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カテゴリ:心房細動:アップストリーム治療( 33 )

ヨガは心房細動患者の血圧、心拍数、QOL、不安、うつを改善する

JACC 1月30日付けオンライン版より

Effect of Yoga on Arrhythmia Burden, Anxiety, Depression, and Quality of Life in Paroxysmal Atrial Fibrillation:The YOGA My Heart Study
doi:10.1016/j.jacc.2012.11.06
0

【疑問】ヨガは心房細動の負担軽減やQOLなどの改善に有効か?

P:症候性発作性心房細動(University of Kansas Hospital and Medical Center)
連続103例中、試験を遂行できた49症例

E:少なくとも週2回、1回60分、15~20人のグループでインストラクターの指導のもとに3ヶ月施行

C:同一患者で、ヨガ施行前3ヶ月間、ヨガ非施行期間

O:心房細動の症状の変化、心房細動ではない症状、無症候性心房細動、SF-36(QOLスコア)、SAS(不安スコア)、SDS(うつコア)

結果:
1)症候性かつ心房細動エピドード:ヨガ施行により3.8回→2.1回、p<0.001

2)症候性かつ非心房細動:2.9回→1.4回、p<0.001)

3)無症候性心房粗動;0.12→0.04、p<0.001)

4)不安、うつスコア:改善、p<0.001

5)身体機能、一般健康状態、活力、社会的機能、メンタルヘルスに関するSF-36:改善、p<0.001

6)心拍数、収縮期および拡張期血圧;低下、p<0.001

結論:発作性心房細動患者において、ヨガは症状、不整脈持続時間、心拍数、血圧、不安およびうつスコア、QOLを改善した。

### 同一コホートを対象に対照期と介入期を設けて群内比較するいわゆるtime-series designです。このデザインの利点は、当たり前ですが、同一集団なので患者背景が同一であることです。欠点はいろいろあって、時間的経過による学習効果、時期効果(単なる時間的経過による改善効果)、平均への回帰現象(あらゆる事情は時間経過ともに平均値に回帰する)などです。まずそのバイアスを差し引いて考えましょう。

血圧、心拍数などは比較的客観的指標ですが、QOL、症候性エピソードの回数などはバイアスが入り込みやすい指標です。

ヨガの効果は、各種心疾患でも報告されており、確かに自律神経系特に迷走神経系の賦活に有効とされています。実際には迷走神経緊張は心房細動を誘発する可能性もある訳ですが、そこまでは行かないレベルでうまくヨガの効果が発現するのかもしれません。まあこの論文だけでそれが言えるだけのエビデンスレベルには至っていないと思われますが。

心拍数、血圧だけでなく、生化学的なマーカーやホルターでのL/H比なども見ていれば、より格調高いペーパーになったかもしれません。

座禅、アロマテラピー、太極拳etcなどはどうなんでしょうか?
by dobashinaika | 2013-02-01 23:23 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

魚油は、心臓手術後の心房細動を抑制しない

JAMA 11月5日オンライン版より

Fish Oil and Postoperative Atrial Fibrillation
The Omega-3 Fatty Acids for Prevention of Post-operative Atrial Fibrillation (OPERA) Randomized Trial
JAMA. 2012;():1-11. doi:10.1001/jama.2012.28733.


心臓手術後心房細動に対するオメガ3不飽和脂肪酸の効果に関する無作為化比較試験(OPERA試験)

P:アメリカ、イタリア、アルゼンチンの28施設から、心臓手術術後患者1516人

E:魚油(1gカプセル中エチルエステルとして840mg以上のn-3不飽和脂肪酸を含む)

C:プラセボ

O:主要エンドポイント=30秒以上の心房細動出現。2次エンドポイント=最初の心房細動までの時間、患者あたりの発作回数、入院、心血管イベント、30日生存率、出血、その他の副作用

結果:
1)平均64歳、男72.2%、弁膜症手術51.8%

2)主要エンドポイントに有意差なし:30.7%vs.30.0%,オッズ比0.96
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3)2次エンドポイントいずれも有意差なし

