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カテゴリ:心房細動診療:根本原理( 59 )

2012年心房細動関連論文ベスト5+α

今年も恒例の「今年の心房細動関連論文ベスト5」をお届けいたします。
じつは、すでにNikkei Medical Cadetto2012年冬号の「2012冬論文コレクション」で同様記事を掲載させていただいておりますが、同誌では一部昨年の論文も含まれておりますので若干手を加えてみたいと思います。
選択基準は,いつも通り「自分の診療において行動変容を促されたか」です。

第5位:抗血栓薬服用者に対する消化器内視鏡診療ガイドライン.日本消化器内視鏡学会雑誌
Vol. 54 (2012) No. 7 p. 2075-2102
7月に出た、日本消化器内視鏡学会の抗血栓薬服用者に対する内視鏡のガイドライン。ワーファリン休薬なしで生検は可能としたところが画期的でした。既に仙台市内の大きな病院の消化器科からは、ガイドライン通りにします旨の案内が届いています。ヘパリンブリッジや、2回胃カメラを受ける必要がないことは、患者さんにとって福音ですが、一方、エビデンズレベル、推奨レベルとも低く、コンセンサス重視のガイドラインであることはふまえるべきです。

第4位:Dabigatran in Clinical Practice for Atrial Fibrillation With Special Reference to Activated Partial Thromboplastin Time.
山下先生のグループのダビガトランにおけるaPTTチェックの妥当性を検証した論文。これによって、ダビガトランの使い方に一応一定の安心を持つことができました。今後の知の集積の礎になる知見と思います。

第3位:The value of the CHA2DS2-VASc score for refining stroke risk stratification in patients with atrial fibrillation with a CHADS2 score 0–1: A nationwide cohort study. Thrombosis and Haemostasis 2012: 107/6 (June) 1172-1179
コペンハーゲンのグループの大規模コホート研究。ESCガイドラインのネタ。CHA2DS2-VAScスコアの低スコアの取り扱いを比較的明確に示した論文です。個人的には60代後半女性というだけでワーファリンを出すのは未だに気後れする気もしますけれども。例えば65歳と、74歳ではかなり違うかとも思いますが.そこはスコアリングの限界ということで理解しています。

第2位:Nurse-led care vs. usual care for patients with atrial fibrillation: results of a randomized trial of integrated chronic care vs. routine clinical care in ambulatory patients with atrial fibrillation. Eur Heart J (2012) 33 (21): 2692-2699.
看護師主導ケアによるワーファリン管理で、心血管イベントなどアウトカムが改善したという研究.これほんとそうですよね。結局チャズだCHA2DS2だバスクだリライだなんだと言ったって、きちんと飲むこと、きちんと生活習慣病を管理することをしてなんぼですので。それも多職種共同でしないといけません.これからは。

第1位:2012 focused update of the ESC Guidelines for the management of atrial fibrillation
An update of the 2010 ESC Guidelines for the management of atrial fibrillation
Developed with the special contribution of the European Heart Rhythm Association
Eur Heart J (2012) 33 (21): 2719-2747.

月並みな結果ですが、やはりESCのガイドラインです.65歳以上では皆脈を取れ、CHA2DS2-VAScスコア0点は抗凝固療法をするな。アスピリンはもう要らない。。。非常に明快でストレートなメッセージです。新規抗凝固薬礼賛なのは気になりますが、リアルワールドをガイドラインは牽引する,そんなパワーを感じました。

この他にも
抗凝固薬は高齢者の転倒リスクを増加させないとの研究
左心耳の形状と脳塞栓率の関係を検討した研究
大規模コホートでリズムコントロールの優位性を示した研究
心房細動カテーテルアブレーション6年間の長期追跡研究
ジギタリスが予後悪化に関連ありとするAFFIRMのサブ解析

