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リバーロキサバン服用者の大出血後のアウトカムはワルファリン出血と同等;EHJ誌

EHJ 3月21日オンライン板により

Management of major bleeding events in patients treated with rivaroxaban vs. warfarin: results from the ROCKET AF trialdoi:10.1093/eurheartj/ehu083

【疑問】Xa阻害薬による大出血時の管理はどうすればよいのか?

【方法】
・ROCKET-AF登録患者対象
・大出血時の対処法につき解析

【結果】
1)平均追跡期間1.9年。大出血例779例5.5%・113.2イベント/100人年:リバーロ群ワル群とも同等

2)イベント毎の濃厚赤血球輸血数:中間位両群とも2単位:25th2単位、75th4単位

3)輸血患者は少ない:全血14例、血小板輸血10例、クレオプレシピテート2例

4)新鮮凍結血漿:リバーロ群で有意に少なかった:45単位vs. 81単位:オッズ比0.43 (0.29-0.66); P<0.0001

5)プロトロンビン複合体製剤;リバーロ群で少なかった:4例vs. 9例

6)大出血後のアウトカム(脳卒中、全身性塞栓含む):リバーロ群4.7%vs. ワル群5.4%;HR0.89(0.42-1.88)

7)全死亡:リバーロ群20.4%vs. ワル群25.6%・HR0.69 (0.46-1.04) :交互作用はリバーロ群P=0.51,ワル群P=0.11

【結論】ROCKET AFにおける大出血既往のハイリスク患者においては、FFPとPCCの使用はワルファリン群に比べて、リバーロキサバン群で少なかった。
しかし、濃厚赤血球の使用と出血後のアウトカムには差はなかった。

### Xa阻害薬使用時の大出血に対しては、FFPやPCCはあまり使われなかったにも関わらず、出血後のアウトカムはワルファリンと同等であったというのが主要メッセージです。

リバーロキサバンの中和薬は以下のブログで紹介したように開発中だと思われますが、ワルファリンのようにPCCが効果的とのデータは限定的でした。
http://dobashin.exblog.jp/17716782/

また抗凝固因子自体の投与例は大変少なかったとのことです。

特殊な中和薬がなくても、その後の輸血や一般的な出血管理でワルファリンの出血とアウトカムが変わらないとなれば、一生懸命中和薬を開発しなくても良いような気もします。おそらくすみやかに体内から排泄されるからか、または消化管出血などが多く、中和薬無しでも輸血だけで対処できたからかもしれません。あるいは頭蓋内出血でもNOACにおいては出血量が少ないというレポートを最近良く聞きます。そうしたことが影響しているかもしれません。

あくまであとづけ解析であり、また救急医にはINRがわかっており、治療時にはバイアスがかかっていると思われます。
by dobashinaika | 2014-03-26 22:58 | 抗凝固療法:中和方法 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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