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大規模臨床試験とリアルワールドのギャップ(再論)

抗血栓療法トライアルデータベースというサイトの第78回日本循環器学会(JCS2014)レポートで、私がラウンドテーブルディスカッションで話した内容が紹介されています。

「大規模臨床試験とリアルワールドのギャップ」という演題でしたが、よくまとめていただいたので、ご紹介いたします。

http://att.ebm-library.jp/conferences/2014/jcs/02.html

大規模臨床試験の世界(トライアルワールド)とリアルワールドの世界の本質的な差異は何かとつらつら考えるに、対象の範囲やカオス性ではなくて、トライアルワールドの中では、患者も医師も意思決定をしなくても良いのに対し、リアルワールドでは意思決定を常に強いられるということかもしれないという気がします。

この点について、哲学的論考(?)を準備中です(笑)。折を見てまた取り扱います。
by dobashinaika | 2014-04-14 23:30 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

心房細動発症とNSAIDの関係:BMJ Openより

BMJ Open 4月8日付けオンライン版より

Non-steroidal anti-inflammatory drugs and the risk of atrial fibrillation: a population-based follow-up study
BMJ Open 2014;4:e004059 doi:10.1136/bmjopen-2013-004059
Bouwe P Krijthe et al


【疑問】非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は心房細動リスクを高めるのか?

P:ロッテルダム研究に登録された一般住民コホートのうちベースラインで心房細動が認められない8423人

E:NSAIDsの使用あり

C:NSAIDsの使用なし

O:心房細動発症

【結果】
1)平均68.5歳、女性58%。平均追跡期間12.9年

2)心房細動:857人

3)現在のNSAIDs使用は心房細動リスクを増加させた:ハザード比1.76 (1.07~2.88)

4)最近のNSAIDs使用(中止後30日以内)は心房細動リスクを増加させた:ハザード比1.84 (1.34~2.51):年生、性別、他の交絡因子で補正

【結論】NSAIDsの使用は心房細動リスクを増加に関連あり。さらなる研究必要

### 確認事項として心房細動の診断は定期的な心電図記録、家庭医による情報、退院時のカルテ(全国的登録)からなされています。

以前からいくつかの症例対照研究などで同様の結果がしされてもおり、また関連はないとする報告もあったようです。
メカニズムとしてはcyclo-oxygenaseの抑制が体液貯留による血圧上昇、末梢血管抵抗増加、利尿作用や降圧薬の効果減弱をもたらすことや、COXの阻害が遠位ネフロンでのナトリウム分泌を抑え、血清ナトリウム値に変動をも当たらすことなどが説明としてあげられています。

NSAIDsの使用期間が気になりますが、表では最近の15〜30日の使用の群が最もハザード比が高く、30日を超えている例は関連がないようです。ただしこの群はnが少ないです。

心房細動診断は大規模コホートとしては手厚いように思いますが、全体にイベント数が少ない、NSAIDsの投与の理由や期間が今ひとつ不明な点、そしてもちろん処理していない交絡因子などの限界はもちろんあります。
by dobashinaika | 2014-04-11 23:24 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

心臓病患者における抗凝固薬+抗血小板薬3剤併用についての総説:EHJ誌

EHJ 1月21日号より

Triple antithrombotic therapy in cardiac patients: more questions than answers
Eur Heart J (2014) 35 (4): 216-223


1月にEuropean Heart Journalに掲載されたいわゆるトリプルテラピー(TT:抗凝固薬+抗血小板薬2剤)に関する総説です。
これまで気が付かずに折りましたが、参考になる内容なのでご紹介します。

図表やまとめがわかりやすいのですが、最後の著者の個人的見解と推奨を訳します。

・抗凝固薬、抗血小板薬併用中は消化管出血軽減のためプロトンポンプ阻害薬を併用

・心房細動患者に、冠動脈ステントを植え込む場合、急性冠症候群、待機的にかかわらず、ベアメタルステントを用いるべき。特に患者の出血リスクが高いまたは手術が計画されている人の場合。BMSではTTを1ヶ月施行後、抗凝固薬(INR2-3)単独(好ましい)または治療医の判断でアスピリン併用を行う

