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周術期のヘパリンブリッジにより大出血は増える(ORBIT-AF試験):Ciurculation誌

Use and Outcomes Associated with Bridging During Anticoagulation Interruptions in Patients with Atrial Fibrillation: Findings from the Outcomes Registry for Better Informed Treatment of Atrial Fibrillation (ORBIT-AF)
Benjamin A. Steinberg et al
Circulation 12月12日


疑問:抗凝固療法中断時のヘパリンブリッジは有効かつ安全か?

方法:
・米国の外来心房細動患者対象のORBIT-AF試験
・手技による抗凝固療薬の一時的中断とブリッジング治療を施行した例の検討
・中止30日以内の心筋梗塞、脳卒中/全身性塞栓症、大出血、入院、死亡

結果:
1)全7372例中、抗凝固薬の中断2,800例30%。平均2年追跡

2)ブリッジング治療:665例21%:低分子ヘパリン73%、未分画ヘパリン15%

3)ブリッジング治療患者:脳血管疾患の既往例多い (22% vs. 15%, p=0.0003)

4)ブリッジング治療患者:機械弁患者多い:(9.6% vs. 2.4%, p<0.0001)

5)CHA2DS-VAScスコアに差なし

6)大出血:ブリッジング治療者に多い:(5.0% vs. 1.3%, adjusted OR 3.84, p<0.0001)

7)心筋梗塞、脳卒中/全身性塞栓症、大出血、入院、死亡:ブリッジング治療例に多い:(13% vs. 6.3%, adjusted OR 1.94, p=0.0001)

結論:ブリッジング抗凝固療法は抗凝固療法中断患者の1/4に施行されており、大出血や有害事象の高リスクと関係していた。これらのデータは、定型的なブリッジング施行を支持しない。更なるデータ必要

### またしてもブリッジング治療にネガティブな結果です。先日RE-LY試験のサブ解析でも同様の結果でした。あの時は大出血はワルファリン群でブリッジング例がしない例の2倍、ダビガトラン群が4.5倍。脳卒中/全身性塞栓症は同等またはダビガトラインのほうがやや低いでした。
http://dobashin.exblog.jp/20486096/

今回の抗凝固薬プロファイルはワルファリン93%とダビガトラン6.5%です。ブリッジング例の大出血は3.8倍でした。脳卒中/全身性塞栓症はアブストラクトには載っていませんが、本文の表を見ますとイベント数自体がかなり少なく、これだけで有意差はなかったようです。

また抜歯でも9%に中断が見られたり、カテーテルアブレーションや内視鏡でも有害事象が多いのも目立っています。

この試験ですが、心臓手術や心臓以外の手術でもブリッジングしないで手術する例が何百例もあって、手術の種類も様々であり、ヘパリンの量や投与時期なども主治医の裁量と思われます。またブリッジングの適応も、まさに塞栓症リスクの高い例ほど行われているわけですので、選択パイアスは登録研究の宿命かと思われます。

今後、ヘパリンブリッジは避けるべきであるという警鐘は大きく鳴ってきたとは言えると思われますが、どんな症例ならしなくて済むのか。たとえばCHA2DS-VAScスコア1点患者など、もともと塞栓症イベントが少ない例なら、抗凝固薬中断だけでも良いのか。
またヘパリン投与量を厳密に調節すれば大丈夫なのか、どういう症例が出血するのか、ブリッジングなしで塞栓症を起こすのか、ブリッジング期間の短いNOACならどうなのか? 

もう疑問だらけという感じですね。
前回も述べたようにまずは大手術のみを対象としたランダム化比較試験が必要です。

### 市内の本屋さん。人文系の本が充実していてよく行ったのですが、昨日で閉店です。本屋フェチの私としては心が痛みます。
a0119856_1913250.jpg

by dobashinaika | 2014-12-16 19:01 | 抗凝固療法:抜歯、内視鏡、手術 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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