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カテゴリ:医療の問題( 21 )

2019年2月2日(土) 第15回どばし健康カフェを開催します。

2019年2月2日(土) 第15回どばし健康カフェを開催します。

今回のテーマは,介護が必要になったとき、どうしたらよいのか具体的に考えよう!~「住まい」と「お金」と「サース」と~

老健?特養??サ高住???高齢者施設と言ってもいろいろ。何か違うの?いくらくらいかかるの?介護の場は,様々ですが,その違いについては疑問に思う方も多いと思われます。

今回は介護が必要になった時の住まいの選択肢の一つとなる高齢者施設についてレクチャーをいただき、終の棲家についてワイワイおしゃべりしたいと思います。

皆様お気軽にご参加ください。

お申込みはこちらからできます。

直接メールまたは電話を頂いても結構です。
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by dobashinaika | 2018-12-24 19:05 | 医療の問題 | Comments(0)

津川友介先生の講演「ビッグデータやAIで医療の未来はどう変わるのか?」を聴く@仙台

運良く津川友介氏の講演を聴くことができました。
津川先生はすでにいくつかのベストセラーを表す超有名人ですが,2005年医学部卒業で私の20年近い後輩ですw。スマートでキレッキレのプレゼンでしたが,いくつか考えさせられました。


以下講演のメモ書きです。走り書きゆえ細部の不明点はご容赦ください。


●医療 xAIの実例として以下の3つ
1) GoogleのDeepMInd:苦戦している。アメリカでは民間企業が個人情報を利用できないため。
2)マウントサイナイ病院:疾患の発症予測モデル、頭部CT画像診断:いい線いっている
3)ジョージア工科大学


●AIの3つの挑戦(問題)
1)特化型vs汎用型
2)深い(詳細な)データの不足
3)学習としてのAI x 因果推論がまだ存在しない


●特化型vs 汎用型(汎用型はまだ先の話):
アルファ碁vs ドラエモンの違いだが, この2つの間には大きなギャップがあり埋める方法がわかっていない。
病理診断、画像診断,検査結果の判別といったパータン認識ではAIは威力を発揮する。
しかし視覚、聴覚の分野を代替しているにすぎず,前頭葉、海馬などは代替できていなていない。
今後は予後予測の制度の向上,プレシジョンメディスンへの寄与が期待される


●深い(詳細な)データの不足:
現在広いデータ=サンプルサイズの大きなデータは取り扱える。
深い(解像度の高い)データ=患者一人一人に関する詳細なデータ(血液、画像、病理、治療内容、時系列データ、確定診断)が不足している。
個人情報保護の問題がクリアできていない。
アルファ碁はそれ同士で対戦したから人間を超えられた。 レファレンスが人間だけ,つまり最終診断が医者の確定診断では、人間を超えられない。


●AIに因果推論はできるのか?
まだわからない
以下の3つくらいしか学派がなく、かなり否定的な見通しがある
1)キャンベル(心理学)
2)ルービンンの因果モデル(統計学、経済学)
3)因果関係ダイアグラム(DAG):ジュディアパール(UCLA)

パールは, 学術的フレームワークができない ,または実験や反事実に対する想像力が必要なためAIは因果推論できないと悲観的な見方をしている。しかし津川氏は近い将来AIを用いた因果推論が開発されるとみている。


### 個人的には,郡司ペギオ幸夫氏が指摘するように,「強度」を客観的に定義し評価の基準とする限りにおいて,芸術だろうが,統計的因果推論だろうが,ゆくゆくはAIが人間を凌駕すると考えているので,概ね津川先生の論旨は納得できました。


面白かったのは,社会の要請によって生まれたような「疾患スペクトラム」に対してAIはどんな介入ができるのか」との質問に,医師(=人間)を正解とせず全く疾患のフレームワークがないところからのほうが,(最善の)治療に行き着くかもしれないというコメントが印象的でした。


AIには物事の意味はわからない,しかし意味のないところからこそ新しい疾患概念,あるいは治療が生まれるかもしれないという感じですかね。


いい講演でした。

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by dobashinaika | 2018-10-11 00:07 | 医療の問題 | Comments(0)

第10回 どばし健康カフェ「介護が必要になった時、どうしますか?」 2017年6月10日開催いたします!

