カテゴリ:抗凝固療法:リアルワールドデータ( 116 )

28万人規模のNOAC-ワルファリン,NOAC間の比較研究(The ARISTOPHANES Study):Stroke誌より


目的:複数のデータソースを用いた多数例でのNVAF抗凝固薬使用患者における有効性安全性の検討

方法:
・後ろ向き観察研究,2013〜2015年の間にアピキサバン,ダビガトラン,リバーロキサバン,ワルファリンを開始したNVAF患者
・メディケア,メディケイド,4つの米国の商業データベース
・NOACーワルファリン,NOAC-NOAC間でプロペンティースコアマッチ

結果:
1)全285,292人:アピーワル57,929人,ダビーワル26,838人,リバーローワル83,007人,アピーダビ27096人,アピーリバーロ62,619人,ダビーリバーロ27,538人

2)脳卒中/全身性塞栓症ハザード比(対ワルファリン):
アピ:0.61; 95% CI, 0.54–0.69
ダビ:0.80; 95% CI, 0.68–0.94
リバーロ:0.75; 95% CI, 0.69–0.82

3)大出血ハザード比(対ワルファリン):
アピ:0.58; 95% CI, 0.54–0.62
ダビ:0.73; 95% CI, 0.66–0.81
リバーロ:1.07; 95% CI, 1.02–1.13

4)NOAC間の比較結果は様々
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結論:このNOACとワルファリンに関する大規模観察研究では,脳卒中/全身性塞栓症はNOAC優位,大出血はNOACごとに異なっていた。この結果はヘルスケアプロバイダーとNVAF患者間のshared decision-makingの助けとなる。

Funding:Pfizer Inc and Bristol-Myers Squibb.

### 米国の28万5千人という超大規模観察研究です。用量は3つのNOACとも標準用量:低用量=7:3〜8:2でした。

NOAC間比較では,脳卒中/全身性塞栓症,大出血ともアピキサバンがダビガトラン,リバーロキサバンより少なく,ダビvsリバーロでは大出血はダビが少なく,脳卒中/全身性塞栓症は同等でした。

リバーロキサバンの大出血は,消化管出血が多かったとのことです。考察で筆者らは,リバーロキサバンは生物学的利用率が高く食品の影響を受け易いが,必ずも食後適切に服用されていないことが指摘されていました。

アピ,リバーロは日本では低用量使用(ダビも110が多い)が多いようですので,必ずしもこの結果を日本に外挿できないと思われます。この試験でNOAC間の優劣をつけるのは軽率ですが,ここまでの結果が出るのであればアピvsリバーロのガチンコRCTをやって欲しい気もします。

ARISTOPHANESは古代ギリシャの喜劇作家ですね。世界史で覚えた気がします。Aで始まるギリシャ偉人がよく用いられますね。FundingがAピキサバンの製薬企業であることは押さえるべきポイント。

$$$ この季節,東北新幹線で大宮に差し掛かるときれいに富士山が見えます。かなり大きく見えてびっくりしますね。
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by dobashinaika | 2018-12-04 06:21 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

日本のレセプトデータベース研究では,ダビガトランはワルファリンに比べ有効性,安全性が高い:JC誌


目的:日本におけるダビガトランとワルファリンの有効性,安全性比較

方法:
・2011.3.14〜2016.6.30までにダビガトラン及びワールァリンを新たに処方したNVAF例
・日本全国230病院のレセプトデータベース。1294万人
・プロペンシティースコアマッチ
・脳卒中/全身性塞栓症+頭蓋内出血(主要評価項目),大出血(副次評価項目)

結果:
1)400,884 人で解析,ワルファリン34.3%(最多)

2)スコアマッチができたのは各コホート4,606人ずつ

3)脳卒中/全身性塞栓症+頭蓋内出血:ダビ<ワルファリン
29.0 vs. 35.6 per 1000 人年; ハザード比 0.72; 95%CI: 0.53–0.97; p = 0.031

4)大出血:ダビ<ワルファリン
6.4 vs. 11.3 per 1000 人年; HR, 0.55; 95% CI: 0.30–0.99; p = 0.048

5)消化管出血(大出血中最多の部位):ダビ<ワルファリン
1.6 vs. 6.4 per 1000 patient-years; HR, 0.24; 95% CI: 0.08–0.69; p = 0.009

結論:日本においては,ダビガトランはワルファリンに比べ脳卒中/全身性塞栓症+頭蓋内出血,大出血のリスク軽減に関連がある。

Funding:Nippon Boehringer Ingelheim Co., Ltd.