・もし心房細動患者に薬剤溶出ステントを挿入する場合は、出血リスクを減らすため、トリプルテラピーの期間をできるだけ短くすべき。
低〜中等度出血リスクの場合、ガイドラインではWOEST試験(アスピリンは必要ないであろうとの結論)を元に、TTは6ヶ月までとしている
われわれは、WOEST試験からアスピリンを完全に見限ることには確証が持てない。その代わり、アスピリンの使用期間を短くし、TTを1ヶ月まで短縮すべき。
心房細動患者でステント候補者は、その70%が本質的に出血リスクの上昇があるので、TTを1ヶ月まで減らすためのさらなる注意喚起が必要

・TT終了後、ワルファリン+クロピドグレルをINR2〜2.5にした上で計1年間継続。心房細動への抗凝固療法は常に必要

・併用時はPT-INRを2〜2.5に維持すべき。頻回のコントロール必要

・TTでのNOACは、現時点で推奨されない。リバーロキサバンの低用量併用が好まれるが、現時点では現存するデータの外挿によりこの方法は支持されている

・第3世代P2Y12阻害薬は、出血リスクが期せずして高いので、TTが必要な際は避けるべき

・低血栓塞栓リスク患者では、ACTIVE Wのサブ解析で、ワルファリンナイーブ患者は虚血性脳卒中イベントが同等だが、DAPTはワルファリンに比べ、はじめの6カ月の出血率は顕著に減少した

・このように短期間において,ステント植え込み前にワルファリンが投与されていないCHA2DS2-VAScスコア(0ー1)が低い患者では、DAPTがTTの代わりとなる

###大変良くまとまっていますね。わかりやすい。参考にしたいと思います。
by dobashinaika | 2014-04-11 00:42 | 抗凝固療法:抗血小板薬併用 | Comments(0)

ワルファリンから新規抗凝固薬への切替時のイベント:Br J CP誌

Br J Clin Pharmacol 4月2日オンライン版より

Safety of switching from Vitamin-K antagonists to dabigatran or rivaroxaban in daily care - results from the Dresden NOAC registry.

【疑問】ワルファリンからNOACへの切り替えは安全か?

【方法】
・2011年10月から2013年6月までに登録した心房細動患者2231人中、ワルファリンからNAOC(ダビ、リバーロ)への切り替えを行った716人対象
・評価可能な546人中410人(75.1%)で、ワルファリン中牛前10日以内あるいは、その後にINR記録あり:平均INR2.4
・気鋭変え後30日間のイベント追跡

【結果】
1)切り替え後30日間の大出血はまれ:0.3%(0.0〜1.0)。全体の出血率は12.2%

2)心血管イベント:0.8%

3)INR測定ー非測定間で有意差なし

4)毎日ケアした患者においては、NAOC導入前に75%でINR測定あり。

5)ワルファリン最終服用後、平均2〜5日でNOACが開始された

【結論】切り替え30日以内の心血管イベントと大出血はINRの記録の有無にかかわらずまれ。さらなるコホート研究必要

### 切り替えのプロトコール不明ですが、おそらく第III相試験通りでなく、INR記録群は日本の添付文書にあるようなINR低下を待ってからの切り替えと思われます。

INR記録なしでもイベントが少なかったというのは鵜呑みにできない気がします。偶然?私にはこわくて出きません。
by dobashinaika | 2014-04-10 00:08 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

心房細動関連脳梗塞後の長期予後:Neurology誌

Neurology 3月25日号より

Long-term survival after ischemic stroke in patients with atrial fibrillation
Neurology March 25, 2014 vol. 82 no. 12 1033-1037


【疑問】心房細動患者の脳卒中後の長期予後はどうなのか?