いよいよ今週土曜日に迫りました。どばし健康カフェです。

第10回記念のテーマは「介護」。

身近な問題を取り上げます。なんでも話せます。

お気軽にご連絡ください。


第10回 どばし健康カフェ「介護が必要になった時、どうしますか?」 2017年6月10日開催いたします!皆様の参加をお待ちいたします。

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by dobashinaika | 2017-06-06 08:17 | 医療の問題 | Comments(0)

第9回どばし健康カフェ3月4日開催です。今回は「がんについて考えてみましょう」

「コーヒーでも飲みながら、健康や医療について気軽に語り合いませんか?」

市民と医療者の交流の場として歩んできた「どばし健康カフェ」も今回で第9回を迎えます。

今回のテーマ

がん」について考えてみましょう

「がん」は怖い病気?もし「がん」になったら。。家族が「がん」と「いわれたら。。

 告知はしてほしい?家族にはどうやって話そう?がんを患っているかたとはどうやって接したらいいの?自分だったらどう接してほしい?先生からどんな風に病気や治療法の説明をされるのかな?本当はこんな風に説明してほしかった・・

 自分や家族の体験をお持ちの方もそうでない方も、「がん」との向き合い方を話し合ってみませんか?

 ご興味ある方はお気軽に参加ください。日時等は以下の通りです。ご連絡をお待ちいたします!!

場所:土橋内科医院待合室(仙台市青葉区八幡2−11−8)

時間:2017年3月4日(土)15:00〜(約2時間)

テーマ:「がん」について考えてみましょう

参加費:300円(コー匕ー,茶菓代含む)

参加ご希望の方は下記電話かメールを

お願い致します。

連絡先: 022-272-9220  dobashi@mist.ocn.ne.jp

どばし健康カフェ実行委員会 小田倉まで


以下のこくちーずproのサイトからもご参加できます。

http://www.kokuchpro.com/event/5811cd56886558de46e228b379f6c4a0/


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by dobashinaika | 2017-01-31 08:23 | 医療の問題 | Comments(0)

不適切なポリファーマシーを減らす:Deprescribing=減処方のプロトコール表:JAMAIM

Reducing Inappropriate Polypharmacy The Process of Deprescribing
Ian A. Scott et al
JAMA Intern Med. doi:10.1001/jamainternmed.2015.0324
Published online March 23, 2015.


JAMAIMから、不適切なポリファーマシーを減らすプロセスについての論説がでています。
最も主要な「Deprescribing=減処方のプロトコール表」をご紹介します。

<減処方プロトコール>

Key Step
1.患者が服薬しているすべての薬剤とその服薬理由を確認:
・患者(と介護者)に全薬剤(処方、代替補完医療、処方箋なし)、受診や宅配時の薬剤配送用具を持参するよう頼む
・患者に(個人的な方法で)、処方されているが服薬していない薬剤(高額、副作用などで)について尋ねる

2.減処方の要求程度を決めるために、各患者の薬剤誘発性有害事象のリスクの考慮
・薬剤因子:薬剤の数(最重要予測因子)、高リスク薬剤の使用、過去または現在の毒性
・患者因子:80歳以上、認知機能低下、複数合併症、薬物乱用、複数処方者、過去または現在のノンアドヒアランス

3.各薬剤を中断する妥当性を評価:以下のポイントチェック
ー不的確な適応
ー処方カスケードの一部かどうか
ー潜在的な利益を明らかに上回る薬剤の実際的あるいは潜在的な害
ー疾患および/または症状管理が無効、または症状が完全に改善
ー予防薬が患者の余生の人生設計に全般に関わる重要な利益を産まない
ー薬剤に明らかに受け入れがたい治療負担がある

4.中断の優先順位付け
・以下の3クライテリアによる
(1)最大の害と最小の利益
(2)中断しやすさ:例)中断時の副反応やリバウンドの低さ
(3)患者が最も中断したがっている薬剤
・高リスク低利益から低リスク高利益への順位付け

