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80歳以上の心房細動患者の脳卒中リスクと転帰、コスト(英国):Circulation誌

Circulation オンライン
Age-Specific Incidence, Outcome, Cost and Projected Future Burden of Atrial Fibrillation-Related Embolic Vascular Events: A Population-Based Study.
Yiin GS et al


疑問:英国での年齢別心原性脳塞栓の現状は?

方法:
・オックスフォード病院に関連した9の総合医施設(家庭100人が登録する)the Oxford Vascular Study (OXVASC)の患者対象出・2002〜2012年
・年齢別の心房細動関連脳卒中/全身性塞栓症の頻度、アウトカム、コストを算出
・1981〜1986年の同類研究をベースに、現在と未来の英国での心房細動頻度を推定

結果:
1)全脳卒中/全身性塞栓症:対象92,728人のうち、3098人

2)心房細動関連脳卒中/全身性塞栓症:虚血性脳卒中383,全身性塞栓症71

3)80歳以上の割合:272人59.9%

4)致死的虚血性脳卒中:心房細動関連262/597, 43.9%

5)80歳以上の心房細動関連虚血性脳卒中の経年変化:2002〜2012年は1981〜1986年の3倍
他の年齢層に比べで絶対危険1.52倍、p=0.001

6)80歳以上で回避しえた虚血性脳卒中のコストは年3億7400万ポンド(=約654億円)

7)2050年には80歳以上の心房細動関連塞栓症は3倍になると予想される。
これはこの年代の全てのイベントの83.5%を占める

8)過去最近25年でも、この数値は3倍になった

結論:高齢者の心房細動関連脳卒中の予防を大きな健康問題とすべき

### これまで、心房細動自体の年代別有病率はよく知られていました。一方心原性脳塞栓の年代別有病率は、そういえばあまり報告されていませんでした。
心原性脳塞栓全身性塞栓の約60%は80歳以上なんですね。コストの計算は詳細不明ですが、相当な数字ですね。

しかしどのように高齢者に抗凝固療法を推進するか。問題はわかっていても戦略が相当大変そうです。高齢者にNOACがすごく良い、というわけでもなさそうですし。
by dobashinaika | 2014-09-17 21:37 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

本当に心房細動は発作性と持続性で塞栓リスクは同じなのか:ROCKET AF後付解析:EHJ誌

Eur Heart J 9月10日オンライン
Higher risk of death and stroke in patients with persistent vs. paroxysmal atrial fibrillation: results from the ROCKET-AF TrialBenjamin
A. Steinberg et al

疑問:抗凝固療法を受けている心房細動はのアウトカムは発作性と持続性で差があるのか?

方法:
・ROCET AF試験登録患者を発作性と持続性で比較
・高リスク群において多変量解析施行
・血栓塞栓症、出血、死亡を比較

結果;
1)全14062例:持続性82%、発作性18%

2)持続性のほうが若干、高齢、女性少ない、以前のビタミンK阻害薬の服薬歴あり多し

3)ワーファリン群のTTR;同様=58vs59%

4)脳卒中/全身性塞栓症:持続性2.18/人年 vs. 発作性1.73:P=0.048

5)全死亡:持続性4.78/人年 vs. 発作性3.52:P=0.006
本当に心房細動は発作性と持続性で塞栓リスクは同じなのか:ROCKET AF後付解析:EHJ誌_a0119856_21352332.gif


6)大出血:持続性3.55/人年 vs. 発作性3.31:P=0.77

7)脳卒中/全身性塞栓症の結果はリバーロ群、ワルファリン軍で変わらず

結果:中〜高リスク心房細動の抗凝固療法施行例では、持続性のほうが発作性より血栓塞栓症イベントおよび予後は高リスク。

### 発作性は7日以内の持続、持続性は7日を超えた持続と定義されています。登録時新規発症は入っていません。

Discussionにあるように、これまで発作性と持続性で予後は同じとの報告が多いのですが、例えばGISSI AFでは発作性の抗凝固療法率が76%で、持続性の96%より少なくCHADS2スコアも1.4点で低かったのです。よく引用されるACTIVE WでもCHADS2スコアは1.8〜2.0で発作性の抗凝固療法率は65%でやはり低いものでした。Euro Heart Surveyでの抗凝固療法率は発作性45%に対し持続性79%と明らかな差がありました。