### DPCのレセプトデータから算出した日本のコホート研究です。同様の日本でのレセデータ解析は慶應の香坂先生によるものがありますが,こちらは大出血のみをアウトカムとしており,同様にダビガトランが低リスクでした(大出血の定義に相違がありますが)。

平均年齢はダビ72歳,ワル78歳(補正前),CHADS2スコアはダビ1.9点,ワル2.5点です。また110mg投与が78%と多数でした。

ダビガトランだと消化管出血が問題となると思われますが,この研究ではワルファリンよりかなり少ないです。これまでの報告でも消化管出血が多いのは150mgx2の場合であり,今回のように110mgx2が多数の場合は少ないものと思われます。

興味深いのは内科医全体では両者同等の処方件数ですが,心臓専門医ではダビガトランを処方する件数が多かった点ですね。

レセベースでしかも急性期病院のみのデータという制約に注意は必要です。なおワルファリン群ではスコアマッチ後nが3分の1に減りますので,実臨床でははもともとリスクの高い例にワルファリンが出されていることは押さえておくべきかと思います。またこの研究は製薬企業からサポートされています。

$$$ 今日のニャンコ
カメラ目線です。
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by dobashinaika | 2018-11-28 06:22 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

プライマリ・ケアにおいて最も安全性の高いNOAC(DOAC)は?:BMJ誌


目的:(プライマリ・ケアレベルでの)DOACとワルファリンの有効性,安全性比較

デザイン:前向き,オープン,コホート

セッティング:英国の2つのプライマリ・ケアデータベース。UK general practices contributing to QResearch or Clinical Practice Research Datalink.

対象:ワルファリン132231例,ダビガトラン7744例,リバーロキサバン37863例,アピキサバン18223例。登録前12ヶ月は抗凝固薬処方なし

主要評価項目:大出血(入院,死に至る),合わせて特定部位の出血,全死亡も検索

結果:対ワルファリンハザード比(心房細動症例,補正後)
1)アピキサバン:大出血0.66 (0.54 to 0.79),頭蓋内出血0.40 (0.25 to 0.64)

2)低用量アピキサバン:全死亡1.27 (1.12 to 1.45)

3)ダビガトラン:頭蓋内出血0.45 (0.26 to 0.77)

4)リバーロキサバン:全死亡 1.19 (1.09 to 1.29)

対ワルファリンハザード比(非心房細動例)
5)アピキサバン:大出血(0.60, 0.46 to 0.79),消化管出血((0.55, 0.37 to 0.83),上部消化管出血(0.55, 0.36 to 0.83)

6)低用量アピキサバン全死亡(1.34, 1.13 to 1.58).

7)リバーロキサバン:頭蓋内出血 (0.54, 0.35 to 0.82). 全死亡(1.51, 1.38 to 1.66)

結論:全体としてはアピキサバンはワルファリンに比べて大出血,頭蓋内出血,消化管出血を減らす安全な薬剤である。一方,リバーロキサバンと低用量アピキサバンはワルファリンに比べて全死亡増加させた。

資金提供:NIHRから。企業からの提供なし。

### 全体としてはアピキサバンが最も安全との結果です。ただし低用量ではかえって死亡率を上昇させる結果になっていました。
一応補正されているとはいえ低用量を使う症例はそれだけ高リスクであることが関係していると思われます。低用量処方は控えるべきとは一概に言えませんが,注意を要することは必要と思います。
アドヒアランスや適応などはデータベースからは不明です。

### 今日のニャンコ,見えにくい。
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by dobashinaika | 2018-07-13 07:38 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

90歳以上の超高齢者でも抗凝固薬は有効かつ安全:台湾の国民データベース研究より:Circulation誌


目的:90歳以上の人における抗凝固薬の有効性安全性研究

方法:
・台湾国民保険リサーチデータベース
・90歳以上の心房細動11,064例,非心房細動例(抗凝固薬なし)14,658例
・心房細動群は無治療,抗血小板薬,ワルファリンの3群
・アウトカム:虚血性脳卒中,頭蓋内出血

結果:
1)虚血性脳卒中:心房細動群ハザード比(対非心房細動群)1.93(95%CI;1.74-2.14)

2)虚血性脳卒中(心房細動群内):ワルファリン群ハザード比(対非ワルファリン群)0.69(95%CI:0.49-0.96)。頭蓋内出血は同じ

3)ネットクリニカルベネフィット(心房細動群内):ワルファリン群で正。

4)頭蓋内出血(心房細動群内):NOAC群ハザード比(対ワルファリン群)0.32(95%CI;0.10-0.97)

