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アジア人では、ダビガトランの有効性安全性は腎機能、CHADS2スコアに無関係:CJ誌

Efficacy and Safety of Dabigatran Etexilate vs. Warfarin in Asian RE-LY Patients According to Baseline Renal Function or CHADS2 Score
Masatsugu Hori et al
Circulation Journal [Advance Publication] Released: August 06, 2015


背景:RE-LY試験のアジア人における腎機能とCHADS2スコアの関係、および有効性安全性を検討

方法:
・RE-LY試験のアジア人2782人における有効性、安全性を腎機能とCHADS2スコア別に解析

結果:
1)脳卒中/全身性塞栓症及び大出血:腎機能悪化、CHADS2スコア上昇とともに増加

2)脳卒中/全身性塞栓症:ダビガトラン110、150vs.ワルファリンの関係は腎機能及びCHADS2スコアによる交互作用なし

3)大出血:上記と同様

4)ベースラインのCHADS2スコア:ダビガトラン、ワルファリンそれぞれの出血リスクに影響与えず

結論:アジア人の出血と脳卒中発症率は腎機能とCHADS2スコアにより多様。しかしながらダビガトランの相対的有効性はこのサブ解析でも保持された。

### アジア人全体のサブ解析結果は以下のとおりです。
・脳卒中/全身性塞栓症発症率:ダビガトラン150<ワルファリン、ダビガトラン110=ワルファリン
・大出血:ダビガトラン150=ワルファリン、ダビガトラン110<ワルファリン
・特に消化管出血:ダビガトラン150=ワルファリン(本試験ではダビ150のほうが多い)、ダビガトラン110=ワルファリン
http://dobashin.exblog.jp/16174983/

今回は腎機能およびCHADS2スコア別にこれらを見たもので、症例数が少なく各解析でCIが1をまたいではいますが、上記の傾向は腎機能別あるいは CHADS2スコア別に見ても大きな変動はなかったという結果でした。要するに腎機能の良し悪し、CHADS2スコアの高低を気にせずにダビガトランは使えるとの論文の趣旨かと思います。

よくグラフを見ますと、アジア人ではワルファリンの大出血率が特にCCr50未満ではかなり多いのですね(6.39%/年)。ダビガトランは両用量とも3.5〜4%台でした。やはりアジア人では腎機能低下例でワルファリンによる出血が多い分、ダビガトランが有利になるのかもしれません。

何分西アジアまで含んだアジア人であり、サブ解析のそのまたサブ解析なので、これでどれだけのことが言えるか、今後吟味が必要と思われます。

$$$ 何気なくツイッターを見ていたらなんと本日、元祖仙台駄菓子本舗 熊谷屋さんでホヤ(和菓子)売ってました。そしてすぐ売り切れとのこと。残念!今度こそ。(画像は熊谷屋さんのツイッターから)
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by dobashinaika | 2015-08-17 21:11 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ケアネット連載:「 75歳以上の心房細動、静脈血栓にNOACとワルファリンはどちらが良いのか」更新しました

ケアネット連載 〜Dr. 小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~更新いたしました。

今回は
第33回「75歳以上の心房細動、静脈血栓にNOACとワルファリンはどちらが良いのか(メタ解析)」
です。

ご参照ください
http://www.carenet.com/series/afjournal/cg001089_0033.html?keiro=index
(要無料登録)
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$$$ お盆休みをいただいており、連載の更新など告知のみであまりブログは更新しないようにしておりました。明日からまたたまった論文でも読んでいきましょうか。

と思っているうちに、もうこの辺りは早朝は早くも秋の気配が漂っています。夜、虫の声に秋を知ることが多いのですが、早起きしていると「秋はつとめてから忍び寄る」ことに気付かされます。空気が違うんですね。
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by dobashinaika | 2015-08-16 21:58 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)

メンタルストレスによる心筋虚血は運動誘発性よりも多く、女性、未婚男性、独居者で特に多い(再掲)

