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カテゴリ:循環器疾患その他( 55 )

無症候性頸動脈狭窄のスクリーニングは推奨されない:USPSTFガイドライン:AIM誌

Ann Intern Med. Published online 8 July 2014 doi:10.7326/M14-1333
Screening for Asymptomatic Carotid Artery Stenosis: U.S. Preventive Services Task Force Recommendation Statement
Michael L. LeFevre et al


米国予防医学専門委員会(US Preventive Services Task Force, USPSTF)日ら頸動脈エコーのスクリーニングに関するガイドラインが出ています。

今まで知りたいと思っていたことですので、まとめます。
無症候性頸動脈狭窄のスクリーニングは推奨されない:USPSTFガイドライン:AIM誌_a0119856_22314154.png

無症候性頸動脈狭窄のスクリーニングは推奨されない:USPSTFガイドライン:AIM誌_a0119856_2229433.png


一般市民では頸動脈狭窄の有病率が0.5〜1%と低く、多くの偽陽性がでる。早期介入によるべネフィットを示したエビデンスはなく、頸動脈剥離術やステントでの合併症の報告は多い。

というのが、根本のロジックとのことです。

昨今人間ドックのオプションや大学の地域住民コホート研究などで頸動脈狭窄が取り入れられていますが、考えされられます。
by dobashinaika | 2014-07-14 22:32 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

第78回日本循環器学会1日目参加しました

第78回日本循環器学会学術集会1日目に参加しました。
朝のLate Breaking Clinical Trials1の「ENGAGE AF-TIMI48の東アジアにおけるサブ解析」を聞きました。

・全21105例中東アジアは1943例、うち日本人1010例
・用量減量をしたのは40.9%
・日本人のTTR72.3% (日本のガイドラインに則しても75.9%)

アウトカムたくさんありメモしきれませんでしたが、
・虚血性脳卒中はエドキサバン30mgで多かった
・グローバルで見られた消化管出血増加は、東アジアでは認められない

などが目に止まりました。
エドキサバン15mgに減量した例の解析も進行しているとのことです。

エドキサバン30mgの位置づけはどうかなと思っていましたが、減量した例の転帰はどうなのか、しなかった例では、アウトカムはよかったのか?そうしたデータが今後待たれます。

PMDAへの申請用量の情報もあったようですね。

午後は会長特別企画の「我が国の地域医療の新展開にむけて」と題した企画を聞きました。
コミュニティーヘルスケアシステムの視点での企画は、日循では初めてではないでしょうか?会長の永井先生の慧眼かと思います。
「地域の中の循環器診療」
すべての医師、循環器専門医もこの視点を持つべきだろうと思います。

あと、拙著が2,3の書店の店頭に並んでいて、うれしい限りです。
手に取ってみていただければ幸いです。
22日は午後からのラウンドテーブルディスカッションでちょっとしゃべる予定です。
第78回日本循環器学会1日目参加しました_a0119856_0492499.jpg

by dobashinaika | 2014-03-22 00:47 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

バルサルタン問題で刑事告発:今こそ”宣伝に基づく医療”から脱却できるチャンス

厚生労働省が,バルサルタン(ティオバン™)問題でノバルティスファーマとその社員を薬事法違反(誇大広告)容疑で東京地検に刑事告発しました。

そして私が,毎日新聞社の取材に答えた記事が,同新聞のホームページに掲載されています。
http://mainichi.jp/select/news/20140109k0000e040157000c.html?inb=tw

ここで述べているように,製薬会社の責任は当然問われるべきです。医療者皆が憤りを感じています。

ただ,製薬会社のみを責めるに終始しても,事の本質は見えません。
この件について,字数の都合で掲載されなかった私の言いたいことを述べたいと思います。

このような大きな社会問題の場合,個々のプレイヤーだけ見ていてもゲーム(とあえて呼びます)の大筋は見えません。
ゲームを形作る構造に目を向ける必要があります。

本問題のプレイヤーは,製薬会社,オピニオンリーダー,現場医師,そして患者さんの4者です。
今回はもちろん患者さんには何の責任もありません。前3者それぞれに責任があると思います。
そして私が一番の問題だと思うのは,薬剤に関する情報の流れに関する構造そのものです。

