ダビガトランの中和薬に関する人を対象とした研究:Circulation誌
ベーリンガーインゲルハイム ジャパン株式会社 からのプレスリースです。
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/news_releases/press_releases/2014/140626-2111.html
これに関連して11月にシカゴで行われた米国心臓協会(AHA)で、ダビガトランの中和薬
Idarucizumabに関する健常者対象の第I相試験の結果が報告されています。
Effect of Dabigatran on the Ability to Generate Fibrin at a Wound site and its Reversal by Idarucizumab, the Antidote to Dabigatran, in Healthy Volunteers: An Exploratory Marker of Blood Loss
Joanne van Ryn et al
Circulation.2014; 130: A18403
・ダビガトラン110mgx2を4日間、健常者に投与
・ファイブロペプタイドA (FPA)を前, 3, 4日後の朝内服2.5時間ごと6時間後に定量
・4日目にIdarucizumab1,2,4g及び偽薬を5分かけて静注・前腕に紙で切った時のような傷をつけそこから血液採取
・ダビガトランによりFPAはほど完全に抑制される
・フィブリン形成はIdarucizumabで用量依存性に回復する。
・抗凝固能はダビガトランにより明らかに延長し、Idarucizumab2及び4gでコントロールレベルにまで回復する
2年前のブログで紹介した試験の結果ですね。
http://dobashin.exblog.jp/16751720/
ダビガトランは、リアルワールドの結果も多く出揃ってきて(150mgのデータが多いですが)、ポジティブなデータもネガティブなデータも他のNOACにくらべて豊富だという印象があります。別にダビガトランの肩を特に持つわけではありませんが、そのような意味では、どの症例には使えてどの症例には使えないかがある程度、他よりも明らかになっており、それらをしっかり把握しておけば、使いやすい薬といえるかもしれません。
それに中和薬の存在が加われば、より安心感は増すと思われます。
5月からはグローバルの臨床試験も始まっているようです。
$$$ 今朝は寒かったですね。朝6時45分。まだやや暗い中で、近くの神社の鳥居を後ろから写してみました。見えますでしょうか。この辺りは大崎八幡のお膝元なのか、大小いろいろな神社があり、ここも気づかないと通り過ぎてしまうようなお社です。
http://www.boehringer-ingelheim.jp/news/news_releases/press_releases/2014/140626-2111.html
これに関連して11月にシカゴで行われた米国心臓協会(AHA)で、ダビガトランの中和薬
Idarucizumabに関する健常者対象の第I相試験の結果が報告されています。
Effect of Dabigatran on the Ability to Generate Fibrin at a Wound site and its Reversal by Idarucizumab, the Antidote to Dabigatran, in Healthy Volunteers: An Exploratory Marker of Blood Loss
Joanne van Ryn et al
Circulation.2014; 130: A18403
・ダビガトラン110mgx2を4日間、健常者に投与
・ファイブロペプタイドA (FPA)を前, 3, 4日後の朝内服2.5時間ごと6時間後に定量
・4日目にIdarucizumab1,2,4g及び偽薬を5分かけて静注・前腕に紙で切った時のような傷をつけそこから血液採取
・ダビガトランによりFPAはほど完全に抑制される
・フィブリン形成はIdarucizumabで用量依存性に回復する。
・抗凝固能はダビガトランにより明らかに延長し、Idarucizumab2及び4gでコントロールレベルにまで回復する
2年前のブログで紹介した試験の結果ですね。
http://dobashin.exblog.jp/16751720/
ダビガトランは、リアルワールドの結果も多く出揃ってきて(150mgのデータが多いですが)、ポジティブなデータもネガティブなデータも他のNOACにくらべて豊富だという印象があります。別にダビガトランの肩を特に持つわけではありませんが、そのような意味では、どの症例には使えてどの症例には使えないかがある程度、他よりも明らかになっており、それらをしっかり把握しておけば、使いやすい薬といえるかもしれません。
それに中和薬の存在が加われば、より安心感は増すと思われます。
5月からはグローバルの臨床試験も始まっているようです。
$$$ 今朝は寒かったですね。朝6時45分。まだやや暗い中で、近くの神社の鳥居を後ろから写してみました。見えますでしょうか。この辺りは大崎八幡のお膝元なのか、大小いろいろな神社があり、ここも気づかないと通り過ぎてしまうようなお社です。
by dobashinaika
| 2014-12-05 22:19
| 抗凝固療法:中和方法
|
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土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。
by dobashinaika
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筆者は、2013年4月以降、ブログ内容に関連して開示すべき利益相反関係にある製薬企業はありません
●医療法人土橋内科医院
●日経メディカルオンライン連載「プライマリケア医のための心房細動入門リターンズ」
●ケアネット連載「Dr,小田倉の心房細動な日々〜ダイジェスト版〜」
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