ここ数日、かなり以前(2013年2月14日)に書いたブログへのアクセス数が急増しておりますので
改めて再掲させていただきます。

狭心症は、運動で誘発されるのは言わずもがなのことですが、メンタルストレスのほうが誘因としては多いということが示唆されています。

(2013年2月14日 ブログ再掲)
メンタルストレスによる心筋虚血は運動誘発性よりも多く、女性、未婚男性、独居者で特に多い

JACC 2月19日号より

Prevalence and Clinical Characteristics of Mental Stress–Induced Myocardial Ischemia in Patients With Coronary Heart Disease
J Am Coll Cardiol. 2013;61(7):714-722. doi:10.1016/j.jacc.2012.11.037

心房細動の話題ではないのですが、興味深い論文だったのでさらっと紹介します。

【疑問】メンタルストレスによって誘発される心筋虚血の有病率と臨床的特徴は何か?

【方法】
・ 安定狭心症患者310人
・ 3つのメンタルストレステスト:1)暗算 2)鏡に映った画像を書き写す 3)怒りを誘発するような演説を連続施行後にトレッドミルテスト施行
・ メンタルストレステスト前β遮断薬は中止
・ 各テスト後にエコーおよび心電図で真菌虚血を評価

【結果】
1)メンタルストレスによる心筋虚血:43.45%vs. 運動による虚血33.79%(p=0.002)

2)女性(オッズ比1.88)、独身(オッズ比1.99)、一人暮らし(オッズ比2.24)においてメンタルストレス誘発性虚血多し

3)多変量解析では、未婚男性(オッズ比2.57)、既婚女性(3.18)、一人暮らしにおいてメンタルストレス誘発性虚血多し

【結論】メンタルストレス誘発性心筋虚血は、運動誘発性虚血よりも一般的。女性、未婚男性、一人暮らしで特に多い。

### 非常に説得力ある内容ですね。特に一人暮らし、独身男性で心筋梗塞が多いことは、循環器専門医の共通認識かと思います。原因がメンタルストレスであることが科学的にも示され納得することしきりです。

暗算とか鏡に映った像の書写など等で、イライラしやすい、怒りっぽいというのはやはり要注意ですね。このような方にはβ遮断薬が有効なのでしょう.
by dobashinaika | 2015-08-14 22:57 | 虚血性心疾患 | Comments(0)

抗凝固療法に関する患者の好み:JTT誌

Preferences for anticoagulation therapy in atrial fibrillation: the patients' view.
Björn Böttger et al
J Thromb Thrombolysis. 2015 Aug 11


目的:抗凝固薬を選ぶときに異なる選択肢を示された時の心房細動患者の好みを評価する

方法:
・多施設からランダムに医師を選択
・電話インタビュー
・4つの「便利さに関連した治療依存行動」としてブリッジングの必要性、食品/栄養の相互作用、INR管理/用量設定の必要性、服薬回数(1日1回/2回)、医療機関からの距離(1km未満/15km超)

結果:
1)468例:平均73.9歳、女性43.2%、CHA2DS2-VAScスコア3.7点、リバーロキサバン48.6%、VKA51.9%

2)患者が明らかに好ましいとしたのは:1日1回服用、ブリッジングの必要がない(相関係数0.615)、医療施設から近い(−0.558)、食品/栄養の相互作用がない(-0.332)、INR管理/用量設定の必要がない(-0.127)

3)もっとも重要な”好み”は:1日1回、ついでブリッジングなし、交互作用なし

結論:心房細動患者は投与の簡便さを好む

### うーん、途中まで読んでいてあれ、という感じです。本文が入手できていないのでCOIがわかりません。NOACは1剤しか飲んでいない集団のようでjす。

少なくともその他の変数として、コスト、有効性、安全性を入れないとダメではないでしょうか?「簡便さ」だけが指標になっているような気がします。それならVKAが不利になるのは当然とも言えます。

「1日1回」、「医療機関から近い」ではNOACもVAKも関係無いですし。

本文を読むともっと何かあるかもしれません。夏休みだからこんなところで、、、

$$$ これご近所のにゃんこ。。ではなくて七夕の時ついでに行った岩合さんの写真展。
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by dobashinaika | 2015-08-14 22:48 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

名薬"温故知新”「ワルファリンまだまだいけますよ」

メディカル・トリビューン誌で「まだまだワルファリンいけますよ」と言わせていただいております。ご批判覚悟です(笑)。
http://mtpro.medical-tribune.co.jp/mtpronews/1508/1508041.html
(要無料登録)

