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ダビガトランとリバーロキサバンの比較研究(米国12万例コホート):リアルワールドデータとは何か?


Stroke, Bleeding, and Mortality Risks in Elderly Medicare Beneficiaries Treated With Dabigatran or Rivaroxaban for Nonvalvular Atrial Fibrillation
JAMA Intern Med. Published online October 03, 2016. doi:10.1001/jamainternmed.2016.5954

疑問:ダビガトランとリバーロキサバンは有効性安全性に違いはあるのか?

デザイン,設定,対象:
・後ろ向き,新規投薬,118,891例,
・NVAF,65歳以上,メディケア患者
・2011年11月〜2014年6月までにダビガトランまたはリバーロキサバンを投与開始した患者
・プロペンシティースコアマッチ

介入:ダビガトラン150mgx2 vs. リバーロキサバン20mgx1

主要評価項目:血栓塞栓性脳卒中,頭蓋内出血,消化管出血を含む大出血,死亡率

結果:
1)ダビガトラン52240例,リバーロキサバン66651例,女性47%

2)血栓塞栓性脳卒中:リバーロキサバン群はダビガトランに比べ明らかな増加なし:HR0.81 (0.65-1.01;P=0.07)

3)頭蓋内出血:リバーロキサバン群はダビガトランに比べ増加:HR1.65 (1.20-2.26;P=0.002)

4)頭蓋外出血:リバーロキサバン群はダビガトランに比べ増加:HR1.48 (1.32-1.67;P<0.001)

5)消化管出血;リバーロキサバン群はダビガトランに比べ増加:HR1.40 (1.23-1.59;P<0.001)

6)死亡:リバーロキサバン群はダビガトラン群に比べ明らかな増加なし:HR1.15(1.00-1.32;P=0.051)

7)75歳以上またはCHADS2スコア3点以上では,リバーロキサバン群はダビガトラン群より死亡率大

8)リバーロキサバンの頭蓋内出血超過は血栓塞栓性脳卒中減少を上回る
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結論:リバーロキサバン20mg/日はダビガトラン150mgx2/日に比べ,頭蓋内出血,大出血,消化管出血を統計学的に明らかに増加させた

### リバーロキサバン分が悪いようですね。米国ですので,ダビガトランは150mgだけです。それでも出血はリバーロキサバンの多いのでしょうか。

後ろ向きコホートなので,各種交絡因子(PSマッチ済みとは言え)とくに,医師の裁量などがバイアスになります。スポンサーもわかりません。

ただ,同様にリバーロキサバンに分が悪いRWDもでています。
http://dobashin.exblog.jp/23151722/

こちら台湾の大規模コホートでもリバーロキサバンはやや出血が多いそうです。
http://dobashin.exblog.jp/23230162/

日本のデータはないでの結論出すのは早いですが,一応チェック。

#### コホート研究,PMSなどRCT以外のエビデンスはRWD (Real world data) と言われている,と山下先生から教わりました。「リアルワールド」とは何か,を考えたくなります。このデータも「米国のメディケアを受けている65歳以上の患者群」というリアルワールドであり,一方台湾には台湾,日本には日本のリアルワールドがある。

そしてなにより医師にとっては自分の担当する患者群というリアルワールドがある。もとい「患者を塊として考えるな,ひとりひとりが思いを持っている(by 草刈正雄板真田昌幸)」というわけで,目の前の患者というシンのリアルワールドに見かけのリアルワールド(RWD),さらにはバーチャルワールド(RCT?)をどう適用させられるか,が悩ましいところです。

なるべく眼の前の患者さん世界に近いRWDを読んでいきたいものです。でもそれがなかなかないのですね,今の日本には。

$$$ というわけで真田丸から,超名言を
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by dobashinaika | 2016-10-05 19:07 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

ダビガトランの中和薬に関する第三相試験論文:NEJM誌

Idarucizumab for Dabigatran Reversal
Charles V. Pollack, Jr et al
N Eng J Med June 22, 2015


