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第16回どばし健康カフェ:今回は口腔ケアのお話です。

6月22日(土)に第16回どばし健康カフェを開催いたします。

今回は「口腔ケア」のお話です。

高齢者ももちろん,若いときから歯のケアは,すべての健康問題に繋がります。
しかしながら,本当に正しいお口のお手入れについては,わからないことも多いというのが本当のところかもしれません。

八幡町を中心に歯科訪問診療を精力的におこなっている五十嵐隆先生にレクチャーをしていただき,わからないことを明らかにし,わかるようにしていきたいと思います。

どなたでも参加可能ですので,気軽にご連絡ください。
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# by dobashinaika | 2019-04-21 18:42 | 土橋内科医院 | Comments(0)

【総まとめ】今,心房細動の何がわかっていないのかー不整脈におけるknowledge gapsを明らかにする:EP誌

前々回のブログで取り上げました欧州不整脈学会(EHRA)からの,不整脈分野で未だに不明な事項,いわゆるknowledge gaps に関するステートメントに心房細動に関する部分を追加まとめいたしました。

EHRA White Paper: knowledge gaps in arrhythmia management—status 2019EP Europace, euz055, https://doi.org/10.1093/europace/euz055

【心房細動の病態生理におけるギャップ】
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【心房細動のスクリーニングにおけるギャップ】
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心房細動の薬物療法におけるギャップ】
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【抗凝固療法と脳卒中予防におけるギャップ】
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【心房細動アブレーションにおけるギャップ】
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【心房細動デバイス治療におけるギャップ】




$$$ それにしてもわからないことが多すぎます!
まあ,この表に載っていない知見も相当蓄積されてあり,それについては本文に言及されているので(それもまとめてほしい)実際はわからないことが目立つということなのでしょうが,でもまだこんなことが証明されていなかったのか,ということばかりで半ば唖然とします。

実際,不整脈分野はCASTに始まり,1980年台のワルファリン大規模研究,AFFIRM,RACE,NOACの各RCT,RACE,から最近のCABANAにいたるまで,ある意味RCTによるエビデンスによって治療法が画期的に変化していった分野ではあります。

二昔?前までは心筋梗塞後にもリスモダン,心房細動にはまずリスモダン,そしてアスピリン(今でも見かける),という状況でした,

ではありますが,急性AF発作に何が最適か,アブレーションの適切なタイミング,潜在性心房細動の脳卒中リスク(限定的データはあり)など,日頃何気なく行っている医学的判断や処置が,じつはまだ系統だっては検証されていないということを改めて認識させられます。

裏を返せば,これだけまだ知りたいことがあるという,人間の飽くなき心理への探究心または科学の駆動力の表出とも言えます。表の項目全部が「ギャップなし」になったとしても,同じように新たなギャップが絶え間なく生じるのでしょう。

ギャップがなくなったら人類の科学的活動の終わりであり,知識のギャップは永遠に不滅とも言えます。

しかしこのknowledge gapsという切り口は実に興味深いです。こうした視点からものを見るようにしたいものです。

$$$ 春は眠い。諸手を挙げて爆睡中
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# by dobashinaika | 2019-04-18 07:11 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

症状がない不整脈をどうすべきか:欧州不整脈学会による無症候性不整脈の管理に関するコンセンサス文書 #CardioJapan

欧州不整脈学会(EHRA)から無症候性不整脈の管理に関するコンセンサスが出ています。


これまた膨大ですが,
‘Should do this’  「すべき」
‘May do this’     「してもよい」
‘Do not do this’    「してはいけない」
の3カテゴリーで分けているのも非常にフレンドリー

<無症候性心房期外収縮,非持続性心房頻拍>
・高頻度(>500回/日)心房期外収縮にたいしての長時間モニタリング:「すべき」(Expert consensus )

・高頻度心房期外収縮に対するリスク因子(高血圧,体重管理,睡眠時無呼吸)の管理と器質的心疾患の評価:
「すべき」(Expert consensus )

・短時間心房細動それ自体は抗凝固薬の適応ではない。高頻度(>500/日または20回未満のショートラン)では抗凝固開始を考えても良い:「してもよい」(Expert consensus )