5.薬剤中断の実装とモニター
・管理プランの説明と患者同意
・害(中断の副反応や疾患再発)と利益(副作用消失)が特定の薬剤に起因することを確認のために一時に1つの薬剤を中断
・中断による害のないようにする。患者と介護者に害の発見と報告、起きた時の対処につき教育
・すべての医療者と患者関係者(介護者、家族)との計画や費用に関するコミュニケーション
・中断の理由、アウトカムの全記録

3については、もっと各論が書いてありますが、膨大なので、後日時間があったらアップします。

まとめますと
1.全薬剤のリストアップと処方理由の確認
2.各薬剤の有害事象がどのくらい起きやすいかを考える
3.中断が妥当かどうかを考える
4.中断の優先順位付けをする:利益と害、中断しやすさ(リバウンドのなさ)、患者の希望
5.実際のプラン作成とモニタリング

の5プロセスです。

### 31日に開花宣言した当院の桜(盆栽)。本日満開を迎えました!!
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by dobashinaika | 2015-04-04 00:48 | 医療の問題 | Comments(0)

月刊誌「治療」:ポリファーマシーの特集

南山堂の月刊誌「治療」12月号(2014年12月 Vol.96 No.12 )で「ポリファーマシー」が特集されています。
以前ブログでも取り上げましたが、実は私も末文を汚しております。

私の駄文はさておくとしまして、ポリファーマシーの定義から、問題点、原因、対策が、それころ様々な方面から異なる切り口で述べられています。

医学医療系の媒体でこれだけ多くの側面からこの問題を捉えた企画としては、徳田安春先生監修の本以来、なかなかなかったのである意味チャレンジングなものと思われます。

ポリファーマシーにも「適切なポリファーマシー」と「問題のあるポリファーマシー」があるのですね。

そしてその原因は患者、医療者、環境の各方面から様々な要因が絡み合った複合体と考えられていて、対策も系統的に考えられつつあるようです。

本号では各分野の先生が具体的に、薬が多くなることの防止にどう腐心しておられるか、よくわかります。

一番大事なことは、ポリファーマシーが「問題であること」を患者、医療者が認識することだと思います。
広く読まれるといですね。
http://www.nanzando.com/journals/chiryo/909612.php
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2014年12月 Vol.96 No.12
ポリファーマシー
不要な薬に立ち向かう
定価:2,700円(本体2,500円+税8%)
■総 論
ポリファーマシー:何が問題なのか? どうすればよいのか? (宮田靖志)
ポリファーマシーを防ぐ適切処方のためのツール:Beers クライテリア,STOPP/STARTとは (金井貴夫)
製薬企業の製品説明をどう聞けばよいのか? EBMの視点から (南郷栄秀)
薬剤師のEBM教育の現状  (佐々木順一)
Pill pusher ―薬をねじ込むメガファーマ(齊尾武郎)
ポリファーマシー対策のための多職種連携をどう進めるか (孫 大輔)
ポリファーマシー対策のための医療専門職教育 (茂木恒俊)

■各 論
高齢者診療の立場から (星 哲也)
病院総合診療の立場から (石丸裕康)
在宅診療の立場から  (古屋 聡)
緩和ケアにおけるポリファーマシーについて (岡本拓也)
開業診療の立場から (小田倉弘典)
小児科診療の立場から  (児玉和彦)
精神科診療のポリファーマシーの歴史と現状 (山之内芳雄)
抗不安薬,抗うつ薬,睡眠導入薬を安易に処方しないために (佐藤創一郎)
地域医療とポリファーマシーへの対応(木村琢磨)
お薬手帳を通じたコミュニケーション (野呂瀬崇彦)
適切な服薬管理のための訪問薬剤管理 (古田精一)
残薬調整から適正処方・適正使用へ繋げる「節薬バック運動」―九州大学と一般社団法人福岡市薬剤師会との共同作業―(島添隆雄)
地域連携でポリファーマシーを削減 (吉岡睦展)

$$$当院でもささやかながらイルミネーション始めました^^
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by dobashinaika | 2014-11-29 21:40 | 医療の問題 | Comments(0)