まあいろんな講演会(Web講演会も含めて)や雑誌で、いまさらワルファリンを大々的に取り上げる場などあまりないかもしれません。
そういう意味でも、自分で言うのもなんですが、メディカル・トリビューンさんの大英断だと思います。

たしかにNOACは良い薬です。各種RCTは非常に良い結果ですし、最近のリアル・ワールドデータもそれほどRCTとかけ離れたものは出ていないようです。なにより食事、他剤を気にすることなく、用量調節も必要なくお手軽です。

でもなあ、ワルファリンのあの職人気質というか、「そう簡単には使いこなせんよ」的な気難しさになんとも惹かれるんですね。
だいたい、毎回受診するごとに数値をモニターして、それを見ながら錠数を変えていく薬なんて内服薬で他にあるでしょうか?

そうした面倒臭さに、何年もいや何十年も付き合わされていると、もうその面倒臭さが体に染み付いて、離れられなくなっているのです。
そして、NOACのあのいかにもスマートで、「何の工夫もいらないです」的な都会臭さみたいなものが鼻持ちならないんです(笑)。

おもわず、NOACでも錠数を増やしたり、.5単位で減らしたりしたくなります。

さらに実際に使ってみての当院のデータですが、NOAC発売時TTRが安定していたためNOACに変えずにいた症例の血栓塞栓率および大出血率はともに年間0.2%と極めて低値でした(全103例、TTR75%)。
この値はNOAC(全169例)とほとんど変わりませんでした。そして皮下出血などの小出血はかえって少なめでした。

ワルファリンで痛い目にあう症例とは、1)INRが安定しない症例 2)血圧が落ち着かない例 です。1)はlow doseになりがちで塞栓症が増えますし、2)は頭蓋内出血のリスクを高めます。
こうした症例ではNOACがふさわしいと言えます。

そうではない、INRが大変安定していて、血圧が落ち着いている例ではワルファリンで十分だと思われます。
また本文でも述べましたように、小出血、消化器症状などが頻発し、結局ワルファリンに戻ってくる症例も経験します。

そして何よりコストです。ワルファリンは1錠9.6円です。非常に廉価なので製薬企業も全然宣伝しません。
いっぽうNOACは非弁膜症性心房細動適応の最も高い薬剤だと758円!です。これだけの差に見合うだけのエビデンス的優位があるのか?
まあ、薬剤の効果安全性とコストとは元来全然違うカテゴリーなので。このような比較は不可能かもしれませんが、そう言いたくもなるほど価格差がありすぎます。

もちろんNOACの頭蓋内出血減少効果は絶大ですし、出血しても重症例が少ないことはよく報告されています。また、ワルファリンは使いこなしが難しいし、それが故にアンダーユーズになっている世の中の現状があるのは事実かもしれません。でもね、うまく使いこなせれば効果安全性もまだまだ高い、しかも超安い薬がこの世の中に他に存在しているのであれば、やはり医師としてはそうした薬も使いこなせるようになっておきたいとものだと思うのです。

前にも言いましたように、「温故知新」ならぬ「温新知古」=新しいNOACを温ねることで改めて古きワルファリンの良さを知る、であり、oldies but goodiesというにふさわしい薬剤だと思います。

ちょっとワルファリン持ち上げ過ぎかなあ。でもたまにはそういうことを言う場があってもいいし、言う医者がいてもいいですよね。

なお、平成24年4月以降、開示すべき利益相反関係にある製薬企業はありません。

$$$ 早朝5:30、飛び立ったばかりか。
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by dobashinaika | 2015-08-12 00:22 | 抗凝固療法:ワーファリン | Comments(0)

抗凝固薬の継続率はNOACのほうがワルファリンより良好:T/H誌

Therapy persistence in newly diagnosed non-valvular atrial fibrillation treated with warfarin or NOAC
C. Martinez et al
Thrombosis and Haemostasis http://dx.doi.org/10.1160/TH15-04-0350