E:コンピューターデータベース中の心房細動13,559例のうち虚血性脳卒中と診断できた1,025例:平均6年追跡

C:年齢、性別、人種、合併症、登録期間をマッチさせた対照群

O:(イベント後の)生存年。

【結果】
1)生存年平均値1.8年vs. 対照群5.7年:HR2.8 (2.5-3.2)

2)初回脳卒中から6ヶ月生存舌576例の解析後でさえ全死亡の増加を認めた;HR2.0(ワーファリン使用で補正後)

3)死亡リスクは脳卒中重症度と強い相関あり

【結論】
虚血性脳卒中は心房細動患者の死亡率を3倍にする。この影響は長期に渡っており、脳卒中後の障害程度と強く相関する 。30日生存率に限っても通常考えられているより抗凝固療法の効果大きい

### 多くが心原性脳塞栓と思われます。心房細動の方が脳梗塞を起こすと、その後平均1.8年しか生きられないー。これはそうなのですね。
久山町研究でも1年生存率は50%。こうした数字は個人的に実際します。

これまでさまざまな心原性脳塞栓症患者さんを見させていただきましたが、開業してからは床上生活の方を往診で診させていただく機会が多いです。むしろ1.8年は正直これでも長いとも思います。やはり肺炎や心不全の合併が問題となるケースが多いです。

心原性脳塞栓は、やはりそうなる原因がそれなりにあって、INR管理が甘かったり、何らかの理由で服薬を中断した場合など、やはりあとから反省すべき点も多いと思われます。

1.8年という数字を改めて心に留めたいと思います。
by dobashinaika | 2014-04-08 23:21 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

日本における心房細動アブレーションの1年間追跡成績:Circulation J誌

Circulation Journal 3月21日早期公開版より

Nationwide Survey of Catheter Ablation for Atrial Fibrillation: The Japanese Catheter Ablation Registry of Atrial Fibrillation (J-CARAF)
– Report of 1-Year Follow-up –



【疑問】日本全体でのカテーテルアブレーションの成績はどうなのか?

【対象】
2011年9月〜2012年3月までにJ-CARAF研究に登録された心房細動アブレーション施行2137例のうち、2013年に1年間追跡データのある1208例(56.5%) :
119施設

【結果】
1)平均年齢61.9歳。発作性64.3%、持続性20.4%、長期持続性15.3%

2)初回アブレーション:76.7%

3)1年間の心房細動フリー率:発作性70.9%、持続性61.4%、長期持続性56.2%(発作性vs他;P<0.02)

4)再アブレーション率:発作性11.3%、持続性16.3%、長期持続性17.3%

5)施術時間(オッズ比0.82。P=0.000)と心房細動誘発試験の結果(オッズ比1.36,P<0.02)は成功のアウトカムと有意な関連あり

【結論】
約70%の発作性と60%の非発作性心房細動でアブレーション後の1年間発作なく、臨床的には成功。短い施行時間と誘発性の低下が中期的成功の予測因子であった。

### 確認事項ですが、臨床的成功例でも48.65%の症例で抗不整脈薬が退院時投与されているようです。
日本における心房細動アブレーションの1年追跡成績は「60〜70%は臨床的に良くなる(抗不整脈半数投与下)」ということですね。

以前紹介したヨーロッパの登録研究では、抗不整脈薬なしでの1年間初回成功率は43.7%(発作性)でした。
http://dobashin.exblog.jp/19449116/

また合併症については、日本不整脈学会のHPで既に公表されていて大小合わせて4%程度だったと思います。

大変参考になるデータだたと思います。施設ごとでこのようなデータが公開されると患者さん、プライマリ・ケア医にとってはフレンドリーだと感じます。

もう一つの興味は患者さんのQOLがどうなったかですね。私、個人的なアブレーションに対する最大の関心事は、服薬が少なくなることもも含めたQOLの改善だと思っております。
心房細動が認められなくなった。再アブレーションが少ないなどの臨床的アウトカムが大きく報告されますが、予後改善効果が不明である以上、アブレーション前後でどのくらいQOLの改善があったのかが、本来もっと論じられるべきだと思っております。

こうした研究の結果も知りたいとことですね。
by dobashinaika | 2014-04-07 19:51 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)

ダビガトラン服用中での頭蓋内出血の特徴:Circulation J誌

Circ J 3月24日オンライン版より

Intracranial Hemorrhage During Dabigatran Treatment
– Case Series of Eight Patients –Komori M et al
http://dx.doi.org/10.1253/circj.CJ-13-1534


【疑問】NOAC服用下での頭蓋内出血はワルファリンに比べて軽症か?