ケアネット連載 「 なぜ新薬発売後に重大な副作用が出てしまうのか?」更新いたしました。

ケアネット連載 〜Dr. 小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~更新いたしました。

今回は「なぜ新薬発売後に重大な副作用が出てしまうのか?」です。
今回は心房細動コンテンツというより、SGLT2阻害薬と新薬全般に関わる、ややハードな内容となっています。

かなり私見が入っておりますので、いろいろと批判的吟味をお願い申し上げます。
http://www.carenet.com/series/afjournal/cg001089_0015.html
(無料登録必要)

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by dobashinaika | 2014-11-12 22:19 | 医療の問題 | Comments(0)

エラーへの不寛容と罪の文化が過剰医療を招く:BMJ誌

Intolerance of error and culture of blame drive medical
excess
Jerome R Hoffman
BMJ 2014;349:g5702 doi: 10.1136/bmj.g5702 (Published 14 October 2014)


UCLAの救急医療センターの名誉教授の先生による「エラーへの不寛容と罪の文化が過剰医療を招く」という論説です。

<冒頭>
・過剰検査、過剰治療には多くの理由あり
・商業主義と財政的インセンティブは大きい
・しかし、最も大きな理由は医師の不確実性とエラーに対する不寛容であり、これらは特に西洋の大きな医学的文化である
・克服する必要有り

<医療の誤りやすさの否定>
・”間違うのが人間”。特に急性期医療では意志決定のエラーは避けられない
・被害を減らす最善策はエラーを見つけ同定すること
・しかし恥と罪の文化は西洋に根本的にある
・科学は完璧であるとの観念もそれに輪をかける
・医学は無限の可能性があるという一種の神話は広く信じられていて、これが医療への完全な結果への要望と悪い結果を許さない文化に関係
・医師もミスはその人の責任と教育されていて、「結果は理想より小さなもの」(〜悪い結果は悪いプロセスの反映)と諭されている
・さらに社会的にも患者の害は罪であり恥であると感じるように仕向けれられ、完全さ、空疎な確実性が要求され、「多いことは大事」「情報は力」「テクノロジーが全てを解決する」そしてついに「死は選択可能なもの」という”標語”がまかりとおる。

<保身医療の役割>
・エラーへのおそれは、医師を常に過剰診療へと向かわせる
・ハイリスクな6つの専門領域の医師に対する調査では、824人の米国医師の90%が保身医療になりやすいと認めている
・具体的には、不必要な検査:59%、適応以上の処方:33%、必要以上の患者との関わり:52%
・救急分野の医師の97%は、医学的に不必要な画像診断をオーダーしてしまうとの報告もあり

・ゆえに医療過誤に対する法改正が考えられてきた
・しかしそうした法改正が、訴訟を減らし、保身医療やコストを削減するという効果は限定的
・最大で5〜9%の医療費削減ができたとの報告あり
・しかしそのデータは1980年台の高齢者のもの

・ただしその取組自体は、使いすぎは罪という文化の形成に有用
・保身医療のコストは、アメリカの医療費の82%を占めるとも言われている

<行動変容へのアクション>
・現状を変えなければならない
・法改正以外の道を探そう
・英国NIHでは950の“do not do”リストを作成し、不必要な医療の削減を模索
・米国内科医学会のChoosing Wisely(賢い選択)キャンペーンでは、60以上の専門学会がトップ5の低価値医療行為を選定
・JAMAやBMJのリサーチもあり
・もう一つのアプローチはShared decision making(共有された意思決定:筆者訳):医療費削減のエビデンス多い

・しかしこれらのアイディアをも越えていく必要がある
・避けられないエラーへの寛容さ:医師専門社会と社会全体の両方でそのような「受け入れられるミス」を定義すること
人の体を失敗から守るよりも、月に人が行くほうが、とてもやさしいということを医師、社会お互いに教育していく
・臨床の外の情報、あるいは我々の理解していない情報をが害を生む
・「病気をより早くキャッチする」ことは常に患者を良い結果に導くとは限らない
・そして最終的には、多いことがいいこととは限らないーmore is certainly not always better

<まとめ:キーメッセージ>
・エラーと不確実性へのゼロトレランス(全くの不寛容)が過剰診断過剰治療を招く
・過剰医療抑制策として、医療過誤法改正は問題解決として不十分
・不確実性への広い理解には、医者世界と社会の両者の文化的変容が必要だろう