結論:90歳以上の心房細動においては,ワルファリンは虚血性脳卒中軽減と正のネットクリニカルベネフィットに関連した。NOACは頭蓋内出血リスク低下に関連した。NOACを含む抗凝固薬は超高齢者の血栓予防のより良い選択肢として考えられても良いかもしれない。

### 従来から言われていることの,アジアリアルワールドでの検証です。
超フレイルのひとは含まれないとは思われますが,90歳以上でもできるだけ抗凝固薬を考える,できればNOACでというメッセージ。
実際は,超高齢者では年齢もさることながら,腎機能,アドヒアランス(生活状況も含む),血圧,転倒リスク,などを総合的に考えねばなりませんが。

$$$ ようやくだんだん暖かくなってきました。よほど気持ち良かったのでしょう。完全無防備状態です。
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by dobashinaika | 2018-03-07 22:36 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

心房細動への低用量NOAC処方の多くは不適切で,血栓塞栓症や死亡が多い傾向(ORBIT-AF II試験):JAHA誌


P:ORBIT-AF IIレジストリ登録者のううちNOAC服用7925例。前向き,米国国内,心房細動患者登録

E:低用量NOAC

C:標準量NOAC

O;心血管疾患,出血

T:前向き,米国国内,心房細動患者登録研究,1年追跡

結果:
1)標準用量6636例(84%),FDA基準合致96%

2)低用量1289例(16%),FDA基準合致43%

3)不適切低用量処方者:適切低用量例に比べ
若年(79歳vs84歳,P<0.0001)
ORBIT出血リスクスコア少ない(26%vs45%, P<0.0001)

4)不適切低用量処方者:適切標準量例に比べ(補正前)
血栓塞栓症高値(2.11 vs 1.35 events per 100 patient years, hazard ratio 1.56, 95% confidence interval 0.92‐2.67)
死亡高値(6.77 versus 2.60, hazard ratio 2.61, 95% confidence interval 1.86‐3.67).

5)補正後は有意差内が傾向はあり
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結論:心房細動患者への低用量NOAC処方の多くは,FDA推奨に反していた。NOACの正しい処方への改善の機会である。

### 補正後は有意差はないとは言え,注意しなければならないデータです。
この論文では米国でも”NOAC”ですね。

$$$ 密教美術もかなり好きです。千手観音も躍動していました。
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by dobashinaika | 2018-02-21 22:48 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

NOAC vs ワルファリン。リアルワールドデータのメタ解析結果:Stroke誌

Stroke. 2017;STROKEAHA.117.017549 https://doi.org/10.1161/STROKEAHA.117.017549

臨床上の疑問:臨床試験の外のリアルワールドにおいて,NOACのビタミンK阻害薬(VKA)にくらべての安全性,有効性はどうか?

方法:
・心房細動患者の脳卒中予防に関するNOACとVKAの比較をした観察研究のシステマティックレビューとメタ解析
・国内あるいは。保険上のデータベースを使用
・結果に虚血性脳卒中,虚血性脳卒中あるいは全身性塞栓症,あらゆる脳卒中あるいは全身性塞栓症,心筋梗塞,頭蓋内出血,大出血,消化管出血,死亡を含む研究
・MOOSEガイドラインとGRADEを用いて解析

結果:
1)28研究:ダビガトラン24,VKA23,リバーロキサバン14,アピキサバン7,エドキサバンなし。各研究間に明らかなバイアスなし

2)ダビガトラン
脳卒中/全身性塞栓症:明らかな差なし:HR 1.17; 95%CI 0.92-1.50
心筋梗塞:明らかな差なし:HR 0.96; 95%CI 0.77-1.21
頭蓋内出血:明らかにVKAより少ない:HR 0.42; 95%CI 0.37-0.47
死亡:明らかにVKAより少ない:HR 0.63; 95%CI 0.52-0.76
消化管出血:明らかにVKAより多い:HR 1.20; 95%CI 1.06-1.36

3)リバーロキサバン
脳卒中/全身性塞栓症:明らかな差なし:HR 0.73; 95%CI 0.52-1.04
頭蓋内出血:明らかにVKAより少ない:HR 0.64; 95%CI 0.47-0.86
死亡:明らかな差なし:HR 0.67; 95%CI 0.35-1.30
消化管出血:明らかにVKAより多い:HR 1.24; 95%CI 1.08-1.41