4)魚油は忍容性良好。出血、その他の副作用の増加なし

結論:n3不飽和脂肪酸は術後心房細動を減らさない

### すでに幾つかのメタ解析などで結論はついた感のある問題ですが、術後心房細動の抑制も難しかったようです。心臓術後は神経液性変化、自律神経トーンの変化、心房リモデリング、炎症等の影響で心房細動が出現しやすく、これが術後入院日数の長期化、QOLの低下のみならず予後にも影響するとされています。実験系ではオメガ3不飽和脂肪酸の抗炎症効果カラか、不整脈の抑制が認められていますが、やはり実臨床では力不足のようです。

つい最近開催されたアメリカ心臓協会学術集会(AHA)でも大規模無作為化試験(FORWARD)の結果が報告され、効果なしどころか、リスクを増やす傾向があったとのことのようです。
http://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/all/gakkai/aha2012/201211/527582.html

関連ブログはこちら
http://dobashin.exblog.jp/12415721/
http://dobashin.exblog.jp/11974587/
http://dobashin.exblog.jp/11597922/

高齢者では少し良いかもとの研究はこちら
http://dobashin.exblog.jp/14565232/
by dobashinaika | 2012-11-12 16:54 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

心不全合併心房細動におけるスピロノラクトン服用と心血管死との関係

Circularion: Heart Failureより

Mineralocorticoid Receptor Antagonists and Cardiovascular Mortality in Patients With Atrial Fibrillation and Left Ventricular Dysfunction
Insights From the Atrial Fibrillation and Congestive Heart Failure Trial
Circulation: Heart Failure.2012; 5: 586-593



心不全合併心房細動患者におけるスピロノラクトンのと予後の関係に関する検討

P:AF-CHFトライアル登録患者。平均血清クレアチニン105.2μmol/L, eGFR62.3

E:鉱質コルチコイド受容体拮抗薬服用(全体の44.8%)

C:非服用

O:死亡、心血管死、突然死

結果
1)eGFR60未満が46.5%
2)死亡率:ハザード比1.4(1.1-1.8;P=0.005)
3)心血管死;ハザード比1.4(1.1−1.9;P=0.009)
4)突然死:ハザード比2.0 (1.2^3.0; P=0.001)

結論: 腎不全は心房細動と心不全で高率に合併する。鉱質コルチコイド受容体阻害薬は心血管死特に突然死増加と関係がある。このような挑戦的な結果ではあるが、鉱質コルチコイド受容体阻害薬投与中の心房細動+心不全患者では腎機能と電解質の慎重なモニタリングが重要であることを示唆している。

### AF-CHF試験は心不全と心房細動の既往例をリズム管理とレート管理に割付たもので、心血管死に差がなかったというものです。EF35%以下、持続性心房細動が70%という患者プロファイルでした。ほとんどがスピロノラクトンで、ブプレノルフィン(セララ)は発売前のスタディです。
http://circ.ebm-library.jp/trial/doc/c2002870.html

今回の研究は、スピロノラクトンは心不全の予後を改善するとするRALES試験とは異なる結果ですが、RALESのサブ解析では高カリウム血症例では予後がよくなかったことが示されており、今回の結果との関連が示唆されます。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/15295047?dopt=Abstract

Post hoc試験であり、スピロノラクトン群のほうがより腎機能、心機能が悪く、ジギタリスなどが多く投与されていたようですので、今後前向き研究が必要と思われます。
by dobashinaika | 2012-10-04 18:35 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

抗アルドステロン薬エプレレノンの心房細動抑制効果:EMPHASIS-HF試験サブ解析

本日公開JACC 5月1日号より

Eplerenone and Atrial Fibrillation in Mild Systolic Heart Failure: Results From the EMPHASIS-HF (Eplerenone in Mild Patients Hospitalization And SurvIval Study in Heart Failure) Study
J Am Coll Cardiol, 2012; 59:1598-1603, doi:10.1016/j.jacc.2011.11.063


心不全患者への抗アルドステロン薬エプレレノンに関するRCT=EMPHASIS-HF研究において、心房細動の新規発症をアウトカムとしたサブ解析

P:55歳以上、NYHAII、左室駆出分画35%以下(詳しくはこちら)、ACE阻害薬、ARB等投与

E:エプレレノン25mg/日

C:プラセボ

O;心房粗細動の新規発症

T:21ヶ月(中央値)