### エラーと医療の不確実性に対し、医師も社会も両者ともがもっと寛容になろうという論説。
法律や、Choosing Wiselyなどの方法だけでなく、「許す」文化自体への変容が提唱されています。

西洋は「罪」の文化、日本は「恥」の文化といわれますが、西洋にもどちらの概念も関与しているというのは興味深いです。程度の差なのか。

ただし、日本の医師の間では、訴えられるから多めに検査や治療をオーダーしてしまうというよりは、いわゆる「念のためMRI」や「念のため抗生物質」のように何かの問題に対しとにかく是正しておかなければならないという律儀?な精神が奥底にあるように思われます。そういう意味では「罪へのおそれ」よりも「無謀な誠実さ」の文化かもしれません。この文化の変容はどうしたよいのか。

ただ、こ之論文では文化の変容の具体的戦略は述べられていません。地道にコツコツShared decision makingを心がけるか。すぐMRIを希望する患者さんにどう説明するか。なんといっても文化を変えるとなると、当事者だけの努力だけではなくて、メデイア、教育、医療システム全体の変革が圧倒的必要であると思われます。

「多いことはいいことだ」から「多くないのもいいこと」「多いのは悪いこと」に頭を変えていくこと。さらには「多い、少ない」で分けられない不確実性があることをみんながわかるようになること。それも当事者であってもそう考えられるかどうか。。。。

まずはそうしたことを考えるのに良い論文でした。また別の切り口のがあったらご紹介します。

写真は昨日の散歩。住宅街の何気ない道影にもこんな自動販売機がしっかり作動しているのが日本の路地裏ですね。寛容ですねー
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by dobashinaika | 2014-10-26 23:11 | 医療の問題 | Comments(0)

”誰が医師の効果を決めるのか”:JAMA誌

JAMA. Published online October 13, 2014. doi:10.1001/jama.2014.13304
Who Determines Physician Effectiveness?
Paul J. Hershberger et al


JAMAから。動機づけ面接に関する見解

・医師は患者の行動を管理しないが、医師の有効性は患者の行動によってより規定される、という逆説がある。
It is a paradox. Although physicians do not control patient behavior, physician effectiveness is increasingly determined by patient behavior.

・医師の効果を各種生物学的マーカーで表す傾向があるが、実際のアウトカムへの医師の寄与は限定的

・医学的ケアはアウトカムの変化の10%に寄与しているのみ
・50%は行動社会的因子に関連

・いろいろな健康因子はあるが、つまるところ患者のアドヒアランスに規定される
ノンアドヒアランスは30〜50%とみられる

・教育、ポジティブ志向(ネガティブ志向より4〜10%寿命が上昇)が大切

・たくさんの変数があるのであり、医師の効果をアウトカムだけによるとするのは不正確で不公平
・学生のアウトカムは、先生に起因するばかりではないのと同じ。

・より良い指標が見つかるまで、環境因子を見据えながら自らののベストを尽くすべき

・このようなジレンマへの対策は治すことと教えることーすなわち医学教育で伝統的に強調される患者中心介入モデルである
・しかし命令や推奨、教育が必ずしも患者行動を変容させるとは限らない
・多くは患者の責任に帰結される
患者教育だけを強調すると患者医師共にフラストレーションが溜まる
・患者は医師を無責任だと思うし、医師は患者を言うこと聞かないと思う

・代替案としては、より患者中心の立場に立ち、患者の症状だけでなく環境や状況、視点、障壁、ストレス、ゴールを尋ね、傾聴し、理解することがある。
・患者の行動は、病院や診察質で習ったことよりも生活する上で行き渡っている状況や環境によるところが大きい。
・患者の記憶には、与えられた約束の中でかわされる言葉はわかりにくい。

