カテゴリ:心房細動:診断( 47 )

日経メディカルOnLine連載,更新いたしました。心房細動のスクリーニングとして脈をとることについて考えます。

5月からハジマしました日経メディカルOnLine連載,「プライマリ・ケア医のための心房細動入門リターンズ」更新いたしました。今回は心房細動のスクリーニングとして脈をとることについて考えます。ご笑覧いただければ幸いです。http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/mem/pub/series/odakura2/201807/556797.html
by dobashinaika | 2018-07-10 07:31 | 心房細動:診断 | Comments(0)

AF burdenという概念の重要性と限界:Circulation誌

長らくお休みしてすみません。
最近家庭医療の方で仕事やら関心が集中してしまい,ブログから遠ざかっていました。発信はやはり大切でですので,またぼちぼち書いていきます。

この間も論文ウォッチはやってまして,いくつか興味深いネタが溜まっています。
本日は最近最も考えさせられた論説から


ACCのまとめサイトから引用です。

1.現行ガイドラインでは,心房細動の出現は,30秒以上継続し,絶対的に不規則のRR間隔,認識可能で明らかなP波の欠如と定義されている。AF burden(心房細動負担)は,最長の心房細動持続時間,発作回数,ある一定期間での心房細動累積時間など多くの表現方法がある

2.多くの研究は,心房細動を二分法(あるかないか)で評価しており,AF burdenは評価されていない

3.現行ガイドラインでは,抗凝固薬の適応決定に血管系リスク(CHA2DS2-VAScスコアで評価)の使用を勧めており,AF burdenは考えられていない。データの混合はあるが,現在最強のエビデンスは発作性よりも持続性心房細動のほうが高リスクであることが示唆されている

4.AF burdenは,デュアルチャンバー植込み型デバイス(ペースメーカー,ICD)で評価される。ループレコーダーやシングルチャンバーはRR感覚を指標とするので,感度,特異度はデュアルより落ちる。

5.植込み型デバイスからのデータでは,5〜6分の比較的短いAFエピソードでさえ脳卒中のリスクを増やすことが知られている。興味深いことに,植込み型デバイスの患者では多くの虚血性脳卒中が,心房細動エピソードとは関係ない時期に起きている。脳卒中をきたすAF burdenの閾値はわかっていない

6.心房細動は心不全,認知症,心筋梗塞,慢性腎臓病から末期腎不全,心臓突然死,全死亡のような非脳卒中にも関連がある

7.運動不足,肥満,高血圧は心房細動罹患を増やす傾向がある。しかし,動脈硬化あるいはライフスタイルの因子がどれほどAF burdenに寄与しているかは明らかではない

8.体重減少,適正体重維持がAF burden減少に効果がある。強力な降圧がAF burdenを減らすかどうか定かではない。ストレス管理(ヨガ,マインドフルネス)がAF burdenを低下させるかどうかのRCTが求められている

9.一過性のAF burdenの累積あるいはAF密度というコンセプトが提案されてきている。AF密度は全心房細動エピソード中の最小時間によって測定されるもので,仮説に基づく斉一なburdenからどのくらい逸脱しているかで表現される。すなわち同じAF burdenであっても,多くの短い心房細動発作よりも,少なくても長いエピソードのほうがAF密度は高い

10.モニタリング技術の発展はAF burdenの顕著は変化の同定を可能にするであろう

### 以前から疑問に思っていたことをまとめてくれた内容です。同じ心房細動でも,数分間の発作と長時間の発作では脳卒中リスクは違って当然ですが,現行ガイドラインはとにかく心電図で心房細動が見つかれば「心房細動症例」として抗凝固薬適応のまな板に乗ってしまうことになります。持続時間とか発作回数が当然考慮されてなければならないのにおかしい,と思っていました。

しかしそれを正確に測定する手段がないのです。発作性心房細動例全例にループレコーダーを植え込むわけにも行きません。長時間型のホルター心電図も発作性心房細動だけの患者さんには負担です。

この問題,無症候性心房細動の同定問題と同根で評価方法に鍵があるようです。例えば非常に軽量で湿布感覚で貼付できるようなデバイスとか,スマホでAF burdenまでわかれば,CHA2DS2-VAScスコアなども変わってくるかもしれません。

$$$ 居座られましたw
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by dobashinaika | 2018-05-12 05:49 | 心房細動:診断 | Comments(0)

アップルウォッチやスマホによる心房細動の診断精度は良好:JACC誌,Circulation誌

アップルウォッチやスマホによる心房細動の診断制度について2論文です。


疑問:Apple Watch関連デバイスは心房細動の診断に有効か?

