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心房細動のメイズ手術は右房まで広範囲に外科焼灼した方が効果的

Journal of American College of Cardiology2月22日号から。
Impact of Lesion Sets on Mid-Term Results of Surgical Ablation Procedure for Atrial Fibrillation
J Am Coll Cardiol, 2011; 57:931-940

P:僧帽弁手術+メイズ手術施行141例

E: 左房と右房のメイズ手術+神経叢隔離 (extensive)

C:左房のみの高周波焼灼32例 (limited)

O:NYHA分類、抗不整脈薬、E/A、生存率、入院時間

結果:
1)心房細動有病率は,extensive群で低い(adjusted relative risk [RR]: 0.10; 95% confidence interval [CI]: 0.03 to 0.31; p < 0.001)。特に退院時と3ヶ月後、18ヶ月後。
2)NYHAII/IIIはextensive群で何れの時期においても低い(adjusted RR: 0.11; 95% CI: 0.03 to 0.34; p < 0.001)。
3)E/Aの回復と抗不整脈薬使用は有意差なし
4)12、18、24ヶ月後の抗不整脈薬使用はextenisve群で有意に少ない。
5)心不全入院、全入院、死亡と入院はextensive群で有意に少ない(p = 0.11, p = 0.003, and p = 0.002。
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結論:右房焼灼を加えたextensive アプローチは、メイズ後の臨床的、電気生理学的結果を改善させた。

###左房のみに高周波アブレーションを施行し、小さなlesion setを作るより、左房と右房の間にも焼灼線を入れたり、神経叢まで隔離して大きなlesion setを作る方が効果的とのことです。
by dobashinaika | 2011-02-17 18:10 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)

ACCF/AHA/HRSの心房細動管理ガイドラインが限定アップデートされ、ダビガトランは推奨レベルIに

米国心臓病学会財団(ACCF),米国心臓協会(AHA),米国不整脈学会(HRS)によるダビガトランに関する心房細動管理ガイドラインが限定アップデートされました。
2011 ACCF/AHA/HRS Focused Update on the Management of Patients With Atrial Fibrillation (Update on Dabigatran)
FDAの認可、およびその後の普及を受けてのものだと思われます。
8章の「マネジメント」の“8.1.4.2.5経口直接トロンビン阻害抗凝固薬の使用に関する推奨“
のか所のみの変更です。以下のrecommendationが追加されました。



新規抗血栓薬としての推奨

Class I
1.ダビガトランは、以下のような心房細動患者の脳卒中、全身性血栓塞栓抑制目的においてワーファリンの代替薬として有用:脳卒中、塞栓症の危険因子があり、人工弁、明らかに血行動態に影響ある弁膜症、重症腎不全(CCr15未満)、進行性肝機能障害(凝固能異常あり)のない発作性から永続性までの心房細動:エビデンスレベルB

###アメリカのガイドラインでもお墨付きとなりました。
by dobashinaika | 2011-02-15 18:33 | 抗凝固療法:ガイドライン | Comments(0)

ペースメーカー患者さんの会に参加しました(心臓ペースメーカー友の会)

本日、平成22年度の日本心臓ペースメーカー友の会「宮城県支部茶話会」が開催されました。4−5人がテーブルを囲み、その輪に医師、技師の方々が入って、自らの「語り」を聞き合う。
患者さん同士がお互いの「物語」を聞き合うことで、安心感とペースメーカーそのものへの理解が深まると思います。
今回も3時間、あっという間にすぎ、熱心な「語り」を聞くことができました.
by dobashinaika | 2011-02-13 23:58 | ペースメーカー友の会 | Comments(5)

新規抗凝固薬アピキサバンは、ワーファリン不適合の心房細動患者でアスピリンより有効(AVERROES試験)

New England Journal of Medicine2月10日オンライン版からです。
Apixaban in Patients with Atrial Fibrillation
10.1056/NEJMoa1007432