等が印象に残りました。
今年は、新規抗凝固薬が2種類となり、それなりに知の集積がなされてきつつも、いまだ過渡期であることを皆が改めて実感してきた時代の前半、くらいの位置づけなのかという感じです。私としては、今後次の2つのことが心房細動治療のミッションになって行く気がしています。
1.無症候性(患者医療者ともに認知していない)あるいは“隠れ“(患者は認知しているが医療者に認知されていない)心房細動へのアプローチ研究
2.80歳以上高齢者への抗凝固療法

特に2は、最近再三ブログで述べていますが、今後数年でとてつもなく増える超高齢者のことを考えないでどうする、という思いがあります。この層をカバーし得る新規抗凝固薬は出てくるのでしょうか?やっぱりワーファリンは生き残るのでしょうか?

と問題提起しつつ、今年も一応締めとさせていただきます(あしたも論文紹介するかもしれませんがw)。個人的にはオンラインサイトの連載、雑誌の抗凝固療法の企画、web講演会、教科書等の執筆等々公に露出する機会が増えましたが、じぶんとしては、本ブログでだいたいコンスタントに1日1000アクセス以上いただけるようになったことが最もうれしいことです。ずれていることも多々書き散らしたかと思いますが、今後とも皆様、ご批判ご愛顧のほどなにとぞよろしくお願い申し上げます。
by dobashinaika | 2012-12-27 22:42 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

日経メディカルオンライン連載「プライマリケア医のための心房細動入門」第2回がアップされました。

日経メディカルオンラインに連載させていただいております「プライマリケア医のための心房細動入門」の第2回が本日よりアップされております。


今回のテーマは「初診の心房細動患者、まずどんな情報を集めるべき?」です。
http://medical.nikkeibp.co.jp/inc/all/series/odakura/


ご参考いただければ幸いです。

なお全文を読むには登録(無料)が必要です。
by dobashinaika | 2012-05-07 08:18 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

心房細動患者の予後を改善する看護師主導ケアの内容(続報)

先日ご紹介して、ツイッターその他でも反響のありました「心房細動患者における看護師主導ケア」について論文の詳細を読みましたので紹介します。

Nurse-led care vs. usual care for patients with atrial fibrillation: results of a randomized trial of integrated chronic care vs. routine clinical care in ambulatory patients with atrial fibrillation

【看護師主導ケアとは】
・患者への問診を取り、病態生理と症状、合併症、診断結果、治療オプションを説明
・専用ソフト「CardioConsult AF」を用いて心房細動の包括的管理と合併症につき案内する
・このソフトは個々の患者の症状、心房細動のタイプ、脳卒中リスクに基づいて患者プロファイルを特定し、より適切な管理法を提案する
・リスムコントロールとレートコントロール、厳格な抗凝固管理を含む予防的血管治療などを患者に教える
・最後に医師の総括を得て診断治療が保証される
・ナースケアは最後の30分に設定されている
・3,6,12ヶ月後とその後6ヶ月に1回
・患者はナースに必要に応じて電話などでコンタクトが取れる
・患者はこの間心理的サポートと教育を受ける

【通常ケア】
・医師のみ、初回20分、次回から10分

【サロゲート】
・初回診察後の適切な抗凝固療法(看護師ケアvs. 通常ケア);99%vs,83%
・甲状腺機能検査:91%vs.54%
・適切なレートコントロール(症状なしの人にしない):95%vs.85%
・禁忌の患者に抗不整脈薬を処方しない:87%vs.82%
・永続性心房細動に処方しない:97%vs.92%
・心不全についての知識レベルスコアは看護師主導ケアで大
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###看護師主導ケアにより、ガイドライン遵守アドヒアランスが良くなり、主要アウトカムが改善することがわかります。

上記ナースの仕事は、日本での医師の仕事とほぼ同等であり、非常に専門性の高い内容と思われます。Nurse Practitionerと医師の境界線がよく話題になりますが、ナースが上記のように専門的に問診と患者教育を行い、医師が補完統括するダブルケアあるいはマルチプルケアの体制、つまり、多数回の違う職種によりケアを重層化されていくことが、アウトカムを高めるのであり、線引き問題に帰すべきものではないと思います。

