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2014年 07月 01日 ( 3 )

心房細動中の症状の強さはその後の合併症や予後に影響する:EP誌

Europace (2014)doi: 10.1093/europace/euu151
Symptom severity is associated with cardiovascular outcome in patients with permanent atrial fibrillation in the RACE II studyRob A. Vermond et al


疑問:永続性心房細動の症状の強さは予後に影響するか?

方法:
・RACE II試験サブ解析:永続性心房細動対象
・心房細動中の症状をAFSSスケールで評価
・一次エンドポイント:心血管合併症+死亡率
・二次エンドポイント:心血管病による入院

結果:
1)アンケート協力者558人/全参加者558人。平均68歳

2)低スコア者;174人31%、中スコア者;190人34%、高スコア者:194人35%

3)症状の強い人は女性に多く、NT-pro BNPが高く、心不全既往例が多い

4)一次エンドポイント:
低、中、高スコア者=9%、10%、19%, P=0.01

5)心不全入院が最も多い
体、中、高スコア者=2%、1%、8%。P<0.001

6)多変量解析後高スコア者のハザード比
一次エンドポイント:1,38、P=0.001
心不全入院:1,33、P<0.001

結論:永続性心房細動では、多変量解析では症状の強さと心血管イベントが関係

###心拍数や心機能の記載がありませんので、知りたいところです。それと症状というのは「動悸」なのか「呼吸困難」なのかですね。
心不全入院が多いので、呼吸困難を訴えそれが心不全の症状そのものなのかもしれません。

RACE IIでは周知のように心拍数を110未満くらいでいいよということですが、それでも症状が強い人は要注意ということですね。
実際あの試験でLenient群でも45%くらいのひとは症状が抑えられていませんでしたね。
by dobashinaika | 2014-07-01 23:39 | 心房細動:ダウンストリーム治療 | Comments(0)

利尿薬は心房細動発症を増やし、ACE阻害薬は減らす?:台湾の観察研究:HR誌

Hypertension Researchより

Hypertension Research , (26 June 2014) | doi:10.1038/hr.2014.104
Long-term effect of antihypertensive drugs on the risk of new-onset atrial fibrillation: a longitudinal cohort study
Gwo-Ping Jong et al


疑問:降圧薬の違いで心房細動が増えるか?

方法:
・台湾のcentral regional branch of the Bureau of National Health Insurance由来のデータベース使用・47,682人
・2005~2010年
・年齢、性別で補正
・アウトカム:心房細動の新規発症

結果:
1)利尿薬:HR, 1.39; 95% confidence interval (CI), 1.06–1.82

2)ACE阻害薬:HR, 0.79; 95% CI, 0.65–0.973)ARB, カルシウム拮抗薬、αブロッカー、βブロッカーは有意差なし

結論:利尿薬は心房細動を増やし、ACE阻害薬は減らすことが示唆される

### population basedのコホートなので、交絡因子がたくさんあることに注意です。
一番注意すべきは、血圧がどのくらい下がっているかですね。本当は降圧効果を補正しないとクラスの効果はわかりづらいですね。
RAS径阻害薬が二次予防低下には無効であることは証明されていますので、どうでしょうか。。
by dobashinaika | 2014-07-01 23:13 | 心房細動:疫学・リスク因子 | Comments(0)

抗凝固薬ごとの硬膜下出血比較;Stroke誌

Stroke.2014; 45: 1672-1678
Vitamin K Antagonists and Risk of Subdural HematomaMeta-Analysis of Randomized Clinical Trials
Ben J. Connolly,et al


疑問:硬膜下血腫とVKAの関係

方法:
・Cochrane Central Registerによる検索
・1980からのビタミンK阻害薬(VKA)と抗血小板薬またはNOACとの比較RCT検索

結果;
・19RCT

・92156人中硬膜下血腫275人

・VKA使用:
対抗血小板薬:オッズ比3.0(1.5~6.1)
対Xa阻害薬;オッズ比2.9 (2.1-4.1)
対直接トロンビン阻害薬:オッズ比1.8 (1.2-2.7)

.絶対リスク
VKA:2.9/1000人年

結論:VKA投与下の硬膜下血腫は抗血小板薬の3倍。NOACはワーファリンより明らかに少ない。抗血小板薬とNOACのリスクは同じ

### 硬膜下血腫は大事なんです。転倒による急性の場合と高齢者における慢性のものと両方共高齢者には深く関係しています。その区別まではアブストラクトからはわかりませんが、やはりNOACのほうが良さそうですか。
by dobashinaika | 2014-07-01 22:58 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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