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アジア人の大規模コホートでもNOACはワルファリンに比べ虚血性脳卒中,頭蓋内出血ともに少ない:JACC誌


Thromboembolic, Bleeding, and Mortality Risks of Rivaroxaban and Dabigatran in Asians With Nonvalvular Atrial Fibrillation
J Am Coll Cardiol. 2016;68(13):1389-1401.


疑問:アジア人でもNOACはワルファリンより効果と安全性に優れているのか?

方法:
・台湾の国民健康保険データベース
・NVAF
・リバーロキサバン3916人,ダビガトラン5291人,ワルファリン5251人
・プロペンシティースコアマッチ

結果:
1)リバーロキサバン(10−15mg)87%,ダビガトラン(110mg)90%は低用量処方

2)虚血性脳卒中/全身性塞栓症:リバーロキサバン,ダビガトランがワルファリンに勝る (p = 0.0004 and p = 0.0006, respectively)

3)頭蓋内出血:リバーロキサバン,ダビガトランがワルファリンに勝る (p = 0.0007 and p = 0.0005, respectively)

リバーロキサバン
a0119856_2324527.png

ダビガトラン
a0119856_232416100.png

A:虚血性脳卒中/全身性塞栓症 ,B;頭蓋内出血

4)全死亡:リバーロキサバン,ダビガトランがワルファリンに勝る(p < 0.0001 and p < 0.0001, respectively)

5)2つのNAOC間では虚血性脳卒中/全身性塞栓症,頭蓋内出血,心筋梗塞,死亡率に差なし

6)リバーロキサバンのほうがダビガトランより消化管出血による入院多い (p = 0.0416)が,オントリートメント解析では差ない

結論:アジアでのリアルワールドでは,リバーロキサバンとダビガトランはワルファリンにくらべ,虚血性脳卒中/全身性塞栓症,頭蓋内出血,死亡率の点で優位。心筋梗塞,消化管出血による入院は同等。

### 台湾の大規模データベース。平均年齢71(ワルファリン)〜75歳程度(NOAC)。CHA2DS-VAScスコア平均4点程度の集団です。

絶対数を見ますと,虚血性脳卒中/全身性塞栓症はリバーロキサバンが年間3.07%,ダビガトランが3.65%,ワルファリンが5.6〜5.7%ですが,RCTではリバーロが2. 1%(ROCKT-AF),ダビが1.53%(RE-LY110mg),ワルファリンが1.6〜2.45でいずれも台湾のほうが高率です。

頭蓋内出血は,リバーロが0.77%,ダビが1.0%,ワルファリンが2.22〜2.47%ですが,RCTではリバーロ0.5%,ダビ110で0.23%,ワルファリンは0.7〜0.85%で,やはり現実世界のほうが高率にでています。

ざっくり言えば脳卒中/全身性塞栓症,頭蓋内出血とも年間2人/100人程度,NOACがワルファリンより少ないという感じですね。

ちなみに日本のJ-リズムの追跡結果では脳卒中/全身性塞栓症はNOAC2.1%,ワルファリン4.9%。大出血はNOAC2.4% ,ワルファリン5.9%で,塞栓症は台湾より低率でした。
http://dobashin.exblog.jp/22617964/

先日のBMJのデンマークコホートでも脳卒中/全身性塞栓症はNOAC2.8〜3.3%で台湾に近い数字です。現実世界では,RCTよりも複雑でハイリスク症例が含まれてるいるからと考えられます。
http://dobashin.exblog.jp/22920328/

またリバーロもダビも低用量で日本の実使用に近いと考えられ,特にRCTで低用量とされたリバーロ15〜10,ダビ110でもRCTよりは虚血性脳卒中の発症率は高いものの,ワルファリンと比べればかなり優位という結果でした。

これを読むとアジア人でもやぱりNOACでいいのか,と思わせます。追跡期間が1年と短いですが,反対に1年でも有意差がこれだけつくのかという気もします。NOAC強しかなあ。ワルファリン派としては,でもまだワルファリンも生きる道はあるとつぶやきたいところですが,,

$$$ 先日の投稿人(ワタシですが)の血圧,脈拍です。7が4つ並んだので思わずご報告します。
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by dobashinaika | 2016-09-20 23:33 | 抗凝固療法:リアルワールドデータ | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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