最近は若手医師を中心に,EBMの基本にのっとり自ら医療情報を入手し,批判的吟味を行い治療の適応を考える医師も増えていると思います。
しかし日本に良い二次情報のリソースが無いことや,言語の壁もあって,プライマリケアの現場全体としては(特に年配層),自ら医療情報を収集する態度には乏しいように思います。

特に新薬に関する情報の流れというのは,
製薬会社の出すパンフレット,医学雑誌などの広告,各都市のホテルなどで開かれる講演会

大学や病院のいわゆるオピニオンリーダーがそうした場で情報を発信

現場医師が参考にし

患者さんに薬剤を処方

というストリームが,やはり一番大きいのではないかと思います。

いや,私は,きちんと論文を読むなりUpToDateに当たるなりしている,という先生もおられるかもしれません。
しかし,ディオバンが世に出回った時,probe法の危うさや,複合エンドポイントのからくりを大きな流れを持って明らかにできなかったのは,それはちょっと違うよねといって,ディオバンの席巻に待ったをかけられなかったのは,それ以上に大きな流れ,つまり「宣伝に基づく医療」の大きな流れに,我々が依存していたからにほかならないと思うのです。

じゃあ,どうすればいいか。現場医師として2つやることがあると思います。
1つは,やはり自らの情報リテラシーを高めるしかない,です。
幸いこちらの領域には,素晴らしいオピニオンリダーの先生がたくさんいらっしゃいます。学校教育でEBMの施しを受けていない世代は,そうした人の著書やサイト,セミナー等で論文の読み方を吸収し,最低でも医学論文の基本的な読み方を,聴診器の使い方と同様のレベルでする必要があります。

もう1つは,我々の情報入手のあり方そのものを製薬会社とは独立した形で創出することです。
これを機会に製薬会社共催,主催と言った講演会,セミナーからの脱却を図るのです。
もちろん,まだまだ新薬などの情報については情報の非対称性があり製薬会社からの情報提供は必要です。
しかし,それとて,会社主導でなく,例えば医師会,例えば大学病院の専門医などを中心とした小規模な勉強会を各地域ごとで開くというような形を創出することで,「会社の製品」というバイアスのかかった情報からフリーな医学知識を共有する場を作るのです。
会社の学術の人はオブザーバー参加などの形にするという方法もあると思います。
このときメーリングリストとかSNSの果たす役割は大きい物があると思われます(このことはまた別に書きたい)。

かく言う私も,この問題が起きるまでは,製薬会社の講演会に参加し,少数ながら講演料などはいただき,共催の会の世話人になるなどにあまり疑問を持たずにやって来ました。しかしこの問題を契機に,我々現場の医師といえども,いやだからこそ,自分の判断力にバイアスをかけないためにも襟を正すべきだと思うようになり,講演の際の謝礼などはすべてお断りするようにしています。

今回のバルサルタン問題は倫理意識の向上も含めてやはり現場から,医療情報共有のあり方を洗いなおす,ある意味良いチャンスであると思います。暗中模索しながら,医療情報に関して「自立した」医療者を目指したいものだと思います。

以下のブログも参照ください。
ディオバン問題での患者さん説明用パンフレット
http://dobashin.exblog.jp/18253831/

アンジオテンシン受容対拮抗薬についての復習
http://dobashin.exblog.jp/18083317

私のより言いたいことは,毎日新聞の12月26日夕刊に掲載されていますので,ご参照ください。
バルサルタン問題で刑事告発:今こそ”宣伝に基づく医療”から脱却できるチャンス_a0119856_232255100.jpg

by dobashinaika | 2014-01-09 23:25 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

心電図健診や術前心電図は本当に必要か?

本日は仙台市医師会学術部勉強会兼産業保健研修会が開催され、「健診で見つかる心電図にどう対処するか」というお題でお話させていただきました.