【方法・結果】
・ダビガトラン内服下で頭蓋内出血をきたした8例9出血対象
・5例は少〜中等度硬膜下血腫、2例は頭蓋内出血、1例は脳挫傷を伴う外傷性くも膜下出血+皮質下出血
・入院時aPTT:31.6~72.4秒
・入院後、頭蓋内出血の2例では血圧を140mmHg維持。硬膜下血腫の4例では外科的手術
・血腫拡大なし。ほとんどの例で転帰良好

【結論】ダビガトラン内服下の急性頭蓋内出血に由来する血腫は少〜中等度で拡大しにくく管理しやすい

###日本の矢坂先生のグループからの報告です。
9例中7例はmRSスコアが0か1点だったとのことです。ワルファリン内服下の出血が高度になる理由として、ワルファリンは脳内に豊富に存在する組織因子と結合して凝固活性を示すVII因子を抑制してしまうためと説明されています。ダビガトランはVIIをおさえないので、比較的出血が少なく、出血しても拡大しにくいと考えられます。

その他にダビガトランはトロンビン分子の活性化中心に選択的、可逆的に結合し、thrombin activatable fibrinolysis inhibitor(TAFI) の生成を抑制しないことで線溶のダウンレギュレーションを促す、あるいは半減期が短いため、すぐに体内から消失するなどが機序として考察されています。

以前マウスでもこのことを示唆する論文がありました。
http://dobashin.exblog.jp/18041572/

実際の現場からのデータは、使う者にとっても大変参考になります。
by dobashinaika | 2014-04-05 12:54 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

脳卒中や出血リスクに対するスコアリングと医師の主観的リスク評価の解離:Circulation誌

Circulation 3月29日付けオンライン版

Lack of Concordance between Empirical Scores and Physician Assessments of Stroke and Bleeding Risk in Atrial Fibrillation: Results from the Outcomes Registry for Better Informed Treatment of Atrial Fibrillation (ORBIT-AF) Registry
doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.114.008643



【疑問】血栓/出血リスクスコアと臨床家の主観的評価は一致するか?

【方法】
・対象:ORBIT-AFレジストリーに登録された心房細動患者10,094人:2010年6月〜2011年8月
・各患者をCHADS2スコア、ATRIAスコアで脳卒中、出血リスクを評価
・それとは別に臨床家が各患者のリスクを低リスク (<3%)、中リスク (3-6%)、高リスク (6%<)に分ける

【結果】
1)CHADS2スコア2点以上:72%

2)臨床家による評価:高リスク者は16%のみ

3)ATRIAスコアで高出血リスク(5点以上)は17%:一方臨床家評価による高出血リスク例は7%

4)各スコアと臨床家評価のスコアとの間の相関は低い:各Kappa値=脳卒中0.1、出血0.11

5)臨床家はCHADS2スコアでは、高血圧、心不全、糖尿病を低く評価した

6)臨床家はATRIAスコアでは、貧血と透析を低く評価した

7)抗凝固療法はリスク評価でも、臨床家の評価でも高リスク例において最も多く使用された

8)対照的に、出血リスク評価が治療法選択に及ぼすインパクトは少なかった

【結論】
臨床家の評価と従来からのスコア評価との間には合致するところは少なかった。こうした差異はガイドライン使用と実際の抗凝固療法との乖離に関する、部分的な説明になるかもしれない。

### 臨床家は目の前の患者を、算定されたCHADS2スコアより低いリスクでしか見積もっていないということですね。とくに 出血スコアはあまりあてにしていないということのようです。

往々にして医者というのは、患者さんのリスクを低く見積もりがちです。まず患者さんよりお低く見積もりやすいということは、以前のブログで取り上げた研究にもあります。
http://dobashin.exblog.jp/18671627/

そもそも特にこの出血スコアというのは、どれほどの妥当性信頼性があるかということは問題となっており、以前取り上げたように臨床経験3年目の先生の主観的評価より劣るといった、なんともトホホな報告もあるくらいなんですね。
http://dobashin.exblog.jp/17588136/