4)アピキサバン
脳卒中/全身性塞栓症:明らかな差なし:HR 1.07; 95%CI 0.87-1.31
頭蓋内出血:明らかにVKAより少ない:HR 0.45; 95%CI 0.31-0.63
死亡:明らかにVKAより少ない:HR 0.65; 95%CI 0.56-0.75
消化管出血:明らかにVKAより少ない:HR 0.63; 95%CI 0.31-0.63

結論:リアルワールドデータは,NOACとVKAを比較したRCTの知見を確定し,補強するものである

### NOAC vs VKAに関するおびただしい数のRWD(リアルワールドデータ)がでておりますが,そのメタ解析です。とうとう出ました。

大雑把に言えば
1)脳卒中/全身性塞栓症はNOACとVKAは同等
2)頭蓋内出血はNOACが少ない
3)全死亡,消化管出血(心筋梗塞)はNOACにより異なる
です。まとめてみれば,やはり従来から認められている傾向になったという感じです。

当然RWDですので,患者背景,アドヒアランス,処方適応等々に交絡因子は残存しているはずです(たとえスコアマッチさせたとしても)。またNOACの異なる用量に関しては検討されていません。さらにRWDは,保険ベースで,大病院も診療所も一絡げの結果もあれば,登録研究によってはやはりかなり選択バイアスのかかったコホートもあります。

よく言われるようにおそらくどのコホートでもVKAは高リスク者に使われる傾向にあり,NOACは低用量が好まれる傾向にあると思われます。

どんな患者さんにどの薬が処方されていたかが大事ですので,全文把握したらまたお知らせします。

$$$ 昨日今日の仙台の寒さと行ったら。。。こたつを出したという患者さんまでいらっしゃいました。冗談でなく。
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by dobashinaika | 2017-08-04 22:16 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

85歳以上の超高齢者でも,抗凝固薬の脳卒中予防ベネフィットは出血リスクを上回る:JAHA誌


疑問:85歳以上の人の抗凝固療法のアウトカムは?

方法:
PREFER in AFレジストリ(前向き試験,欧州)
・抗凝固薬の有無,ネットクリニカルベネフィット算出

結果:
1)6412人登録:85歳以上505人

2)脳卒中/全身性塞栓症(%/年):
85歳未満:抗凝固薬なし2.8 vs. あり2.3
85歳以上:抗凝固薬なし6.3 vs. あり4.3

3)大出血:85歳以上>85歳未満

4)85歳以上の大出血:抗凝固薬あり4.0 vs. なしまたは抗血小板薬4.2, P-0.77
抗凝固薬はネットクリニカルベネフィットに影響せず

5)抗凝固薬薬のネットクリニカルベネフィット:-2.19%(95%CI;-4.23%~-0.15%; P=0.036)
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結論:年齢による脳卒中のリスク増加のほうが出血リスク増加よりも大きいので,超高齢者においては抗凝固薬の絶対的ベネフィットは高く,出血リスクよりも遥かにネットクリニカルベネフィットが大きく価値がある。

$$$ これまでも超高齢者ほど抗凝固薬のネットクリニカルベネフィットは良いことが指摘されていました。その根拠は,年令によるリスク増加の程度が,塞栓症リスクのほうが出血リスクを上回るというものです。そのことがこちらの研究でも示されています。

同様の報告はいくつかあり,このことは本当に近いようです。

ただし,私自身超高齢者での注意点として以前から心がけているのは,1)血圧 2)腎機能 3)適切な用量 4)アドヒアランス 5)患者文脈(認知症,服薬管理者など)で,この5点がうまくいかない場合は出さないという選択肢もありと思っています。

なお抗凝固薬は72%がワルファリン,NOACは6.1%,抗凝固薬+抗血小板薬9.9%でした。

$$$ 今日のニャンコは多いです。何人いるでしょうか。
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by dobashinaika | 2017-07-24 23:27 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

米国プライマリケア外来でも過去5年間でDOAC処方率は増加したが,抗凝固薬全体の処方率は変わらず:AJC誌


・米国の18のプライマリーケアネットワークのデータべース
・CHA2DS-VAScスコア2点以上の心房細動
・心房細動患者:3.5%(2010年)→4.0%(2015年)
・抗凝固薬処方率(心房細動患者中):57.0%→57.4%(p=0.41)
・抗凝固薬処方率(高リスク例):61.1%→61.7% (p=0.51)
・DOAC処方率:0.31%(2010年)→18.3%(2015年) (p<0.001)
・DOAC処方例はより若年で低リスク
・結論:DOACは総じて処方が増えているが,抗凝固薬全体の処方率は増加していない。

