カテゴリ:心房細動診療:根本原理( 56 )

日経メディカルオンライン連載:「プライマリ・ケア医のための心房細動入門リターンズ」 開始いたしました。

日経メディカルオンラインで4年前まで執筆させていただきました,「プライマリ・ケア医のための心房細動入門」ですが,このほど「プライマリ・ケア医のための心房細動入門リターンズ」,つまり「帰ってきた心房細動」として再開させていただくことになりました。

前回から4年が過ぎて,もう心房細動のネタもなかなかないと思ったのですが,考えてみるとNOAC狂騒曲が終演を迎えた今,じっくり考えたいこともまだあるなと思い返し,再開するに至りました。

今回は,心房細動を軸にもう少し広い範囲の循環器診療,医療全般について脱構築できればと思っています。

月1回ペースで書いていきますので,ご期待いただければ幸いです。

初回は,心房細動診療の根本姿勢について考えています。


by dobashinaika | 2018-05-30 19:23 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

米国循環器学会(ACC)による心房細動の医師教育用スライドセット(日本語)

香坂俊先生@sk2798からご教示頂きました,米国循環器学会(ACC)による心房細動の医師教育用スライドセットです。
日本心臓病学会がプライマリケア医のためのワークショップとして作成したものと思われますが,これが非常に秀逸です。
心房細動の管理についてこのスライドで一通り学ぶことができます。左心耳血栓の動画などもついていて至れり尽くせり。私も利用しようと思います。


$$$
恒例のどんと祭,お清めして参りました。
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by dobashinaika | 2018-01-14 20:55 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

2017年 心房細動関連ガイドライン/総説まとめ

昨日に引き続き,2017年年間ベストです。

今回は,論文ではなく,ガイドラインまたは総説です。

今回は順位付けなく順不同です。

ついでに,心房細動以外の循環器領域で,大変参考になる,あるいは目についた論文/ガイドラインを3つほど挙げました。ご参考になれば幸いです。


#ガイドライン/総説


・心房細動管理の統合的アプローチ法=ABCパスウェイ


The ABC pathway: an integrated approach to improve AF managementNature Reviews Cardiology(2017)doi:10.1038/nrcardio.2017.153

よくいわれるように「Avoid stroke:脳卒中予防」「Better symptom management:症状の管理」「Cardiovascular and comorbidity:リスク因子の管理」の3本立てです。

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・心房細動スクリーニングに関する6つのキーポイント


Screening for Atrial Fibrillation:A Report of the AF-SCREEN International Collaboration Circulation. 2017;135:1851-1867

だれに,どこで,どのように,の観点から上手にまとめられています。

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・抗凝固薬の適応と使い分けのシンプルなアルゴリズム:


Stroke prevention in Atrial Fibrillation Gregory Y. H. LipEur Heart J (2017) 38 (1): 4-5. DOI:https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehw584

当ブログでも何回か取り上げた,CHA2DS2-VAScスコアとSAMe-TT2R2スコアを組み合わせたシンプルなモデルです。

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・抗凝固薬の出血管理に関するACCのコンセンサス文書


2017 ACC Expert Consensus Decision Pathway on Management of Bleeding in Patients on Oral AnticoagulantsA Report of the American College of Cardiology Task Force on Expert Consensus Decision PathwaysJACC DOI: 10.1016/j.jacc.2017.09.1085

1)出血の評価と重症度判定,2)出血の管理・コントロール,3)抗凝固薬の再開とその時期の決定 の3ステップでまとまっています。

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・ACCによる周術期の抗凝固療法に関する意思決定パスウェイ:ヘパリンブリッジの適応は超限定的


2017 ACC Expert Consensus Decision Pathway for Periprocedural Management of Anticoagulation in Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation A Report of the American College of Cardiology Clinical Expert Consensus Document Task Force Journal of the American College of Cardiology DOI: 10.1016/j.jacc.2016.11.024

ヘパリンブリッジングは,今後限られた症例でおこなわれることになるのでしょうか?

