今年のメタボ健診
昨日(4月7日)、仙台市医師会館において、平成21年度の仙台市特定健康診査と特定保健指導の研修会がありました。昨年度から始まったいわゆるメタボ健診に関して、仙台市から説明を受けるものです。メタボ健診は地方自治体から仙台市医師会が委託を受ける形で行われています。仙台市は国民健康保険の方全員と社会保険の一部の方をいわゆるかかりつけ医で個別に行うことにしたため、受診率50%以上で全国的にも高い水準にあるとのことです。これは、仙台市及び医師会の担当の方々の並々ならぬご努力の成果と思います。
しかしせっかくの高受診率でしたが、それがメタボ克服という成果へと結びついたかどうかはまだ明らかにされていません。あれほど鳴り物入りで始まったメタボ健診ですので、昨年度の受診率、保健指導を受けた方の数、割合はもとより、保健指導を受けた方の体重減少率、腹囲減少率、検査値の変化等が明らかにされるべきだと思います。また各医療機関でどのような保健指導が行われたのか、たとえば医師一人でやっているところが多いのか、栄養士や保険師とワークシェアをしているところはどのくらいか、といった点や、実際やってみてこういう点が良かった、ここが問題だったといったところを各医療機関からヒアリングすべきだと思います。検診開始前には、メタボ健診の意義、効果の点で多くの議論を呼びました。また多くの医師は高々20分の保健指導で受診された方の行動変容(食事、運動などをするようになること)がなされるとは今でも信じていないでしょう。しかし実際にはこういういい例もあったとか、ここがまずいから行動変容がなされないのだといった現場の声を、1年という歳月を経た今、できるだけ吸い上げるべきだと思います。そうして次に向けて改善すべき点は改善すべきでしょう。
このような現場から当局への情報吸収および当局から現場へのデータのフィードバックは必ずなされるべきものだと思います。もう一度まとめます。
市当局あるいは医師会は昨年度のメタボ健診の
・受診率、メタボ該当率、要医療、要指導の数、保健指導該当率および受講率
・保健指導受講者の体重変化率、腹囲変化率、検査値変化率(可能であれば)
につきわれわれ現場医療者に公表していただきたいと思います。。
また以下の点の実施を切に望みます。
・各医療機関でだれが保健指導を担当したのかの調査
・具体的に行動変容が成功した事例の詳細の吸い上げ
・行動変容に失敗した事例の吸い上げ
・できればこのようなクリニックからの事例などを持ち寄っての勉強会、症例検討会の開催
実際はだれがやるんだということになってバリアは多々あるとは思います。しかし仙台市に関しては、県医師会健診センターがデータを一手に掌握しているはずでありデータベースの構築は比較的容易と思われます。なによりこうした検証なくして前進はないと思います。それがあれだけあったメタボ健診の議論への一つの回答になると思うのです。
しかしせっかくの高受診率でしたが、それがメタボ克服という成果へと結びついたかどうかはまだ明らかにされていません。あれほど鳴り物入りで始まったメタボ健診ですので、昨年度の受診率、保健指導を受けた方の数、割合はもとより、保健指導を受けた方の体重減少率、腹囲減少率、検査値の変化等が明らかにされるべきだと思います。また各医療機関でどのような保健指導が行われたのか、たとえば医師一人でやっているところが多いのか、栄養士や保険師とワークシェアをしているところはどのくらいか、といった点や、実際やってみてこういう点が良かった、ここが問題だったといったところを各医療機関からヒアリングすべきだと思います。検診開始前には、メタボ健診の意義、効果の点で多くの議論を呼びました。また多くの医師は高々20分の保健指導で受診された方の行動変容(食事、運動などをするようになること)がなされるとは今でも信じていないでしょう。しかし実際にはこういういい例もあったとか、ここがまずいから行動変容がなされないのだといった現場の声を、1年という歳月を経た今、できるだけ吸い上げるべきだと思います。そうして次に向けて改善すべき点は改善すべきでしょう。
このような現場から当局への情報吸収および当局から現場へのデータのフィードバックは必ずなされるべきものだと思います。もう一度まとめます。
市当局あるいは医師会は昨年度のメタボ健診の
・受診率、メタボ該当率、要医療、要指導の数、保健指導該当率および受講率
・保健指導受講者の体重変化率、腹囲変化率、検査値変化率(可能であれば)
につきわれわれ現場医療者に公表していただきたいと思います。。
また以下の点の実施を切に望みます。
・各医療機関でだれが保健指導を担当したのかの調査
・具体的に行動変容が成功した事例の詳細の吸い上げ
・行動変容に失敗した事例の吸い上げ
・できればこのようなクリニックからの事例などを持ち寄っての勉強会、症例検討会の開催
実際はだれがやるんだということになってバリアは多々あるとは思います。しかし仙台市に関しては、県医師会健診センターがデータを一手に掌握しているはずでありデータベースの構築は比較的容易と思われます。なによりこうした検証なくして前進はないと思います。それがあれだけあったメタボ健診の議論への一つの回答になると思うのです。
by dobashinaika
| 2009-04-08 23:21
| 医療の問題
|
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土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。
by dobashinaika
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筆者は、2013年4月以降、ブログ内容に関連して開示すべき利益相反関係にある製薬企業はありません
●医療法人土橋内科医院
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