目的;新規発症心房細動例の抗凝固薬開始1年後のNOACとVKAのパーシスタンス(忍容性)を評価

方法:
・抗凝固薬ナイーブの新規発症非弁膜症性心房細動27514例(オーストラリア)
・平均74.2歳、平均追跡期間1.9年
・2011年1月〜2014年5月に登録。2015年1月まで追跡

結果:
1)発症90日以内の抗凝固薬開始:全体の48.1%

2)VKA12307人、NOAC914人(リバーロキサバン、ダビガトラン、アピキサバン)

3)NOAC処方率:0%(2011年1月)→27.0%(2014年1月)

4)CHA2DS-VAScスコア2点以上の抗凝固薬処方率:41.2%→65.5%

5)処方12ヶ月後の継続率:VKA63.6% vs. NOAC79.2%; p<0.0001

6)CHA2DS-VAScスコア2点以上の人の12ヶ月継続率:VKA65.3% vs. NOAC83.0%; p<0.0001

7)各CHA2DS-VAScスコア別でこの傾向は変わらず

結論:NOACの処方継続率はVKAに比べて明らかに高い。この事のみで心原性脳梗塞を減らすことが可能。NOAC推奨のガイドライン順守が心原性脳梗塞を減少させる

### 平均年齢は74歳。平均CHADS2スコアは両群とも1.9点、CHA2DS-VAScスコアは2.8点です。NOACの内訳はダビガトラン347例、リバーロキサバン454例(アピキサバンは記載がないが引き算すると113例)で、継続率はダビガトラン73.1%に対し、リバーロキサバンは83.7%と良好でした。

当院のデータはといいますと、2011年3月から2015年4月までに新規投与したNOAC症例の継続率は、ダビトラン66%、リバーロキサバン77%、アピキサバン91%でした。ただしダビガトランは、発売当初他のNOACがないところで投与していることもあり、現在から振り返ってみれば適応が甘いと思われます。またアピキサバンは症例数が少なく追跡期間も短いため継続率がいまのところ良好にみえると考えてください。

一方当院のワルファリンの新規投与例での継続率はまだ算出しておりませんが、TTRが良好なため(概ね70%以上)ワルファリンからNOACに切り替えずにずっと投与している症例の継続率は86%とかなり良好でした。

思うに、ワルファリンにずっと慣れていてTTRも良好なひとは、アドヒアランスもかなり良い。その理由としてはワルファリンは非常に特殊な薬ですが、そのことがかえって患者さんに飲み忘れてはいけない、特別は薬であるという印象を強く与えるのではないかと思われます。また3.5錠などと多数の錠数を飲むことは、NOACのように1つぶだけ飲むというような軽い感じとは違うわけで、そのことも飲み忘れが少なくなる原因かと思います。

またNOACはワルファリンにくらべて皮下出血が多く、一部消化管出血も結構見られることで変更を余儀なくされることも少なくありません。

一方新規導入の場合は、ワルファリンは食事、採血、併用薬剤など何かと面倒なアイテム満載ですので、そこで挫折する人は多いものと思われます。

旦起動に乗ってしまったら、ワルファリンも非常にアドヒアランスは良好。ただし新規導入ではやはりNOACのほうがやや優れる。さらにただしたとえアドヒアランスが良好なNOACといえども、ワルファリンに戻る症例も少なくない(出血やコストの点で)。いまのところこんなふうに考えています。

$$$ 夏の朝もやの中 、佇む今日のニャンコ
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ここです。
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by dobashinaika | 2015-08-10 22:00 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

共病記〜医者が患者になった時(16)病気とは存在の意味の問いかけ

仙台七夕も最終日ですね。
実はちょうど1年前の8月8日、「医者が患者になった時」で綴りましたように、椎骨動脈解離+小脳梗塞を急性発症し、入院しました。
あれから1年たちましたが、今は皆様のおかげで、なんとか元気に生活しております。

ブログで散々書きましたが、病気になって数日は混沌の中におりました。その後だんだんと、なんでこの自分がこんな病気になったんだろうという「不条理」、明日はどうなるか実は誰にもわからないという「不確実」、誰も自分の今の苦しみを同じように実感することはできないという「不可能」、一挙手一投足ごとに感じる「不自由」に加え、それら全てを抱え込むことの「不安」という5つの「不」を痛感させられました。