結果;
1)新規発症;エプレレノン群2.7% vs. 対照群4.5%;ハザード比0.58(0.35−0.96;p=0.034)
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2)ベースラインに心房粗細動がある群、ない群でエプレレノンの効果に差はない

3)ベースラインに心房粗細動がある軍、ない群で心血管死、心不全増悪による入院、心房粗細動発症に差はなし

結論;収縮期心不全かつマイルドな症状の心不全患者において、エプレレノンは新規発症心房粗細動を抑制した。心血管イベントの減少に対するエプレレノンの効果は、ベースラインの心房粗細動があるかないかにかかわらない。

### 心不全患者でのエプレレノン(商品名セララ)のアップストリーム効果を見たものです。心房細動が一次ポイントの試験ではないので、いわゆるpost-hoc解析ですが、ARBと同様こうした解析だとアルドステロン阻害薬は有効であるとのことです。

post-hocなので、前もっての記録戦略にホルター心電図や携帯心電計が入っておらず、このため発作性心房細動が記録されていない点がこの試験の限界の一つです。

筆者らは機序として、RAS抑制によるリモデリング防止のほか、低カリウムリスク減少による電気的安定を挙げているようです。
by dobashinaika | 2012-04-24 23:49 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

血清ビタミンE値が低いほど、電気的除細動後の心房細動再発が多い。

Circulation:Arrhythmia and Electrophysiology 2月23日オンライン版より

Serum Levels of Vitamin E Are Associated with Early Recurrence of Atrial Fibrillation After Electrical Cardioversion

抗酸化作用があり、酸化ストレスマーカーであるビタミンEと電気的除細動後の心房細動再発との関係についての研究


P:電気的除細動に成功した非弁膜症性心房細動患者144名、平均71.1歳

E/C:尿中8-iso-PGF2α、sNOX2-dp,高感度CRP、血清ビタミンEレベル

O:3ヶ月追跡期間での心房細動再発(毎月の心電図、または症状から)

結果;
1)50人再発、94人は洞調律維持

2)左房系で補正しない段階では、尿中8-iso-PGF2α、sNOX2-dp,高感度CRPは再発群で有意に高値。ビタミンEは有意に低値

3)多変量解析では、ビタミンEレベルのAF再発におけるハザード比は0.0734 (p<.001; 0.605-0.891)。高感度CRPはなお有意に再発と関連あり(p=0.047)

4)尿中8-iso-PGF2α、sNOX2-dpはビタミンEと負の相関あり(r=-0.626; p<0.001 and r=-0.460; p<0.001, 各)

結論:電気的除細動後のAF再発と低ビタミンEの関係を示した最初の論文。ビタミンEは酸化ストレスに反比例するので、この所見は酸化ストレスと心房細動の関係性を示す仮説を支持する。

###骨粗鬆症の実験的知見などで何かと話題のビタミンEですが、少なくとも心房細動再発にとっては多ければ多いほど再発が少ないとの事のようです。ここから介入研究が出てくるとは思えませんが、心房細動の機序を示唆する知見の一つとして捉えたいです。
by dobashinaika | 2012-03-07 00:17 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

高齢者ではオメガ3不飽和脂肪酸の血中濃度と心房細動の発症には関連がある:Circulationより

Circulatoin1月26日オンライン版より

Association of Plasma Phospholipid Long-Chain Omega-3 Fatty Acids with Incident Atrial Fibrillation in Older Adults: The Cardiovascular Health Study

オメガ3不飽和脂肪酸の血中濃度と心房細動罹患率の関係を検討した研究

・Cardiovascular health studyに登録された65歳以上の心房細動および心不全のない例を対象
・血中のEPA,DPA,DHA濃度を測定
・1992-2006年までの31169人年の間の退院カルテと外来受診時の心電図を検討
・多変量Coxモデルで他の因子を補正

結果:
1)心房細動発症789例

2)3つの不飽和脂肪酸血中濃度の4分位最高位と最低位の心房細動相対リスク:0.71(0.57-0.89, P-trend=0.004)