ダビガトランの中和薬Idarucizumabの第III相試験の結果です。

方法:
Idarucizumab 5g静注の安全性と忍容性を検討
・グループA:大出血
・グループB:緊急手術前
・プライマリエンドポイント:静注4時間後の抗凝固効果の最大中和率
・中央での希釈トロンビン時間、エカリン凝固時間
・セカンダリーエンドポイント:止血の回復

結果:
1)90人:グループA51人。グループB39人

2)ベースラインで希釈トロンビン時間上昇68人及びエカリン凝固時間上昇81人のうち、最大中和率の中間値は100%(95%CI;100-100)

3)Idarucizumabは88〜99%の患者で試験を分単位で正常化した

4)79%の患者で、非結合ダビガトランは24時間で20ng/ml以下にとどまった

5)グループAの35人中、止血の確認時間は中間値で11.4時間

6)グループBの36人中、術中正常な止血が得られていたのは33人

7)中等度あるいは緩徐な異常止血はそれぞれ2,1人

8)72時間以内の血栓イベントは1例:この患者は抗凝固薬を再開せず

結論:Idarucizumabはダビガトランの抗凝固効果を分単位で完全に中和した。

### 先日のLancetでは第I相試験でしたが、NEJMにもう第III相が載る所まで来ていたのですね。
http://dobashin.exblog.jp/21354254/

今回の論文を見ると、ほぼ完璧な止血のようです。しかも分単位でとのことです。
血栓の5例(DVT1,PE1,左心耳血栓1MI1,虚血性脳卒中1)が気になりますが、ワルファリンよりは中和も簡便そうではあります。

$$$ いんげん採れました!
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by dobashinaika | 2015-06-23 22:31 | 抗凝固療法:中和方法 | Comments(0)

ダビガトランの中和薬に関する第一相試験論文:Lancet誌

Safety, tolerability, and efficacy of idarucizumab for the reversal of the anticoagulant effect of dabigatran in healthy male volunteers: a randomised, placebo-controlled, double-blind phase 1 trial
Dr Stephan Glund et al
Lancet Published Online: 15 June 2015


Lancetにダビガトランの中和薬Idarucizumab に関する第一層試験結果が論文化されています。

・18〜45歳の健常ボランティア47例
・全員ダビガトラン220mg3日間
・4日目最終服薬後2時間でIdarucizumab1.2.5+2.5gを静注。プラセボ対象あり

・Idarucizumabは迅速かつ完全にダビガトランの抗凝固作用を用量依存性にリバースした
・重篤な有害事象なし

Idarucizumabについての論文は以下のブログで何回も扱いまいした。
http://dobashin.exblog.jp/21040919/
http://dobashin.exblog.jp/20471846/

現実世界では第三相試験が進んでいるようです。

$$$ 先日まだ青っぽかったトマトですが、一部赤みを帯びてきました。生命の素晴らしさをこんなところで実感します。
この感覚、トマトが赤くなる色素の名前や仕組みがわかったところでそれとは無関係に存在する原体験ですね。

痛みの物質や神経回路がいくらわかっても痛みそれ自体の感覚を完全にカバーできないとパラレルです。

なんて、思ってしまう悪い癖。
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by dobashinaika | 2015-06-17 22:08 | 抗凝固療法:中和方法 | Comments(0)

ダビガトランの周術期管理に関する前向きコホート研究:Circ誌

Perioperative Management of Dabigatran: A Prospective Cohort Study
Sam Schulman et al
Circulation Published online before print May 12, 2015



背景:ダビガトランの周術期の使用法はいろいろなので、特異的なプロトコールによリ周術期の安全性を評価した

方法:
・ダビガトラン内服中で、待機的侵襲的手技を計画された患者
・最終用量の中止時期は、クレアチニン・クリアランスと手技関連の出血リスクによる
・ダビガトラン再開は手術の複雑性と出血合併症で決定
・主要評価項目=30日以内の大出血、その他項目=小出血、動脈血栓塞栓症、死亡

