良いと思われます。

$$$ 今日のニャンコ
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by dobashinaika | 2019-06-26 07:18 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

第16回どばし健康カフェ:今回は口腔ケアのお話。締切間近です!

6月22日(土)の第16回どばし健康カフェ,近づいてまいりました。

まだお席がございますので,お時間の許す方はお気軽に起こしください。

今回は「口腔ケア」のお話です。

高齢者ももちろん,若いときから歯のケアは,すべての健康問題に繋がります。
しかしながら,本当に正しいお口のお手入れについては,わからないことも多いというのが本当のところかもしれません。

八幡町を中心に歯科訪問診療を精力的におこなっている五十嵐隆先生にレクチャーをしていただき,わからないことを明らかにし,わかるようにしていきたいと思います。

こちらから申し込みが可能です。

また委員に直接お電話いただいても結構です。
どなたでも参加可能ですので,気軽にご連絡ください。

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by dobashinaika | 2019-06-17 05:50 | 土橋内科医院 | Comments(0)

日経メディカルオンライン「第9回 高齢者の抗凝固療法、「出血に注意」では不十分」upいたしました

日経メディカルオンライン「第9回 高齢者の抗凝固療法、「出血に注意」では不十分」が更新されました。

一番言いたいのはここ
複雑症例の場合は、エビデンスが少ないとかバイアスがあるとかとの理由で思考停止に陥ってしまい、一律に投与しないとか、あるいはどんなケースにも同じ低用量のNOACを出すといった処方も時に見かけます。しかし、エビデンスが少ないなりにも、そのエビデンスと現実世界との間にある解決されていない問題が何なのかを考え、それらを定量化できるもの(腎機能、血圧、併用薬など)とそうでないもの(服薬アドヒアランス、フレイルなど)とに分け、一つずつ考えてゆくという姿勢が、最適解へとつながるのだと思います。」

高齢者抗凝固療法については。とにかく言い尽くせないので,今回はつかみだけです。
今後にご期待下さい。

(要無料登録)
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by dobashinaika | 2019-06-13 22:42 | Comments(0)

アブレーションは心房細動のQOLを有意に改善させるが,ループレコーダーを使うと75%で再発している:CAPTAF試験


P:6ヶ月以上の心房細動治療(1種以上の抗不整脈薬またはβ遮断薬に対し)抵抗性を示す30-70歳の患者155例。北欧の5大学病院。6ヶ月以内の症候性心房細動,心電図上12ヶ月以内に1回以上の発作性心房細動,2ヶ月以内に2回以上の持続性心房細動の除細動歴
除外基準:LVEF<35%,左房径>60mm,心室ペーシング依存,アブレーション歴あり

E:カテーテルアブレーション

C:服薬歴のない抗不整脈薬

O:主要=総合的健康状態 (GH)サブスケールスコア(MOS SF-36,最悪0〜最良100 ),副次=植込み型心臓モニターによる心房細動負荷(時間割合)など。アブレーション3ヶ月間が分析から除外

結果:
1)155例(アブ79例,抗不整脈薬76例),平均56.1歳

2)アブ群再施行14例,くすり群1剤治療抵抗43例

3)GHスコア:有意にアブ群が改善(群間差:8.9ポイント、95%CI:3.1~14.7、p=0.003)
アブ群:61.8ポイント→73.9ポイント
くすり群:62.7→65.4ポイント

4)12ヶ月後のAF負荷:有意にアブ群で改善(群間差:-6.8ポイント、95%CI:-12.9~-0.7、p=0.03)
アブ群:24.9%→5.5%
くすり群:23.3%→11.5%

5)MOS SF-36のサブスケール7つのうち5つで有意にアブ群で改善

6)主要有害事象:アブ群 尿路性敗血症(5.1%),くすり群 心房性不整脈(3.9%)

結論:症候性心房細動において,カテーテルアブレーションは抗不整脈薬に比べ12ヶ月後のQOLを有意に改善した。盲検試験ではないが,カテーテルアブレーションはQOLを改善させる可能性あり。

### QOLに注目したアブレーションvs抗不整脈のRCTです。予想通りアブ群で大きな改善が見られており,その原因はAFの時間的な負荷が大幅に減少したからだと思われます。

しかし一番驚いたのは,全例植え込み型ループレコーダーを導入して心房細動の再発をチェックした点です。それによると心房細動の非再発率はホルター心電図ではアブ群84.9%,くすり群78.4%だったのに対し,ループレコーダーではなんとそれぞれ25.3%,29.7%でした(しかもどちらのデバイスも有意差なし)。
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これを正直にとらえると,アブレーションしても再発しないのは1/4しかいない!ということになります(薬でも同じ)。もちろん合計の時間(バーデン)はアブのほうがかなり少なくなり感じなくはなりますが,ループレコーダーで正確に評価するとかなり再発してるのだということがわかります。

ただし,「再発」の定義はループレコーダーが2分以上持続,ホルターが1分以上ですので,短時間の症例も含まれることにはなっています。

どのくらい持続すると血栓ができるのかという議論にはなりますが,アブレーション後に抗凝固薬を中止することは推奨されない根拠にはなる(とくにCHA2DS2-VASc高リスク例)と思われます。また今後のアブレーション後再発の評価は(少なくとも論文レベルでは)ループレコーダーの使用がデフォルトになっていくのかもしれません。

これまで心房細動の評価は自覚症状,時々の心電図とホルターなどしか用いられてこなかった中で,数多くの臨床試験が成り立ってきたわけですが,本試験はテクノロジーが人の行動様式を変えていく有様をまた見せつけられる思いがします。

$$$ 眠るにはいいい季節
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by dobashinaika | 2019-06-01 07:28 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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