3)DHAのみの場合では0.77(0.62-0.96, P-trend=0.01)

4)ノンパラメトリック検定では、3つの不飽和脂肪酸およびDHA単独の血中濃度と心房細動罹患率は負の関係あり

5)心不全あるいは心筋梗塞イベントで補正してもこの結果は変わらず

結論:高齢者では、不飽和脂肪酸全体およびDHAの血中濃度は、心房細動罹患率低値と関連していた。これらの不飽和脂肪酸をダイエットとして摂取することが心房細動の一次予防になりうるかどうかに焦点を当てる結果である。

###動物実験では有効との報告はあるものの、臨床における不飽和脂肪酸の摂取量と心房細動罹患率には関係が薄いとする研究またはメタ解析がこれまで多く、不飽和脂肪酸のアップストリーム効果は不明のままでした。血中濃度を厳密に測定すれば、関連はあるとする研究です。

どのくらい摂取すればこの四分に上位の濃度が得られるのか、興味あるところです。

関連のブログはこちら
http://dobashin.exblog.jp/12415721/
http://dobashin.exblog.jp/11974587/
http://dobashin.exblog.jp/11597922/
by dobashinaika | 2012-01-31 18:27 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

心房細動の早期再発には炎症が関与:Europaceより

Europace 1月10日オンライン版より

Role of inflammation in early atrial fibrillation recurrence

リズムコントロール中に早期に再発する心房細動における炎症の役割についての検討
・リズムコントロール中に短期間に再発する心房細動患者100名対象

結果:
1)1カ月未満に再発する早期再発は30例30%。平均再発期間6日(四分位範囲2-14日)

2)早期再発群の予測因子はIL-6(ハザード比1.3,1.0-1.0,P=0.02)と現在または以前の喫煙(ハザード比3.6,1.2-10.9,P=0.03)

3)29例29%は永続化

4)形質転換成長因子β1、左室駆出分画、早期再発は永続化の予測因子

結論:心房細動の早期再発にはIL-6の発現による炎症が関係していた。抗炎症治療は早期再発を予防しリズムコントロールを改善する可能性がある。

###まあそうだと思われます。炎症をどう抑えれば再発抑制につながるか。動脈硬化予防に準じたトータルマネジメント。現時点ではこれが教科書的解答でしょう。予防医学のペーパーを読ほどに、真の答えは個と向かい合う現場にしかないということにいつも戻ることになります。
by dobashinaika | 2012-01-25 19:51 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

LDLコレステロール非高値かつ高感度CRP上昇例では心房細動発症予防にスタチンが有効:JUPITERサブ解析

European Heart Journal12月20日オンライン版より

High-sensitivity C-reactive protein, statin therapy, and risks of atrial fibrillation: an exploratory analysis of the JUPITER trial

高感度CRPと心房細動罹患率およびそれに対するスタチンの効果に関するJUPITER試験のサブ解析

P:JUPITER試験に参加したLDLコレステロール130mg/dl未満、高感度CRp2mg/L以上の人、心房細動の既往なし:17,120例

E:ロスバスタチン(クレストール)20mg

C;プラセボ

O:心房細動の新規発症

結果;
1)ベースラインの高感度CRP3分位上昇ごとに心房細動発症相対リスクは36%増加 (95% CI: 1.16–1.60; P-trend < 0.01)

2)ロスバスタチンは発症率は27%減少させた:プラセボ群0.78 vs.ロスバ群0.56/100人年;ハザード比0.73 (95% CI: 0.56–0.94, P= 0.01)

3)心房細動発症前に心血管イベントを生じた例を除いても同傾向

結論:JUPITER試験のコホートでは、高感度CRPが上昇しているような潜在的炎症を持つ人は心房細動発症のリスクが上昇している。ロスバスタチンはそのリスクを減少させる