過去のこうした試験と比べると、抗凝固療法に関しては平等で、CHADS2スコアは高めであることがこの論文の対象の特徴です。
この点はしっかりしているのが、既存の試験と違う点とされています。

一番の限界は、やはり後付け解析であること。それとこういう試験につきものの、特に発作性の定義が難しいことです。

以前から、私自身はやはり発作性でも発作回数が少なく、持続時間も短い集団が多ければ、それは持続性より予後はいいだろうとじつは密かに思っていました。今までの試験はそうした例も、割と発作が頻繁な例も発作性群に入れているのがちょっとひっかります。

これまでの説明は発作性でも無症候性が結構多いとか、発作のあとの心房リカバーの時に塞栓がとぶとかでしたが、では実際AFがどのくらい持続して身体に負担となっているのかという、"AF burden"を測定することは、本来困難なんですね。

それと今まで、発作性、持続性のアームに分けたRCTがないのも、言われてみればそうなんですね。

まだまだ本当はわからないことが多いのです。
by dobashinaika | 2014-09-16 21:38 | 抗凝固療法:リバーロキサバン | Comments(0)

顔面のビデオ撮影による心房細動の診断:Heart誌

Heart オンライン版
Detection of Atrial Fibrillation Using Contactless Facial Video Monitoring


方法:
・ヒトの顔面のビデオにより、脈拍ごとに心拍出を検知しるデバイスを使用
・電気的除細動前後の心房細動患者の顔面をビデオ撮影
・ビデオプレチスモグラフィー (VPG)からの1分間の脈拍を表現
・Pulse Harmonic Strength (PHS) というあたらしい増幅器使用

結果:
1)対象:11人、平均65歳、女性8人

2)心房細動時と洞調律での拍数の差:
     VPG:72±9 vs. 57±7ppm (p<0.0001)
      ECG:80±17 vs. 56±7bpm (p<0.0001)

3)ECGとVPGを同期させた15秒間407エピソードの解析では、PHSは20%の診断エラーで心電図自動解析のエラーレートは17〜29%

結論:ビデオを用いた顔面のモニターというコンセプトは心房細動の診断に実用できそう。

### 休みなので、軽いネタで。サーモグラフィーのようなイメージだのでしょうか?全文が入手できたら見てみたいですね。
病院の待合室に置いておいて、診察の前に既に診断出来ていたなんていう世界になるのでしょうか。
実用可能性としては健診の時かと思われます。
タグ:
by dobashinaika | 2014-09-15 09:40 | 心房細動:診断 | Comments(0)

βブロッカーは心房細動合併心不全の予後を改善しない:Lancet誌メタ解析

Lancetオンライン版
Efficacy of β blockers in patients with heart failure plus atrial fibrillation: an individual-patient data meta-analysis


疑問:βブロッカーは心房細動合併心不全の予後を改善させるか?

方法:
・メタ解析、ITT解析試験対象
・心不全患者で登録時洞調律または登録時心房細動別に、βブロッカーvs.プラセボ
・主要アウトカム:全死亡

結果:
1)全18254例;洞調律76%、心房細動17%

2)粗死亡率(平均1.5年追跡):洞調律群16%、心房細動群21%

3)死亡率(βブロッカー群の対プラセボ群ハザード比)
   洞調律例 0·73, 0·67—0·80; p<0·001
   心房細動例 0·97, 0·83—1·14; p=0·73