・心房細動が記録さていない,低〜中等度心房期外収縮への抗凝固療法:「すべきでない」(Expert consensus )

<無症候性早期症候群(WPW含む)>
・間欠性デルタ波または電気生理学的検査で高リスクを示さないケースへのアブレーションなしのフォローアップ:「すべき」

・リスク層別化のための電気生理学的検査。高リスク例(副伝導路の不応期<240ms,早期興奮性心房細動あり,複数副伝導路)へのカテーテルアブレーション:「すべき」

・高強度またはプロのスポーツ選手,職業リスクの高い人へのアブレーション:「してもよい」

・アブレーションおよび無症候性を治療しないことのリスクを受容することに関する患者,家族との詳細な話し合い:「すべき」

<心房高頻度エピソード:AHRE(非持続性心房細動)>
(デバイス記録で最短5分,>心房レート180bpm,または少なくとも30秒の心房細動)
・AHREありは,なしに比べて脳卒中の高リスクと考える:「すべき」

・抗凝固薬投与までのさらなる詳細な検討(抗凝固薬の有効性は不明なので):「すべき」

・一部のCHA2DS2-VAScスコア>2の患者への抗凝固療法:「してもよい」

・AHREのみへの抗凝固療法:「すべきでない」

<無症候性心房細動>
・脳卒中リスクスコアに基づく無症候性心房細動の抗凝固療法(症候性同様):「すべき」

・高リスク(CHA2DS2-VAScスコア≧2)のスクリーニング:「してもよい」(Expert opinion )

・生活スタイルの変容:「すべき」

・真に無症候性か,あるいは心房細動に関連する何らかの症状があるのかを区別するための除細動:「してもよ
い」

・頻脈性心筋症予防のためのレートコントロール:「すべき」

・詳細なIC後の患者の好みに基づく限定的なアブレーション:「してもよい」(Expert opinion )

図はEHRAから以前も出ている心房細動患者へのABCパスウェイです。
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<心室期外収縮>
・高頻度の心室期外収縮(>500/日)を持つ患者の専門医への紹介(器質的心疾患,電気的異常同定のため):「すべき」

・非常に高頻度な心室期外収縮(>1日20%)への高密度なフォローアップ(突然死や心血管死の指標なので):「してもよい」

・頻脈性心筋症を合併した心室期外収縮への治療:「すべき」(Expert consensus )

・予後改善のための基礎心疾患の治療:「すべき」(Expert consensus )

<心室頻拍>
・無症候性非持続性心室頻拍に対する十分な評価(基礎心疾患,虚血,電気的異常)
「すべき」

・急性冠症候群ではない,LVEF<35%の持続性心室頻拍へのICD:「すべき」

・LVEF>40%の非持続性心室頻拍における基礎心疾患治療の最適化(特別な抗不整脈治療は必要なし):「すべき」

<頻脈誘発性心筋症>
・他の要因(心筋梗塞,弁膜症,高血圧,アルコール,薬剤性,ストレス性など)の除外:「すべき」

・心不全,心房細動(レートコントロール)の薬物療法:「すべき」

・持続性or反復性心房/心室性不整脈へのアブレーション:「してもよい」

<無症候性徐脈>
・無症候性の重症徐脈 or 6秒以上の心停止を認める失神患者への診断と治療:「すべき」

・完全に無症候性の徐脈への治療:「すべきでない」

<患者の視点>
・状況理解,可能な治療法,疾患の見通し,考えうるアウトカムに関する患者,家族への教育:「すべき」
・疾患と治療についての情報をハートケアチームから何度も,あるいは新しい戦略が導入されるときに伝えること:「すべき」
・治療に対する患者の意向と意思決定への参画:「すべき」

### これまたEHRAからの詳細で親切なコンセンサスの提示です。
無症候性の不整脈をどうするか,現場では悩むことも多いですが,3段階に分けて明確に教えてくれます。

高頻度の短時間心房細動もCHA2DS2-VAScスコア2点以上なら抗凝固療法考えても良いとなっていて,ASSERT試験の治験に基づくものと思われますが,ちょっと攻めすぎの感もあります。Expert consensus も多いですね。