###JUPITER試験の詳細はこちらでご覧になれます。追跡期間は中央値で1.9年ですが、最近のメタ解析では6ヶ月以上の長期追跡ではスタチンは無効との見解もあります。JUPITERでは高感度CRPに着目し、軽度の炎症を持つ人には有用であることを示しています。高感度CRP軽度上昇とは、臨床的にはメタボリック症候群のような動脈硬化のリスクのある人に合致する所見と一般的には解釈されている訳で、そういう患者entityであればスタチンの効果が期待できるのかもしれません。年間100人中0.2人の差ではありますが。。
by dobashinaika | 2011-12-25 14:04 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

ビタミンD欠乏は心房細動の新規発症には関係しない:American Heart Journalより

American Heart Journal 8月12日オンライン版よりより

Vitamin D status is not related to development of atrial fibrillation in the community

ビタミンDの状態の心房細動新規発症への影響を検討したコミュニティーベイスの研究(フラミンガム研究)

P:フラミンガムハート研究で心房細動の既往のない2930人。年齢65±11歳。56%女性。9.9年追跡

E:心房細動新規発症425例、15%

C:心房細動非発症

O:ビタミンD血中濃度:25-OH-D

結果:ビタミンD活性が1SD(標準偏差)増加分ごとの心房細動のハザード比は0.99(95% CI 0.88-1.10, P = .81)。ビタミンD活性の層別化によっても、心房細動発症に差は無し。

結論:今回のコミュニティーでは、ビタミンDの状態と心房細動新規発症に差はなかった。ビタミンD欠乏症は心房細動新規発症を促進しない。

###ビタミンD欠乏は種々の心疾患、たとえば虚血性心疾患のリスク因子であるとの報告は数多くあります。ビタミンDはカルシウム代謝の他、免疫候の賦活化、RAS抑制作用なども実験的に認められているようでウが、今回のコミュニティーにおいては心房細動とは関係ないようです。それにしても、オメガ3不飽和脂肪酸とか、ビタミンDとか、どうも効果の弱いアップストリーム治療と日本では思われがちですが、アメリカでは頻繁にこれらに関する論文が出ています。アメリカでは虚血性心臓病への関心がとにかく高く、それを押さえる薬剤、サプリメントやOTCが常に注目されているからかと思われます。
by dobashinaika | 2011-08-25 22:35 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)

電気的除細動後の心房細動再発抑制におけるn-3不飽和脂肪酸の効果

Circulation 8月15日オンライン版より

n-3 Polyunsaturated Fatty Acids in the Prevention of Atrial Fibrillation Recurrences After Electrical CardioversionA Prospective, Randomized Study

n3不飽和脂肪酸(n-3 PUFAs)は、電気的除細動後の心房細動再発を抑制するかどうかの大規模二重盲検比較試験

P:電気的除細動後少なくとも1回再発したことのある持続性心房細動199人。アミオダロンとレニンアンジオテンシン系抑制薬服薬中

E:n-3 PUFAs 2g/日

C:プラセボ

O:服薬4週後に電気的除細動を後の、1年間の洞調律維持率

結果:n-3 PUFAs群で洞調律維持率は有意に高い:ハザード比n-3群0.62(95%CI, 0.52-0.72)vs. プラセボ群0.36(0.260.46)、P=0.0001

結論:アミオダロンとRAS系阻害薬にn-3PUFASを追加すると電気的除細動後の洞調律維持率は高くなる・この事実の確定と普及にはより多くの研究を要する。

###n-3不飽和脂肪酸に関するアップストリーム治療はこれまでさんざん取り上げました。最近のメタ解析では予防効果なしでした。これはアミオダロンとRAS阻害薬にかぶせればいいという論文です。きちんとしたRCTなのでそれなりの意味はあります。でもそれほど洞調律に固執しなくてもいいのではとも思います。短期間にこれだけ論文が出ているところを見ると、欧米では虚血性心疾患の予防のために不飽和脂肪酸もいつも注目されていますので、その流れからだと思われます。日本人にどれだけ適応できるかは不明かもしれません。アミオダロンも使えないことですし。

最近取り上げたn-3不飽和脂肪酸と心房細動予防についての論文はこちら
Heartのメタ解析
Europace2月号(本論文とほぼ同じ設定)
昨年のJAMAの論文
by dobashinaika | 2011-08-22 19:43 | 心房細動:アップストリーム治療 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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