方法:
・電気的除細動予定の心房細動患者100人(平均68歳)
・心電図とKadia Bandによる単一誘導心電図を施行
・Kadia Band:Apple Watch用のバンドで,親指をセンサーに当てることで30秒間のトレース(I誘導に相当)が得られる
・心電図情報はブルートゥースでiPhoneに送られ,“possible AF,” “normal,” or “unclassified”の3カテゴリーに診断される

結果:
1)169トレース記録

2)“unclassified”17人:アーティファクトか低電位

3)標準心電図をレファレンスとすると感度93%,特異度84%(κ係数0.77)

4)専門医の分析をレファレンスとすると感度99%,特異度83%(κ係数0.88)

結果:Kadia Bandは心房細動と洞調律の鑑別が可能



疑問:モバイルフォンは心房細動を正確に同定できるか?

方法:
・フィンランド, Turku大学病院の心房細動患者連続症例
・心房細動例vs, 洞調律例:年齢,性別マッチ
・ソニーのXperiaを胸骨に置くことで3分間の単一誘導心電図 (MCG)を取得
・同時に5チャネルのホルター心電図を装着(リファレンス)

結果:
1)150例ずつ,平均74.8才

2)MCGの正答率は心房細動143/150,洞調律144/150

3)洞調律の誤答6例中4例は著しい洞性不整脈

4)感度95.3%,特異度96.0%,陽性予測的中率96.0%,陰性予測的中率95.4%

5)陽性尤度比23.8,陰性尤度比0.05

6)記録時間を60秒に短縮しても感度,特異度変わらず

7)BMI,呼吸数,心拍数,心房期外収縮は偽陽性としてはカウントされない

8)それに比べ,心室期外収縮,心不全の既往は偽陽性になりやすく,胸部写真で肺うっ血が認められやすい

結論:スマートフォンによるMCGは他のハードウエアなしで心房細動の同定が可能であり,心房細動スクリーニングを容易なものにする

### アップルウォッチに着けるKardiaBandは会社のサイトがあります
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アップルウォッチとモバイルフォン,どちらも手軽で簡単そうです。特にアップルウォッチは着脱が容易でどこでも取れるのが最大の利点かと思います。
これ簡易デバイスとしてはベストではないかと思われます。

$$$ 落とし物
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by dobashinaika | 2018-03-22 22:04 | 心房細動:診断 | Comments(0)

2017〜2018年心房細動のトピックスまとめ(2):心房細動の診断,予防:ESC The year in cardiology 2017より

ESCのまとめその2です。



<心房細動の診断とその影響ー隠された事実>

・何を心房細動と呼ぶのか,心房頻拍がどのくらい続いてどのデバイスで検出されれば心房細動と呼んでいいのか。こうした問に対するエビデンスは驚くほど少ない
・各種デバイスでは心房細動が数秒から数日記録されるが,それが脳卒中にどの程度関与するのだろうか?
ASSERT試験では24時間を超えるエピソードが,脳卒中リスクに関係していた1)
REVEAL試験ではループレコーダーによる385例,22.5ヶ月のモニターで30日間では6.2%,24ヶ月では33.6%の心房細動を記録できた2)
・原因不明脳卒中対象のCRYSTAL-AF試験でも同様の結果だった3)
・ただし,脳卒中の既往があってもなくても短時間のAFエピソードの頻度は同じなので,こうした短いエピソードが脳卒中の予測因子となるか,あるいは抗凝固薬の必要性を示唆するのかと言った疑問が湧いてくる
・現時点でこの疑問に対する試験としてARTESiA試験(アピキサバン)およびNOAH試験(エドキサバン)が走っている4,5)
・これらはデバイスで記録される短時間の潜因性AFを持つ症例において,NOACが標準治療に比べ勝っているかを検証するものである
・CHA2DS2-VAScスコア同様種々のバイオマーカーもイベントの予測因子であり,抗凝固薬開始の指標となりうる6)が,RCTが待たれる
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<どうしたら洞調律でいられるか?ーアップストリーム治療がカギか?>