それにしてもこの「CardioConsult AF」というソフトの日本語版、欲しいですね。

それからこういったpatient-centeredな論文をメジャー医学雑誌に掲載するところはさすが欧州心臓学会だと思います。
by dobashinaika | 2012-04-12 23:57 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

看護師主導ケアは心房細動患者の予後を改善させる:Eur Heart J誌より

European Heart Journal 3月27日オンライン版より

Nurse-led care vs. usual care for patients with atrial fibrillation: results of a randomized trial of integrated chronic care vs. routine clinical care in ambulatory patients with atrial fibrillation

心房細動の外来患者に対する看護師主導ケアと通常のケアを比較した無作為割り付け研究

P:外来心房細動患者712名

E:看護師主導ケア356名=ガイドラインに基づき、循環器専門医が監修した統合ソフトウエアを用いたもの

C:通常のケア356名

O:心血管イベント、心血管死(一次エンドポイント)、ガイドラインの順守

T:22か月追跡

結果:
1)ガイドライン順守は看護師ケア群で有意に高い

2)一次エンドポイント:看護師主導群14.3% vs. 通常群20.8%[ハザード比: 0.65; 0.45–0.93; P= 0.017]

3)心血管死:看護師主導群1.1% vs. 通常群3.9%[ハザード比: 0.28; 0.09–0.85; P= 0.025]

4)心血管疾患による入院:看護師主導群13.5% vs. 通常群19.1%[ハザード比: 0.66; 0.46–0.96; P= 0.029].

結論:看護師主導ケアは、循環器専門医による通常のケアより入院率、生存率においてすぐれていた。

###こういう研究は素晴らしいと思います。ナース主導ケアでおそらく、ワーファリン服用アドヒアランスや血圧管理が向上したためと思われます。当院でも同様の研究を以前発表していますが、心血管イベントの様な主要アウトカムまでは変化がありませんでした。一方ワーファリンによる小出血や患者満足度は向上ました。

すぐに全文を入手して、INR管理の状況その他サロゲートマーカーについても知りたいと思います。また実際どういうケアをしたのか詳細がわかったら、またアップいたします。

医学論文、学会発表、医学雑誌の記事に至るまで薬物療法に関する医学的言説をながめると、薬理作用とカプランマイヤーエビデンスの蓄積に膨大なエネルギーが費やされているわけですが、こういったいわばこっち側(医療者側)の事情にいくら多くの時間労力を費やしても、患者さんが薬を飲んでくれなければ、それまでのディスカッションはむなしいものとなります。たくさんの品物を並べても、お客さんが入らないお店と同じように。

膨大なる薬理+エビの知識をどう患者行動に結びつけるか、にわれわれはもっとエネルギーを配分してもよいのではないかと、こうした研究を見るにつけ思います。
by dobashinaika | 2012-04-10 16:26 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

日経メディカルオンラインで、「プライマリケア医のための心房細動入門」の連載が始まりました。

今月から、日経メディカルオンラインで連載を始めさせていただくことになりました。
テーマは「プライマリケア医のための心房細動入門」です。

http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/series/odakura/201204/524190.html
(全文を読むには会員登録が必要です)

あくまでプライマリケアの立場から、心房細動という古くて新しい病気を捉え直したいと思って書くことにしました。

現在、心房細動がコモンディジーズとして捉え直されるようになってきていますが、抗凝固療法に限らず、この病気の、病態生理における「とっつきにくいイメージ(不整脈全般が持っていますが)」や全体としてなんとなく「怖いイメージ」が、プライマリケア医の中に密かに存在するのも事実です。

こうした状況にあっては、エキスパートとプライマリとの橋渡し役、あるいは一種のtranslation作業が必要であるとかねがね考えておりました。

大変おこがましい限りですが、僭越ながら、その作業の一貫として、こちらのブログは、日々流れさる新着論文の濁流を少しでもせき止める作業、新連載はせき止めた流れをカテゴリー分けして清流にする作業と位置づけようと思います。