しかしながら現場の参考には大いになります。

$$$ 本日は仙台,桜に雪です。
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# by dobashinaika | 2019-04-12 00:37 | 不整脈全般 | Comments(0)

今,抗凝固療法で何がわかっていないのかー不整脈におけるknowledge gapsを明らかにする:EP誌


欧州不整脈学会(EHRA)から,不整脈分野で未だに不明な事項,いわゆるknowledge gaps に関する詳細な検討が発表されています。

膨大ですが,私たちの診療基盤に多くの示唆を与える内容と思われます。

本日は「脳塞栓予防,抗凝固療法:戦略とリスク層別化」

【リスク層別化】
・広く認められ,シンプルなものとしてCHADS2スコア,CHA2DS2-VAScスコアあり
・低,中,高リスクに分類
・どのスコアも予測能は中等度(ハイリスク群のc-統計量は0.63)
・スコアの組み合わせをしても0.65
・バイオマーカー(血液,尿,画像)を加えても0.7未満
・多くのバイオマーカーに関する試験が行われているが高リスク群および低リスク群への適応が妥当かは不明
・既存のスコアは新リスク因子(肥満,睡眠時無呼吸,境界型高血圧,腎障害)は考慮されていない
・心エコーの各種因子の評価については限定的で一致を見ていない
・リウマチ製弁膜症,機械弁をのぞいた弁膜症の評価は一定しない
・知識の空白には,CHA2DS2-VAScスコア0点のリスク,1点の人の多様性,追加リスクの評価や数値化の困難さなども含まれる

【抗凝固戦略】
・脳卒中予防はNOACの登場で変化した。
・NOACはVKAよりも有効,安全で簡便
・観察研究からは,よく管理されたワルファリン治療(TTR>75%)はNOACとほぼ同等の有効性だが,重篤な出血はNOAC のほうが低い
・著明な弁膜症,腎障害(腎移植含む)におけるNOAC使用については不明
・薬理学的指標による小規模試験は進行中だがRCTなし
・RCTは皆CrCL<30(アピキサバンは<25)
・脳卒中後早期,あるいは頭蓋内出血進行中の患者に対するNOAC使用は証明されていない
・NOACのRCTからは頭蓋内出血既往例は除外されている
・特殊なタイプの心房粗動,心房頻拍については不明
・新しい治療オプションとしてXI因子阻害薬,テカファリンに関するRCTが進行中

【左心耳閉鎖術(LAAO)】
・LAAO vs, NOACのデータはなし
・LAAO後アスピリン投与が行われているが十分確立されていない
・現在表にあるトライアルの他に以下のトライアルが進行中
1) LAAO vs. NOAC
2) WATCHMAN)vs. リバーロキサバン
3) LAAO vs. エドキサバン(パイロット試験)
4) LAAO後の最適な抗血小板薬治療(SAFE-LAAC)
5) 複雑冠動脈病変へのDES挿入後患者におけるLAAO vs. 抗血栓薬
6) 頭蓋内出血後抗凝固薬回避(A3ICH)
7) AMPLATZER™ Amulet™による左心耳閉鎖(Amulet IDE)
・以上にもかかわらず,左心耳と脳卒中の関係性は依然として評価されていない
・左心耳の解剖,血栓形成,LAAO後の内皮リモデリング,血栓マーカーのインパクトについては不明

### よりシンプルにまとめます。
<リスク評価>
・CHADS2スコア,CHA2DS2-VAScスコアの予測能はそれほど高くない
・各種バイオマーカー,新リスク因子,心エコーの指標の評価一定しない
・各スコアの低リスク例への適応は不確か

<抗凝固戦略>
・著明な弁膜症,腎障害,脳卒中後早期,頭蓋内出血後,心房頻拍などへのNOAC使用については不明

<LAAO>
・LAAOがNOACより有効か,安全かのデータなし
・LAAO後のアスピリンは十分確立されていない
・左心耳と脳卒中の(厳密な)関係性は解明されていない
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### はっきり言ってこの記事はかなり素晴らしいです。

