心臓手術後の心房細動等へのコルヒチンの効果:JAMA誌
JAMA. Published online August 30, 2014. doi:10.1001/jama.2014.11026
Colchicine for Prevention of Postpericardiotomy Syndrome and Postoperative Atrial FibrillationThe COPPS-2 Randomized Clinical Trial
Massimo Imazio et al
疑問:心臓手術後の心タンポナーデや心房細動に、コルヒチンは有効か?
P:イタリアの11施設から登録差sれた心臓手術連続症例(2012.3〜2014.3);360例(平均67.5歳、69%女性、36%弁手術)
洞調律でない例、心移植、コルヒチン禁忌例は除く
E:コルヒチン180例:70kg以上 0.5mg1日2回, 70kg未満1日1回:術後48〜72時間で開始し1ヶ月持続
C: コルヒチン非投与180例
O:
主要評価項目=心膜切開術後症候群(3ヶ月以内)
注)心膜切開術後症候群は以下のうち2つを満たす:1)説明の付かない発熱 2)胸膜痛 3)心膜摩擦音増強 4)心嚢液 5)CRP上昇なしの胸水
二次j評価項目=心房細動または心嚢液貯留
T:無作為化二重盲検比較試験
結果:
1)主要評価項目:コルヒチン群19.4% vs. 対照群29.4%:絶対減少10.0%、NNT10
2)術後心房細動;コルヒチン群33.9% vs. 対照群41.7%%:絶対減少7.8%、有意差なし
3)術後心嚢液または胸水:コルヒチン群57.2% vs. 対照群58/9%%:絶対減少1.7%、有意差なし
4)術後心房細動(on treatment解析);コルヒチン群27.0% vs. 対照群41.7%%:絶対減少14.2%、95% CI, 3.3%-24.7%
5)有害事象;コルヒチン群20・0%% vs. 対照群11.7%:絶対減少8.30%、NNH=12
6)服薬中断はおなじ、重篤な有害事象なし
結論:コルヒチンは心臓術後の心膜切開後症候群を有意に減らしたが、心房細動や心嚢液は減らさなかった。術後の消化器症状を軽減する可能性あり
### 現在バルセロナで行われている欧州心臓病学会でも発表されたCOPPS-2試験です・
コルヒチンは古い薬ですが、最近注目ですね。
最近だと狭心症二次予防に効くという報告があります。
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=1486716
以前、アブレーションの再発予防や心膜炎予防効果についてはブログでも触れています。
http://dobashin.exblog.jp/16589213/
今回はきっちりランダム割付されていてエビデンスレベルは高いようです。
術後心房細動は残念ながら有意に減らせなかったようですが、脱落例が多かったからと考察されています。
たしかに20%も有害事象があり多くは消化器症状ですが、用量設定に問題があったのかもしれません。
ほかに、心膜切開後症候群の症状の多くは、術後一過性の炎症に起因する要素が多いと思われますが、心房細動となると炎症だけで説明がつかない機序のmのもあるのかもしれないとも思います。
今後ともいろいろな疾患で注目したいです。
Colchicine for Prevention of Postpericardiotomy Syndrome and Postoperative Atrial FibrillationThe COPPS-2 Randomized Clinical Trial
Massimo Imazio et al
疑問:心臓手術後の心タンポナーデや心房細動に、コルヒチンは有効か?
P:イタリアの11施設から登録差sれた心臓手術連続症例(2012.3〜2014.3);360例(平均67.5歳、69%女性、36%弁手術)
洞調律でない例、心移植、コルヒチン禁忌例は除く
E:コルヒチン180例:70kg以上 0.5mg1日2回, 70kg未満1日1回:術後48〜72時間で開始し1ヶ月持続
C: コルヒチン非投与180例
O:
主要評価項目=心膜切開術後症候群(3ヶ月以内)
注)心膜切開術後症候群は以下のうち2つを満たす:1)説明の付かない発熱 2)胸膜痛 3)心膜摩擦音増強 4)心嚢液 5)CRP上昇なしの胸水
二次j評価項目=心房細動または心嚢液貯留
T:無作為化二重盲検比較試験
結果:
1)主要評価項目:コルヒチン群19.4% vs. 対照群29.4%:絶対減少10.0%、NNT10
2)術後心房細動;コルヒチン群33.9% vs. 対照群41.7%%:絶対減少7.8%、有意差なし
3)術後心嚢液または胸水:コルヒチン群57.2% vs. 対照群58/9%%:絶対減少1.7%、有意差なし
4)術後心房細動(on treatment解析);コルヒチン群27.0% vs. 対照群41.7%%:絶対減少14.2%、95% CI, 3.3%-24.7%
5)有害事象;コルヒチン群20・0%% vs. 対照群11.7%:絶対減少8.30%、NNH=12
6)服薬中断はおなじ、重篤な有害事象なし
結論:コルヒチンは心臓術後の心膜切開後症候群を有意に減らしたが、心房細動や心嚢液は減らさなかった。術後の消化器症状を軽減する可能性あり
### 現在バルセロナで行われている欧州心臓病学会でも発表されたCOPPS-2試験です・
コルヒチンは古い薬ですが、最近注目ですね。
最近だと狭心症二次予防に効くという報告があります。
http://content.onlinejacc.org/article.aspx?articleid=1486716
以前、アブレーションの再発予防や心膜炎予防効果についてはブログでも触れています。
http://dobashin.exblog.jp/16589213/
今回はきっちりランダム割付されていてエビデンスレベルは高いようです。
術後心房細動は残念ながら有意に減らせなかったようですが、脱落例が多かったからと考察されています。
たしかに20%も有害事象があり多くは消化器症状ですが、用量設定に問題があったのかもしれません。
ほかに、心膜切開後症候群の症状の多くは、術後一過性の炎症に起因する要素が多いと思われますが、心房細動となると炎症だけで説明がつかない機序のmのもあるのかもしれないとも思います。
今後ともいろいろな疾患で注目したいです。
by dobashinaika
| 2014-09-01 12:07
| 心房細動:リアルワールドデータ
|
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土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。
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筆者は、2013年4月以降、ブログ内容に関連して開示すべき利益相反関係にある製薬企業はありません
●医療法人土橋内科医院
●日経メディカルオンライン連載「プライマリケア医のための心房細動入門リターンズ」
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