このような場を与えていただいたことを光栄に思い、今後月1ペースくらいで連載させていただくつもりですので、何卒ご笑覧の上、ご意見をいただければ幸いに存じます。

あと、もうひとつの重要な作業、医師→患者へのtranslation作業も、今後していけたらいいとも思っています。

追伸;上記作業、エキスパートープライマリでも、患者ー医師でも”translation”というより”collaboration”といういべき(あるいはそう目指すべき)かもですね。
by dobashinaika | 2012-04-05 16:57 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

当院における取り組みを論文にしました「患者ナラティブを重視した診療所での心房細動外来診療 」

「心電図」Vol31, No.2より

患者ナラティブを重視した診療所での心房細動外来診療
―傾聴と支援を主眼とする外来の実践を通して―
心電図,2011;31:127 〜 133


昨年、大分で開催された第27回日本心電学会学術集会シンポジウムで発表した内容の拙文です。学会ホームページに掲載されているのでリンクを貼らさせていただきました。

よく60分も外来にかけられないとお叱りを受けますが、最近はスタッフも慣れてきてかなり時間短縮ができるようになっています。
心理カウンセリングでも良く言われることですが、初回にじっくり時間をかけると、後がスムーズであると言うのが基本コンセプトです。

ご笑覧いただければ幸いに存じます。
by dobashinaika | 2011-09-04 23:02 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

心房細動とともに生きるー心房細動の患者さんには心理教育プログラムの開発が必要

Journal of Cardivascular Nursing 1月21日付けオンライン版からです。
Living With Atrial Fibrillation: A Qualitative Study.

背景、目的:心房細動は脳卒中、心筋症、QOL低下に関連して社会的な健康問題となっている。身体機能や精神活動に支障を来すことは知られているが、それらの元をなす患者の体験(談)についてはあまり知られていない。心房細動とともに生きるという患者の体験(談)に対する理解は、質的記述研究におけるQOL改善への介入研究の基礎となると考えられる、

方法:
・ 対照:繰り返す症候性心房細動を持つ7人の女性と8人の男性。平均59.8歳
・ オープンエンドインタビューを施行
・ 質的記述的方法でデータを解析

結果:
1)繰り返す心房細動を生きるという経験や心房細動がどのようにQOLを損ねるかという観点からデータがカテゴライズされた。
2)カテゴリーは以下の7項目からなる:(1)症状の意味の発見(2)わからない(教えてくれない)、支えがないという感覚(3)転換点(4)心房細動をやり過ごす操縦法(5)予測できないそして身体機能を制限させる症状の管理(6)精神的苦痛(7)治療への希望のために緩和されたことによる心房細動との折り合い付け
3)参加者は、医療者等による診断と、(医療者が)彼らの心配を最小限にすることとの間にはディレイがあると感じていた。
4)参加者は、心房細動の特性や自己管理についてカウンセリングを受けてはいなかった。

結論:心房細動の精神的負担への対処は欠落していた。心房細動の症状の認識を高めたり、早めの評価と治療を促したりするような介入が必要であった。心房細動の特性を患者さんや家族に教え、自己管理をガイドし、精神的負担を軽減するような心理教育的プログラムの開発と試行が必要である。

###まさに当院で実践している心房細動外来(第27回日本心電学会学術集会シンポジウム発表)の精神に同調する研究です。7つのカテゴリーはどれも心房細動患者さんにとっての切実な体験から引き出されたもので、「転換点」「心房細動度の折り合い付け(調停または共存)」など、診察室の日々の診療の中で患者さんの言葉から繰り出されて来るものだと思います。
“Living with atrial fibrillation”,この題名もいいですね。
by dobashinaika | 2011-01-26 21:50 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

心房細動診療の基本コンセプト(2)

前回は、開業医として、common diseaseを多く診ているものとして、他のcommon diseaseとの比較という視点をもとに、心房細動の特徴を4点ほど挙げました。つまり1)段階的進行性を有する慢性疾患 2)リスクでありリスク因子である 3)治療オプションが比較的多い 4)意思決定場面が多い、ということです。