健診でみつかる異常心電図のほとんどは予後良好です。

健診心電図の考え方は
1。”心電図を見る→その(心電図を呈するようになった)背景を見る。→その心電図の予後を知る”というアルゴリズム
 2。”12誘導心電図だけで基礎心疾患の有無を見抜く方法”

などを実例に沿ってお話しいたしました。

で、その前に、そもそも「健診に心電図は本当に必要か」というどんでん返しを講演の最初に持ってきてつかみにしました。
昨年米国内科専門医認定機構(ABIM)の呼びかけに基づいて、米国の9学会が公開した「Choosing Wisely」では米国家庭医療学会が「症状のない低リスク患者に対する毎年の心電図検査あるいは他の心臓スクリーニングを行なってはならない」との声明を出しています。
http://dobashin.exblog.jp/16204336/

その根拠となるUSPSTF(米政府予防医学作業部会)のエビデンスレポートでは、運動負荷心電図後に冠動脈造影を受けたリスクは0.6〜2.9%に上るとされ、低リスク患者に心電図を施行することの害が利益を上回ると結論付けています。

すべての検査には偽陰性(FN)と偽陽性(FP)があります。日本の健診はなるべくFNつまり見逃しを恐れて、低リスク例にも一律に検査を施行し、また検査閾値を低く設定する傾向になっていると思われます.一方FPつまり過剰診断については、もしそこでたとえばカテーテル検査までして陰性の診断がついても、病気じゃなくてよかった、やっぱりやって良かった、ということになりがちで、検査に伴う被曝量、造影剤の副作用、コストを顧みることは何となくヤボであるという空気が支配しているのではないかと思われます。

しかし、念のためという名の下で行われている侵襲的検査(冠動脈造影や冠動脈CTなど)、果ては治療(ステントやカテーテルアブレーション)は、正確な統計さえないものの、かなりの件数に上るように思われます。このような侵襲的検査、治療の適応決定に関し、完全に術者主導になっている点も拍車をかけているように思います。ましてやコストパフォーマンスを考えた分析などなかなかに困難かと思います。

もちろん、肥大型心筋症等や徐脈性不整脈の早期発見などに寄与する健診心電図の役割は一定のものがあるとか思いますが、狭心症、良性の不整脈などに対する診断精度や価値はかなり低いものと思われます。

またたとえば、日本中で広く行われていると思われる、小手術に対する術前の心電図検査などについても「必要ない」と考えられることが多いと思われます.
2007年のACC/AHAガイドラインでは「リスク因子がない、または少なくとも1つの中等度リスクを持つ患者の血管手術術前の、スケジュールに組み込まれた心電図は余り強く推奨しない」とされています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=19884473

術前の心電図異常が患者の術後心臓合併症の予測にならないことも示されています。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed?term=12133011

往々にして医師は、検査をしないことでの見逃しを恐れ、また治療を施さないことの”無為の不安”を解消するため、「念のため」の検査を行い、「念のため」の抗菌薬投与を行い、「念のため」のステント治療をおこないがちです(たとえば狭窄があるというだけの理由で)。

これからは、見逃しの恐怖、何もしないことの不安から理知的に脱却し、しすぎることの副作用、弊害をも考えるべきでしょう.
過剰検査は、患者さんの不安感を募られ、過剰治療はコストを募られます。
今一度冷静に考えてみたいと思います。
by dobashinaika | 2013-07-17 23:39 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

バルサルタン問題を契機にアンジオテンシン受容体拮抗薬について復習しました

いま話題となっているアンジオテンシン受容体拮抗薬(ARB)をACE阻害薬と比較しながら改めて復習です。
1〜3はUpToDateからの抜粋です。

Renin-angiotensin system inhibition in the treatment of hypertension
Differences between ACE inhibitors and ARBs 
1.高血圧治療におけるレニン・アンジオテンシン系


【ACE阻害薬とARBの違い】
・ACE-iとARBは薬理学上かなり違いがあるが、臨床上の差異はほとんどない
・薬理学的には以下の3つの違いがある
1)アンジオテンシン変換酵素はキニナーゼ。なのでACE-iでこの酵素を阻害するとブラジキニンが増え、キニンレベルが増える。これはARBではみられず。このことが咳の原因となる。ブラジキニンは血管拡張その他ARBにはない作用がある

2)アンジオテンシンIIが減るとACE-iはAT1.AT2両者の効果を低下させる。ARBは前者のみ

3)心、腎、おそらく血管においてアンジオテンシンIIはアンジオテンシン変換酵素以外(キマーゼなど)の酵素により触媒される。この反応で生成されるアンジオテンシンIIの効果はARBで抑制されるがACE-iでは抑制されない

