第3回どばし健康カフェ「医療用語ってわかりにくくないですか?」 盛況のうちに終了しました!
昨日(12日)、午後から当院待合室(通称アゴラ;”広場”を意味します)で、第3回どばし健康カフェが開催されました。
今回のテーマは「医療用語ってわかりにくくないですか」でした。
当日が近づくにつれて申し込まれる方が増え、最終的に24名と、これまでで最多の参加者となりました。
急遽机を調達して、4グループに分かれてのワールドカフェ形式を行いました。
今回私もファシリテーターしたので、写真を撮り忘れました。事前の準備状況だけの写真ですみません^^;)
薬剤師さん、検査技師さん、保健師さん、栄養士さんなど医療従事者の方から、町内会長さん、セラピストの方、会社員の方、経営コンサルタントの方、当院の患者さんなど老若男女多彩な顔ぶれとなりました。
わかりにくい言葉の実例をまず、私が2−3挙げてミニレクチャーをした後、
前半は、とにかくこれまでご自身で医療機関などで使われている言葉がわかりにくかった経験談や、テレビ新聞などのメディアで出てくるわからない言葉をあげていただくことにしました。
わかりにくい言葉としていろいろ出ましたが、以下のように分類されると思われました。
最初からわからない
・IVH,CV,TPN→略語
・観血的
・ジェネリック
・クレアチニン
・インフォームドコンセント
・セコンドオピニオン
・拮抗
・レセプト
体の場所が分からない
・左心房
・かん動脈
・上腕、前腕
ややわかるが、もっと詳しく知りたい
・絶飲食
・ポリープ
違いがわからない
・悪玉コレステロール、善玉コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール
・腫瘍と腫瘤
・ヘモグロビンとヘモグロビンエーワンシー
・熱発と発熱→業界用語
また、どういうときにわからなかったか、どういう状況にわからなかったかと言う話題も出て、
・言葉だ羅列されるとわからない→話の流れでわかることもあるけど。。
・くすりの注意事項がわからない
・くすりの名前を言われてもわからない
・医師の言ったくすりの名前と薬局からもらった実際の名前が違う
・検査の数字がわからない
・数字の単位がいろいろ違う
・医師はわかりやすいつもりだが、わかりやすすぎてかえって不明
例)「はやりのかぜだね」→こういわれても何の病気かわからない
さらに、あるグループでは、医師からどう痛みますかと言われても、実際の感覚は正確に言い表せるものではないとの話題があがりました.
・たとえば医師から「チクチクしますか?」「ズキズキしますか?」「キリキリすますか?」といわれ手も、そう言い表していいのかわからない。
医師の言っている感覚と違いかもしれない。
というわけです。
反対に、患者さんの言われる言葉がわからない、と言う声が医療者側から上がりました。
・方言。「コワイ」は東北では「疲れた」を表す・
・「目がシブイ」と言われたのが、具体的にどんな感覚かわからない
・「めまいする」といわれるが、医療者が考えている「めまい」と患者さんが意味する「めまい」が違うことがある。
ということで、「医学用語がわかりにくい」とひとくくりでテーマを設けましたが、想定外にいろいろな側面があることがわかってきました。
後半は、こうしたわかりにくい医学用語をわかりやすくするには、今後どのようなことをすればよいのかをテーマに話し合いました。
まず医療者側がしなければならないことは
・顔を見て話してくれることが大切。わかってるかどうか、表情からも察してほしい
・パソコンを見ていて、ひとを見ていないのはだめ
・図、絵、映像(動画)を使ってほしい
・説明したことを紙に書いて渡してほしい
・相手をわかろうとする姿勢が大切
・どのくらい患者さんがわかっているかを、時々聞いてみる
・上手にコミュケーションすることが大切
・質問ボックスを作る
・看護師さんや受付の人にも聞く
などという対策があげられました。
一方患者さん側も
・ネットなどでわからないことを調べる
・ある程度自分の症状を整理して伝える
・言わなくてもわかってくれるだろうと思い込みをしない
という努力をしようと言う声があがる一方
・わからないときに聞き返せる関係の主治医を持つことが大切
・何でも聞いてくれる先生がほしい
という要望も多く聞かれました。
私自身、今回のカフェを通じて気づいたのは、結局言葉がわからないと言うのは、それを発しているひとが、「相手がどのくらい自分の言葉をわかっているのかがわからない」とうことなんだ、ということです。
その想像力がなくて、ひたすら自分の頭の中で閉じこもって話を進めると、コミュニケーションが成り立たなくなってしまう。
それは患者さんが、医療者に症状を話すときも同じように思います。患者さんは、このことが言いたいのに、医療者が勝手に解釈してしまう場合も多々あると思われます。
言葉の言い換えと言った小手先の対策の奥にある、「相手の理解力の理解」がキーポイントだと思いました。
しかしやはり大勢で話し合うと、思いもしないアイデアが飛び出して、今回もやめられまへんな〜って感じでした。
次回は9月後半に行う予定です。決まり次第発表いたします。
今回のテーマは「医療用語ってわかりにくくないですか」でした。
当日が近づくにつれて申し込まれる方が増え、最終的に24名と、これまでで最多の参加者となりました。
急遽机を調達して、4グループに分かれてのワールドカフェ形式を行いました。