【EBM,NBMの不可能性】

さて、今やEBMは聴診器と同じように、診察室に浸透したかのようにも見えます。また一方で一見EBMへのアンチテーゼのよう中たちで焦点が当てられ、今や糖尿病初め多くのcommon disease診療の、メジャーな方法論となっているナラティブアプローチ、あるいはbio-psycho-social(BPS) モデルがあります。EBM,NBMともに臨床上欠かせない姿勢であり、本来対立軸で扱うべきものではありません。

EBM,NBMのバランスをとりながら目の間の患者にあたれ、EBMではすくいとれない患者の物語に焦点を当てよ、云々。私も、そうした言説にはなるほどと思って両者の両立、両者の追求に心がけようとした時期もありました、いや、今でもそうした姿勢は大切だと思います。しかし開業医を7年もやってみると、どちらの方法論も自分に今ひとつしっくりこない、どちらにも不十分でどっちつかずで、常に自分の診療に不満が残る毎日、という感じになってきました。考えてみれば、どんな方法論も限界のないものなどあり得ない、方法論に完璧なものを求めても無理な話しです。EBM,NBM双方とも世界を型にはめる、切り取る一つの方法ですから、型にはまらない何者かがこぼれ落ちるのは当然です。EBMの限界は言わずもがな、マスを対象とした形式知を個に当てはめるという原理的に不可能性を帯びた営みです。ナラティブアプローチも患者=他者の内面をあらかじめ「確固としたもの」としてとらえる、そして引き出すという不可能性に満ちた行為に思えます。これらはいずれも、世界を、そして他者を確固たるもの、主体性のあるものとしてとらえる方法であり、やはりあくまで西洋的、モダン的な視点であると思うのです。

まあ、そんなに原理的に考えると疲れるだけなんですが、哲学少年だった私としては(笑)、不可能性、限界を知りつつ適当にブレンドと妥協を繰り返しながらやっていくことに我慢ならない感じがしていました。

それから、今の日本の診療所外来で、BPSモデルがなかなかフィットしない場合もあります。こちらの熟練度が足りないのかもしれませんが、やっぱり患者さんの解釈モデルを引き出したり、ストーリーを聞き出したりするには時間がかかりますし、時間的物理的に制約があることは否めません。
ということで、EBM,NBMともその精神は重々理解したつもりではいても、プラクティカルなレベルでなかなか私の立脚点にはなり得ませんでした。

【リスクマネジメントとしての心房細動診療】

一方、こと心房細動診療の場合、上記のような特徴を考えるにつれて、プラクティカルな方法論として、一つのキーワードが浮かび上がってきました。それは「リスクマネジメント」です。今更、とか、陳腐な、という印象を受ける方もあるかと思います。しかし“リスクであると同時にリスク因子である”“意思決定がものを言う”という側面を見た場合、リスク因子としての心房細動を管理する、または心房細動というリスクを起こさないように管理するという感覚は生きます。

リスクとはそもそも何でしょうか?様々な定義がありますが、社会学者ルーマンは、リスクとは、何事かを選択したときに、それに伴って生じると認知された-不確実な-損害のことである、と言っています。つまり何事かを選択したとき、あるいは意思決定をしたとき、初めてリスクが生じるのです。例えば脳塞栓は、心房細動における最大のリスクですが、選択する、しないの有無にかかわらず生じる可能性がある訳で、その意味では疾患というもの自体、ルーマンの言う意味でのリスクとは言えないかもしれません。しかしながら現代に生きるわれわれには抗凝固薬を服用するという選択肢を無視することはできません。脳塞栓リスクは、抗凝固薬を服用するかしないかという選択ののちに、改めてわれわれの前にのしかかるのです。それが医療化の枠内に生きるわれわれの今日的な意味でのリスクです。意思決定場面の多い心房細動診療において、リスクとしてとらえるという視点は、この意味からも親和性が高いものと言えます。

