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アピキサバンのリアルワールドデータ,メタ解析:Stroke誌


目的:リアルワールドでのアピキサバンと他のOACとの比較

方法:
・メタ解析
・3ヶ月以上使用,100例以上
・ワルファリン,ダビガトラン,リバーロキサバンとの比較研究対象

結果:
1)16研究,アピキサバン使用170814例
2)米国6,デンマーク4,スウェーデン2,英国,日本,トルコ,ノルウェイ各1
3)2015〜2017年発表論文。デンマーク,トルコ,ノルウェイは全国登録,スウェーデンの1研究は地域登録,米国の研究はすべて保険データベース。ほかは1つの施設登録研究
4)平均年齢は70〜76歳。1つの研究は68.5歳,1つは83.9歳
5)アピキサバンvs.ワルファリン
脳卒中/全身性塞栓症:同等だが低用量ではアピ>ワルファリン。標準用量ではアピ<ワルファリン
出血:全ての出血でアピ<ワルファリン
全死亡:統計的に異質性が高く算出不可能
6)アピキサバンvs.ダビガトラン
脳卒中/全身性塞栓症:アピ=ダビ。低用量アピ<ダビ
出血:全ての出血でアピ<ダビ
全死亡;算定不可能
7)アピキサバンvs.リバーロキサバン
脳卒中/全身性塞栓症:アピ>リバーロ
出血:全ての出血で低用量アピ<リバーロ
出血性脳卒中:アピ=リバーロ
全死亡:標準量アピ<リバーロ

注:「アピ<ワルファリン」はアピのほうが発症率が低いという意味です。

結論:リアルワールドデータのメタ解析では,脳卒中/全身性塞栓症はアピキサバンとワルファリン,ダビガトランは同等。リバーロキサバンはより有効。しかし出血ではアピキサバンはワルファリン,ダビガトラン,リバーロキサバンより少ない。低用量使用では良くない結果だが,対象患者が高齢で虚弱であり交絡因子が多い。

### これだとアピキサバン良さそうと思いがちですが,まあ様々なタイプのリアルワールドデータのメタ解析ですので,決めつけはできません。出血が少ない。低用量使用ではワルファリンと有効性同じ,くらいを頭にとどめておきます。

$$$ 一昨日は今シーズン初雪かき。でもすぐ溶けました。
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by dobashinaika | 2017-12-29 22:03 | 抗凝固療法:アピキサバン | Comments(0)

第12回どばし健康カフェ 2月3日(土):今回は「AIと医療」がテーマです

第12回どばし健康カフェ、次回は年明けの2月3日(土)15:00〜開催します。
テーマは「AIと医療」
今、医療のあらゆる分野にAI(人工知能)が進出し、近い将来、医療者、介護者の仕事にかなり影響を与えることが予想されています。
AIに何ができて、人間にしかできないことは何なのか?
AIと医療が将来どのような関係になっていくのか?
皆で語り合いたいと思います。

ただ、いきなりAIについて語れと言われても難しいので、今回は東北大学のAIの専門家である田宮元先生をお招きしてレクチャーをお聞きしながら対話を行っていきたいと思います。

AIの基本的知識を学びながら、市民、医療者がAIについてどんな印象を持ち、どう考えているのかを知る格好の機会です。
みなさま気軽に参加ください。

以下のサイトから応募できます。
あるいは当院に直接お電話されても構いません。
何卒よろしくお願い申し上げます。


by dobashinaika | 2017-12-24 12:40 | 土橋内科医院 | Comments(0)

抗凝固薬による出血管理についての12のポイント:JACC誌


先日紹介したACCの,抗凝固薬の出血管理に関するコンセンサスについて,10のまとめがACCのまとめサイトからでてきます。

Consensus for Management of Bleeding on Oral Anticoagulants


1.AFとVTEのような状況でのDOACの使用はコモンである。今後より増えるであろう。

2.出血はDOACをふくむ抗凝固薬の合併症として知られる。出血の評価と管理はいまだ取り組むべき課題であり,とくにDOACは一定の血液チェックが欠如している。

3.第一ステップは出血の重症度を聴くことである:1)出血は致死的部位か? 2)血行動態的に不安定か? 3)ヘモグロビン2g/dl以上の出血または2単位以上の輸血が必要か?

4.もし出血が大出血でない(上記3つを満たさない)と考えられなければ,そして出血による入院や外科的介入が必要ならば,DOACは止めるべき

5.臨床的に妥当な血中レベルであることを確認し,ダビガトラン内服患者では希釈トロンボテスト,エカリン凝固時間,エカリンクロモジェニックアッセイを施行すべき。

6.臨床的に妥当な血中レベルであることを確認し,Xa阻害薬ではchromogenic anti-Xa activity assayを施行すべき。正常PTおよびaPTTは臨床的に適切な血中レベルの除外には不適である。

7.中和薬使用は致死的出血あるいは重篤部位での大出血に限られる

8.ビタミンK阻害薬(ワルファリン)の中和には,5−10mgのビタミンK静注が大出血には妥当。2〜5mgの経口ビタミンKは入院が必要な小出血に使用

9.4因子プロトロンビン製剤の仕様はVKAあるかはXa因子阻害薬服用患者の大出血に推奨される。Xa阻害薬では50IU/kgの固定用量が推奨される

10.ダビガトラン服用下の大出血患者はイダルシズマブ5g静注またはイダルシズマブ不適合患者では4因子PCCが勧められる

11.出血コントロールが付いたら,shared decision makingの対話がDOAC再開の是非及び時期決定に必要となる。重症部位出血例,再出血高リスク例,再出血時死亡が予想される例,出血源が同定できない例,外科手術が予定されてる例では,再開を遅らせる。

12.消化管出血患者では,OAC再開は出血7日以上後がベターアウトカム(死亡率減少,血栓塞栓リスク減少)

13.頭蓋内出血患者では,再開は約4週遅らせる
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###毎年恒例。今年は寒いせいか何時になくイルミネーションが映えます。
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by dobashinaika | 2017-12-15 00:04 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

NOACはワルファリンに比べて、腎有害事象リスクを有意に低下させる:JACC誌

Renal Outcomes in Anticoagulated Patients With Atrial FibrillationYao X, Tangri N, Gersh BJ, et al. J Am Coll Cardiol 2017;70:2621-2632.