今何が「わかっている」のか,ビジネスにも絡むことでありさんざん喧伝されていますが,一方「何がわかっていないのか」をあきらかにすることは疎かになりがちです。というか,しかしながらというか,わからないことをか明らかにしてそこを解明していくことこそ科学の基本姿勢でもあります(そしてそれも資本主義の精神に実はマッチしているわけですが)。

しかしこうしてみると,現在はっきりと分かっていることは実は驚くほど少ないということがわかります。今知りたいことの多くは「限定的知識」でしかない感じですねえ。

でも極論すればどんな知識も「限定的」であり相対的であり,しかしその中で少しでもその限定の範囲を広げ深めていくことが医学であると思われますので,だからこそこうしたまとめが重要と言えます。

他の不整脈については後日紹介します。

$$$ 往診後立ち寄った近所の公園。満開です。
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# by dobashinaika | 2019-04-10 06:44 | 抗凝固療法:全般 | Comments(0)

日本の不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版)が発表されました

先日横浜で開催された第83回日本循環器学会学術集会と同時発表されました「不整脈非薬物治療ガイドライン(2018 年改訂版)」について概観します。


膨大ですので,とりあえず心房細動のところだけ。

4.1.3 AF アブレーションの治療適応

<推奨クラス I:評価法・治療が有用,有効であることについて証明
されているか,あるいは見解が広く一致している.>
・薬物治療抵抗性の症候性発作性 AF(高度の左房拡大や左室機能低下を認めず)(エビデンスレベル(A)

<推奨クラス IIa:データ,見解から有用,有効である可能性が高い>
・症候性再発性発作性 AF に対する第一選択治療としてのカテーテルアブレーション(B)
・心不全(左室機能低下)の有無にかかわらず,同じ適応レベルを適用する(B)
・徐脈頻脈症候群をともなう発作性 AF (B)
・症候性持続性 AF (B)

<推奨クラス IIb:有用性,有効性がそれほど確立されていない>
・症候性長期持続性 AF (B)
・無症候性発作性 AF で再発性のもの(C)
・無症候性持続性 AF (C)

<推奨クラス III:評価法・治療が有用でなく,ときに有害となる可能
性が証明されているか,あるいは有害との見解が広く一致している>
・左房内血栓が疑われる場合(A)
・抗凝固療法が禁忌の場合(A)

※ 薬物治療抵抗性:少なくとも 1 種類の I 群または III 群抗不整脈薬が無効

<症候性AFのフローチャート>
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< AF カテーテルアブレーションの適応に関する総合的判断>
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4.3 AFアブレーション周術期の抗凝固療法

<推奨クラス I>
・ワルファリンもしくはダビガトランによる抗凝固療法が行われている患者では,休薬なしでAF アブレーションを施行することが推奨される(B)
・ヘパリンは,鼠径部穿刺後あるいは心房中隔穿刺後に至適用量をボーラス投与し,アブレーション手技中は ACT 値を 300 秒以上に維持する(B)

<推奨クラス IIa >
・持続性 AF および高リスク例(CHADS2 スコア 2 点以上)では,ワルファリンあるいはDOAC を,少なくとも 3 週間以上使用すべきである(C)
・リバーロキサバン,アピキサバンによる抗凝固療法が行われている患者では,休薬なしで AFアブレーションを施行することが推奨される(B)
・エドキサバンによる抗凝固療法が行われている患者では,休薬なしで AF アブレーションを施行することは合理的である(B)
・DOAC による抗凝固療法が行われている患者では,AF アブレーション施行前に抗凝固薬を1 もしくは 2 回休薬し,アブレーション後に再開することが推奨される (B)
・術後の抗凝固療法(ワルファリンあるいは DOAC)は,再発の有無にかかわらず,少なくとも 3ヵ月間継続することが推奨される(C)
・術後 3ヵ月以降の抗凝固療法(ワルファリンあるいは DOAC)に関しては,長期経過観察期間中の AF 再発を考慮し,CHADS2 スコア 2 点以上の患者では継続投与することが望ましい(C)