【リスクマネジメントの手順】

リスクマネジメントと一口に言っても、災害の分野、環境の分野、高度技術の分野、経済金融の分野等々、それそれのフィールドにおいてそのアプローチ法は様々です。しかし元々経営学に端を発する「リスク管理」の発想の根本手順は一定のフォーマットに乗っ取ったものです。シンプルさを優先することが許されるのであれば、リスクマネジメントは次の4つのステップで考えるとわかりやすいと思います。
1)リスク識別:心房細動があることによって生じるリスクは何なのか。心房細動があるとなにが都合悪いのかを同定、発見し、把握すること。
2)リスク評価(いわゆるリスクアセスメント):1)で洗い出したリスクが、具体的にどの程度のリスクなのか、そのリスクの質を主にリスクが生じることによるインパクトと確率の両面から評価する作業。EBMが最も活躍する場面。
3)リスク対応=意思決定:2)で評価した結果をもとに、優先順位を明確にした上で、それらに対する対策を策定し実行する。患者さんに、評価したリスクを伝え、意思決定を行い実行する段階です。
4)フィードバック:上記3つのステップが終了後、それらの手法が十分は効果をもたらし、目的が達成できたのかを確認、見直しする作業。

以上は、医療にも応用できる、リスクマネジメントの一般的な作業工程ですが、これらを円滑に遂行するために、これら作業工程の根底に流れるべき大切なコンセプトがあります。それは「リスクコミュニケーション」です。医療者側はEBMや経験則に基づいて、ある程度客観的と考えられるリスク評価を行っています。それをどのように患者さんに伝えるのか。どのような伝え方が効果的であるのか、一方、患者さんは今あるリスクをどのようにとらえているのか、リスク認知にゆがみはないのかを検討します。リスク認知心理学のノウハウを知る必要が生じます。

最後にリスク「マネジメント」という言葉についてです。マネジメントというとどうしても管理する、医療者が患者を管理するというイメージを持つかもしれません。私のイメージはそうではなく、患者さんも自らリスクをマネージするのだという感覚を持ってもらうということです。心房細動に対し、リスクマネジメントという認識を患者、医療者ともに共有し、しかも両者の共同作業であるととらえる。そうできれば良好な患者ー医療者関係が築けるのではないかと思います。

次からはそれぞれの工程の各論を述べてみたいと思います。
by dobashinaika | 2011-01-10 17:58 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

心房細動診療の基本コンセプト(1)

年末年始、そしてこの連休、どこも行くあてもなかったので、家の中でひたすらオペラなど聴きながら、だらだらと文章書きに専念しました。臨床医を20年以上もやっておりますと、自分の中のカオス的なものがある程度の型に修練してくる状況が訪れます。型にはまるということはそこからこぼれ落ちる、大切かもしれない塵芥を捨て去ることでもあります。そうした危惧を感じつつ、
長年不整脈診療、心房細動診療に携わってきたものとして、そして曲がりなりにも「心房細動な日々」などと言う名のブログを運営しているものとして、私なりに心房細動診療の基本的な理解の仕方について述べることにいたします。

【心房細動という病気の特徴】

心房細動を理解する上で、医療者側から見た「疾患」としても、また患者側から見た「病い」としても、最も大きな特徴は、その経過が長期にわたり、かつ根本治癒の可能性の(今のところ)少ないいわゆる「慢性疾患」であるということです。もちろん、心房細動はある時期、人々に動悸発作という不快な症状をもたらす急性期疾患の側面もあります。しかしながら、そうした発作を繰り返しながら、多くの患者さんは数年、数十年という期間、この病気とつきあっていきます。われわれ医療者も、外来で長年にわたり患者さんとおつきあいしていくことになります。その意味では、高血圧、糖尿症、脂質異常症といった生活習慣病や、各種神経疾患、骨粗鬆症、認知症といった、ジェネラリストが外来でよく見ているcommon diseaseと同じ範疇の病気ということができます。

