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心臓手術後心房細動の予防にβ遮断薬とアミオダロンの効果は同等

雑誌Annals of Intervnal Medicine12月6日号から

目的:心臓手術後に起こる心房細動予防にメトプロロール(β遮断薬)とアミオダロン(抗不整脈薬)の効果が同等かを比較する

方法:対象は心臓手術後24時間以内で、血行動態が安定し心房細動を起こしていない患者316例。  
メトプロロール1~3mg/時またはアミオダロン15mg/kgを術後15~21時間以内に48時間点滴した。  
無作為割り付け、オープンラベル(薬がどちらかを医者患者が知っている)

結果
1)心房細動発生率:メトプロロール群38/159(23.9%)、アミオダロン群39/157(24.8%)
2) メトプロロールでの発生率は(各因子を修正した場合)アミオダロンの1.09倍
心臓手術後心房細動の予防にβ遮断薬とアミオダロンの効果は同等_a0119856_5494919.gif


結論:メトプロロールとアミオダロンで心房細動発生率は同等。症例数が少なくばらつきが多いため、確定的なことは言えない。
by dobashinaika | 2010-12-11 05:50 | 心房細動:ダウンストリーム治療 | Comments(0)

第9回みやぎ心臓疾患症例検討会

12月6日(月)は、私が代表世話人を務めます第9回みやぎ心臓疾患症例検討会でした。仙台市立病院循環器内科の石田明彦先生をお迎えし、「Brugada症候群とQT延長症候群—最近の知見—症例を通してー」を題してご講演いただきました。
石田先生は、私が仙台市立病院時代一緒に仕事をしていた先生で、不整脈全般、特に心臓突然死で問題となるBrugada症候群やQT延長症候群を多数経験されています。日頃健診などの心電図でよく出くわす疾患であり、活発な討論がかわされました。
by dobashinaika | 2010-12-08 06:31 | 開業医の勉強 | Comments(0)

長谷川潾二郎展

12月5日(日)は、宮城県美術館に「孤高の画家 長谷川潾二郎展」を見に行きました。潾二郎の絵はひっそりとしていて、時に懐かしさを感じさせます。日曜日の午前、静謐な時間を味わうことができました。
追記:眠り猫コンテストは私が予想していた通りの写真が受賞したようです。
長谷川潾二郎展_a0119856_6191483.jpg

by dobashinaika | 2010-12-08 06:19 | 音楽、美術など | Comments(1)

第14回土橋EBM教室

12月4日(土)は、第14回土橋EBM教室を当院で行いました。テーマは10月16日の第13回に引き続き(ブログでは報告していませんでした)「動脈硬化を防ぐために」です。
1)敵を知る=コレステロールとは何かを知る、2)己を知る=自分の動脈硬化の程度を知り、心臓病のリスクがどのくらいかを知る、3)何をなすべきかを知る、の3つの「知る」をキーワードに、満員の参加者(といっても9名ですが)と話し合いをしました。
次回は2月頃開催予定(テーマ未定)です。
by dobashinaika | 2010-12-08 06:08 | 土橋EBM教室 | Comments(0)

ジャーナルクラブ

12月3日(金)は、青葉区の松尾けんこうクリニック、松尾兼幸先生と医学の論文を読んで検討し合う「ジャーナルクラブ」を開催しました。開催と言っても2人だけです。「批判的に読む」態度で3つの論文に目を通しましたが、予定の2時間あっという間にすぎてしまいました。一人ではわからないことが2人いると見えるものがあります。また自分の頭の中でわかっていると思っていても、人と話していると、自分は何がわからなかったのかがわかってきます。
今後とも月1ペースで開催する予定です。
当日読んだ論文のまとめです。

Effects of Medical Therapies on Retinopathy Progression in Type 2 Diabetes
The ACCORD Study Group and ACCORD Eye Study Group
N Engl J Med 2010; 363:233-244July 15, 2010
心血管病高リスクの糖尿病患者2856例において、血糖、脂質、血圧をそれぞれ強化コントロール群と標準コントロール群に分け、糖尿病性網膜症の進行化率を4年間比較した。厳格な血糖管理と脂質管理は、網膜症の進行を遅らせるが、厳格な血圧管理は効果がないかむしろ悪化させた。

Performance of Common Genetic Variants in Breast-Cancer Risk Models
N Engl J Med 2010; 362:986-993March 18, 2010
乳がんリスクを予測するツールである人口学法とゲイル法の予測因子に、10の遺伝子変異を加えると予測制度がどのくらい上昇するかを検討したところ、予測精度は上がったが、軽微な効果にとどまった。

