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プラザキサとワーファリンの使い方についての講演のまとめ

本日、抗凝固療法の実際〜ダビガトランとワーファリンをどう使うか〜“抗凝固薬を正しく怖がり、正しく使う“と題して、仙台市内での勉強会でお話をさせていただきました。意思のみならず、薬剤師の方の産科も見られ、数多くの方に聴いていただけて、とても光栄に思いました。
講演の骨子を以下にまとめました。

1)REーLY試験の私なりのまとめ
•300mg/日はワーファリンより血栓塞栓症を減らす–(100人あたり年間0.6人+ワーファリンにより3人)
•220mg/日はワーファリンと血栓塞栓症抑制は同等
•用量に関わらず、ワーファリンより脳出血を減らす–(年間0.4〜0.5人/100人)
•300mg/日はワーファリンより消化管出血(特に下部消化管)が多い
•日本人でdyspepsiaの副作用が多い
•ワーファリンコントロール良好例では効果は同等
•他の試験より出血頻度が多い–INR設定が日本人にとっては高め
•日本人参加者が少ない(約300名)

2)プラザキサ市販後最終報告
・出血/潰瘍の既往(Bleeding)、腎障害(Renal dysfunciton)、年齢70歳以上(Age)、併用薬剤の数(Number od Drugs)が2点以上が68%=BRANDスコア

・重篤出血139例のうちCCr30未満が22例。そのうちeGFR30以上が15例(30.9-52.1)、うち13例が女性。全例75歳以上、50kg以下がほとんど

3)プラザキサの使い方
・論文等ははあくまでCCrで評価している。メーカーの配布している計算尺や計算ソフトで年齢、体重、クレアチニンからCCrを求めて各症例で計算すべき
・実臨床ではeGFRが用いられており臨床的にはCCrより精度が高いと思われるので、今後eGFRによりリスク層別化が望まれる。
・ワソランの追加または同時併用時は,はじめの3日間プラザキサを2時間前に服用(両者ともTmaxに同時期に達しないように)
・アスピリンンからの切り替えは10日以上中止してから。ワーファリンからの切り替えはINR2.0以上のときは1ー2錠減らして3日後に来てもらう
・aPTTは投与前と1ヶ月後、その後3ヶ月毎。その施設の基準値を把握。朝飲まないで受診していただき採血する。基準値の1.5倍以上で要注意(少なくとも110mg)。2倍以上で中止

・当院データ公開:これまで29例。72が110mgx2。aPTTは平均52.2秒(48~78秒)
・小出血3例(1例は熱中症でCr2.4になり即中止)、dyspepsia3名,ワーファリンの逆戻り2名

4)ワーファリン、ダビガトランの使い分け
•基本はワーファリン
•ダビガトランを考慮する場合(非専門医)
–大前提:腎機能良好 (eGFR50以上)
–ワーファリン不適合例、納豆切望者
–75歳未満
–TTRの低い (ワーファリンコントロールの悪い)例
•基本的には110mgx2
–特に、ワソラン投与例、消化管潰瘍/出血既往例
•注意点
–便の色調、皮下出血
–定期的Hb, aPTT採血(投与はじめは頻回),随時腎機能評価
認知機能低下例はどちらも厳重注意:ダビガトランでは一包化できないので注意

5)TTR(Time in Therapeutic Range)を向上させるワーファリン投与法
・できれば70%以上を目指す
・2.0−3.0 の上限、下限ギリギリでのところでは0.25mgを使う

6)CHADS1点をどうするか以前のブログ参照
・基本は1点で投与。1点でかつCHA2DS2-VAScで65歳以上または血管疾患例は積極的考える
・HASーBLEDスコアの高い例では血圧コントロール、INRコントロール、アルコール制限などに力を注ぐ

7)血圧良好例をCHADS2スコアの1点に数えるか以前のブログ参照

8)抜歯、内視鏡、手術
・抜歯は抗凝固薬中止しない。大手術は中止
・上部消化管内視鏡は初回はのぞくだけ。下部内視鏡初回および上部の生検,ポリペクトミーの際は原則入院ヘパリンだが施設によってはそうも行かない
脳塞栓の既往またはCHADS2スコア3点以上は入院ヘパリン
・プラザキサは腎機能正常では前日夕から止める(検査が午前の場合)。腎機能低下では2日前夕から止める

9)無症候性心房細動
・発作性でも原則抗凝固療法。特に高齢者などCHADS2スコアの高い人ほど発作少なくても考慮する
・診察のとき必ず聴診などで脈を評価し、高齢者などでうちのまにか心房細動に移行している例をできるだけ見つけるようにする(結構見つかる)

10)心房細動の旅モデル

スライドを80枚も作ってしまい、時間をかなり大幅にオーバーしてしまいましたー

12月になって、自分が演者の勉強会がなんと4つありました!!。これほどのタイトスケジュールは初めてです。さすがに疲れましたが、充実感も残りました。
今日で、今年のお勉強は終わりです。
明日からはまた論文読みをコツコツやって行きます。

最近、おかげさまでブログを訪問してくださる方が多く、心房細動の各ジャンルについて系統だって論文や知識を見たり、検索したりできないかとの要望も受けております。
上記勉強会のための資料整理、スライド作りを通して、心房細動に関する自分なりの見解や論文について、もっとまとめた形のホームページも考えています。
来年の課題にしたいと思います。
by dobashinaika | 2011-12-13 23:15 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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