さて、しかしながらもう少し心房細動という病気を考えたとき、他の生活習慣病などと異なる特徴がいくつかあることに気づきます。
第一に、病態生理、あるいは疾患としての時間軸という観点からの特徴として心房細動は長期的かつ段階的に進行する疾患であるということが挙げられます。心房細動の病態生理の根本はリモデリングです。肺静脈起源の巣状興奮から発作性心房細動が生じ、頻回になることで心房筋の不応期が短縮し、複数興奮波リエントリーが可能となり(電気的リモデリング)、次第に心房筋の肥大、繊維化といったいわゆる構造的リモデリングに移行するタイムコースです。これを心電図所見という視点からとらえた場合、初発心房細動→発作性→持続性→長期持続性→永続性という段階的に進行する様相を呈することになります。こうした時間軸を基準とした段階的進行性という特徴は他の疾患、例えばCKDや認知症、各種のがんでもみられますが、高血圧、糖尿症、脂質異常症などの生活習慣病にはみられない点です。

次に、病因あるいはリスクという観点から見た場合、心房細動は、それ自体がリスクであると同時に他の疾患のリスク因子であるということが挙げられます。心房細動発作は患者さんにとって苦痛ですから、それ自体ひとのからだにとって一つのリスクです。しかしそれと同時に、脳塞栓、心不全といった他の大きなイベントの原因の一つ、いわゆるリスク因子としての顔も持っています。リスクであると同時にリスク因子でもある、こうした二面性のある病気は、他の生活習慣病ではあまり見かけません。生活習慣病とはそれ自体はあまり症状を生じさせない一方で、将来の脳心血管病のリスク因子となっているという側面の強い疾患群です。一方、心房細動もそれ自体が将来の脳塞栓症や心不全のリスク因子ではあるのですが、発作のとき患者さんの症状が強いとか、心電図上脈が不整であるといった、いわば短期的なリスクに目を奪われがちなため、他の大イベントのリスク因子であるという側面が見逃されがちです。しかし患者さんと外来で長い付き合いをしていく上では、リスク因子の一つとしての心房細動という視点も、非常に大事なります。心房細動を持つ人は、多くの場合上記のような他の慢性疾患も抱えています。大イベント回避を治療の主眼に置くのであれば、心房細動のみを診療していても意味はありません。なぜなら大イベントは心房細動という単一の事象を原因としないからです。言うまでもなく大イベントは多数の原因が複雑に絡み合った結果として生じるものです。大イベントとしての脳梗塞、心不全はその人の年齢、血圧、血糖、脂質、心機能、喫煙、生活上のストレス等々様々な因子が複雑に絡み合い、相互に影響し合いながら最終的な破綻を来す帰結点です。大イベント回避を主目的とするのであれば、心房細動だけ管理してもかなり不十分です。他の因子、血圧、血糖、脂質、喫煙習慣、ストレス等も同時に目を配らなければなりません。昨今医療のどの分野においても、全人的医療の重要性が指摘されており、目先の脈不整、目先の心房細動よりも、「心房細動の人」を見るという視点が強調されるようになっています。患者さんと長くつきあい、胸部症状以外のさまざまな問題、訴えに日々遭遇するジェネラリストにとっては、実はそんなことはいわれなくても自明のことかもしれません。私は、この視点をさらに押し進めて、心房細動なんてあくまで大イベントリスク因子のone of themであるという視点、すなわち「心房細動もある人」を見るという視点を強調しておきたいと思います。