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・抗凝固薬+抗血小板薬併用療法の新しいガESCイドライン


2017 ESC focused update on dual antiplatelet therapy in coronary artery disease developed in collaboration with EACTS: The Task Force for dual antiplatelet therapy in coronary artery disease of the European Society of Cardiology (ESC) and of the European Association for Cardio-Thoracic Surgery (EACTS) European Heart Journal, ehx419, https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehx419


基本としては

1)トリプル1ヶ月→デュアル12ヶ月まで→OACのみ,が中心にあり

2)梗塞高リスクならトリプル6ヶ月→デュアル12ヶ月まで→OACのみ

3)出血高リスクならトリプルなしにデュアル12ヶ月→OACのみ

となっています。

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# 循環器(不整脈以外)で参考になったもの,話題になったもの


・2017年版失神患者の評価と管理に関するガイドライン(米国):JACC誌

2017 ACC/AHA/HRS Guideline for the Evaluation and Management of Patients With Syncope: A Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines, and the Heart Rhythm Society. J Am Coll Cardiol 2017;Mar 9:[Epub ahead of print]


・COMPASS試験

Rivaroxaban With or Without Aspirin in Stable Cardiovascular DiseaseN Engl J Med. 2017 Aug 27. doi: 10.1056/NEJMoa1709118


・2017米国高血圧ガイドライン

2017 ACC/AHA/AAPA/ABC/ACPM/AGS/APhA/ASH/ASPC/NMA/PCNA Guideline for the Prevention, Detection, Evaluation, and Management of High Blood Pressure in AdultsA Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Clinical Practice Guidelines





by dobashinaika | 2018-01-09 21:53 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

2017年 心房細動関連論文ベスト10

今年は年を越してしまいまいsたが,恒例の年間ベスト5です。
選んでみると結構良い論文が多くて,べスト7+3にしてしまいました。治療編,診断その他編に分けてあります。
なお,ガイドライン/総説編,循環器他領域編は明日お送りします。

# 治療編

第7位:やはり心房細動では血圧が高い(収縮期150mmHg以上)と血栓塞栓症と出血リスクが高かった;伏見AFレジストリーから

心房細動では,最低でも収縮期150mmHgにしてはいけないという教えです。

第6位:NOACとの併用で特に注意すべき薬剤は?

NOACでも注意すべき併用薬剤はありますが,とくにアミオダロン,フルコナゾール,リファンピシン,フェニトイン併用はには十分な注意が必要という教えです。

第5位:85歳以上の超高齢者でも,抗凝固薬の脳卒中予防ベネフィットは出血リスクを上回る

各種の周辺条件が整えばという前提が当然あります。


第4位:低用量NOACとワルファリンとで有効性,安全性はあまり変わらない:デンマーク登録研究

低用量処方はよくよく考えなければならないかもしれませんね。

第3位:ワルファリンの管理状況が良ければ脳卒中/全身性塞栓症はNOACとほぼ同じ:RCTのメタ解析より

ワルファリン,使えてこそのNOACです。

第2位:NOAC vs ワルファリン。リアルワールドデータのメタ解析結果

RWDは玉石混交ですが,現時点でのメタ解析で一応の参考になります。


第1位:日本のリアルワールドでは,DOACとワルファリンで脳卒中/全身性塞栓症,大出血とも発症率に有意差なし:Fushimi AF Registryより
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解釈は様々ですが,抗凝固療法もまだまだ懸案事項が沢山あるわけです。

番外:RE-DUAL PCI試験

これも解釈が難しいかもしれません。

# 診断/その他編

第3位:日本人の今後10年間の心房細動発症リスクがわかる予測スコア

吹田スコアです。動脈硬化リスクと一緒にお話します。

第2位:無症候性心房細動の24時間以上持続は脳卒中リスク増加と関連有り

いわゆるSubclinical AFの定義に影響を与える論文

第1位:医師,患者に対する質の高い多面的な教育介入により,抗凝固薬の処方は増加する:

やはり情報伝達,情報共有が何より大切です。

### 2017年は,後半あまりブログ更新がなく,申し訳ありませんでした。2018年もよろしく願い致します。

$$$ 食べました(笑)
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by dobashinaika | 2018-01-08 18:29 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