・生活習慣改善は心房細動治療のコーナーストーンとなるかもしれない
LEGACY試験,CARDIO FIT試験(オーストラリア発)は厳格な運動と体重減少が肥満者(BMI>27.抗不整脈薬ありあるいはアブレーション後)の心房細動再発を抑制することを報告している7,8)
RACE3試験は,このコンセプトを症候性で早期の心不全合併持続性心房細動に絞ってて適応し,この程度の患者に対する早期の強力な介入が,リモデリングや再発を遅らせるかどうかに焦点を当てている9)
・除外基準:ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)既服用,左房径>50mm,NYHA IV, LVEF<25%
・アップストリーム群:ACE阻害薬/ARB,MRA,スタチン,心リハ,ダイエット強化療法,運動継続,服薬アドヒアランス維持
・対照群:従来からの治療。心リハ,強化療法なし
・3週間後カルディオバージョン
・結果:1年後の洞調律:アップストリーム群75%vs 対照群63% (P=0.02)
・介入により血圧,NT=proBNP,LDLコレステロールは減少LVEF, 左房径は不変
・複合エンドポイント(心血管合併症,死亡)は低下したが両群で差なし

1)Duration of device-detected subclinical atrial fibrillation and occurrence of stroke in ASSERT.Eur Heart J 2017;38:1339–1344.

2)Cryptogenic stroke and underlying atrial fibrillation.N Engl J Med 2014;370:2478–2486.

3)Cryptogenic stroke and underlying atrial fibrillation.N Engl J Med 2014;370:2478–2486.

4)Rationale and design of the apixaban for the reduction of thrombo-embolism in patients with device-detected sub-clinical atrial fibrillation (ARTESiA) trial.Am Heart J 2017;189:137–145.

5)Probing oral anticoagulation in patients with atrial high rate episodes: rationale and design of the non-vitamin K antagonist oral anticoagulants in patients with atrial high rate episodes (NOAH-AFNET 6) trial.Am Heart J 2017;190:12–18.

6)A biomarker-based risk score to predict death in patients with atrial fibrillation: the ABC (age, biomarkers, clinical history) death risk score.Eur Heart J 2017.

7)Long-term effect of goal-directed weight management in an atrial fibrillation cohort: a long-term follow-up study (LEGACY).J Am Coll Cardiol 2015;65:2159–2169.

8)Impact of cardiorespiratory fitness on arrhythmia recurrence in obese individuals with atrial fibrillation: the CARDIO-FIT study.J Am Coll Cardiol 2015;66:985–996.

9)van Gelder et al. presented at ESC 2017

###  Subclinical AF,いわゆる検出されていないAFをデバイスで見つけ出してそれに抗凝固薬を投与することがよいのか? これは難問ですね。今回の指摘のように,AFの持続時間をどの辺で線引するか,検出期間をのどのくらいに設定するかでだいぶ違ってきます。ASSERT試験では,24時間超えのAFで有意にイベントが多かったということで,ホルターなどで数十分のAFが見つかったからと言って,すぐに抗凝固に行くかは現時点では慎重さが要求されるかもしれませn。

RASE 3試験は学会発表だけですが,アップストリームなんかダメだ,と思っていたところに,早期の強化介入が良さそうであることを示唆してくれています。しかしかなりの努力が必要そうですね。お金も掛かりそうです。しかもここでも,アウトカムにSubclinical AFがどう関わってくるのかが不明。そう考えるとまだまだ私たちはAFの予防とか制圧の日も近い!なんて言える段階ではないのと思わされます。

$$$ どうしても欲しくて買ってしまいました。当院の守り神にしたいと思います(作成にすごい苦労しました(笑))
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by dobashinaika | 2018-01-07 00:28 | 心房細動:診断 | Comments(0)

心房細動スクリーニングに関する6つのキーポイント

しばらくブログをサボっていました。
また少しずつ始めます。


AF-Screenという国際共同コラボレーション作業が,2015年に立ち上げられました。
31の国,100人のメンバーで構成され,2016年8月ローマでミーティングが行われ,脳卒中/死亡を減らすための心房細動スクリーン戦略を討論したとのことです。
Circulationにそのレポートがでていますでの,大まかに紹介します。

語の定義としてunrecognized(認識されない), undiagnosed(診断されない), silent(無症候性), subclinical AF(潜在性),cardiac implanted electronic device (CIED)-detected atrial high-rate episodes(植込み型デバイスで同定された心房ハイレートエピソード)など様々ありますが,このレポートでは,screen-detected AF,(スクリーングで認識されたAF)が使われています。