P: 50歳以上で組み入れ6ヶ月前までに心房細動が記録されている患者。CHADS2スコア1点以上かつワーファリン服用に不適合な患者:5599名。

E: アピキサバン5mg/日

C: アスピリン81~324mg/日

O: 主要効果評価項目=脳卒中(梗塞または出血)または全身塞栓症
 主要安全評価項目=大出血、
 副次評価項目=心筋梗塞、心血管死

T: 無作為割り付け、二重盲検、1.1年追跡

結果:
1)組み入れ前40%がワーファリン等使用
2)アピキサバンの優位が明らかなため早期中止が勧告された、
3)主要イベントは、アピキサバン群1.6%、アスピリン群3.7%(HR 0.45; 95% confidence interval [CI], 0.32 to 0.62; P<0.001)
4)死亡率はアピキサバン群3.5%/年、アスピリン群4.4%/年 (HR 0.79; 95% CI, 0.62 to 1.02; P=0.07)
5)大出血はアピキサバン群1.4%/年、アスピリン群1.2%/年 (HR 1.13; 95% CI, 0.74 to 1.05; P=0.57).脳内出血はアピキサバン群で11例、アスピリン群で13例
6)心血管イベントによる入院はアピキサバン群でアスピリン群より減少 (12.6% per year vs. 15.9% per year, P<0.001)
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結論:ビタミンK阻害薬に不適合な心房細動患者においては、アピキサバンは、主立った出血のリスクを増やすことなく、脳卒中と全身塞栓症のリスクを減少させた。

###AVERROES試験と呼ばれる、新規抗凝固薬アピキサバンのアスピリンを対象とした二重盲検試験です。アスピリン対象ですので、有意差がつかないとある意味困りますので、その点は評価できます。スタディデザインが、INRのばらつきなどでワーファリン投与が不適切な患者ですので、日本のように非常にこまめにINRを管理している医師の多い集団での有効性は気になるとことです。ワーファリンとの比較試験(ARISTOTLE; NCT00412984)が結果待ちですので、そちらも注目したいところです。
by dobashinaika | 2011-02-11 16:48 | 抗凝固療法:アピキサバン | Comments(0)

QT短縮症候群のシステマテックレビュー~QTc330msec未満、家族歴、遺伝子型に要注意

Journal of American College of Cardiology2月15日号からです。
The Short QT Syndrome: Proposed Diagnostic Criteria
J Am Coll Cadriol, 2011; 57: 802-812

背景:QT短縮症候群は、心房細動や突然死に関係しており、初の報告時から10年経つが、診断基準は明確になっていない。

方法:MEDLINEでQT短縮症候群に関するすべての報告を抽出。報告されたデータから心電図上の特徴やQT間隔の範囲を検討し、一般住民のデータと比較した。

結果:
1)計61例が報告されていた。
2)突然死、心停止、失神、心房細動は57.4%に見られた。
3)男性が75.4%を占め、症候性患者の平均QTcは306.7msec(248~381)であった。
4)一般住民に比べ、臨床所見、家族歴、遺伝的所見を考慮した感度の高いスコアリングシステム(注)が開発された。

結論:QT短縮症候群61例の包括的レビューに基づき、疑わしい心電図の診断を助ける、公式の診断基準が提出された。このクライテリアはリスクの高い家系のスクリーニングと状態把握に有用である。

(注)QTc、家族歴、突然死、心房細動の既往、特徴的遺伝子型などをポイント化し4点以上をhighly-probably、3点以上をintermediate-probability、2点以下をlow-probabilityとした。各点数は以下の通り
QTc, ms
  <370 1点
  <350 2点
  <330 3点
  Jpoint-Tpeak interval <120 ms 1点
Clinical history *
  History of sudden cardiac arrest 2点
  Documented polymorphic VT or VF 2点
  Unexplained syncope 1点
Atrial fibrillation 1点
Family history *
  First- or second-degree relative with high-probability SQTS 2点
  First- or second-degree relative with autopsy-negative sudden cardiac death                                1点
  Sudden infant death syndrome 1点
Genotype *
  Genotype positive 2点
  Mutation of undetermined significance in a culprit gene 1点