【ARBの効果と用量】
・ARBは単独療法では、他の降圧薬とほぼ同様の効果がある。
・ロサルタンだけは他のARBと同様の降圧効果はない。また尿酸降下作用がある
・降圧効果は概してACE-iとほぼ同様。61試験のメタ解析では降圧効果に差はなし
・心血管イベントについてもACE-iとほぼ同等
ONTARGET試験(テルミサルタンとラミプリル及びその併用の比較)が参考になる
主要エンドポイント:心血管死、心筋梗塞、脳卒中、心不全入院
到達血圧はテルミサルタンがラミプリルより低め
主要エンドポイントに有意差なし
咳はラミプリルで多い。高カリウム、急性腎不全は併用群で多い。
・低用量利尿薬併用または塩分制限で効果が増強される
ACE-i同様利尿薬の副作用である低ナトリウム、低カリウムを低減させる

【副作用】
・一般にARBACE-iとも忍容性に優れる
・咳と血管浮腫はARBで少ない
・妊婦には禁忌

Angiotensin converting enzyme inhibitors and receptor blockers in acute myocardial infarction: Recommendations for use
2.急性心筋梗塞患者のACE-iとARB


【ACE-iとARB比較】
・2つの比較試験あり:心不全または前壁梗塞のうち1つのリスク
・OPTIMAAL試験:ロサルタンに比べ、カプトプリルは死亡率減少傾向あり:relative risk 0.88, 95% CI 0.78-1.01
・VALIANT試験:有意差なし
・ACE-iが飲めない患者に対してARBが勧められる

###心筋梗塞二次予防に関しては日本循環器学会の「心筋梗塞二次予防に関するガイドライン(2011 年改訂版)」の記載を改めてコピペします
http://www.j-circ.or.jp/guideline/pdf/JCS2011_ogawah_h.pdf
ARB
クラスI
ACE 阻害剤に不耐例で,心不全徴候を有するか左心 室駆出分画が 40%以下の心筋梗塞例に急性期から投 与する. (エビデンス A)
“2010 年 8 月末時点で,心筋梗塞発症予防における確立 したエビデンスを有し,かつ「降圧を超えた心保護効果 を有する」ACE 阻害薬に対し,優先して積極的に ARB を使用する根拠は乏しい.このことから日本人における ACE 阻害薬での比較的高い副作用発現率を考慮したと しても,心筋梗塞の二次予防目的における RA 系阻害薬 の第一選択は ACE 阻害薬であると考えられる.したが って本ガイドラインでは,前回とは異なり心筋梗塞にお ける二次予防ではクラスIの適応として,「ARB の使用 は ACE 阻害剤に対する認容性がない場合に限られる」 とした.また ARB と ACE 阻害薬との併用は腎機能に及 ぼす影響を考え,慎重に行うべきではあるが,左心室収 縮機能不全例では予後を改善する可能性がありガイドラ インに採用した.繰り返しになるが,ACE 阻害薬と ARB は似て非なる薬剤である.ともすれば ARB は「咳の少ない ACE 阻害 薬」とも考えられがちであるが,心血管イベント予防に おいてそれは明らかに誤りである.それぞれの薬剤の薬 理作用,大規模臨床試験の結果,使用予定症例の病態を 正確に把握し,両薬剤の使い分けを行うことが重要であ る.

Angiotensin II receptor blockers in heart failure due to systolic dysfunction: Therapeutic use
3.心不全(収縮障害)に対するARB


【ACE-iとの比較】
・ACE-iは心不全患者の予後を改善する
・ACE-iとARBは異なるメカニズムを持つ薬だが、心不全患者の臨床的効果はほぼ同等
・2012年のコクランレビュー
LVEF40%未満患者対象のACE-iとARBの比較ではアウトカムは同等
点推定においてはACE-iのほうがやや優位:(RR 1.05; 95% CI 0.91-1.22)
心不全患者の心筋梗塞、入院、脳卒中においては有意差なし
副作用による服薬中止はARBのほうが有意に少ない
プラセボとの比較ではARBはぎりぎり優位(RR 0.87, 95% CI, 0.76-1.0)。こうした結果ACE-iでは見られない(ACE−iはもっと良い)

【筆者らの推奨】
・心不全患者のARBは、ACE-iが服用困難者(腎機能低下、高カリウム以外)に推奨される

4.心房細動とACE-i、ARB

これは拙ブログを参考願います。
http://dobashin.exblog.jp/12337052/
現時点でACE-i.ARBが心房細動新規発症予防及び二次予防に関しての有効性は認められないというのがコンセンサスでしょう。