結論の最後にかっこいいことが書いてありますが、まさにこの実際目の前の患者さんに対する医者の主観的なリスク評価と、スコアリングによる客観的な評価との間の乖離というのは、ガイドライン(あるいは大規模試験)とリアルワールドの乖離に通じるわけであり、アンダードーズ、アンダーユーズの根底となるものだと思われます。

リスクマネジメントは、最終的には医師あるいは患者のリスクに対する「こころ」のマネジメント言うことになりますか。
by dobashinaika | 2014-04-02 23:29 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)

iPhoneで心電図を記録することによる心房細動スクリーニングの有用性と費用対効果:T/H誌

Thrombosis and Haemostasis 4月1日付オンライン版より

Feasibility and cost effectiveness of stroke prevention through community screening for atrial fibrillation using iPhone ECG in pharmacies
The SEARCH-AF study
Nicole Lowres et al


【疑問】iPhoneによる心房細動スクリーニングの有用性と費用対効果はどうなのか?

【方法】
・オーストラリア・シドニーの10の登録薬局を受診した65歳以上のすべての患者(末期患者、重度認知症などは除外)
・脈を取る(30秒間) 、およびiPhoneによるI誘導のハンドヘルド心電図=iECG(30〜60秒)(AliveCor Heart Monitor)
・心房細動が記録されたら、GPに紹介
・本スクリーニングの費用対効果を算定
65歳以上の心房細動有病率4.4%、罹患率1.4%、デバイスの感度98.5%、特異度91.4%
スクリーニング1回のコストを$AUD20(20オーストラリアドル)、GP紹介から心電図施行までを$AUD252
ワルファリンによる治療とモニタリングを$AUD803.80/年で算定

【結果】
1)1000人登録:平均76歳、女性44%。全員CHA2DS-VAScスコア2点以上

2)心房細動罹患率(年間)6.7%。新たな心房細動発見は1.5%で全員CHA2DS-VAScスコア2点以上

3)iECGによる感度は98.5%、特異度は91.4%

4)ワルファリンのアドヒアランスを55%にした場合増分対費用効果比は1QUALYあたり$AUD5988(約57万円)。脳卒中1人予防あたり$AUD30481(約293万円)

5)感度分析ではアドヒアランスが増すに連れて費用対効果も向上する

【結論】薬局におけるiECGを用いた心房細動スクリーニングは適切であり費用対効果が良い。新たに見つかった心房細動の血栓塞栓リスクは高く大きいため、地域での心房細動スクリーニングのベネフィットが強調される。地域iECF心房細動スクリーニングのガイドライン推奨を考えるべきである。

### ついにここまで来ましたね。以前心房細動診断は、ハイリスクストラテジーからポピュレーションストラテジーに変わるだろうと言っていたのですが、もはや現実は先を行っています。デバイスの概要は以前紹介しました。
http://dobashin.exblog.jp/17451920/
iPhoneで心電図を記録することによる心房細動スクリーニングの有用性と費用対効果:T/H誌_a0119856_2001077.jpg


薬局で薬剤師の先生により、脈をとってiPhoneを使えば、年間1,5%の人に心房細動があらたに見つかる。そして1人の脳卒中を予防するのに293万円(豪ドル=96円で計算)の費用が見込まれる、と書くとかなり良さそうな戦略に見えます。

日本では薬剤師さんの権限はここまでありませんが、オーストラリアは医師の診察なしでも、処方箋が出せて患者さんは薬局にそれを持っていけば薬が手に入るようになっているのでしょうか。日本では医師が診察時に脈を取れば良い話かもしれません。

iPhoneアプリによる心房細動診断ですが、実はもう日本ではもっと簡単なデバイスが開発されています。
https://itunes.apple.com/jp/app/hatorizumu-nao-geng-saino/id772332884?mt=8

こちらは指にカメラ・レンズを当てるだけで脈拍がグラフ化されるという、ある意味画期的かもしれません。
日本の若手医師による開発ですが、感度特異度を知りたいところです。
iPhoneで心電図を記録することによる心房細動スクリーニングの有用性と費用対効果:T/H誌_a0119856_2011866.jpg

by dobashinaika | 2014-04-01 20:01 | 心房細動:診断 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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