ABCパスウェイ(心房細動管理の統合的アプローチ法)が提唱されています。

Nature ReviewsにLip先生の,心房細動の統合的マネジメントとして”ABCパスウェイ”が提唱されています。


ABCパスウェイとは,A:脳卒中予防,B:症状の治療,C:リスク因子の管理の3つです。
Aはバーミンガム3ステップと名付けられ,ステップ1:低リスクの同定,ステップ2:CHA2DS2-VAScスコアの評価,ステップ3:SAMe-TTsRsスコアの評価となっています。
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ABCパスウェイの概念は,既に日本では山下先生がだいぶ以前に提唱されたものとほぼ同一ですね。
バーミンガム3ステップは以下のブログを参照してください。

ジェネラリストとスペシャリストの不一致を解消するためのシンプルかつ系統的なストラテジーを目指したものとのことです。
シンプルかつ系統的というのがまさにLip先生らしいと思います。

by dobashinaika | 2017-10-04 23:48 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

医師,患者に対する質の高い多面的な教育介入により,抗凝固薬の処方は増加する:Lancet誌


疑問:心房細動の抗凝固療法において多面的な教育介入は良いのか?

方法:・2アーム,前向き,国際比較試験
・心房細動で抗凝固療法適応患者
・介入群:質の高い教育的介入
・対照群:通常のケア
・主要アウトカム:1年後の抗凝固薬処方の変化.
・副次アウトカム:脳卒中

結果:
1)2281人:5カ国(アルゼンチン,ブラジル,中国,インド,ルーマニア),48施設

2)平均追跡期間:12ヶ月

3)抗凝固薬処方増加率:
介入群68→80%
通常群64→67%

4)絶対減少:9.1%,オッズ比:3.28,p=0.0002

5)脳卒中:介入群オッズ比0.48 (95%CI 0.23-0.99, p=0.043)
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解釈:抗凝固薬処方増加を目的とする,心房細動患者に対する多施設,多面的教育介入が,抗凝固薬の処方割合を明らかに増加させた。こうした介入は,世界中の心房細動患者における脳卒中予防促進の可能性を持っている。

ファンド:Bayer, Boehringer Ingelheim, Bristol-Myers Squibb, Daiichi Sankyo, and Pfizer

### 介入群での介入内容は,患者,家族に対する,教育的パンフ,ウェブまたはビデオによる教育資料。および医師,看護師,ヘルスワーカー,その他のスタッフによる患者,家族への抗凝固薬のリスクベネフィットに関する動機づけ。各ヘルスプロバイダへのガイドラインにおける推奨についてのシステマティックレビューの配布、Eメールやwebセミナー,ポッドキャスト,専用モノグラフ,ソーシャルメデイア,インスタントメッセージ,電話等による抗凝固薬情報の提供
などどのことです。

multifaceted,つまり多面的な教育介入とは,パンフ,ウェブ,ビデオなど駆使して患者さん,ご家族に抗凝固薬についての情報を提供するの当時に,医療従事者にもガイドラインや論文などをポッドキャストなどまで動員してその適応つき啓蒙すると言った内容です。

たしかに,抗凝固薬投与開始時には,そのリスクべネフィトから飲み方に至るまで,非常に多くの情報についての説明が必要になります。診察室での医師からだけの通リ一辺の説明よりも多職種から,各種メディアqを多用しての,多面的なアプローチのほうが印象に残り,抗凝固薬処方へのモチベーションが上がるのは当然と思われます。

同様の,質の高い介入を看護師がすることでのアウトカム改善についての研究もあります。

これからは抗凝固療法(あるいは全ての医療行為)についての情報提供は,医師だけによるモノトーンなものから,ITを駆使しての,多職種による多面的なものが求められるものと思われます。

$$$ ダビンチとミケランジェロのデッサンに会ってきました。デッサンといえども,手を伸ばすと柔らかな肌をすぐにでも感じ取れるような,そして今にも絵からこちら側に飛び出てきそうな生身の”ひと”がそこにいました。全身鳥肌感動が瞬時に味合える幸せ。
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by dobashinaika | 2017-09-21 00:23 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

