共病記〜医者が患者になった時(16)病気とは存在の意味の問いかけ
仙台七夕も最終日ですね。
実はちょうど1年前の8月8日、「医者が患者になった時」で綴りましたように、椎骨動脈解離+小脳梗塞を急性発症し、入院しました。
あれから1年たちましたが、今は皆様のおかげで、なんとか元気に生活しております。
ブログで散々書きましたが、病気になって数日は混沌の中におりました。その後だんだんと、なんでこの自分がこんな病気になったんだろうという「不条理」、明日はどうなるか実は誰にもわからないという「不確実」、誰も自分の今の苦しみを同じように実感することはできないという「不可能」、一挙手一投足ごとに感じる「不自由」に加え、それら全てを抱え込むことの「不安」という5つの「不」を痛感させられました。
今でこそ、目の前の小さな目的−手段連鎖に明け暮れる毎日ですが、病気というのは、そうした安穏とした日常に突如風穴を開けて、私達におのれの存在の意味を不意に問いかけてくるものなのです。
病気になってみて始めて、人間というのは、自分の中に苦しんでいる自分とそれを必死で言葉で説明しようとする自分がいて常にそれらがからみ合っている(=文字通り葛藤)ことに気がつくし、また自分は一人で生きているのではなく、家族、友人、仕事仲間、医療者等様々な関係性の中を生きているということも否応なく痛感させられるのです。
病気というのは、このように自己の中の関係性と、自己と他者の関係性の2つの関係性の存在とその意味を、私達に突如として、しかも極めてダイレクトに問いかけてくる脅威の存在です。
でも、1年経って、安穏で安定し小さな秩序にやきもきする日常を送っていると、そうした存在のクライシス(=危機)のような嵐を忘れてしまっていることに気が付きます。ちょうど震災の時の痛み苦しみが、徐々に薄れていくのと同じように。。
もちろんそうした危機はないに越したことはないわけですが、あのときに目の前につきつけられた、自分という存在の唯一無二性みたいなものと、そして人間が一人でいることの不可能性みたいなものを、1年たった今、もう一度反芻してみたいと思っているところです。
$$$ ことしの仙台七夕で一番斬新でカッコよかった飾り。誰のデザインだろう。
実はちょうど1年前の8月8日、「医者が患者になった時」で綴りましたように、椎骨動脈解離+小脳梗塞を急性発症し、入院しました。
あれから1年たちましたが、今は皆様のおかげで、なんとか元気に生活しております。
ブログで散々書きましたが、病気になって数日は混沌の中におりました。その後だんだんと、なんでこの自分がこんな病気になったんだろうという「不条理」、明日はどうなるか実は誰にもわからないという「不確実」、誰も自分の今の苦しみを同じように実感することはできないという「不可能」、一挙手一投足ごとに感じる「不自由」に加え、それら全てを抱え込むことの「不安」という5つの「不」を痛感させられました。
今でこそ、目の前の小さな目的−手段連鎖に明け暮れる毎日ですが、病気というのは、そうした安穏とした日常に突如風穴を開けて、私達におのれの存在の意味を不意に問いかけてくるものなのです。
病気になってみて始めて、人間というのは、自分の中に苦しんでいる自分とそれを必死で言葉で説明しようとする自分がいて常にそれらがからみ合っている(=文字通り葛藤)ことに気がつくし、また自分は一人で生きているのではなく、家族、友人、仕事仲間、医療者等様々な関係性の中を生きているということも否応なく痛感させられるのです。
病気というのは、このように自己の中の関係性と、自己と他者の関係性の2つの関係性の存在とその意味を、私達に突如として、しかも極めてダイレクトに問いかけてくる脅威の存在です。
でも、1年経って、安穏で安定し小さな秩序にやきもきする日常を送っていると、そうした存在のクライシス(=危機)のような嵐を忘れてしまっていることに気が付きます。ちょうど震災の時の痛み苦しみが、徐々に薄れていくのと同じように。。
もちろんそうした危機はないに越したことはないわけですが、あのときに目の前につきつけられた、自分という存在の唯一無二性みたいなものと、そして人間が一人でいることの不可能性みたいなものを、1年たった今、もう一度反芻してみたいと思っているところです。
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by dobashinaika
| 2015-08-08 22:47
| 医者が患者になった時
|
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土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。
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筆者は、2013年4月以降、ブログ内容に関連して開示すべき利益相反関係にある製薬企業はありません
●医療法人土橋内科医院
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