・医師は患者の自立性と責任を支持するように気をつける。
・例として動機付け面接がある。これは患者の中の葛藤に焦点を当てる
・動機づけ面接は、患者の教育や患者の知識、関心などはひとまず置く
・共感的傾聴、開かれた質問がなされる
・たとえば、HbA1c9.2% のような医療と減量、糖尿病教育が必要と思われるアドヒアランスの低い患者と、そのことで討論するのではなく、糖尿病管理以外でその人の最も関心のあることを尋ねる
・医師は患者の葛藤について習得する:たとえば透析は怖いが、目の前のストレスのある仕事や家族の事のほうが、薬剤のアドヒアランスを良くすることより優先だということ。
・患者は健康についてどうよくしたいのかと聞かれる
・このことは、医師にかかわらず患者が決断の担い手であると、現実的に理解することである
・そうしたコラボ的なアプローチは、患者の意思決定を左右する因子を考えることを必要とする
・システマティックレビューやまた解析で動機づけ面接の有用性が示されている
・HbA1cが良くなかった場合、健康行動の何が患者を変えるのかを探ることが重要

・医師は患者の満足度も評価し、患者はよりポジティブな経験を医師に報告するようになる

・そうしたアプローチは患者のノンアドヒアランスに不満な医師にも良い効果がある
・患者と一緒にゴールを決めればフラストレーションは軽減される

・障害としては時間制限、不十分なスキル、医師の役割に対する認識

・医師としてのダイレクトな効果は少なくなるが、患者の健康アウトカムがその医師を評価することになる。
・医師は患者の行動をコントロール出来ない、しかし患者の行動への影響を軽視することは患者のアウトカム、及び医師の効果を何が規定するかということををおろそかにすることである。

###米国の家庭医学の先生による「医師の効果」と「動機付け面接」に関する言説です。

冒頭から医療がアウトカム変化の10%にしか関係しないとの引用があり、面食らいます(元論文を読むと発症急性期と感染症は、医療の関与が大きいとは書いてあります)。

たしかに毎回毎回血圧がちょっと高くなってきたから薬を増やそうと躍起になったり、塩分摂り過ぎに注意してね、などと一言言うだけの外来の意味を、誰しも感じるので、そこをついてくるデータです。

血圧やHbA1cのような生物学的アウトカムを一旦カッコにくくって、どうでもよいことにして(?)、その外枠にある患者内部の矛盾をまず明らかにしようということですね。この思想はいいですね。医者が一旦は楽になります。数字にこだわわなくなれれば、たしかに患者さんと楽しい会話ができそうです。ただし患者さんの自己効力感を引き出すとなると大変です。

ただこれ読んで思うのですが、こうした動機づけ面接の目的そのものもカッコに入れて、つまり患者さんの矛盾を明らかにしたり自己効力感を高めるなどのアウトカムそれ自体も気にせずに、本当に世間話だけの外来をして医学的アウトカムがどうなのかなと。案外、一生懸命患者中心の面接をするより、世間話だけのほうが良かったりして^^。

改めて、医者は診察室の中で何をしているのか、と考えてしまいます。

あ、でも最近とても生きていてよかったと思うのは、大病して、入院して、外来に一定期間でなかったあとに、患者さんに会うと、復帰したことをものすごく喜んでくださる方がこんなにいらしたのかということです。握手されたり、涙を流される方もおられて、医師が患者を不安にさせるなんて、ある意味医師失格ですが。でも医師とは、その背景が科学的世界偏重であれ、ナラティブ重視であれ、存在そのものが「患者が安心するというアウトカム」向上にかなり寄与している(もちろん信頼関係が前提)、また寄与したい存在であるということは最近の実感です。

動機づけ面接のwiki
http://ja.wikipedia.org/wiki/動機づけ面接

江戸末期から続く、ご近所のお醤油屋さん。建物は昭和初期の商家建築です。ここのピリ辛味噌病みつきです。(減塩中につき少しだけ^^)
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by dobashinaika | 2014-10-21 23:56 | 医療の問題 | Comments(0)

様々な介入により高齢者のポリファーマシーは改善するか:Cochraneシステマティックレビュー

Interventions to improve the appropriate use of polypharmacy for older people.
Patterson SM et al
Cochrane Database Syst Rev. 2012 May 16;5:CD008165. doi: 10.1002/14651858.CD008165.pub2.