###QT短縮症候群は、K電流の増強等により、心室筋の活動電位持続時間が短縮し、QT間隔の短縮を来す疾患で、これまで5つの遺伝子型が報告されています。不応期が短縮することにより致死性不整脈がおきやすいため、突然死が問題となっており、心房筋においては心房細動の原因となると言われています。
 QTを延長させるI,III群抗不整脈薬が有効です。
 今回はシステマテックレヴューにより、包括的に診断基準を規定しようという取り組みです。まず心電図でQTc0.37未満なら要注意、0.35未満では厳重注意、それと他の因子を考えに入れての診断ということを、頭に入れるようにしたいと思います。
by dobashinaika | 2011-02-10 18:11 | 心室性不整脈 | Comments(0)

MRIで可視化された左房線維化の範囲が大きいほど脳卒中が多い。

Journal of American College of Cardiology2月15日号からです。
Association of Left Atrial Fibrosis Detected by Delayed-Enhancement Magnetic Resonance Imaging and the Risk of Stroke in Patients With Atrial Fibrillation
J Am Coll Cardiol, 2011; 57:831-838

目的:遅延造影MRIにより評価された左房の腺維化とCHADS2スコアの関係を明らかにする。

方法:
・ユタ大学に紹介され肺静脈アブレーション前に遅延造影MRIを施行された心房細動患者
・遅延造影MRIは、造影剤注入15分後にMRIを施行し、左房領域における高信号に描出される領域の割合を測定した。
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結果:
1)登録患者は387人、平均年齢65 ± 12歳、女性36.8%。脳卒中の既往9.3%
2)脳卒中の既往ありの人は、左房腺維化率が有意に高かった(24.4 ± 12.4% vs. 16.2 ± 9.9%, p < 0.01).。
3)左房線維化が大量に認められる場合、CHADS2スコアも有意に高かった(2: 18.7 ± 11.4 vs. <2: 14.7 ± 9.2, p < 0.01)。
4)脳卒中を除く各因子のロジステック回帰分析では、左房線維化は脳血管イベントの独立した危険因子であった。CHADS2スコアのうち脳卒中に変えて左房線維化のステージIV(左房の38.4%以上の線維化)を2点として加えた場合、ROC曲線のAUCはCHADS2スコア単独の時に比べ0.58から0.72に上昇した。

結論:遅延造影MRIに基づく左房線維化は、脳卒中の独立した危険因子であった。この方法で得られた左房線維化量は脳卒中のマーカーとなりうるし、治療のターゲットにもなりうる。

###左房の線維化をMRIで同定し、その範囲が大きいほど脳卒中も多いという趣旨です。この方法でアブレーション前に、成功しそうな例を予想したり、アブレーション戦略を前もって練りやすくなったりすることが期待されます。自分の左房がどのくらい線維化しているのか、私自身は、見るのはこわいです。
by dobashinaika | 2011-02-09 22:45 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

心房細動の臨床試験で3ヶ月以内の再入院や長期の入院は代用エンドポイントとして妥当

Europace 2月4日オンライン版からです。
Cardiovascular hospitalization as a surrogate endpoint for mortality in studies of atrial fibrillation: report from the Stockholm Cohort Study of Atrial Fibrillation

目的:心房細動の最近のスタディでは心血管イベントによる入院をサロゲートエンドポイントにしているが、死亡と入院との関係は不明瞭である。心血管イベントにおける入院が独立した危険因子でありサロゲートとして適切かを検討。

方法:
・ 2002年にスウェーデンの一病院で心房細動の診断を受けた2,912名を6.5年カルテによりフォロー
・ 最近2.5年のサブ解析はNational Prescription Registerから情報を収集

結果:
1)はじめの3ヶ月に心血管疾患のために再入院した人は、死亡率が高かった(15.6 vs. 9.3人死亡/100 人年 at risk, P < 0.0001)。
2)入院期間が追跡期間の2%を超えた人は、死亡率が高かった(36.0 vs. 8.2 死亡/100 人年, P < 0.0001)。
3)各因子補正後でも、はじめの3ヶ月に再入院した例では死亡率が高い[hazard ratio (HR) = 1.36; 95% confidence interval (CI) = 1.18–1.57]。
4)登録から3年間生存した患者についてみると、心血管疾患関連入院と死亡とは高い関連性を有した(HR 2.69, CI 1.96–3.68)。
5)この結果は他の未知の交絡因子を補正するためのpropensityスコアマッチング後も変わらなかった。
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結論:心血管関連入院は、死亡リスクの多い患者のマーカーであり、心房細動スタディの妥当なサロゲートエンドポイントとして利用できる。