結果:
1)541例:標準リスク60%、高リスク40%

2)手術前中止期間:24時間46%、48時間37%、96時間6%

3)再開時間:プロトコール通り

4)大出血;10人1.8%

5)小出血28人5.2%

6)血栓塞栓症:TIA1人0.2%

7)死亡:4人(関係の内出血または血栓)

8)(ヘパリン)ブリッジは術前には行わず、術後9例1.7%で施行

結論:われわれの周術期ダビガトランマネジメントプロトコールは効果的で実行可能である

(COI:筆者らはベーリンガー始め数社からグラントサポートと謝礼を受けている)

### カナダ、マクマスター大学グループからの大変貴重な報告。
中断および再開のプロトコールは以下のとおり

<中断プロトコール>:
CCr>80:(標準リスク)24時間前、(高リスク)2日前、
50 < CCr <80:(標準リスク)24時間前、(高リスク)2日前
30 < CCr <50:(標準リスク)2日前、(高リスク)4日前、
<30:(標準リスク)4日前、(高リスク)6日前

<再開プロトコール>:小手術は手技当日夜から75mg1錠、翌朝から110mgまたは150mgx2の標準用量。高出血リスク手技では術後48〜72時間か
ら標準

このプロトコールで、ヘパリンブリッジなし(!)で行ったところ、出血、塞栓症とも少なかったとのことです。

これは大変貴重なデータですね。これまでワルファリンでは3〜5日前からの中断とヘパリンブリッジが推奨されていましたが、最近ヘパリンブリッジは出血ばかり増やして効果が少ないとの報告が目立っています。

このブログの論文は大出血率5.0%(ブリッジ施行)

RE-LY試験サブ解析の大出血率は、ダビガトランで6.5%、ワルファリンで6.8%(ブリッジ施行)
これら2つの試験ではヘパリンブリッジしなければ1.3〜1.8%で、今回の試験と同等の大出血率でした。

考えてみれば、ヘパリンブリッジ施行時、現実世界ではINRを確認しないで入院当日から即点滴されたり、腎機能などもあまり評価せず、点滴日数も深く吟味されないままこれまで行って来たわけで、それよりは今回のように腎機能と手術リスクでしっかりリスク層別化して、休薬と再開のプロトコールを決めてブリッジ無しで行ったほうが良いというわけですね。

で、その際は、半減期がかなり長く個人差があるワルファリンよりはNOACのほうが扱いやすいし、中断時間も短い分だけやる方としては足りやすいのかもしれません。

ダビガトランは、このように実臨床データの蓄積が他のNOACに比べて多いのが強みですね。この論文のプロトコールは広く使えると思われます。
なお同様の論文はこちら

$$$ ご近所の個人宅ですが藤の花で有名で、毎年一般公開されています。今年は例年より早く、今日で終わりでしたが、すでにかなり散り始めていました。雨が少なく咲いている期間が短かったそうです。でもしばし暑さを忘れさせてくれる空間でした。
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by dobashinaika | 2015-05-14 22:10 | 抗凝固療法:抜歯、内視鏡、手術 | Comments(0)

新しい薬はリアルワールドのデータが出れば出るほどわからないことが多くなる

ダビガトランに関する米国メディケアからのリアルワールドの論文がCirculationとJAMAIMから1つずつ出ていて、JAMAIMの方では特に消化管出血が多かったことが話題となっています。

前回のブログでも確認しましたが、消化管出血の発症率がかなり違っています。
      ダビガトラン   ワルファリン
JAMAIM    17.4%    10.0%
Ciuculation   3.42%    2.65%
RE-LY      1.56%    1.07%

JAMAIM http://dobashin.exblog.jp/20354077/
Circulation http://dobashin.exblog.jp/20339500/

これらは、消化管出血の定義の違いからくるようです。
JAMAIM(対象約9400人)では、大出血、小出血の両者が含まれています。大出血は「入院または救急部門に滞在した」消化管出血で、小出血は「何らかの外来患者の訴え」に基づいた消化管出血と論文の中で定義されています。

この消化管出血の中での大出血と小出血の区別は明らかにされていなようです。

一方Circulation(対象13万人)は、超大規模データですので、消化管出血はカルテのICD-9コードを元にしており、しかも「大出血」のみを扱っております。その定義もICD-9上の「致死的部位」「輸血」「死亡」というくくりです。