Clopidogrel with or without Omeprazole in Coronary Artery Disease
N Engl J Med 2010; 363:1909-1917November 11, 2010
冠動脈ステント後の患者にアスピリン、クロピドグレルにオメプラゾールを加えた群と加えない群とで大規模無作為割り付け試験を施行した。オメプラゾールは消化管イベントを2.9%から1.1%に減少させたが、一方心血管イベントには影響を与えなかった。
by dobashinaika | 2010-12-08 06:01 | 開業医の勉強 | Comments(0)

従来から言われている危険因子で心房細動の発症を予測することは妥当

雑誌Archives of Internal Medicine11月22日号からの論文です。

・ アメリカ人およびアフリカンアメリカンの3つの住民集団100,074人年を対象に、発作性心房細動の リスクを予測する因子(年齢、性別、BMI、血圧、心電図のPR間隔、高血圧治療、心不全)の妥当性 を検討した。
・ 5年間で1359件の心房細動発作を認めた。
・ 住民集団により発症率に差が見られた:4.5~22.7例/1000人年、アフリカンアメリカンは18.4例 /1000人年。
・ 年齢と心不全が最も強く心房細動発症に影響した。
・ 上記7つの危険因子で心房細動を予測することは妥当であり、64%までの危険についてはこれらで説 明できた(心房細動の人はそうでない人よりそれら7つの危険因子を持つ確率が高い確率が64%)。
by dobashinaika | 2010-12-06 07:04 | 心房細動:疫学・リスク因子

ワーファリンによる出血の予測にはHAS-BLEDスコアがやはり有用

雑誌Journsl of American College of Cardiology11月24日電子版からです。

目的:
ワーファリンあるいは新抗凝固薬による出血のリスクを高める因子(条件)を調べた。

方法
・ SPORTIF IIIとIV試験に参加した7429例対象
・ 全員ワーファリン(INR2~3でコントロール)またはキシメガトラン36mg服用。アスピリン服用者も含む。

結果:
・ 多変量解析により以下の因子があると何倍出血を来しやすいかを計算
➢アスピリンの服用:2.10倍
➢腎機能障害:1.98倍
➢75歳以上:1.63倍
➢糖尿病:1.47倍
➢心不全、左室機能低下:1.32倍
・ 高血圧、肝腎機能障害、脳卒中、出血の既往、不安定なINR管理、65歳以上、アスピリン等服用やアルコール依存の7つの因子を点数化したHAS-BLEDスコアは、点数が高いほど、出血率が増加した。C統計量(出血の予測精度を表す値)はワーファリンを初めて飲む患者で0.68だった。

結論:
糖尿病、心不全、左室機能低下がこれまでなかった出血の危険因子として上げられた。HAS-BLEDスコアはこれまで以上に予測能力が高く、今後使いやすいと思われる。

###腎機能低下のオッズ比が高いことが注意を引きました。ただだいたい予測できた因子ばかりとも言えます。欧州心臓学会のガイドラインだとHAS-BLED3点以上ではワーファリンの厳格なコントロールと定期的見直しを勧めています。危険因子が多い人ほど、ワーファリンも必要だし出血に対する注意も必要ということを肝に銘じよということでしょう。
by dobashinaika | 2010-12-05 10:40 | 抗凝固療法:適応、スコア評価

脳梗塞既往例でもダビガトランはワーファリンと同等

雑誌Lancet Neurology12月9日号の論文です。

ワーファリンに変わる(であろう)新抗凝固薬ダビガトランについて検討したRE-LY試験のサブ解析(特定の対象にだけに注目した比較)を行い、脳梗塞を一度起こした人に対し、ダビガトランがワーファリンより効果的かどうかの検討を行った。
注)RE-LY試験は44カ国の967施設から登録された18,113名を対象として、ダビガトランがワーファリンに劣っていないかどうかを比較した試験である。

結果:
1)この試験で、一度脳梗塞や一過性脳虚血発作を起こした人はダビガトラン110mg服用1195例、ダビガトラン150mg服用1233例、ワーファリン服用1195例であった。
2)脳梗塞や全身性塞栓症はワーファリン群で65人(2.78%)に対し、ダビガトラン110mg群は55人(2.32%)でワーファリン群の0.84倍、150mg群は51人(2.07%)で0.75倍だった。
3)大出血はダビガトラン110mgで0.66倍とワーファリンに比べ有意に低かったが、150mgでは1.01倍で同等だった。

結論:
脳梗塞の既往ありの人でのダビガトランの効果は、脳梗塞がない人と同様、ワーファリンと大差なかった。

###脳梗塞を一旦起こした人は、再発しやすいので、ワーファリンの絶対的な適応といえます。話題の新薬ダビガトランがそれらの人にもワーファリンと同様効果があるのかを検討した論文です。これを見ると、脳梗塞は統計的に有意ではないものの、ワーファリンより少なくなり、脳出血は低用量ダビガトランだとワーファリンより少ないようです。脳梗塞既往例でも、今後効果が期待されます。
by dobashinaika | 2010-12-03 08:39 | 抗凝固療法:ダビガトラン


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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