4)心房細動例では主要アウトカムのサブ解析でも一様に死亡率悪い

解釈:この所見からは、心房細動合併心不全の予後改善のための標準治療として、βブロッカーはレートコントロール以外では進んで使うべきでない

### 結構衝撃的な結果ですね。たしかにRACE II試験でβブロッカーなどで心拍数が目標110でも80でもアウトカムは変わらなかったことから、単純に心拍数だけが心房細動の予後に関係するのではないことは予想がつくかもしれませんが。

確認として、両群間のベースラインのプロファイルは、心房細動群の方が年齢が69歳で、洞調律例の64歳より高齢である以外、基礎疾患、左室機能、心拍数などには差がないようでした。また心房細動例の抗凝固療法施行率は58%です。

心房細動例では脳卒中が多いためかと思いがちですが、死因を見ると脳卒中は心房細動例で4%、洞調律例で2%でした。かりに心房細動例も2%だったとしても死亡率は20%大勢に変わりないようです。

心房細動では、脈の不整性そのものが心機能を悪くする要因であり、心拍数はあまり関係ないのかもしれません。

ただし、気になる点として、心房細動の診断が登録時心電図のみであること、心不全の定義が明記されていないこと、とくに左室駆出分画が表示されいて27%とかなり低めですが、心房細動中のEFのみの評価で良いのかどうか疑問です。かなり心機能の悪い症例も含まれているかもしれません。心機能の割に登録時の心拍数が、平均81とかなり低いのも、初めからイベントが少なく、βブロッカーの活躍範囲が狭かった可能性もあります。

いろいろ検討したいところがたくさんありそうです。
by dobashinaika | 2014-09-12 21:40 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

新規経口抗凝固薬は消化管出血パターンに違いがある;T/H誌

昨日の続きで、NOACの臓器別出血パターンについて、後半の消化管出血についてです。

Thromb Haemost 2014; 112
Organ-specific bleeding patterns of anticoagulant therapy: lessons from clinical trials
Thomas Vanassche et al


【消化管出血】
・おどろくべきことに3種の(用量の)NOACは消化管出血のリスクを増やし、他の2つは減らす
・消化管に集まる活性化した薬剤が量的にバリエーションのあることが、一つの説明として考えられる

・VKAは消化管で吸収されたあと、肝臓の酵素であるビタミンKエポキシド還元酵素を標的とする
・対照的にNOACは凝固タンパクを直接標的とするので、消化管での吸収が不完全な場合経口摂取量の一部が消化管に残る
・VKAは全身的な抗凝固作用により消化管出血をきたすのに対し、NOACは全身的な作用に加え、消化管の局所での作用も出血の原因となる可能性がある

<異なる薬剤・用量ごとの消化管出血リスクの違い>
・NOACの消化管出血に関する作用の違いは、大出血の差に反映される
・消化管出血を除けば、NOACは出血を明らかに(VKAより)抑制するが、ダビガトラン150とリバーロキサバンは、
消化管出血を増やすため、統計的には大出血を減らしていない

<NOACの消化管出血のメカニズム>
●NAOCごとの異なる吸収
・吸収されない成分の割合は生物学的利用率により、ダビガトランは非常に低く、アドキサバン、リバーロキサバンは60〜70%である
・ダビガトランは不活性体として吸収され、血中でエステラーゼによって活性体に変化する
・しかし、吸収されないダビガトランは消化管内でもやはり活性化される。このため便中では活性体は高レベルであるのに対し消化管内では明確に測定できない
・ゆえに、不活性なプロドラッグの形では消化管での活性体の高レベルな集積を抑えられないことになる
・どこでプロドラッグから活性体へ変化するのかわかっていないが、消化管内の糞便の細菌叢にあるエステラーゼが関与していると推測される
・これが、NOACでは唯一ダビガトランが、上部より下部消化管で出血が多い理由と考えられる

<異なる用量、凝固活性>
・ダビガトラン、エドキサバンでは高用量と低用量で消化管出血リスクが異なる
・1日2回より1日1回のほうが消化管内の血中濃度のピークが高い可能性があり、これがリバーロキサバンとエドキサバンが出血の多い説明となる

<対象患者の違い>
・ENGAGEとROCKET AFの対象患者は他より年齢がやや高くCHADS2スコアも高い
・アピキサバンではVKA群での消化管出血が大出血に占める割合は25%だったのに対し、リバーロキサバンでは40%