###入院の基準が問題ですが、3ヶ月以内の再入院、全生活時間の2%を超える入院期間は妥当とのことです。
by dobashinaika | 2011-02-07 20:00 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

ワーファリンからプラザキサへ切り替える時の患者さん説明用パンフを作成しました

プラザキサ発売にあたり、ワーファリンからの切り替え時に使用する患者さん説明用のパンフレットを作成しました。

これは、まだ試案であり、あくまで当院の患者さん向けに作成したもので、医療者として患者さん一般に向けたメッセージではありません。さらに、薬価その他不正確な情報もあります。以上の点をご留意の上、お読みいただければ幸いです。

今後、患者さんへの説明が非常に大切になってくると思われます。
プラザキサは医学的にはワーファリンに勝るとも劣らない、しかしながら利便性は五分五分と思います。特に診療所に通われている方は受診回数、支払額は重要な判断材料になります。
1月になりプラザキサについて患者さんに説明する機会が増えましたが、受診月2回を切り出すと、遠慮する、1年待つという人が意外に多いと思います。
実際発売となり、マスコミ等で周知された場合、どうなるか、ですね。

〜以下、試案〜

            ワーファリンを服用している方へ
            新規抗凝固薬プラザキサについて


このほどワーファリンと同様の働きの新規抗凝固薬プラザキサが発売になりました。
ワーファリンと同じように、血液を固まりにくくし、心房細動による脳塞栓症を予防するお薬です。
1日110mg1錠を朝夕2回飲む場合(計220mg)と、75mg2錠を朝夕2回飲む場合(計300mg)があります。

このお薬は、以下のようにワーファリンに比べて良い点と、欠点とがあります。ワーファリンからの切り替えについて、以下の点を参考に、医師と一緒に考えながら、決めていきたいと思います。

ワーファリンに比べて良い点
1)食べては行けない食品がなくなります
納豆、青汁、クロレラ、モロヘイヤを食べてもかまいません
2)毎月の採血がなくなります
血液検査で効き目を見極める必要がなくなります。
3)毎回ほぼ決められた数だけ飲めばよいことになります
ワーファリンのように、月によって飲む数が変わるということがなくなります。
4)手術のときなどは、直前まで服用可能です
服用を止めると効き目が速やかになくなりますので、ワーファリンのときのように、薬を止めたことによる塞栓症のリスクが少ないと言えます。
5)ワーファリンより効果がある可能性があります
1日300mg服用すると、ワーファリンに比べて脳卒中、全身の塞栓症が少なくなるとのデータがあります。
6)ワーファリンより出血の合併症が低くなるとの報告があります
生命を脅かすような出血や小出血などにおいて、ワーファリンに比べて少なくなるとのデータがあります。
6)他の薬との飲み合わせをこれまでより気にしなくて済みます

ワーファリンに比べての欠点
1)今後1年間は2週間処方です
新薬ですので、発売1ヶ月間は2週間に1回の受診が必要となります。
2)1日2回飲む必要があります
ワーファリンは1日1回でしたが、必ず1日2回飲むことになります。
3)薬局で支払う金額が上がります
例)ワーファリン1日3錠飲んでいた方
   ワーファリン(1錠9.7円)3割負担の方約262円/月、1割負担の方で87円/月
   プラザキサ(1錠○○円):3割負担の方約○○円/月、1割負担の方で○○円/月
* まだ確定しておりませんが、ワーファリンにかかった額の数倍以上となる見込みです。(医療費全部がそうなるわけではありません)なおワーファリンのときにかかった採血料、判断料等がなくなるため、実際は合計での医療費は上記の負担増より○○円低くなります。
4)これまでよりも飲み忘れに注意が必要です
ワーファリンよりも速やかにからだからなくなりますので、飲み忘れると半日程度で効き目が切れてくる可能性があります。
5)消化管出血や消化器症状は、ワーファリンよりやや多いとの報告があります
胃などからの出血は、300mg/日の場合、ワーファリンより多いとの報告があります。また、約10%に腹部不快感などの症状があることが報告されています。
6)出血が起きたときなどの対処法が不明です
ワーファリンには中和薬がありましたが、プラザキサにはないため、出血時は服薬を中止することのみが対処法となります。