2016年心房細動関連論文ベスト5


今年も恒例の心房細動論文ベスト5です。
年々抗凝固薬関連の論文もエポックメイキングなものが減りつつあり,また個人的にブログ更新が少なかったこともあって,例年に比べ,カバーしている論文は少ないかもしれません,その点ご容赦ください。

視点はあくまで,私個人の現場に行動変容を起こさせるかどうかで決めております。

第5位:CHA2DS2-VAScスコア2点以上ではアブレーション後も抗凝固はやめないほうが良い
2点以上かどうかには論議の余地がありますが,かなり参考にすべき論点と思います。
JAMA Cardiol. Published online November 23, 2016. doi:10.1001/jamacardio.2016.4179


第4位:心房細動の死因は突然死や心不全が多く,脳卒中は少数
その他にも同様の報告が数多く出てきており,すでにポスト抗凝固時代と言ってよいかと思います。
JACC Volume 68, Issue 23, December 2016 DOI: 10.1016/j.jacc.2016.09.944

第3位:抗凝固薬を中止すると血栓塞栓症リスクは20倍に増加
とくにNOACをやめてしまう場合,非常にリスキーになるということを明示してくれた教訓的な論文
PLOS ONE | DOI:10.1371/journal.pone.0156943 June 9, 2016

第2位:抗凝固療法家の血圧は136mmHg未満にすべき
これまでのBAT研究では130/85でちょっと厳しいかと思っていました。ちょっと安心できるデータ。
J Am Heart Assoc.2016; 5: e004075originally published September 12, 2016

第1位:欧州心臓病学会のガイドライン改定
より多職種で,包括的にマネージメントするというコンセプトが明確に打ち出されました。
こうした斜め45度からの視点を提示できるESCには大リスペクトです。
また,PCI後の抗凝固,脳梗塞後の抗凝固など臨床上欲しかった指針も明確してくれていて,大助かりです。
2016 ESC Guidelines for the management of atrial fibrillation developed in collaboration with EACTS

番外編(次点)
・ポリファーマシーほど抗凝固薬による出血が増える
これも臨床でよくよく考えないといけないポイント
Polypharmacy and effects of apixaban versus warfarin in patients with atrial fibrillation: post hoc analysis of the ARISTOTLE trial
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i2868 (Published 15 June 2016)


・90歳以上の人への抗凝固療法のリスクと効果
意外と出血より塞栓症が多いということを知っておく必要がある
Risk of Bleeding and Thrombosis in Patients 70 Years Or Older Using Vitamin K Antagonists
JAMA Intern Med. Published online July 05, 2016.


・NOACの大規模リアルワールドデータ
多くのRWD(リアルワールドデータ)が続々でてきました。概ねRCTに準じるような内容です。
Comparative effectiveness and safety of non-vitamin K antagonist oral anticoagulants and warfarin in patients with atrial fibrillation: propensity weighted nationwide cohort study
BMJ 2016; 353 doi: http://dx.doi.org/10.1136/bmj.i3189 (Published 16 June 2016)


もっと番外編(開業医にはそれほどピンとこないが,世の中的にはインパクトがあるだろう等と思われるもの)
・PCI後のNOACとワルファリンの比較(PIONEER−AF試験)
話題の論文ではありますが,読めば読むほど日本の日常臨床への適応に難しさと疑問が湧いてくる気も致します
http://dobashin.exblog.jp/23369564/

・クライオアブレーションの効果と安全性
http://dobashin.exblog.jp/23369564/

・Xa阻害薬の中和薬
http://dobashin.exblog.jp/23251422/

・アブレーションが心房細動の予後も改善する
http://dobashin.exblog.jp/22772859/

### ということでこう振り返ってみると今年はリアルワールドのデータ,それも臨床に役立つお役立ちな論文が意外と多かったように思います。
来年からも現場役立ち度の高い論文をセレクトして読んでいこうと思います。

$$$ 様々な名言を残した真田丸も来週最終回ですね。黙れ小童とずんだ餅にしびれました。
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by dobashinaika | 2016-12-11 22:28 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