### 学会発表と同時のWeb掲載でしたので,現時点で世界で最も新しいアブレーションのガイドラインです。

AFアブレーションの最も良い適応(推奨度I)は「抗不整脈最低1剤使用でも発作が起きる発作性心房細動」です。いきなりするのは推奨度IIaです。しかしながらはじめから症候性のAFで抗不整脈薬1剤程度で発作が起きない症例は少ない(かあっても軽視される?)ので,事実上現在は発作性AFであれば禁忌のない限りアブが第一選択という共通認識が不動になりつつあると思われます。

また持続性(1年以内持続)では,抗不整脈無しでいきなりアブで良いとなっています。

一方,心不全合併AFはCASTLE-AF試験などの知見を踏まえ推奨度IIaで,心不全の有無で推奨度を区別しないとなっています。最近UpdateされたAHA/ACC/HRSガイドラインでは心不全AFのアブはIIbとなっていて微妙な差があります(米国のは死亡率低下や心不全入院減少のためのアブ,となっていますが)。

無症候性心房細動に対してはIIbですから,どうしても現場で必要と判断された場合に限定かと思われます。

高齢者心房細動の推奨度は示されませんが,「アブレーションの効果の高い発作性 AF 例においては,日常生活動作の保たれている高齢者(おおむね 75 歳以上)での治療適応を若年者と同様に考えることは,妥当な判断と考える.しかし一方で,高齢者の持続性および長期持続性 AF へのカテーテルアブレーションの適応の妥当性は,若年者よりも低いと判断する」と記載されています。

「総合的判断」のトリアスに示されるように,年齢,症状,進行度の3因子を総合的に判断することが提唱されています。

個人的にはCAVANA試験で予後改善が示されなかったこともありますが,最も知りたいのは「アブレーションをすることでどのように症状や運動耐用能が改善し,どんなふうに生活や生きることへの意欲が変わるのか」ということなんですが,これはじつはプライマリケア医がいちばん知っている(べき)ことなんですね。

### 今回の改定で嬉しいのは,アブレーション前後の抗凝固薬使用について教えてくれているところです。
アブレーション前少なくとも3週間の抗凝固療法と,休薬なしのアブレーションが勧められています。このときワルファリンとダビガトランはエビデンスの多さから推奨度Iでその他のNOACはIIaのようです。

アブが成功した後に抗凝固療法をするかどうかがプライマリ・ケアでは注目ですが,少なくとも3ヶ月は必ず行い,3ヶ月後はCHADS2スコア2点以上はずっと継続となっています。

0点については本文の中で「3ヶ月後に中止可能」と述べられていますが,1点については「判断は難しいが,発作性か持続性か,塞栓リスクと出血リスク,左房径,BNP 値,D-dimer 値,患者の意向などを総合的に判断し,中止または続行を決定する」と言及されています。

実際1点でもやめないほうが無難と考える医師も少なくないため(無症候性の再発も考えると),抗凝固薬を継続している患者さんはよく見かけます。そうなるとアブレーションしたからといって抗凝固薬の呪縛から逃れる人はあまり多くはないということにもなりそうです。

なお注目の左心耳閉鎖デバイスについては,推奨度は示されず,「左心耳閉鎖デバイスは,NVAF に対する長期ワルファリン内服の代替療法となる可能性が示されたが,ワルファリンと同等に有効で,より安全とされる直接作用型経口抗凝固薬に対する有効性・安全性を検証する RCT は行われていない」との記載にとどまっています。

この時代,大変な労作のガイドラインと言えますが,GRADEシステムは用いられていないようでガイドラインそのものとしての評価は今後の判断となろうかと思います。

$$$ しかし今回の横浜での学術集会。ツイッターでのスライド紹介が大幅に緩和されて,担当医師による大量のスライド撮影やコメントがタイムラインに洪水のように押し寄せてきました。非常に壮観でかつ勉強になりました。

これ実現させた学会情報広報部の努力に敬意を評したいと思います。学会員数から見て盛り上がりは途上とは思われますが,一つのプラットフォームとして機能していくことを期待したいです。
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# by dobashinaika | 2019-04-02 00:22 | 抗凝固療法:ガイドライン | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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