###以上まとめますと
1.降圧薬としてのARBは忍容性が高く、よく使われている。しかし臨床的効果はACE-i=ARB
2.心筋梗塞二次予防についてはACE-i>ARB
3.心不全予防についてはACE-i>/=ARB
4.心房細動予防についてはどちらも効果なし

ACE-iとARBは、似て非なる薬ですので単純に比較すること自体意味があるかどうかわかりませんが、少なくともこうして見ると現在、日本で処方されている患者さんのうち少なくない例においてARBはACE阻害薬で代用できるものと思われます。たとえば心筋梗塞後の方に第一選択でARBを処方する医師はかなりいるのではないでしょうか?この機会に再考したいものです。
by dobashinaika | 2013-07-13 18:55 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

ペットを飼うことは心血管リスクを減らすのに合理的:Circulation誌より

今日は、ちょっと時間がないので、小ネタを
(CHA2DS2-VAScスコアをしのぐ"QStroke"が気になりますが、大物なので後回しにして、。。)

ペットを飼うことと心血管リスクに関するレビューがCirculationから出ています。

Pet Ownership and Cardiovascular Risk: A Scientific Statement From the American Heart Association
doi:10.1161/CIR.0b013e31829201e1


大雑把に要約

・ これまでペットを飼うことが心血管リスクの低減につながるとの報告が多いが、それついて概観する
・ 収縮期血圧を下げるという研究は、いくつかある
・ 血清脂質に影響することを示す研究は限定的
・ 犬を飼うことが、元も顕著に身体活動性に好影響を与える
・ 身体活動性を高めることにより肥満が解消されることが考えられる 
・ ペットを飼うことが行動変容の契機と維持においてサポートになる
・ 自律神経機能やストレスに対する心血管系の反応への好影響が多く報告されている
・ イヌ、ネコ以外に、ヤギ、魚、チンパンジー、ヘビでもそうした報告あり
・ 心血管リスクのない人における生命予後との関係に関する報告には乏しい
・ 心血管リスクのある人においては生命予後との関係を示す報告はある有名なCASTのサブ解析では、特に犬を飼わない人は飼う人の4.05倍の死亡率(1年間)であった

【推奨】
1.ペットを飼うこと、特にイヌを飼うことは心血管リスクを減らすために合理的である(推奨度IIb,エビデンスレベルB)
2.心血管リスクを減らす第一目的としてペットを決めたり、縁組したり、購入してはならない(推奨度III,エビデンスレベルC)

### なんとあの有名なCAST研究のサブスタディにもあったなんて知りませんでした。
家ではネコを買っていますが、癒し効果はかなりありますね。迷走神経が心地よく刺激されます。

ただヘビはどうなんでしょうか?かえってリスクが増える気が。。。

イヌを飼うことが良いとされていますので、今度購入を検討してみようと思います。あ、それはやってはいけないのね。
by dobashinaika | 2013-05-21 23:00 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

今月号の日経メディカルで米国主要9学会の『Choosing Wisely』についてコメントしました

日経メディカル9月号の「特集 その検査、ホントに必要?」で米国内科専門医認定機構(ABIM)に呼びかけに基づいて、米国の9学会が公開した「Choosing Wisely」が紹介されています。

私もこれに関し2,3コメントさせていただいております。

基本的な考えは、以下のリンクに掲載されています。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t182/201209/526587.html

心電図、NSAID投与については以下です。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t182/201209/526636.html
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/report/t182/201209/526721.html

ちょっと言葉足らずのところもありますので、後日、もっと詳しくここで述べてみたいと思っています

ご参考になれば幸いです。
(無料登録が必要です)
by dobashinaika | 2012-09-15 21:56 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

「孤独感」を感じる高齢者は身体的衰弱度や死亡率が高い:Arch Intern Med誌より

Arch Intern Med 6月オンライン版より

Loneliness in Older PersonsA Predictor of Functional Decline and Death
Arch Intern Med. 2012;():1-7. doi:10.1001/archinternmed.2012.1993


高齢者の「孤独感」と身体的衰弱や死亡との関係についての検討

P:米国の the psychosocial module of the Health and Retirement Studyに参加した60歳以上の人1604人。2002年から2008年まで2年毎に評価