疑問:ポリファーマシーや薬剤関連の問題が、高齢者において、介入により改善されるのか

方法:
・2013年11月時点、MEDLINE and EMBASE、検索語:'polypharmacy', 'medication appropriateness' and 'inappropriate prescribing'

結果:
1)12研究;1つはコンピューターによる決断支援、他の11は複雑で多面的な薬局でのアプローチ

2)介入は、医師薬剤師などの専門職による。ポリファーマシーの評価ツールとしてMAIスコア、 Beers criteria、STOPP criteria、 START criteria が用いられていた

3)介入は、薬剤不適切使用の減少させた

4)GRADEアプローチに基づくと、エビデンスの全体の質は超低〜低であった

5)ベースラインと追跡後で、対照群に比べ介入群でMAIスコアの減少が見られた;4研究、平均減少度 -6.78, 95% CI -12.34 to -1.22

6)介入後のpooled dataは低いMAIスコアを示した;5研究、平均減少度 -0.1, 95% CI -0.28 to 0.09

7)入院に関する効果(5研究)や薬剤関連問題への効果(6研究)のエビデンスは一致を見ていない

結論:薬局などの介入がポリファーマシーを明らかに改善するかどうかは不明確。しかしながら、不適切処方を減らす効果は明らかとなった。

### 今、いわゆるポリファーマシーについて開業医の立場からある原稿を書いています。

ポリファーマシーは最近良く問題となりますが、詳しくはこちらのブログをご覧ください。
http://syuichiao.blogspot.jp/2012/12/de-escalation.html

ポリファーマシーには単に多剤処方というだけでなく、それにまつわるアドヒアランスの低下、相互作用、コストの問題、高齢者での効果の問題、不適切適応、逆に適応あるのに処方されていない、という重層的な一連の問題が絡んでいるものと思われます。

どれくらいからをポリファーマシーというのかもまだ定かでありませんが、5〜9剤以上と言われています。

不要な薬剤のスクリーニングリストとして、本論文にもでているBeersクライテリアSTOPPクライテリアなどがあります。日本での適応がまたれるところです。

現時点では、問題となっていることすら知られていない感じで、浸透度は低いかもしれません。。特に内科の医師の中には、多くの薬を出すことに疑問を持たないどころか、これに制限を加えるとなると、目くじらを立てる向きもあるかもしれません。

しかしながら、薬が多すぎると、少ない場合よりアウトカムが悪いというエビデンスは集積されつつあります。問題はそれに対してどう介入するかですが、この論文で扱っている介入には、医師を対象にした教育プログラム、薬局主導での組織的なスキルアップ、医療費的優遇、政府や地域の法制的介入等が挙げられています。

患者サイド、医師サイド、薬剤師サイド、医療システム面などなど各方面から重層的な対応が求められます。
薬をありがたがる患者さんの気持ち、身に染み付いている医師の臓器別疾患別のゴール設定マインド、それに拍車をかける出来高制度、フリーアクセスによるポリドクターの問題(内科はこの疾患、整形はこれ、泌尿器はこれと、ドクターが複数)などなど、突っ込みどころはすごくいっぱい。

かくいう私も、9剤以上処方している患者さんはもうたくさんおられます。薬を追加することは簡単でも、なかなか減らすことは難しいです。多いなあとは思っていても。我々やはり足し算の思想には慣れていますが、ひき算することは非常に苦手なんですね。

まずは、広くその存在を知らせることからでしょうか。その上でシステム、各ステークホルダーのマインド、スキルをどう変えるか。難題ではありますが、手がけていきたい問題ではあります。

ということで今日は台風一過で風強い中の散歩でした。
金木犀の実が大量に落ちてしまっていました。季節の変化というのは、少しずつすすんでいくばかりではない、大風や大雨の襲来で、劇的に変化するわけです。物事も同じで、徐々にしかかわらないと思っていることも、なにかのきっかけで突然ブレイクスルーすることもよくあります。また、知らないうちに大風が吹いて、自分でも知らないうちにブレークスルーしている場合もあるかもしれませんね。もちろんそうなる前に既に萌芽があるわけですが。
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野良猫、台風一過で気持ちよさそう。
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by dobashinaika | 2014-10-14 23:56 | 医療の問題 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

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