NOAC服用中に脳卒中を発症したらいつから再開すべきか:IJS誌のレビュー
International Journal of StrokeVolume 9, Issue 5, pages 627–632, July 2014
Management of acute stroke in patients taking novel oral anticoagulants
Graeme J. Hankey et al
NOAC服用者の急性虚血性脳卒中 (AIS)における管理の仕方に関しての総説がありました。
脳血管専門医に聞かないとなかなかわからないようなことなので、参考になります。
どの程度の信頼性があるか不明で恐縮ですが、一応推奨部分だけ紹介しておきます。
妥当性、信頼性については本文を参照の上ご判断ください。
<急性虚血性脳卒中後>
1.病歴や検査から抗凝固効果がない、またはNOACの最終服用(腎機能正常)から半減期の2倍の時間が経過したら、NOAC内服下の患者の血栓溶解は開始されるべき
2.ダビガトラン内服者では、臨床的に確かな抗凝固効果がなければ血栓溶解は考慮されるべき。抗凝固効果は以下の検査で評価(最終服用の4時間後)
・正常トロンボ時間
・正常ECT(エカリン凝固時間)
・正常ヘモクロット
正常なaPTTそれ自体は抗凝固能欠所の十分な証拠とは考えられないことに注意
3.リバーロキサバン、アピキサバン内服中のひとの虚血性脳卒中後は、最近内服が少なくとも24時間前か、色素生成Xa因子測定で残存する抗凝固効果がないことが確認されなければの血栓溶解はすべきでない。
<AIS後、いつからNOACによる抗凝固を再開すべきか>
1.いつ再開するかは、梗塞サイズなどの、AIS時の出血形成のリスク因子を患者ごとに考慮にいれることが勧められる。再開のタイミングに関する妥当な臨床データは欠如しているが、大雑把に1ー3ー6ー12デイルールが支持されている。TIAの1日後、後遺症の残さない小梗塞の3日後、中等度の梗塞の6日後から開始する。大きな灌流域を占める大梗塞では2~3週経過するまで再開しない
2.ガイドラインより早期の再開は再発リスクの高い小梗塞において考えられるべき。ただし以下の様な出血形成のリスクが低い場合
・血圧管理良好(140未満)
・正常血小板数
MRI(または数日後のCT)での目に見える虚血性変化なしの患者はもっと遅らせることなく、抗凝固療法を安全に再開することができる
<脳内出血後>
1.脳出血後の再開の判断はその患者の相対的なリスクベネフィットのプロファイルによる。言い換えると、抗凝固薬の有無でCHの再発リスクの評価と脳梗塞祭がつリスクがどう変わるかによる
・抗凝固療法他の患者の脳出血再発を正確に予測する信頼できるデータはない
(a)脳出血再発リスクは脳葉型出血、虚血性脳卒中の既往、糖尿病、抗血小板薬使用例でより増加するだろう
(b)脳卒中/全身性塞栓症の再発リスクは、CHADS2スコア、CHA2DS2-VAScスコア高値例や、経食道エコーで左心機能低下例、左房拡大例、左房内血栓例で高い
(c)脳出血再発リスクはコントロール良好な血圧の時は低いだろう
・いくつかの試験では脳出血後10~30週後に再開するのが妥当と言っているが、他の試験では血栓塞栓リスクが高く出血リスクが低い例では1~3週の早い再開勧めている
Management of acute stroke in patients taking novel oral anticoagulants
Graeme J. Hankey et al
NOAC服用者の急性虚血性脳卒中 (AIS)における管理の仕方に関しての総説がありました。
脳血管専門医に聞かないとなかなかわからないようなことなので、参考になります。
どの程度の信頼性があるか不明で恐縮ですが、一応推奨部分だけ紹介しておきます。
妥当性、信頼性については本文を参照の上ご判断ください。
<急性虚血性脳卒中後>
1.病歴や検査から抗凝固効果がない、またはNOACの最終服用(腎機能正常)から半減期の2倍の時間が経過したら、NOAC内服下の患者の血栓溶解は開始されるべき
2.ダビガトラン内服者では、臨床的に確かな抗凝固効果がなければ血栓溶解は考慮されるべき。抗凝固効果は以下の検査で評価(最終服用の4時間後)
・正常トロンボ時間
・正常ECT(エカリン凝固時間)
・正常ヘモクロット
正常なaPTTそれ自体は抗凝固能欠所の十分な証拠とは考えられないことに注意
3.リバーロキサバン、アピキサバン内服中のひとの虚血性脳卒中後は、最近内服が少なくとも24時間前か、色素生成Xa因子測定で残存する抗凝固効果がないことが確認されなければの血栓溶解はすべきでない。
<AIS後、いつからNOACによる抗凝固を再開すべきか>
1.いつ再開するかは、梗塞サイズなどの、AIS時の出血形成のリスク因子を患者ごとに考慮にいれることが勧められる。再開のタイミングに関する妥当な臨床データは欠如しているが、大雑把に1ー3ー6ー12デイルールが支持されている。TIAの1日後、後遺症の残さない小梗塞の3日後、中等度の梗塞の6日後から開始する。大きな灌流域を占める大梗塞では2~3週経過するまで再開しない
2.ガイドラインより早期の再開は再発リスクの高い小梗塞において考えられるべき。ただし以下の様な出血形成のリスクが低い場合
・血圧管理良好(140未満)
・正常血小板数
MRI(または数日後のCT)での目に見える虚血性変化なしの患者はもっと遅らせることなく、抗凝固療法を安全に再開することができる
<脳内出血後>
1.脳出血後の再開の判断はその患者の相対的なリスクベネフィットのプロファイルによる。言い換えると、抗凝固薬の有無でCHの再発リスクの評価と脳梗塞祭がつリスクがどう変わるかによる
・抗凝固療法他の患者の脳出血再発を正確に予測する信頼できるデータはない
(a)脳出血再発リスクは脳葉型出血、虚血性脳卒中の既往、糖尿病、抗血小板薬使用例でより増加するだろう
(b)脳卒中/全身性塞栓症の再発リスクは、CHADS2スコア、CHA2DS2-VAScスコア高値例や、経食道エコーで左心機能低下例、左房拡大例、左房内血栓例で高い
(c)脳出血再発リスクはコントロール良好な血圧の時は低いだろう
・いくつかの試験では脳出血後10~30週後に再開するのが妥当と言っているが、他の試験では血栓塞栓リスクが高く出血リスクが低い例では1~3週の早い再開勧めている
by dobashinaika
| 2014-07-14 23:54
| 脳卒中後
|
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