【臓器特異的出血パターンの臨床応用】
・2つの考え方
1)頭蓋内出血は致死的なので、これをより減らすNOACは抗凝固薬処方の閾値を下げ、心房細動の生命予後改善に寄与する可能性がある
2)NOACのうち3種の用量は消化管出血を増やすので、 PPI投与の評価のためのRCTが必要だろう。消化管出血をきたしやすい、または既往のある患者は消化管出血の少ない薬剤、用量を選ぶほうが良い。

【結論】
・NOACはVKAに比べ、消化管出血以外の出血、特に頭蓋内出血を著明に減らしたが、3種の用量で消化管出血を増やした
・NOACはひとつの凝固因子のみ抑制する。その結果VKAにくらべ組織因子(TF)関連の凝固活性抑制が弱い。脳血管はTFが豊富であり、これがVKAにくらべNOACが頭蓋内出血を抑える説明になる。
・消化管内の薬剤活性の高低により、NOACの消化管出血の増減が決まる
・こうした出血リスクパターンを認識することは、臨床上、特に消化管出血をきたしやすい患者に対して重要である

### ダビガトランは下部消化管中の便の細菌叢のエステラーゼがプロドラックの活性化に関与しているので、その加減によっては消化管中の活性型ダビガトランが増加してしまうという説明ですね。ほかは1日1回かどうかや、RCTの対象いよっても違ってくるという説明です。

消化管出血のみ取り出しての比較は、主要エンドポイントではないあるひとつのアウトカムだけをとしだしての比較ですので、明確なことは言えませんが、こうしてメカニズムを考察することで、ひとつの参考になるかもしれません。
by dobashinaika | 2014-09-10 22:55 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

新規経口抗凝固薬は臓器によって出血パターンに違いがある;T/H誌

Thromb Haemost 2014; 112
Organ-specific bleeding patterns of anticoagulant therapy: lessons from clinical trials
Thomas Vanassche et al


Thromb Haemostのオンライン版に、NOACの臓器別の出血についての差異に関するレビューが掲載されてます。
マクマスター大学のグループからです。

勉強になるので、簡単にまとめます。

【臓器特異的な出血パターン】
・4NOAC全体で大出血は23%減らした:相対危険0.77
・詳細に見ると2つの対照的な臓器特異的出血パターンが明らかになる
・第一に、頭蓋内出血について、NOACは一様に減少させる
相対危険減少60%、平均相対危険0.42
・第二に、消化管出血について、NOACごとに違いあり
リバーロキサバンとダビガトラン150、エドキサバン60は増加
アピキサバンとダビガトラン110は同等
エドキサバン30は減少

【その考えられる理由】
<頭蓋内出血 (ICH)>
・多くの大出血はINRが治療治範囲内の時に起こる
最近の研究ではワルファリン服用者260名中、INR2.5~3.0が78%、3.0以上は13.5%
・NOACのワルファリンに対する優位は、INR管理が良好な施設でも、管理不良な施設でも同等
・2つのメカニズムを想定
1)NOACとVKAの異なる作用 2)脳のユニークな生理

1)薬剤関連因子
・血管壁が破綻すると組織因子 (TF)が参集し、凝固系が活性化され血栓が形成される
・VKAは、ビタミンK代謝を阻害することで、4つのビタミンK依存性凝固因子の集積を弱める
・NOACは、その分子量に当量の阻害作用を有し、Xaあるいはトロンビンという個々の凝固タンパクを選択的に阻害する
・臨床的な血中濃度では、NOACは、TFが関与するような凝固活性の上昇に関連したXaやトロンビンの生成の局所集中を抑制する作用は、VKAより弱いかもしれない
・TFは、脳血管床の破綻部位の流血に暴露される
・中和を免れたXaとトロンビン分子は、局所的により多くのトロンビンを生成し出血の進展を抑制し、結果として臨床的出血を防ぐ