今でこそ、目の前の小さな目的−手段連鎖に明け暮れる毎日ですが、病気というのは、そうした安穏とした日常に突如風穴を開けて、私達におのれの存在の意味を不意に問いかけてくるものなのです。

病気になってみて始めて、人間というのは、自分の中に苦しんでいる自分とそれを必死で言葉で説明しようとする自分がいて常にそれらがからみ合っている(=文字通り葛藤)ことに気がつくし、また自分は一人で生きているのではなく、家族、友人、仕事仲間、医療者等様々な関係性の中を生きているということも否応なく痛感させられるのです。

病気というのは、このように自己の中の関係性と、自己と他者の関係性の2つの関係性の存在とその意味を、私達に突如として、しかも極めてダイレクトに問いかけてくる脅威の存在です。

でも、1年経って、安穏で安定し小さな秩序にやきもきする日常を送っていると、そうした存在のクライシス(=危機)のような嵐を忘れてしまっていることに気が付きます。ちょうど震災の時の痛み苦しみが、徐々に薄れていくのと同じように。。

もちろんそうした危機はないに越したことはないわけですが、あのときに目の前につきつけられた、自分という存在の唯一無二性みたいなものと、そして人間が一人でいることの不可能性みたいなものを、1年たった今、もう一度反芻してみたいと思っているところです。

$$$ ことしの仙台七夕で一番斬新でカッコよかった飾り。誰のデザインだろう。
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by dobashinaika | 2015-08-08 22:47 | 医者が患者になった時 | Comments(0)

認知症と心房細動の関連に関する総説:JAHA誌

Cognitive Function: Is There More to Anticoagulation in Atrial Fibrillation Than Stroke?
J Am Heart Assoc.2015; 4: e001573
http://jaha.ahajournals.org/content/4/8/e001573.full.pdf

JAHAから認知症と心房細動に関する総説が掲載されています。

結論だけまとめると
・多くの研究が、脳梗塞の既往のない例において、心房細動は認知機能低下に独立してして関連することを示している

・認知機の低下は、脳卒中や無症候性脳梗塞と関連している

・心房細動患者は、心房細動のない患者に比べて無症候性脳梗塞を高率に有する

・無症候性脳梗塞に対する抗凝固療法のインパクトは不明である

・認知機の低下は重要な公衆衛生上の問題である

・心房細動患者の認知機低下における。抗凝固薬の効果を評価するために臨床試験が必要である

心房細動が認知機能低下に関連するメカニズムとしては
・微小脳出血

・脳の血液灌流の低下:拡張期の脳灌流低下。脈不整による前負荷や心拍出量への影響

・炎症マーカーの上昇
等が挙げられています

抗凝固薬の認知機能低下に対する効果は
・良いという報告と影響なしという報告あり

・NOACは、期待できる可能性あり

・現在研究が進行中とのことです

脳梗塞の既往がなくても、認知機能低下予防という観点から抗凝固薬が見直されるようになるかもしれません。

認知症と心房細動関連ブログはこちら
http://dobashin.exblog.jp/21454183/
http://dobashin.exblog.jp/17915041/

$$$ 朝5:30の散歩道。気温26度。このころしか外で活動できる時間はない感じです、最近
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by dobashinaika | 2015-08-07 22:28 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

高齢者心房細動合併心筋梗塞後のトリプルテラピーはDAPTより大出血が多く効果は同じ:JACC誌

Use and Outcomes of Triple Therapy Among Older Patients With Acute Myocardial Infarction and Atrial Fibrillation
Connie N. Hess et al
J Am Coll Cardiol. 2015;66(6):616-627


背景;PCI施行の高齢者心房細動合併急性心筋梗塞における抗血栓療法については不明な点が多い

方法:
・65歳以上、心房細動合併急性心筋梗塞、PCI施行
・主要有効性アウトカム:PCI後2年間のMACE(大心血管イベント:死亡、心筋梗塞再発、脳卒中)
・主要安全性アウトカム:出血による再入院
・DAPT vs.DAPT+ワルファリン

結果:
1)4959例、トリプルテラピー1370例、27.6%

2)MACE:トリプルテラピーの対DAPTハザード比=0.99(0.86-1.16)