5つのキーポイントとまとめの図です。

【キーポイント1】
1回のスクリーングポイントあるいは間欠的な30秒間の2ヶ月以上の心電図記録によるスクリーニングは,良好な環境とはいい難い。脳卒中リスク因子を加味することで,十分なスクリ−ニングの妥当性が得られる。

【キーポイント2】
診療所や地域における65歳以上の人の,ワンポイントのスクリーニングは有効性や費用対効果の点から妥当とされている。75歳を超えるひと,あるいは心房細動高リスクの若年者では2週間の1日2回の心電図記録は根拠がある。

【キーポイント3】
外部あるいは植込み型デバイスあるいは患者参加型の間欠的心電図記録は,原因不明の脳塞栓症の診断には重要

【キーポイント4】
大量の機会あるごとのスクリーニングは,脈を取ることで完遂できる。血圧計,スマホ,携帯型心電計なども含まれる。心電図診断は心房細動診断のガイドラインでも確立されており,確たる診断という点で有効であり望ましいツールである。長時間ホルターやループレコーダーは発作性心房細動の診断に有効だがさらなる精査が必要である。費用対効果及び低脳卒中リスク患者の同定という点で限界があるからである。

【キーポイント5】
心房細スクリ−ニングは,地域ごとやヘルスケアシステムに特異的なニーズやリソースによって特徴づけられる。またそれらはスクリーニングの有効性の管理や診断の妥当性とリンクする。地域ベース及びプライマリーケアベース,専門医,一般あるいは専門外来のセッティングは有効である。プライマリ・ケア及び外来診療所は治療や継続的な管理と直接リンクする点で有利である。

【キーポイント6】
ハードエンドポイント(脳卒中/全身性塞栓症,死亡)によるスクリーニング戦略の大規模ランダム化比較試験が必要。RCTはガイドラインや全国規模のスクリーニング戦略のnエビデンス的裏付けとなる。

【まとめの図】
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$$$ 早朝散歩が非常に気持ちいい季節です。
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by dobashinaika | 2017-05-11 22:57 | 心房細動:診断 | Comments(0)

無症候性心房細動の24時間以上持続は脳卒中リスク増加と関連有り


疑問:無症候性心房細動がどのくらい続いたら脳塞栓リスクが増えるのか

方法:
・ASSERT試験登録患者2580人
・ペースメーカー,ICD,65歳以上の高血圧,心房細動なし
・虚血性脳卒中リスクにおける無症候性心房細動の影響をCoxモデルで評価
・6分以内の心房細動は除外
・追跡期間:2.5年

結果:
1)6分以上6時間以下:18.8%,6−24時間:6.9%,24時間以上10.7%

2)24時間以上持続群が引き続く虚血性脳卒中と有意に関聯あり:ハザード比3.24。95%CI1.51-6.95.p=0.003

3)6−24時間の持続と脳卒中リスクは関聯なし
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結論:無症候性心房細動の24時間以上の持続は脳卒中リスク増加と関聯あり

### ASSERT研究はペースメーカー,ICD患者の無症候性心房細動を追跡評価する研究で,主論文は既に発表されています。
無症候性心房細動はこうした方の約10%に起こり,心房細動がある人はない人の2.5倍の脳梗塞発症率とのことです。

ただし心房細動の持続時間と脳梗塞の頻度を比較したのはこれが初めてでした。
やはり短時間の心房細動であればほとんど脳梗塞は来さないとのことです。
以前発症48時間以内に除細動を施行した場合の脳塞栓率(抗凝固なし)も1%程度あるとの報告を読みましたが,こうした場合おそらく24時間以上続く例なのではないかと思われます。

反対に,数分とか数時間の心房細動であれば,抗凝固薬は必要ないともいえますので,ホルター心電図などで数分,数時間のものなら抗凝固はちょっと保留してもいいかもしれません。ただし無症候性はわからないから無症候性なので,無症候性ながら1回でも心房細動が見つかっている症例で抗凝固をどうしようか迷っている場合は,ホルター心電図を頻回に考える必要があるかもしれません。ループレコーダーなども今はありますが。

$$$ 今週の片手袋。ポスト上もよくあるタイプです。
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by dobashinaika | 2017-03-07 18:17 | 心房細動:診断 | Comments(0)

脳卒中発症時に初めて見つかる心房細動:Stroke誌

疑問:心房細動が脳卒中時発症時に診断されるのはどのくらいか?

