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2014年 12月 30日 ( 2 )

2014年心房細動関連論文ベスト10

ベスト版ばかりですみませんー^^
今年も恒例の「心房細動関連論文ベスト」をお届けいたします。

今年は、新規経口抗凝固薬(NOAC)がすべて出揃い、それらのリアルワールドデータや総説がたくさん発表されたため、5つの論文をピックアップすることは非常に困難を極めました。

そこで今回は、まず例年通り「日常臨床(特にプライマリ・ケア)に影響を与えるかどうか」を選択基準にして4つの論文と1つのガイドラインを選んでケアネットでもすでにご紹介いたしました。

さらに、今後の展開が期待される論文を次点として考えましたが、ちょうど5つでしたのでまとめてベスト10としてご紹介することにしました。順位はあくまで暫定的です。最近読んだもののほうがやや上位に来ている傾向があるかもしれません。

第10位:周術期のヘパリンブリッジにより大出血は増える(ORBIT-AF試験):Ciurculation
ヘパリンブリッジのネガティブ論文が目立ちました。再考の時かもしれません。
http://dobashin.exblog.jp/20530181/

第9位:長時間モニターすると原因不明の脳卒中の何割に心房細動がみつかるのか?:NEJM
2論文セットです。様々なステークホルダーを巻き込んで心房細動探しの試みは今後も展開されるものと思われます。
http://dobashin.exblog.jp/19938918/

第8位:日本人における抗凝固薬内服下での抜歯時の出血リスクは無視できない?:BMJ Open
限定的なデータですが、今後抜歯時には考慮も必要と思われました。
http://dobashin.exblog.jp/20550568/

第7位;ダビガトラン服用中に頭蓋内出血をきたした人の予後はワルファリンと比べてどうか?:Stroke、アピキサバン投与時の大出血後の転帰と管理状況:EHJ
同様内容なので、2論文を。NOACはワルファリンより頭蓋内出血は減らすが、一旦生じたら予後は同じとのことです。メカニズムが知りたいのですが、わからないままに年越しです。
http://dobashin.exblog.jp/19965528/
http://dobashin.exblog.jp/20524093/

第6位:ジギタリスは心房細動患者の死亡率上昇に関与する:JACC
ジギタリスに関するネガティブデータも多く発表されました。これはそのひとつ。ただしいずれも後ろ向き解析です。
http://dobashin.exblog.jp/20128470/

第5位:非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)は本当に抗凝固薬の出血リスクを増やすのか?:Annals of Internal Medicine
これまでも知られていたことですが、15万人規模の大規模研究でそれを検証してます。これまでにもまして注意したいところです。
http://dobashin.exblog.jp/20396327/

第4位:日本の代表的心房細動登録研究では未治療時の年間脳梗塞は1.3%と低い:Circulation Journal
暮れに、大変興味深い論文が飛び込んできました。日本を代表する3つの登録研究では欧米に比べて、非弁膜症性心房細動患者の虚血性脳卒中リスクは低いとのことです。日本人の特にCHADS2スコア低得点の人について考えさせます。
http://dobashin.exblog.jp/20541922/

第3位:心房細動アブレーションの長期成績はその後の生活習慣の改善に影響される: Journal of American college of Cardiology
アブレーションも大切だけど、その後の血圧や血糖、体重管理も大事だよということを改めて教えてくれる論文です。
http://dobashin.exblog.jp/20428754/

第2位:日本人の至適ワーファリン管理強度はどのくらいか:Journal of Cardiology
J-RHYTHMレジストリーのサブ解析で、PT-INR管理は2.0〜2.2くらいが塞栓リスクが最低であることがサブ解析ながら示されています。改めて、PT-INRをどのくらいに保つべきかという問題に示唆を与えてくれます。
http://dobashin.exblog.jp/20291463/

第1位:心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)
え〜、大変ベタではありますし、また論議も多いところかと思われますが、やはり臨床医への影響という点では、日本のガイドラインの改訂は大きなインパクトと思われます。
このガイドラインと、他のベスト10に入った論文や前回の総説などを比べて読むと、ガイドラインだけではわからなかった問題点が浮かび上がってきます。
http://dobashin.exblog.jp/19394450/