3)出血再入院:上記ハザード比=1.61(1.31−1.97)

4)頭蓋内出血:2.04(1.25−3.34)

5)ワーファリン忍容性(90日間):93.2%

6)ワルファリンのアドヒアランス良好例と不良例で主要アウトカムに変化なし

結論:PCI施行の心房細動合併心筋梗塞例の4人に1人は、トリプルテラピーで退院。トリプルテラピーはDAPTに比べ高率に大出血あり。心血管イベントは変わらず。

### やはり実臨床でも、特に高齢者のトリプルテラピーは危ないようですね。でもDAPTではかわりに怖い気がします。脳塞栓が防げないのでは。。。

$$$ 所用で出かけたビルから、思いがけなく花火が見えました。でも線香花火のほうが好きですね。「花火より火花のほうが売れる夏」
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by dobashinaika | 2015-08-05 21:30 | 抗凝固療法:抗血小板薬併用 | Comments(0)

心房細動脳梗塞後のワルファリンは心血管イベントや死亡率減少に明らかに関連あり:BMJ誌

Real world effectiveness of warfarin among ischemic stroke patients with atrial fibrillation: observational analysis from Patient-Centered Research into Outcomes Stroke Patients Prefer and Effectiveness Research (PROSPER) study
Ying Xian et al
BMJ 2015; 351 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.h3786 (Published 31 July 2015)


目的:一般住民における、ワーファリン治療と虚血性脳卒中後のアウトカムの関係を評価

デザイン:観察研究

セッティング:the Get With The Guidelines (GWTG)-Stroke program (2009〜2011年、米国)参加の1487病院

参加者:メディケア受給者。虚血性脳卒中で入院した、ワーファリンナイーブの心房細動患者。退院時のワルファリンあり、無しで2群に分類

主要アウトカム:メジャー心血管イベント(MACE)、退院後次回入院までフリーの時間

結果:
1)ワルファリン使用者;全12552人のうち11039人、88%

2)ワルファリン群の方がやや若く、脳卒中、冠動脈疾患既往例は少ない。脳卒中重症度は同じ

3)次回入院までの時間:ワルファリン群のほうが47.6日(平均2年間で)長い

4)MACE:ワルファリン群で少ない:ハザード比0.87(0.78-0.98)
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5)全死亡:ワルファリン群で少ない;ハザード比0.72(0.63-0.84)

6)虚血性脳卒中再発:ワルファリン群で少ない:ハザード比0.63(0.48-0.83)

7)年齢、性別、脳卒中重症度。冠動脈疾患の既往などのサブグループでも同様の結果

結論:心房細動合併虚血性脳卒中の患者においては、ワルファリン治療は長期アウトカムを改善し在宅期間を延長させる。

### まず確認すべき点として、平均年齢が両群とも80歳以上であり、かなり高齢者を対象とした研究であることがわかります。

2年間の絶対数を見てみると,MACEはワルファリン群で54.7%、非ワルファリン群で66.8%とかなり多いです。

一度脳梗塞を起こした症例の再発率は、ワルファリンをしていても8%程度、なにもしないと12%にも登ります。一方出血性脳卒中は両群とも1%ちょっとです。

このことは80歳以上のひと(全体の52.5%!)でこそよく当てはまることが示されています。

残念ながらTTRが明らかになっていませんが、少なくともRCTよりは劣ると思われます。それでもとにかく脳卒中既往例はワルファリンでいいから投与すべきであるということが厳然と示されたものと思われます。

脳梗塞後の重症度と抗凝固療法の関連はこちら
http://dobashin.exblog.jp/21096293/

日本での脳梗塞後患者の抗凝固薬使用の内訳はこちら
http://dobashin.exblog.jp/20710237/

海外での脳梗塞後の抗血栓療法の実態
http://dobashin.exblog.jp/20463616/

脳梗塞直後の抗血栓療法のアウトカムはこちら
http://dobashin.exblog.jp/15188394/

### 昨日は、私にとっては毎年の特別な日でした。早朝、七夕に飾られた大崎八幡宮に赴き、お祈りしました。
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by dobashinaika | 2015-08-03 22:13 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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