疑問:抗凝固薬の種類により腎機能への影響は違うのか?

方法:
・米国の後ろ向きコホート研究
・9769例、平均72.6歳、ワルファリン、ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバンいずれか服用者。平均追跡10.7ヶ月
・アウトカム:eGFR30%以上減少、Cr2倍上昇、急性腎障害、腎不全

結果:
1)複合エンドポイント(2年):eGFR低下24.4%、クレアチニン上昇4%、急性腎障害14.8%、腎不全1.7%
2)プール解析:eGFR30%以上減少、Cr2倍上昇、急性腎障害についてはNOACがワルファリンより明らかに少ない
3)上記ハザード比:eGFR30%以上減少0.77、Cr2倍上昇0.62、急性腎障害0.68
4)ダビガトラン、リバーロキサバン(アピキサバンは除く)は有意に腎機能の有害事象が少なかった
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結論:ダビガトラン、リバーロキサバン使用患者はワルファリンに比べて、腎機能の有害事象の有意な低下と関連あり

### 機序としては、ビタミンK依存性のあるGammacarboxyglutamic acidが腎血管石灰化を抑制しますが、ワルファリンはこのタンパクマトリックスの合成を阻害するために、腎症を促進し、NOACはXa因子やトロンビンが血管炎症に関与しており、これらを抑制することで腎症を抑えるということのようです。

なお、この研究は、薬剤が腎に与える影響であり、腎機能が低下している人への投与のアウトカムではないので、そこは注意です(言うまでもないですが)。

by dobashinaika | 2017-12-13 18:28 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

抗凝固薬の出血管理に関するACCのコンセンサス文書

ACCの専門部会から,抗凝固薬使用患者における出血管理に関するコンセンサス文書がでました。
非常によくまとまっています。

オーバービューのシェーマのみ日本語にして紹介します。
細かい止血方法などシェーマで表されていて,大変参考になります。
1)出血の評価と重症度判定
2)出血の管理・コントロール
3)抗凝固薬の再開とその時期の決定
の3ステップでまとめられています。
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$$$ 京都にもネコがいた(当然)^^
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by dobashinaika | 2017-12-07 00:47 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

”ワルファリン、使えてこそのNOAC/DOAC”という演題で講演しました。

昨日は,ワルファリンを販売している製薬企業が協賛する通称「血液サラサラ研究会」で講演いたしました。今時ワルファリン推しの講演会など皆無でしょうし,開催してもその講演会のCP比は当然赤字でしょうから,協賛していただいた製薬企業(もちろんE社)の懐の深さに深謝致します(ただし,同社の協賛は今回が最後とのことで残念ですが。。)
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講演の主要スライドを掲載しました。
骨子はこんな感じです。

NOACの「不都合な真実」は患者階層ごとにある
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レベル0(RCT参加者)
・ワルファリン群のターゲットINRが日本のそれより高い
・NOACの用量設定,服薬回数について根拠希薄な部分がある

レベル0-レベル1(実臨床患者;アドヒアランス良好)間
・RCT基準に合致する実臨床患者は50〜70%くらい
・RCTと実臨床を埋めるRWDもいまいち混沌としている(FushimiのアウトカムはNOAC=ワルファリン)

レベル1−2(実臨床患者:アドヒアランス不良)間
・NOACはよく管理されたワルファリンに比べアドヒアランスが良いとは必ずしも言えない
・NOACを飲み忘れた場合のリスクは高い

レベル2−3(高コストのため飲めない方)間
・低所得者,年金生活者,療養病床/施設入所者は服用できない

レベル3−4(診断されていない心房細動)間=これは抗凝固薬全体の不都合です。
・潜因性脳塞栓は33%も存在

その他:NOACの不都合
・4つのNOACいずれも出血その他でだめで,ワルファリンしか使えない場合がある。
・小出血,脱水時などモニタリングによるこまめな管理をしたいができない。
・人工弁,僧帽弁狭窄症は禁忌,左室内血栓は適応外

などお話し,LIp先生の使わけアルゴリズムを示しまとめました。
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もちろん異論はあると思われます。そうはいっても,NOACの簡便さと頭蓋内出血の少なさの魅力は大きいのではないかと。確かにNOACが抗凝固薬の普及に果たした役割は非常に大きいと思われます。わたしも実際半数の人には処方しています。

ですが,私としてはもちろん「ワルファリンだけでいい」と言いたいわけではなく,まだまだ「ワルファリンの活躍できるテリトリーは多く」,「ワルファリンでしか対応できない症例も少なくない」,ので「非常に低価格で,使い勝手次第ではNOAC/DOACと同等なアウトカムを持つ従来薬の使いこなしスキルを,臨床家としては持ち合わせておきたい」と言いたいのです。
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なお,本講演会も,いつもどおり製薬企業との間で金銭的COIはありません。
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$$$ 週末所用で30数年ぶりにシーズン最盛期の京都へ。永観堂の凄まじいばかりの紅葉です。
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by dobashinaika | 2017-12-01 00:06 | 抗凝固療法:ワーファリン | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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