方法:
・フラミンガムハート研究
・脳梗塞の既往がなく,初めて見つかった心房細動のある人を抽出
・脳卒中発症が心房細動発見当日か,発見前30日以内,90日以内,365日以内かを調査

結果:
1)1809人の住民のうち,心房細動発見1年以内の脳卒中は87人

2)脳卒中が心房細動発見と同日は1.7%,30日以内は3.4%,90日以内は3.7%,1年以内は4.8%

3)脳卒中は心房細動の最初の臨床症状だったのは10000人年中2〜5人

結論:心房細動を呈する脳卒中は稀だが,ある程度存在する。一般住民での心房細動スクリーニングは費用対効果からみても有用で,脳卒中発症率の改善にも寄与する。

### 登録研究参加期間に初めて心房細動が見つかった人(脳梗塞なし)1809人のうち,見つかる1年前以内に脳卒中を発症していた人は89人とのことです。この内発症当日心房細動だった人は1.7%とすると約30人となります。他の59人は脳卒中発症時は分からず,1年以内の間に心房細動がわかったことになります。この89人は,頻度的には初発心房細動の5%程度とは言え,脳卒中発症前に心房細動を見つけられた可能性があり。スクリーニングの価値は高いといえます。

普通の外来で脈を取る意味は大きいです。

by dobashinaika | 2017-02-03 19:09 | 心房細動:診断 | Comments(0)

新しい心房細動探知機MyDiagnostickを使うと1.1%の人に新たな心房細動が見つかる:Europace

Yield of screening for atrial fibrillation in primary care with a hand-held, single-lead electrocardiogram device during influenza vaccination
Europace http://dx.doi.org/10.1093/europace/euv426 euv426 First published online: 6 February 2016

疑問:新しいデバイスで心房細動をどの程度検出できるか

方法:
・オランダのプライマリーケアセッティング
・携帯用の単極デバイスMyDiagnostickを,インフルエンザワクチン接種者全員に使用
・デバイスで疑わしい患者は,専門医により1分間心電図施行

結果:
1)3269例,10施設,60歳以上または基礎疾患を持つ若年者

2)37例1,1%で新たな心房細動を検出

3)TIAの既往(OR 6.05; 95%CI 1.93–19.0),年齢(OR 1.09 per year; 95% CI 1.05–1.14)は新規検出の予測因子

4)新規検出37例中,CHA2DS2-VAScスコア0点が2.7%,1点18.9%,2点以上78.4%

5)大部分の患者で抗凝固薬が必要

結論:携帯型単極心電図デバイスはインフルエンザワクチン接種時の心房細動検出に有効。1.1%の新規患者が見つかる

### MyDiagnosticとはこんな感じです。
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https://www.mydiagnostick.com/

オムロンの携帯心電計や,アイホンアプリでも良いと思いますが,コレは持ちやすくより簡便な感じがします。
以前のブログで,65歳以上の外来患者全員の脈とりだけでも1.4%に新規が見つかるというデータを紹介しましたが,今回はワクチン接種時ですので,60歳以上または基礎疾患を持つ若年者が対象となっています。特に動悸などの自覚症状もない一般住民です。

そうした集団でも1%強に簡単なデバイスで心房細動が見つかってしまうということですね。しかも多くの場合抗凝固が必要。

これいくらくらいするのか,気になります。

$$$ 黄金伝説展,これは掛け値なしにすごかったです。紀元前,我々とは別次元の人類が生息していたのかと思わせるほどの超絶技巧。堪能いたしました。
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by dobashinaika | 2016-02-14 22:12 | 心房細動:診断 | Comments(0)

ケアネット更新しました:75~76歳の一般住民が2週間1日2回心電図を取れば3%で心房細動が見つかる

ケアネット連載 〜Dr. 小田倉の心房細動な日々~ダイジェスト版~更新いたしました。

今回は
「75~76歳の一般住民が2週間1日2回心電図を取れば3%で心房細動が見つかる」
スウェーデンのコホート研究で、高齢者だとかなり高い確率で無症候性心房細動が見つかるというものです。

普段のブログをほぼそのまま掲載させていただくため、心房細動の早期発見とは一見無関係な、抗凝固薬の適応について書いたりしています。よろしければご参照ください

http://www.carenet.com/series/afjournal/cg001089_0029.html?keiro=index
(要無料登録)
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by dobashinaika | 2015-05-27 23:07 | 心房細動:診断 | Comments(0)