参考までにRE-LYは「大出血」が対象で、その定義はいわゆるISTH基準(Hb2以上減少、輸血2単位以上、致死的部位での症候性出血)と細かいものを採用しています。

JAMAIMには患者さん申告の小出血が含まれていたので、他よりも高発症率になったのだろうと思います。消化管出血でかつ大出血がどのくらいか論文には記載されていないようですので、そこはわかりません。またRE-LYのように下部消化管出血が多かったのかもわかりません。

またおなじくRCTで消化管出血の多かったリバーロキサバンの実臨床データもあまりなく、わかっていません。

また米国ですので、150mgx2のデータですが、日本ではすでに110mgx2は多数の患者さんが服用されていますので、欧州または日本初のリアル・ワールドデータがない、現段階ではこれもわかりません。

たとえば当院では大腸ポリープ、胃潰瘍の既往のあるひとは少なくともダビガトラン150x2はこれまで避けてきましたが、110x2でもそうすべきか、リバーロキサバンはどうか、まだ何一つわかっていません。アピキサバンはリアルワードデータはほぼ全く報告されていません。いろんな報告から、各人それぞれに解釈して意思決定しているのが現状でしょう。

後ろ向き大規模コホートは、症例数が膨大でインパクトが大きいのですが、反面細かい患者データがわからない。

新しいコホートが出れば出るほど、細かい点で知りたいことが増えてくるばかり、というのが3年半の歴史を経たNOACの現状のような気がします。

まあ、データが蓄積されればされるほど、知識が増えれば増えるほどわからないことが増える、ということは、「何がわからないのかがわかるようになる」ことであり、ある意味、EBMの、いや医療の、いや人生の摂理だと思われます。

ただしそうとばかり言っていたのでは思考停止(←便利なことば)になります。本論文は、全部の大出血がダビガトラン群で多かったことがわかっていて、この中に消化管出血は多く含まれていると思われますので、やはり150mgx2を使うとき消化管出血には十分な注意が必要ということをメッセージとして受け取るべきと思われます。

なおNOACが消化管出血をきたしやすいメカニズムについては、以前のT/H誌を参考にしてください。
ダビガトランの生物学的利用率が非常に低く、吸収されないダビガトランも消化管内(おそらく糞便中)でエステラーゼで活性化されるため、高レベルで集積される可能性が指摘されています。ですから上部より下部消化管出血が多いという指摘です。
http://dobashin.exblog.jp/20184354/

近所の神社の紅葉も、日に日に葉が少なくなってきています。私はだいたいこの前を通る朝は、必ず2拍してお参りをするのですが、ここ数日「何も考えずにお参りする」ようにしてみたところ、非常に難しいことに気が付きました(笑)。
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by dobashinaika | 2014-11-07 23:41 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトランのリアルワールド出血リスク:JAMAIM誌

Risk of Bleeding With Dabigatran in Atrial Fibrillation
Inmaculada Hernandez et al
JAMA Intern Med. Published online November 03, 2014. doi:10.1001/jamainternmed.2014.5398


疑問:ダビガトランの出血に関するリアルワールドデータはなにか

方法:
・後ろ向きコホート
・米国メディケアの薬局と医療機関データ5%のサンプル(2010−2011年)
・新規発症心房細動
・ワルファリンまたはダビガトランを診断60日以内に投与された患者
・ダビガトラン群1302人、ワルファリン群8102人
・部位別出血(大,小含む)イベント
・大出血:頭蓋内出血、心嚢内出血、血尿による受診、消化管出血、その他の出血
・プロペンシティスコアマッチ、Cox比例ハザードモデル
・4つの高出血リスク群を想定:75歳以上、アフリカンアメリカン,CKD,7つ以上の合併症

結果:
1)ダビガトランの大出血ハザード比(対ワルファリン):
 ・全出血:1.30 (95% CI, 1.20-1.41)
・大出血:1.58 (95% CI, 1.36-1.83)
・消化管出血:1.85 (95% CI, 1.64-2.07)
・頭蓋内出血:0.32 (95% CI, 0.20-0.50)