欧州心臓病学会の心房細動ガイドライン速報その5:知っておいきたい心房細動の基礎知識


新ESCガイドラインのピックアップ5回め
心房細動基礎知識編です。

【心房細動に伴う死亡率,合併症とその頻度】
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「認知機能低下」が新たに加わっています。
心房細動の人の死亡原因は1位心不全(30%)で脳卒中は2位(8%)というのも押さえておきたいところです。
http://dobashin.exblog.jp/23110956/

【心房細動のスクリーニング】
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これまでどおり65歳以上の人全員の診察ごとの脈拍測定のほかに,脳卒中の既往ある人,75歳以上,高リスク者で頻回に心電図を取ることが推奨されいます。

【心電図の分類】

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以前と同じ。「長時間持続性」があるのがESCの特徴

【臨床上のタイプ】
・器質的心疾患に合併した心房細動
・限局性心房細動 (Focal AF)
・複数の遺伝子バリアンスによる心房細動
・術後心房細動
・僧帽弁狭窄症/人工弁合併心房細動
・アスリートに合併した心房細動
・単一遺伝子による心房細動

【Modified EHRA 症状スコア】

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あらたに「2b=moderate:中等度」すなわち「生活制限はないものの苦痛ではある」という概念が導入されています。「2a=mild:軽症。生活制限なし」と違いが微妙です。動悸はうざいけどまあ作業をやめるほどではない」という程度でしょうか。

【心房細動の発生に関連する因子】
・遺伝的素因(HR 0.4-3.2)
・高齢(HR4 4.98-9.33)
・高血圧 (HR 1.32)
・心不全 (HR1.43)
・弁膜症(RR 2.42)
・心筋梗塞 (HR 1.46)
・甲状腺機能不全 (HR1.42)
・肥満 (HR1.37)
・糖尿病 (HR 1.25)
・COPD (RR 1.28-2.53)
・閉塞性睡眠時無呼吸 (HR1.28-2.53)
・慢性腎臓病 (RR 2.67-3.52)
・喫煙 (1.32-2.05)
・アルコール (1.01-1.39)
・習慣的,強力なエクササイズ (0.09-1.20)

### ESCの新GLシリーズもだんだん飽きてきましたね(笑)。最後に最も大切な「基本コンセプト」が残っています。全体を眺めてみてふと思うのは,将来AIが普及し,各種スコアがもっと細分化され,NOACがより席巻し,多職種共同作業が日常化したら、心房細動診療にもはや医師の出る幕はなくなるかもしれない、ということ。

その時こそ,ワルファリンが扱える匠としてw登場したいものです。

$$$ 本日大漁日。ただそろそろ全体に小ぶり化してきています。
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by dobashinaika | 2016-09-02 22:13 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

欧州心臓病学会の心房細動ガイドライン速報その4:心房細動管理17のポイント


新ESCガイドラインピックアップの4回め
末尾についている,全体のショートサマリーです。
現場にとっては大変ありがたいです。

1.心房細動高リスク者ー特に脳卒中サバイバーと高齢者ーで心電図スクリーニングを行う

2.治療前に心電図を記録する

3.心電図,心エコー(ベースの心血管疾患サーベイ:高血圧,心不全,弁膜症など)を評価する

4.心房細動を自ら管理できるように,個別の情報を伝え,教育する

5.管理をより効果的にするためのライフスタイル変更を提案する

6.基礎心疾患の適切な治療をおこなう:弁形成,弁置換,心不全治療,高血圧治療

7.CHA2DS-VAScスコア低値または禁忌症例以外は抗凝固薬を使う

8.心房粗動も心房細動と同様に扱う。症状があれば峡部アブレーション

9.出血リスクを軽減する:血圧管理。抗血小板薬,NSAIDの使用期間,量の低減化。貧血の治療。出血源の治療。INR安定化,適正なアルコール

10.心拍数のチェックをし,緩徐なレートコントロールをおこなう

11.EHRA症状スコアを使っての症状を評価する。症状ある場合はレートコントロール,抗不整脈薬,除細動,アブレーションなどで症状緩和を図る

12. 安全性に基づいて抗不整脈薬を選択する。効果ない場合のアブレーション

13. 遺伝性疾患を疑わい場合の心房細動に関する遺伝情報検査をしてはならない

14. 心原性脳塞栓予防に抗血小板薬を用いてはならない

15 多職種チームでの意思決定なしに高リスク患者が抗凝固薬をやめてしまってはいけない

16 無症状の患者または永続性心房細動にリズム管理をしてはならない

17. 経食道エコーで心内血栓をルールアウトすることなく,抗凝固薬なしで除細動またはアブレーションをしてはならない

by dobashinaika | 2016-09-01 19:16 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