第三に、治療という観点から見た場合、心房細動は治療オプションの豊富な病気であるということができます。それは多分に上記の、リスクでありリスク因子であるという二面性と関係があります。治療戦略として、まず短期リスクとしての発作をコントロールするとうい観点からいわゆるダウンストリーム治療としての抗不整脈薬あるいはレートコントロール薬があります。またそうした症状を根本から断ち切る方法としてカテーテルアブレーションも、今日十分考慮されるオプションです。さらに近年では、心房細動の元々の上流である神経体液性因子を抑制して、心房細動そのものものの発生を抑える、いわゆるアップストリーム治療の概念も重視されてきています(近年急に劣勢の感じはありませうが)。そして上記大イベントのうちの脳塞栓を予防するために、段階的進行あるいは不整脈管理とは無関係に、抗凝固療法というオプションが存在します。これに対し、他の生活習慣病治療では、糖尿病においてはインスリン治療という大きなオプションがありますが、その他の疾患では、生活指導を中心としたライフスタイルの是正と薬物療法という大きな2つの柱があるにすぎません。むしろ心房細動治療の持つこうした選択肢の多様性は、化学療法、放射線療法、手術療法、免疫療法そして対症療法など様々なオプションを病期と照らし合わせ、組み合わせながら治療していくがん治療にある意味似ているかもしれません。

最後に、上記の3つの特徴にこれも密接に関係しますが、患者—医師関係という観点で見た場合、心房細動治療は他の生活習慣病と比べて、治療法選択の意思決定場面が多いという点が挙げられます。第一の特徴で挙げたように心房細動は発作の頻度や持続時間の増加というかたちで段階的に進行しますので、特にダウンストリーム治療において、抗不整脈薬をいつ開始すべきか、屯用にすべきか定期服用にすべきか、抗不整脈薬を中止してレートコントロールのみにすべきか、あるいはカテーテルアブレーションに踏み切るべきか、といった様々な段階での意思決定が要求されます。またその他にも抗凝固療法をいつから開始すべきか、どの時期から心房細動の予防を目指してアップストリーム治療を始めるのか、といった重要な意思決定懸案事項が山積みです。それに比べて糖尿病、高血圧、脂質異常症の管理において、われわれはライフスタイルをいかに変化させるか、患者さんの行動変容をいかに促すかといったことの方に、主に腐心しているといえると思います(もちろん心房細動以外のリスク因子管理としてそれも心房細動治療の一環といえますが)。その時の感覚は、徐々に患者さんの意識を変えていこう、行動を変えていこうという割りとのんびりまったりした流れの中で行われているはずです。それに対して、意思決定という行為は、患者にも医療者にもその治療オプションをするか、しないかという二者択一を迫る、ある意味緊張を伴う作業です。こうした緊張作業が、病気の進行とともに次々に立ちはだかっているというのが、心房細動治療の大きな特徴といえます。しかも今見たように、多くの場合その治療を「いつ」するべきなのか、治療の時期についての意思決定がほとんどです。例えば高血圧治療においてももちろん、いつから投薬を開始すべきか、いつから薬を追加するかと言った時期選択はなされます。しかしながら高血圧治療においては高血圧の進行に伴った、病期ごとの意思決定という概念はありません。またこのとき高血圧や糖尿病診療で問題となるのは、どの薬を使うかとった治療薬の種類についての意思決定にわれわれの関心が注がれやすい側面があります。心房細動治療でももちろんどんな抗不整脈薬を使うか、レートコントロール薬を使うかという点は大切ですが、それ以上にいつその治療に踏み切るかにわれわれの労力が注がれる傾向があるというのが実情でしょう。

以上、様々な側面から心房細動という病気の特徴を述べましたが、まとめると以下の4つとなります。

1)心房細動は段階的に進行する慢性疾患である
2)心房細動は、リスクであると同時に脳塞栓や心不全と言った生命予後に関わる大イベントのリスク因子である
3)心房細動治療においては、他の生活習慣病等に比べて治療オプションが豊富である
4)心房細動治療においては、患者—医師間で意思決定を迫る場面が多い

こうした特徴をふまえて、ではわれわれは心房細動診療を実際にどう行っていったらよいのか。上記の特徴、特に2、4)をふまえて浮かび上がるキーワード、それは「リスクマネジメント」です。次からはこの「リスクマネジメントとしての心房細動治療」というコンセプトについて述べてみたいと思います。
by dobashinaika | 2011-01-09 18:05 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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