2)ダビガトラン群の大出血、消化管出血リスク増加はいずれのザブグループでも有意にあり

3)アフリカン・アメリカン、CKD患者で特に高リスク

結論:ダビガトランは(解剖学的部位にかかわらず)大出血リスク増加に関係有り。特に消化管出血を増加させたが、頭蓋内出血は減らした。ダビガトランは特に高リスク患者では、注意して使うべき。

### 先日ご紹介したCirculation誌のメディケアデータとは、やや異なる結果でした。
どちらもダビガトランで、ワルファリンより消化管出血が多かったわけですが、今回はハザード比が1.85倍(Circulaionでは1.28倍)とかなり高く、そのため大出血率も有意に高くなりました。

この違いの原因を知るため、患者背景を見てますと、本論文は症例数が両群とも8000〜13000人。平均年齢約75歳 、白人が80%以上で、黒人はダビガトラン群6.4% ,ワルファリン群8.1%、CHADS2スコア1点が20%前後、2、3点が50%強でした。

Circulationの方は、白人が92%、黒人は3%、CHADS2スコア0〜1点28%、2点40%。3点21%で、やや白人が多く、CHADS2スコアはやや高めですが、大きな違いはなさそうです。

一番の違いは消化管出血の発症率のようです。本論文ではダビガトラン群が17.4%、ワルファリン群で10.0%に対し、Circulationのほうは各3.42%、2.65%でした。ちなみにRE-LY本試験では各1.56%、1.07%でかなり低いです。

例えば、登録研究ですと、RE-LYなどで消化管出血が多いことを知っている患者さんが、少しの血便でも医師に報告するといったようなバイアスはありえるかもしれません。消化管出血の定義は両試験ともカルテベースのようなので、明記されていないようです(間違っていたらすみません)。

RE-LY試験は150mgの大出血はワルファリンと同等で、頭蓋内出血は半分以下、消化管出血は約1,5倍で有意に増加しておりましたので、類似していますが、今回データはさらに消化管出血が多い結果となっています。

RE-LYでは75歳未満では消化管出血はダビガトランで低く、75歳以上で高くなったのですが、本試験は年齢に関わらず一貫して高いとのことです。

確認ですが、米国ですので、110mgx2はなく、ほとんどが150x2で腎機能低下者は75x2だと思われます。

日本では110x2がありますが、これの消化管出血のリアルワールドデータも知りたいところです。今のところ、私としてはこれまで通り、150x2は消化管出血、胃潰瘍、(あるいは大腸ポリペクトミー)の既往がある場合は、立ち止まることにします。

Circulation誌のブログはこちら
http://dobashin.exblog.jp/20339500/

先日の「NOACリアルワールドデータスライド」に追加しておきます。
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### 今朝は寒かったです。今日から手袋デビュー。写真が取れるようにスマホ対応手袋買いました。スマホは指紋認証にしていますが、はじめ手袋のまま指紋認証してしまいました。その場面誰にも見られなくてよかった(笑)。
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by dobashinaika | 2014-11-05 22:26 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

新規経口抗凝固薬のリアルワールドデータのまとめ

Cardiovascular, Bleeding, and Mortality Risks in Elderly Medicare Patients Treated with Dabigatran or Warfarin for Non-Valvular Atrial Fibrillation
David J. Graham et al
doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.114.012061


以前FDAのホームページで発表された、米国メディケアの13万人を対象とした大規模観察研究です。
内容は以前紹介したものと同じですので、以下をご参照ください。
http://dobashin.exblog.jp/19798706/

アメリカですからおそらく150mgだけ対象かと思います。
頭蓋内出血が大変少ない、虚血性脳卒中も少ない、死亡率も減少させています。
一方消化管出血は増加のようです。