別格:心房細動初発から治療までの患者経験〜心房細動とはなにか、病気とはなにか:J Clin Nurs.
論文だけ選ぶつもりでしたが、ガイドラインは無視できまず1位にしましたので、改めて別格として心に残った論文をご紹介します(極私的ベスト5でも良かったのですが)。大きな病気をしたので、この論文は大変共感できるものがありました。
http://dobashin.exblog.jp/20434519/


なお、アクセス数の点からは以下の3ブログが常に、多くのPVを頂きました。
シロスタゾールと認知症の関係についての患者さん説明用パンフレットを作りました。」
「本日発表の心房細動治療(薬物)ガイドライン(2013年改訂版)を読む:日本循環器学会HP」
「NOACは”新規経口抗凝固薬”ではなく、”非ビタミンK阻害経口抗凝固薬”の略語に変更の提言:T/H誌」
特にシロスタゾールの回は、1日で5,000アクセスを超え、驚きました。心房細動な日々を謳っているので若干複雑な気分ですね^^^。やはり認知症と、あとはメディアリテラシーについても関心が深いことを認識します。

今年は抗凝固薬に関しては「これまでの小括」の年だったように思います。そしてまだまだ今後検討すべき課題が、浮き彫りなってきた年ということもできるかもしれません。
トライアルワールドのデータとリアルワールドデータを踏まえ、目の前のペイシャントワールドに活かす姿勢で来年もブログしていきたいと思います。
by dobashinaika | 2014-12-30 11:15 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)

2014年今年読んでおきたい心房細動関連の総説

ケアネットでは既に挙げられていますが、「今年読んでおきたい総説」を7点選びました。
順不同ですが、今年は読むと大変勉強になる総説が、目白押しでした。

若年者の心房細動は早いうちから治すべきか?(European Heart Journal)
http://dobashin.exblog.jp/19907348/
http://dobashin.exblog.jp/19910500/
早期介入がいいのだろうが、現実的な課題があるという印象。

抗凝固薬を選ぶときの患者さん説明用の表(Circulation)
http://dobashin.exblog.jp/20459536/
アクセス数が非常に多いのであげます。

欧州心臓病学会から抗凝固薬+抗血小板薬併用に関する最新のステートメント(European Heart Journal)
http://dobashin.exblog.jp/20140860/
いまのことろ、この難題に関するひとつのマイルストーンかと思われます

新規経口抗凝固薬は臓器によって出血パターンに違いがある(Thrombosis Haemostasis)
http://dobashin.exblog.jp/20181235/
一言で言うと頭蓋内出血は減らすが、消化管出血は薬剤ごとに違うということで、薬剤選択の参考になる総説

英国NICEの抗凝固薬意思決定ツール
http://dobashin.exblog.jp/19982588/
これに基づいて当院での患者さん説明用のパンフを改訂中です。

抗凝固薬のアドヒアランスに関する総説:なぜ抗凝固薬は飲めないのか(Thrombosis Haemostasis)
http://dobashin.exblog.jp/20382624/
今後抗凝固薬では緊急度も優先度も高い大切な問題

心房細動におけるShared Decision Making(Circulation)
http://dobashin.exblog.jp/19768186/
http://dobashin.exblog.jp/19768203/
http://dobashin.exblog.jp/19917325/
心房細動にかぎらず慢性疾患診療のキーワードでしょうが、日本版あるいは自施設でのSMDというのを考えねばならないと痛感する総説。

総説をまとめて気がつくのですが、原著論文を読んでいると、総説自体の良し悪しというか、疑問が湧いてきますね。総説もあくまで自分の目で読むことが大切だと思います。時間との兼ね合いですが。

$$$ 八幡神社は初詣の準備中でした。
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by dobashinaika | 2014-12-30 09:55 | 心房細動診療:根本原理 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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