###先日のPINNACLEレジストリと同様ですね。プライマリ・ケアセッテイングでも同じで,DOACは増えているが抗凝固薬の処方自体は余り増えていないとい言うのが世界の趨勢のようです。

$$$ 
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ひさびさのネコシリーズ。どこにいるでしょうか?ってわかりますね。

by dobashinaika | 2017-06-20 19:26 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

やはり心房細動では血圧が高い(収縮期150mmHg以上)と血栓塞栓症と出血リスクが高かった;伏見AFレジストリーから


P:FUSHIMI AF Registryに登録した心房細動患者3713例。追跡期間中央値1,035日

E:高血圧あり:2304例,62.1%

C:高血圧なし:1409例

O:脳卒中/全身性塞栓症,大出血

結果:
1)高血圧の既往は,脳卒中/全身性塞栓症,虚血性脳卒中,頭蓋内出血,大出血ともに影響なし

2)ベースライン血圧150mmHg以上群(305例,13.3%):150mmHg未満群(1983例)にくらべ
脳卒中/全身性塞栓症多い:HR: 1.74, 95% confidence interval [CI]: 1.08–2.72
大出血多い:HR: 2.01, 95% CI: 1.21–3.23

3)150mmhg未満群は,非高血圧群と比べて脳卒中/全身性塞栓症,大出血に差はなし
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結論:脳卒中/全身性塞栓症,大出血とも,特に収縮期血圧の高い心房細動患者において発症リスクが高かった。

### 臨床に直結するデータですね。最近ではJ-RHYTYHレジストリーで同様研究があり,それでは収縮期血圧136mmHgで切られていました。
伏見では150がカットオフポイントですが,140−149mmHgは差がなかったようです。

Discussionにもあるように,血圧はベースラインのワンポイントの値なのでこれだけで目標値を定めるのは無理がありますが,自験例でも出血,梗塞を起こす症例は,だいたい145~150mmHgを超えるような症例であり,実感に合っているように思います。

抗凝固薬ありでもなしでもこのことは認められているので(抗凝固薬無し群はそれだけ低リスクであることに注意),抗凝固薬を出しっぱなしにして血圧を軽く見てはいけない,というメッセージを受け取りたいと思います。

いまさらながらですが,抗凝固療法の主眼は脳血管イベント予防にあるのだから,であるなら当然血圧管理が最大の課題であることを反芻します。


### ご近所ネコシリーズ
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by dobashinaika | 2017-06-04 19:15 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)

米国でも日本でもDOAC発売後の心房細動における抗凝固薬処方率は50%→60%に増えたに過ぎない。


疑問:DOAC発売以来抗凝固薬処方は増えたのか

方法:
・2008年8月〜2014年9月,NVAF,CHA2DS2-VAScスコア1点以上
・PINNACLEレジストリ
・655,000例
・抗凝固薬使用状況の変化を分析

結果:
1)抗凝固薬使用率変化:52.4%→60.7% (p for trend <0.01)
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2)ワーファリン:52.4%→34.8% (p for trend <0.01)

3)DOAC:0%→25.8% (p for trend <0.01)

4)CHA2DS2-VAScスコアとOAC使用は関連あり:OR 1.06; 95% CI 1.05 to 1.07

5)DOACはより低用量使用:OR: 0.97; 95% CI: 0.96 to 0.98

6)医療機関により抗凝固薬使用のばらつき大きい:OR中央値1.52; 95% CI: 1.45 to 1.57

7)特にDOAC使用のばらつきが大きい:OR中央値: 3.58; 95% CI: 3.05 to 4.13

結論:ルーチンでのDOAC導入が抗凝固薬使用増加と関連あり。しかし以前ギャプは残る。施設レベルでのバリエーションも大きい。

### このグラフを見るとNOAC導入後,抗凝固薬処方率が50%から60%になり,それはDOACの増加に依存,と読めます。この数値の変化は,最近出たFUSHIMI AFの変化とほぼ一致することに驚きです(下の図B)。
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そしてやはりグローバルでも低用量使用とのことです。「欧米人はリスクよりリターンを重視する。日本人はリスクに重きを置く。。。」というのは幻想なのでしょうか。やはり抗凝固薬に関しては,世界中どこでもみんな慎重。

$$$ 日本プライマリ・ケア連合学会で高松へ。駅のホームのうどんも非常にレベルが高い。

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by dobashinaika | 2017-05-19 00:01 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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もう怖くない 心房細動の抗凝固療法


プライマリ・ケア医のための心房細動入門

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治療 2015年 04 月号 [雑誌]

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ケアリング―倫理と道徳の教育 女性の観点から


中動態の世界 意志と責任の考古学 (シリーズ ケアをひらく)


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