E:「取り残された感じ」「孤立した感じ」「交流の欠如」を感じるかどうかという質問に対し、どれか1つに「時々」「しばしば」と答えた人

C:3つとも全然ないと答えた人

O:6年間の死亡率、6年間での身体衰弱(ADL改善が困難、上肢運動改善が困難、移動困難経験、階段登りが困難)

結果:
1)平均年齢71歳、女性59%、白人81%、黒人11%、ヒスパニック6%、ひとり暮らし18%

2)「孤独群」43%

3)ADLの衰え:孤独群24.8%、非孤独群12.5%(RR1.59)

4)上肢運動困難:孤独群41.5%、非孤独群28.3%(RR1.28)

5)移動困難の経験:孤独群38.1%、非孤独群29.4%%(RR1.18)

6)階段登り困難:孤独群40.8%、非孤独群27.9%(RR1.31)

7)死亡率:孤独群22.8%、非孤独群14.2%(RR1.45)
「孤独感」を感じる高齢者は身体的衰弱度や死亡率が高い:Arch Intern Med誌より_a0119856_23305283.png


結論;60歳以上の参加者では孤独感は身体的衰弱と死亡の予測因子

###あすの開業医仲間のジャーナルクラブで取り上げるため、今日は心房細動関連ではなく、今日の論文は 6月のオンライン版で出た Arch Intern Medの2つの「孤独」に関するアウトカム研究のうちの1つです。

「孤独」を上記のように定義して良いのかが最大のポイントと思われますが、結果に関しては、実臨床に照らし合わせると納得できるものがあります。

別な論文では「45歳以上の一人暮らしは死亡率、心血管イベント率が高い」との結論がしめされていて、特に30~40歳代の急性心筋梗塞の95%以上が「独身男性&喫煙者」とのことで、こちらも日々の経験から、十分納得の結果です。
by dobashinaika | 2012-07-10 23:32 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

第21回ドクターサーチみやぎ健康セミナーに出演します。

今日は宣伝です。

5月20日(日)14:00〜、アークホテル仙台で開催予定の第21回ドクターサーチみやぎ健康セミナー「脳卒中予防に関する市民公開講座〜あなたの脳卒中危険度は?〜」に、講師兼パネリストととして参加いたします。

一般の方なら誰でも参加できるようですので、ご興味ある方は下のサイトでご確認ください。
http://miyagi.doctor-search.tv/p/seminar-vol21.aspx

私は脳卒中をどう予防するかについて、お話する予定です。

そうこうしているうちに紹介すべき面白そうな論文が溜まってきていますが、明日からアップします。
by dobashinaika | 2012-05-14 23:55 | 循環器疾患その他 | Comments(0)

iPad使用に伴う肩こりを避ける方法

明日休みなので、ネットから拾った息抜きの話題を。

Work: A Journal of Prevention, Assessment and Rehabilitationより
Touch-screen tablet user configuration and case-supporter tilt affect head and neck flexion angles
Work 41 (2012) 81–91


タッチスクリーンタブレットを操作するときの姿勢が、ユーザーの肩こりにどう影響するかを検討した論文

・15人の経験豊富なユーザーにiPad2およびモトローラのXoomを使って、インターネットサーフィン、ゲーム、映画鑑賞、eメールを一定の仕事量行ってもらった
・操作中の姿勢は次の4つ:膝の上で手で支持、膝の上にケース付きを置く、テーブルの上で低勾配、テーブルの上で高勾配
iPad使用に伴う肩こりを避ける方法_a0119856_23464297.jpg



結果:
1)頭と頸の屈曲角はタブレットの方が、デスクトップやノートブックマソコンより大きかった
2)タブレットの機器による姿勢の差はその傾斜角度に明らかに依存した。一方置き場所による姿勢の差は視線の角度に依存した

結論:頭や頸の姿勢は、膝よりテーブル置きにして、高い傾斜角度にして低い視線を回避すること,およびケースによって視線の角度を最適にすることで改善される。

###こちらのHealthtDayの記事にauthorのコメントが詳しく掲載されています.膝に置かずにテーブルの上において急勾配に立たせて使うのが最も疲れない置き方だと言うことです。まあ当然予想された結果ですが、それをまじめに頸や頭と視線の角度を厳密に測定して検証しているところが、ある意味すごいと感じる点です。

共同著者にマイクロソフト社の人間がいるのが気になりますが...
by dobashinaika | 2012-01-28 23:49 | 循環器疾患その他 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


by dobashinaika

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