心房細動アブレーションの5年後の洞調律維持率は79.5%

雑誌Circulation12月7日号の論文です。

背景:心房細動患者に対するカテーテルアブレーションによる肺静脈隔離術の長期成績は明らかでない。

対象:
・ 2003年から2004年までにカテーテルアブレーションを施行した心房細動患者
・ 全161例(平均年齢59.8歳、男121名)、ハンブルグの病院の成績
・ 症状があり、左室機能が正常
・ 3次元マッピング、Lassoカテーテル(リング状)、イリゲーションカテーテル(先端電極を冷却できるもの)使用
・ アブレーション後5年間の長期成績を検討する

結果:
1)初回アブレーション後平均4.8年の追跡で洞調律維持率は46.6%(75/166)
2)2回施行が66人、3回施行が12人
3)2回目施行時肺静脈と心房の伝導が回復していたのが92%(62/66)。3回目では66.7%(66.7%)
4)(結果として)平均1回(以上)のアブレーション施行後、79.5%(128/161)の患者で安定した洞調律を達成できた。
5)21人(13.0%)の患者では、再発はするものの発作の管理が(容易に)可能となった。
6)追跡期間中4人が死亡した。永続性心房細動への移行は4人(2.4%、2人は症状申告のみ)に見られた。
a0119856_8582443.gif

a0119856_90371.jpg


結論:発作性心房細動で心機能正常患者においては、肺静脈隔離術により多数例で正常洞調律が維持可能であり、永続性への移行は少ないということが、5年間の追跡で明らかとなった。

###この論文の施設では、1回のアブレーションで46.6%の人が心房細動から解放され、2回受けると73.9%にも上ります。薬内服だけの場合、1年間での正常洞調律の維持は50%前後であり、この結果は5年間の追跡ですので、アブレーションの方が圧倒的に良いということになります。しかも永続性への移行は2.4%です。日本のJ-RHYTHM II試験では9.0~17.6%とされており、これと比較して考えてもすばらしい数字です。
 合併症、カテーテルそのものへの不安、施設間格差、これらのネガティブ面がさらに克服されれば、アブレーションが本当のファーストチョイスになって行く予感を感じさせる論文です。
by dobashinaika | 2010-12-23 09:00 | 心房細動:アブレーション | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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