2)脳特異的な止血制御
・脳の毛細血管の内皮細胞はpericyteやastrocyteで囲まれていて、それらはTF豊富で特殊な内皮細胞下の基底膜を形成する
・この膜は自発的は頭蓋内血腫形成を阻止する方向に働く
・出血リスク低減のさらなるメカニズムとして、この組織因子径路の抑制が低いことがある

・剖検や画像により、非対称性の脳毛細血管出血は60歳以上の5〜10%に見られる
・この微小出血の年令による有病率は、高血圧やアミロイドアンギオパチー同様ICHのリスクである
・生理的な止血が妨げられると、抗凝固療法がこの臨床的には問題にならない微小出血を引き起こし、臨床的に明らかな大出血へと変化する
・VKA服用者ではこの微小出血の存在が明らかにICHのリスクを高めることが報告されている

・NOACがワルファリンよりICHが少ないのは、この2つのメカニズムによると考えられる
・NOACの効果は標的となる高濃度の血栓酵素の圧倒的増加と、その高濃度血栓酵素が脳血管微小出血においてTFが高濃度になることにより局所的に増加することによる
・こうした仮説は動物実験で指示されている
・ネズミの実験で、ダビガトランとリバーロキサバンが脳の血腫を縮小することが報告されている
・NOACの静脈血栓塞栓症のトライアルでも、ICHが70%減ることが知られている

### まとめ
1)NOACのワルファリンに比べた出血パターンは臓器別に2つある。①頭蓋内出血は全NOACで減少 ②消化管出血はまちまち
2)NOACがICHを減らす作用は2つある。①TFが非常に多い時には、ワルファリンより局所でのトロンビン抑制作用が弱い ②脳毛細血管の破綻部位ではTFが豊富で、微小出血の際ワルファリンが止血を抑制する

これまで言われていたことのまとめですね。消化管出血についての記事もまとまっていますが、それは後日に。
by dobashinaika | 2014-09-09 22:37 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

アピキサバンの東アジア人における有効性安全性:AHJ誌

Efficacy and Safety of Apixaban Compared with Warfarin for Stroke Prevention in Patients with Atrial Fibrillation from East Asia: A Subanalysis of the Apixaban for Reduction in Stroke and Other Thromboembolic Events in Atrial Fibrillation (ARISTOTLE)
Trial.Goto S et al
Am Heart J. 2014 Sep;168(3):303-9.


疑問:アピキサバンのアジア人でのアウトカムはどうか?

P:ARISTOTOLE試験登録患者

E:東アジア人(1993人)

C:非東アジア人(16208人)

O:脳卒中/全身性塞栓症、大出血、臨床的に問題となる出血、頭蓋内出血


結果;
1)アピキサバンの対ワルファリンハザード比:脳卒中/全身性塞栓症:東アジア人0.74、非東アジア人0.81;交互作用なし

2)大出血:東アジア人0.53、非東アジア人0.72;交互作用なし

3)ワルファリン群の大出血+臨床的に問題となる小出血:東アジア人0.49、非東アジア人0.71、交互作用あり、P=0.03

4)ワルファリン群の頭蓋内出血:東アジア人で非東アジア人より明らかに多い。アピキサバンでは少ない

結論:アピキサバンは脳卒中/全身性塞栓症、大出血はワルファリンと同等に減らし、大出血及び臨床的に問題となる出血は特に減らした。ワルファリンは、特に東アジア人で頭蓋内出血により関係した

### 他のNOACのサブ解析と概ね同等です。ワルファリンは特に東アジア人の頭蓋内出血はそれ以外に比べて多いが、アピキサバンではそうしたことはない。推察として第VII因子の関与という流れかと思います。

将来登録研究が出ると思いますので、それも合わせて判断したいところです。

他のNOACのアジア人サブ解析
ダビガトラン
http://stroke.ahajournals.org/content/44/7/1891.long

リバーロキサバン
http://stroke.ahajournals.org/content/45/6/1739.abstract
https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/advpub/0/advpub_CJ-12-0454/_pdf(J ROCKET試験)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/circj/advpub/0/advpub_CJ-12-0454/_pdf(頭蓋内出血のみ)
by dobashinaika | 2014-09-08 10:23 | 抗凝固療法:アピキサバン | Comments(0)