このような良い点と欠点とを比較し、医師との相談の上、切り替えについて考えていきたいと存じます。
by dobashinaika | 2011-02-06 20:08 | 抗凝固療法:患者さん用パンフ | Comments(1)

RAS抑制薬の心房細動再発に関するメタ解析(ただしpost-hoc解析)

Journal of Cardiovascular Pharmacology and Therapeutics2月1日号からです.
Meta-Analysis of Renin-Angiotensin-Aldosterone Blockade for Heart Failure in Presence of Preserved Left Ventricular Function


目的:心房細動の再発をACE阻害薬とARBが抑制するかについての大規模比較試験のメタ解析を行った。(post-hoc解析)

方法:
・ 心房細動再発抑制に関するACEi,ARBの効果を扱ったRCTの系統的文献検索。
・ Mantel-Haenszel random-effect modelによる相対危険の解析
・ ACEiのみの試験はThe fixed-effect modelにより解析

結果:
1)8試験2323名対象
2)ACEi,ARBは再発性心房細動を有意に減らした(RR, 0.611; 95% CI, 0.441-0.847; P = .003)。
3)ARBのみでは0.643 (95% CI, 0.439-0.941; P = .023)
4)ACEiのみでは0.54 (95% CI, 0.377-0.80; P = .002)

結論:Post-hoc解析としてのメタ解析では、ACEi, ARBは心房細動再発を有意に減少させた.

###再発のみにしぼったメタ解析ですが、以前のJACCのメタ解析と同様の結果で「効果あり」でした.ただし、ほとんどpost-hoc解析ですので注意が必要です.
by dobashinaika | 2011-02-05 19:15 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

左心房にかかる圧負荷が心房細動の持続安定に寄与する

Heart Rhythm2月号からです.
Left atrial pressure and dominant frequency of atrial fibrillation in humans

目的:心房細動のアブレーション患者で左房圧が興奮周期に与えるインパクトにつき検討

方法:
・ 58人の心房細動アブレーション患者:40人持続性、18人発作性
・ アブレーション前に左房圧測定
・ 両心房と冠静脈洞の局所の周期性興奮(dominant frequency)を測定

結果:
1)平均左房圧は持続性で発作性より明らかに高い。(18 ± 5 vs 10 ± 4 mmHg, P <.0001)
2)平均周期性興奮は持続性で発作性より高い=短い。(6.36 ± 0.51 Hz and 5.83 ± 0.54 Hz, P = .0006)
3)持続性においては、左心耳で左房圧と周期性興奮とに明らかな相関あり。(r = 0.55, P = .0002)
4)持続性において、周期性興奮の最大値は60%が左心耳領域
5)多変量解析では、左房圧は左心耳における周期性興奮の唯一の独立した危険因子。(P = .04, odds ratio 1.41, 95% confidence interval 1.02–1.94).

結論:持続性心房細動において左房圧が高いことは、発作性心房細動に比べ左房圧上昇によるリモデリングの影響を受けやすいことを示唆する.このことは左房のストレッチが、高い周期性興奮を安定化させ、心房細動の維持に関わっていることを意味する。

### dominant frequencyはFFT解析により、混沌した心房細動の興奮周期の中もっとも優位となっている興奮波の周期を測定する方法です.この論文のグループのJalifeらは以前の論文で持続性心房細動ではDFのマッピングには限界があることを報告しています.今回は左房の圧との関係でやはり有用であることを示しています.やはり、細動の一番始めにメカニカルストレッチありき、なのでしょうか。
by dobashinaika | 2011-02-04 21:54 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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