75〜76歳の一般住民が2週間1日2回心電図を取れば3%で心房細動が見つかる:Circu誌

Mass Screening for Untreated Atrial Fibrillation: The STROKESTOP Study
Emma Svennberg et al
Circulation Published online before print April 24, 2015


背景:心電図を使った75−76歳の人への系統的なスクリーニングプログラムによる無治療心房細動の有病率を明らかにする。またそれらの人への抗凝固療法の意義を評価する

方法:
・スウェーデンの2つの地域の75〜76歳高齢者の半数対象
・事前に心房細動の診断なし
・2週間以上に渡り間欠的に心電図記録
・心房細動が認められた場合、経口抗凝固薬を勧められる

結果:
1)28ヶ月間で13331人に勧誘

2)7173人53.8%が参加

3)心房細動:218人3.0%(2.7〜3.5)

4)最初の心電図で心房細動あり:37人(全体の0.5%)

5)間欠的な心電図は新規心房細動の発見を4倍増やす

6)事前に心房細動が認められいていた人:666人9.3%

7)全心房細動:12.3%

8)事前に認められていた症例のうち抗凝固薬なし:149人2.4%

9)全参加者の5.1%は無治療心房細動

10)スクリーニングにより抗凝固薬を開始した人;3.7%

11)事前に診断されていない90%以上のひとが、抗凝固療法を承諾

結論:75〜76歳の人のマススクリーニングにおいては、かなりの割合で心房細動が見つかる。予防的脳卒中治療の開始は新たに同定された心房細動において高率に成功する。

### 「スウェーデンの75〜76歳の一般住民を、2週間に渡り時々心電図を取れば、新たに3%の人に心房細動が見つかる」というのが主旨です。
心電図はこのような感じで1日2回、親指をデバイスに当ててwebで送るようになっています。1回30秒記録できます。
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ついに「サイドー健診」が現実味を帯びてきましたね。これはオムロンの携帯心電計より簡単ですね。親指でいいので下着をめくる手間がありません。

それにしても3%とは多いです。75歳以上なので自動的にCHA2DS2-VAScスコア2点で欧州では抗凝固療法の適応になります。
新たに見つかった人の90%が抗凝固療法を選択というのもちょっと驚きです。無症状で、機械にたまたま親指を当てただけで脳卒中のリスクが大きいから血液サラサラ薬をの飲みましょうと言われても、日本で果たして90%以上のひとが抗凝固薬を納得して飲むでしょうか?

こうして飲んだ集団のアウトカムが知りたいところです。

私はどうしても、昨日の総合医セミナーで高名な救急医療の先生がプレゼンされた、「70代女性、軽度の交通事故後の骨盤骨折→その後死亡。NOAC服用中」というケースを思い出します。

プライマリ・ケア医の基本姿勢は安全優先、Do no harmだとすれば、抗凝固療法基本方針は以下で良いのだろうと思います。
1)CHADS2スコア2点以上にしっかり抗凝固療法を行う
2)1点以下は慎重に考える。
3)ワルファリンの扱いに習熟し、TTR70%以上(おおよそ7割以上の採血でINRが標準範囲)を保てる場合はワルファリン
4)ワルファリンに自信のない場合NOACだが、そういう医師は導入時できれば信頼できる専門医に紹介


実際はこの「信頼できる専門医」がミソかもしれません。実は、抗凝固療法への習熟度は専門医の間でも千差万別です。

抗凝固薬の選択は「エビデンス」「患者の好み」「環境、周囲の状況」「医師の専門性」のブレンドと拙著にも書いていますが、実際は「医師の専門性」というか「治療法への習熟度」あるいは「医師の事情」が一番大きなファクターかも知れません。院内処方の診療所ではまずもって一種類くらいしかNOACを揃えられないし、まだまだNOACはプライマリ・ケア医が安易に処方しなくて良い薬ではないかと思います。

$$$ 大阪出張時、仙台空港で見た大友克洋の復興レリーフ。風神雷神というより、光琳の紅白梅図の濁流に金太郎が波乗りしているようなイメージに見えました。
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by dobashinaika | 2015-04-27 22:23 | 心房細動:診断 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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プライマリ・ケア医のための心房細動入門

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治療 2015年 04 月号 [雑誌]

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ケアリング―倫理と道徳の教育 女性の観点から


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