米国の主要学会による心房細動患者に行うべき医療行為と評価のまとめ:JACC誌

Atrial Fibrillation or Atrial Flutter Clinical Performance and Quality Measures
Heidenreich PA, Solis P, Estes NA III, et al.

ちょっとブログの方お休みを頂いておりました。また今月から再開いたします。
ACC/AHAから心房細動/心房粗動に関する臨床行為と評価に関するまとめが発表されています。
欧米の学会はこうした現場目線の指針を出してくれるのがありがたいです。日本では学会でなく,各分野のオピニオンリーダーと呼ばれる方が商業ベースで解説本を出して,その代わりとなっている感があり,それはそれでわかりやすいのですが,やはり多くの叡智が結集されての現場に即したハンドブックがほしいように思います。

本文は表形式でやや読みにくいのですが,ACCのメルマガが,外来,入院別に行為と評価に分けて4項目でまとめてくれていますので紹介します。
元論文はこちら

2016 ACC/AHA Clinical Performance and Quality Measures for Adults With Atrial Fibrillation or Atrial FlutterA Report of the American College of Cardiology/American Heart Association Task Force on Performance Measures
J Am Coll Cardiol. 2016;():. doi:10.1016/j.jacc.2016.03.521

1.行うべき行為:入院患者
・退院前にCHA2DS-VAScスコア評価
・退院前に抗凝固薬処方
・ワルファリン投与患者では退院前にPT-INR測定

2.行うべき行為:外来患者
・CHA2DS-VAScスコア評価
・抗凝固薬処方
・ワルファリン患者では月1回の1PT−INR測定

3.行うべき評価:入院患者
・退院前にβ遮断薬処方(LVEF<40)
・退院前にACE阻害薬/ARB処方(LVEF<40)
・永続性心房細動のリズムコントロールとしての抗不整脈薬の不適切処方がないか
・透析または末期腎不全患者へのドフェチライドまたはソタろールという不適切処方がないか
・人工弁患者への直接トロンビン阻害薬またはXa阻害薬という不適切処方がないか
・冠動脈疾患and/or弁膜症のない症例での抗血小板薬+抗凝固薬の投与がなされていないか
・EF低下心不全に対する非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬が出ていないか
・カテーテルアブレーション後に抗凝固療法がなされているか
・抗凝固療法について,患者と医師でShared decision makingがなされているか

4.行うべき評価:外来患者
・β遮断薬処方(LVEF<40)
・永続性心房細動のリズムコントロールとしての抗不整脈薬の不適切処方がないか
・透析または末期腎不全患者へのドフェチライドまたはソタトールという不適切処方がないか
・人工弁患者への直接トロンビン阻害薬またはXa阻害薬という不適切処方がないか
・人透析または末期腎不全患者への直接トロンビン阻害薬またはXa阻害薬(リバーロキサバン,エドキサバン)という不適切処方がないか
・冠動脈疾患and/or弁膜症のない症例での抗血小板薬+抗凝固薬の投与がなされていないか
・EF低下心不全に対する非ジヒドロピリジン系Ca拮抗薬が出ていないか
・抗凝固療法について,患者と医師でShared decision makingがなされているか

###極めてまっとうなことを言っていると思われます。β遮断薬や入院中のACE,ARBはそうなのかとも思いますが,あとはどれもおさえておくべき内容です。
それにしてもACC/AHAもCHADS2でなくてCHA2DS-VASc重視になったのですね。

$$$今週日曜の猫祭りで仕入れた猫スイーツ。壮観です^^
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by dobashinaika | 2016-07-01 17:40 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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もう怖くない 心房細動の抗凝固療法


プライマリ・ケア医のための心房細動入門

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治療 2015年 04 月号 [雑誌]

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