心房細動に対するジギタリス;ROCET AF試験あとづけ解析

先日も、ジギタリスが心房細動の予後悪化に関与するという論文を紹介しましたが、今回の欧州心臓病学会でもそれに追い打ちを掛けるような報告がありました。

ROCKET-AF試験のposy hoc解析です。

概要は
・14,171人対象のROCKET AF試験では1/3の症例にジゴキシンが使われた

・ベースラインの属性や治療法で補正後の死亡率、血管死、突然死をジギタリスの有無で比較した

・ジギタリス使用の非使用に対するハザード比
全死亡 1.22; 95% CI 1.08-1.37
血管死 1.22; 95% CI 1.05-1.42
突然死 1.29, 95% CI 1.03-1.61

・著者の言葉
”われわれは心房細動患者で、すぐにジゴキシンをやめるよう勧めることはしないが、この観察研究がジゴキシンの役割を明確化するために、RCTが必要であることを示唆する”

### ますますジゴキシンは分が悪い感じです。これはあとづけ解析ではありますが。

先日のジギタリスに関する大規模観察研究はこちら
http://dobashin.exblog.jp/20128470/
タグ:
by dobashinaika | 2014-09-05 21:19 | 心房細動:ダウンストリーム治療 | Comments(0)

ケアネット連載:「第11回「心房細動の早期発見は良いことなの?」更新致しまた

ケアネットで連載させて頂いております、”Dr. 小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~”が更新されております。

今回は、第11回「心房細動の早期発見は良いことなの?」です。

ちょうど昨日のブログで、欧州心臓病学会の心房細動スクリーニングに擦る新しい発表を紹介したばかりです。

発見されていない「隠れ心房細動をどうするか」は今後とも大きな問題であることには違いないと思われます。

以下からお入りください(無料登録が必要です)
http://www.carenet.com/series/afjournal/cg001089_0011.html
by dobashinaika | 2014-09-05 20:52 | 心房細動:診断 | Comments(0)

心房細動のスクリーニングの効果と問題点(PROFIL-FA study):欧州心臓病学会より

昨日終わった欧州心臓病学会のニュースから興味深い発表です。

the French PROFIL-FA study
・600以上のGPにより65歳以上の患者4,592人をスクリーニング
・585人が専門医に紹介され、129人が心房細動と診断された
・脈の不整(検脈)と動悸、失神、息切れ、胸痛について問診

・オッズ比:
不整な脈拍:12.0、p<0.0001
脳卒中/TIAの既往または末梢塞栓症:2.0、p<0.07
上記症状のうち2つ以上:2.3、p<0.0008
・脈不整の感度75.2%、症状2つ以上の感度80%
・脈と症状の組み合わせでさらに75人の心房細動を診断
・”我々のデータは、心房細動の診断において脈を取ることの困難さを表している”

知られているように、ESCのガイドラインのはじめの方に「65以上の外来患者の脈をとれ」と推奨されています。
根拠としては、大きなものは以下で、GPで65歳以上の人の脈を取れば、大体1.4%くらいの人が新たに見つかると言われています。
http://dobashin.exblog.jp/17677394/
この発表では2.8%で多いですね。

この発表の最後の結論は、感度は75%で低いことを問題にしていると思います。
ただ単に脈を取るだけですので、その感度はあまり高くない=偽陰性が多い、つまり脈が正常でも発作性の人だとか、脈が飛んでいても心房細動と気づかないでしまうなどの見逃しはありうるということだと思われます。

脳卒中後の検脈ではプロが取れば感度はかなり高いことも言われていますが。
http://dobashin.exblog.jp/20042722/

わたしも確かに脈をとれとれと言っていますが、実際は見逃しも多数あることは頭の片隅に入れておいたほうがいいですね。問診も重要ということですね。
by dobashinaika | 2014-09-04 22:00 | 心房細動:診断 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

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