今回私もファシリテーターしたので、写真を撮り忘れました。事前の準備状況だけの写真ですみません^^;)
薬剤師さん、検査技師さん、保健師さん、栄養士さんなど医療従事者の方から、町内会長さん、セラピストの方、会社員の方、経営コンサルタントの方、当院の患者さんなど老若男女多彩な顔ぶれとなりました。
わかりにくい言葉の実例をまず、私が2−3挙げてミニレクチャーをした後、
前半は、とにかくこれまでご自身で医療機関などで使われている言葉がわかりにくかった経験談や、テレビ新聞などのメディアで出てくるわからない言葉をあげていただくことにしました。
わかりにくい言葉としていろいろ出ましたが、以下のように分類されると思われました。
最初からわからない
・IVH,CV,TPN→略語
・観血的
・ジェネリック
・クレアチニン
・インフォームドコンセント
・セコンドオピニオン
・拮抗
・レセプト
体の場所が分からない
・左心房
・かん動脈
・上腕、前腕
ややわかるが、もっと詳しく知りたい
・絶飲食
・ポリープ
違いがわからない
・悪玉コレステロール、善玉コレステロール、LDLコレステロール、HDLコレステロール
・腫瘍と腫瘤
・ヘモグロビンとヘモグロビンエーワンシー
・熱発と発熱→業界用語
また、どういうときにわからなかったか、どういう状況にわからなかったかと言う話題も出て、
・言葉だ羅列されるとわからない→話の流れでわかることもあるけど。。
・くすりの注意事項がわからない
・くすりの名前を言われてもわからない
・医師の言ったくすりの名前と薬局からもらった実際の名前が違う
・検査の数字がわからない
・数字の単位がいろいろ違う
・医師はわかりやすいつもりだが、わかりやすすぎてかえって不明
例)「はやりのかぜだね」→こういわれても何の病気かわからない
さらに、あるグループでは、医師からどう痛みますかと言われても、実際の感覚は正確に言い表せるものではないとの話題があがりました.
・たとえば医師から「チクチクしますか?」「ズキズキしますか?」「キリキリすますか?」といわれ手も、そう言い表していいのかわからない。
医師の言っている感覚と違いかもしれない。
というわけです。
反対に、患者さんの言われる言葉がわからない、と言う声が医療者側から上がりました。
・方言。「コワイ」は東北では「疲れた」を表す・
・「目がシブイ」と言われたのが、具体的にどんな感覚かわからない
・「めまいする」といわれるが、医療者が考えている「めまい」と患者さんが意味する「めまい」が違うことがある。
ということで、「医学用語がわかりにくい」とひとくくりでテーマを設けましたが、想定外にいろいろな側面があることがわかってきました。
後半は、こうしたわかりにくい医学用語をわかりやすくするには、今後どのようなことをすればよいのかをテーマに話し合いました。
まず医療者側がしなければならないことは
・顔を見て話してくれることが大切。わかってるかどうか、表情からも察してほしい
・パソコンを見ていて、ひとを見ていないのはだめ
・図、絵、映像(動画)を使ってほしい
・説明したことを紙に書いて渡してほしい
・相手をわかろうとする姿勢が大切
・どのくらい患者さんがわかっているかを、時々聞いてみる
・上手にコミュケーションすることが大切
・質問ボックスを作る
・看護師さんや受付の人にも聞く
などという対策があげられました。
一方患者さん側も
・ネットなどでわからないことを調べる
・ある程度自分の症状を整理して伝える
・言わなくてもわかってくれるだろうと思い込みをしない
という努力をしようと言う声があがる一方
・わからないときに聞き返せる関係の主治医を持つことが大切
・何でも聞いてくれる先生がほしい
という要望も多く聞かれました。
私自身、今回のカフェを通じて気づいたのは、結局言葉がわからないと言うのは、それを発しているひとが、「相手がどのくらい自分の言葉をわかっているのかがわからない」とうことなんだ、ということです。
その想像力がなくて、ひたすら自分の頭の中で閉じこもって話を進めると、コミュニケーションが成り立たなくなってしまう。
それは患者さんが、医療者に症状を話すときも同じように思います。患者さんは、このことが言いたいのに、医療者が勝手に解釈してしまう場合も多々あると思われます。
言葉の言い換えと言った小手先の対策の奥にある、「相手の理解力の理解」がキーポイントだと思いました。
しかしやはり大勢で話し合うと、思いもしないアイデアが飛び出して、今回もやめられまへんな〜って感じでした。
次回は9月後半に行う予定です。決まり次第発表いたします。
by dobashinaika
| 2014-07-13 19:38
| 土橋内科医院
|
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土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。
by dobashinaika
筆者は、2013年4月以降、ブログ内容に関連して開示すべき利益相反関係にある製薬企業はありません
●医療法人土橋内科医院
●日経メディカルオンライン連載「プライマリケア医のための心房細動入門リターンズ」
●ケアネット連載「Dr,小田倉の心房細動な日々〜ダイジェスト版〜」
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