「AI(人工知能)と医療/介護」について市民と医療者との対話の会を開きました:第12回どばし健康カフェ

もう1週間以上前になりますが,2月3日(土),当院待合室において,第12回どばし健康カフェを開催いたしました。

今回のテーマは「AI(人工知能)と医療/介護」です。AIの話を医療従者と市民が語り合う会なんてあまりないし,素敵だろうなという自画自賛的な感がしないでもない企画でしたが,20人以上の参加者を得て予想以上に盛り上がりいろんな名言,箴言があふれる素晴らしい会になりました(自画自賛?(笑))。

まず,東北大学ゲノム遺伝統計学の田宮元先生のレクチャーを拝聴しました。
Deep Learingの基本から医療への応用まで,ゲノム統計のバリバリも専門家でありながら,素人でも興味の引く箴言が散りばめられ大変スリリングでした。

・Deep learningはピアソンの主成分分析に起源あり,複雑成分を2値化する発想が背景にあること,
・それはむしろ暗黙知や直感に近いということ。
・現時点では脳機能のうち小脳と視神経機能しか代用しておらず,画像診断等は得意であるが大脳皮質に関連する機能や感情面の領域は全く無理であること。
・感情の領域はむしろ数学と親和性が強い(完成された数式はまず美的感覚として美しい!)ことなどなど。。

個人的にはすごく腑に落ちる講演でした。
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その後3グループに分かれてのディスカッション内容を,カテゴリー別にまとめてみます。各テーブルの模造紙書き込みを私の独断でまとめたものですので,ご了承ください。

【AIに期待できること】
・診断の平準化,正確化
    間違えない,忘れない,年齢や体調,感情に左右されず診断できる
    問診が定型化される(のがよい)
・副作用,服薬指導の平準化(薬剤師)
・より人間は人間らしい仕事ができる。雑用はAIに任せられる
・いつでも)医療情報を与えてほしい。情報源としてのAI
・遠隔診断。過疎地など
・予防医学:遺伝,環境因子をたくさん入れればできそう
・病院のコンシェルジュ(ペッパー君のうような)
・認知症患者の記憶の補助
・話し相手としてのAI 
    話しにくいことが話せる。怒らないで聞いてくれる。余計なこと,いやがることは言わない
・使いようによっては愛を感じるのではないか
・感情に関するデータもすべて入れ込めは、感情に訴えることも可能になるのでは?患者の行動変容さえ可能なのでは?

【AIには期待できないこと,不満点】
・がんの告知
・(患者の)感情をわかってもらうこと
・やはり味気ない
・「この病気は私もかかりました」「この薬は私も飲んでいます」などの体験談は言えない
・「私なら」「私の家族なら」ということは絶対言えない
・外科的なこと:外科は最後まで残るのでは
    反論として,既に手術もロボット化している
・患者さんの複雑性(家族,感情,経済面)に対処できないだろう。
・直感,スピード感はまだ人間だろう。重症感,第一印象,最初の一言で人間はわかる

【今後のAIに対し危惧すること】
・もし人間の感情に訴えかけることに長けた(そのように情報をインプットされた)AIが出現したら怖い
診療所外来レベルの会話は取って代わられるのでは?
・膨大なデータの入力コストの問題
・遺伝的情報もすべて管理することの恐怖、倫理的問題

【全般的な感想】
・AIはオールマイティーではない。ここまでが限界ということを知っておく。さらに人間の限界も知っておく事が必要
・良い医師+良いAIのコンビネーション,車の両輪であることが大切である
・人と人との関係,それに伴う安心感は最後まで残る

こう見てくると,みなさん,AIに対してかなりの期待を示しつつも,限界や怖い点もあり,上手に共生を図っていくことの大切さに気づいているように思い,そのバランス感覚に大変感服しました。
AIを考えるということは,取りも直さず,人間とは何か,人と人との関わりとはどんなものなのかを深く考えることになる,という思いを強く持ちました。

田宮先生のお話が非常に好評だったので,また形を変えて第2段を企画したいと企てております。ご期待下さい。
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$$$ 朝起きたらこんな感じ,休日の朝にもかかわらず筋トレ(雪かき)しました^^。
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by dobashinaika | 2018-02-12 23:04 | 土橋内科医院 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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