ついでにこれまで論文化されたNOACの観察研究結果を表にまとめたので、参照してください。
この他にも登録研究はいくつか走っていますがこれは論文を目にしたものだけです。
まだまだこれからですね。
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1)http://dobashin.exblog.jp/17599884/
2)http://dobashin.exblog.jp/19349933/
3)は今回の論文
4)http://dobashin.exblog.jp/19930247/

今日のニャンコ。カメラを向けたら隠れてしまいました。ネコに出会った朝はなんだかうれしくなります。
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by dobashinaika | 2014-10-31 23:46 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトランの服薬アドヒアランス:JMCP誌

A Retrospective Descriptive Analysis of Patient Adherence
to Dabigatran at a Large Academic Medical Center
Timothy W.et al
J Manag Care Pharm. 2014;20(10):1028-34


疑問:実臨床でのダビガトランのアドヒアランスはどうか?

方法:
・カリフォルニアの単一施設での後ろ向きカルテ解析
・ダビガトラン3ヶ月以上処方例
・プライマリ・ケア医、循環器疾患専門医
・MPR (medication possession ratio;総投薬量に対する実服薬量の割合)

結果:
1)159人対象

2)平均MPR 0.63

3)43%の患者はMPR80%未満:このサブグループの平均MPR:0.39 ± 0.27

4)57%の患者はMPR80%i以上:平均MPR0.94 ± 0.08

5)MPR0.8未満の群:男性多い。必要に応じた(PNR)処方が多い(1.73 vs. 0.86, P = 0.0039)

6)入院患者5名:出血3, 幻覚1、ダビガトラン非関連死1

結論:MPRが比較的低く、より改善されたサービスが必要。

### 最近服薬アドヒアランスに関心があるので、ダビガトランのアドヒアランス論文が目につきました。
以前にも報告されていてその論文では80%未満が27.8%でした。今回は43%で多いですね。

どんな時飲み忘れるか知りたいのですが、詳記はないようです。投与早期でもあとでも関係ないとも記載があります。

ただし重篤なアウトカムはなく、特に塞栓症は1例もないようです。平均年齢が70歳と若いこともあるかもしれませんが、多分連続して飲み忘れる症例がなかったのかもしれません。夕方1回程度の飲み忘れはダビガトランの場合大丈夫なのでしょうか?

どんな時に飲み忘れやすいか、飲み忘れやすい人のプロフィールなども知りたいところです。

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今日の散歩は近所の朝顔。朝散歩でもしない限り、朝顔なんて小学校の宿題以来じっくり愛でたことはなかったですね。

何気ない日常の風景も被写体として、「見る」対象としてみると、語りかけてくる何かがあります。
by dobashinaika | 2014-10-13 23:28 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトラン申請時データに関するBMJの報道

BMJからダビガトランの申請時の際、モニタリングのデータを出さなかったとの報道が出ているようです。
http://www.bmj.com/node/761314


http://www.bmj.com/node/761316
http://www.bmj.com/node/761315

それに対する本社の見解も出ているようです。
http://www.boehringer-ingelheim.com

全容を把握できるまでの情報が得られるまで、注意深く見て行きたいと思います。
by dobashinaika | 2014-07-25 19:27 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)

ダビガトラン服用中に頭蓋内出血をきたした人の予後はワルファリンと比べてどうか?:Stroke誌

Stroke 7月3日
doi: 10.1161/STROKEAHA.114.006016
Intracranial Hemorrhage Mortality in Atrial Fibrillation Patients Treated With Dabigatran or Warfarin
Alvaro Alonso et al


疑問:現実世界でのダビガトランの頭蓋内出血のアウトカムはどうか?

P:The Truven Health Marketscan Research Databasesにおいて、頭蓋内出血で入院かつ心房細動ありの患者

E/C:プロペンシティースコアをマッチさせたダビガトラン服用者とワルファリン服用者

O:入院時死亡率

結果:
1)2391人:ワルファリン2290人 vs. ダビガトラン531人

2)死亡:531人

3)死亡率:ワルファリン22% vs. ダビガトラン20%

4)スコアマッチ後のダビガトランの相対リスク0.93(0.62−01.37)

5)頭蓋内出血のタイプごと(脳内出血、クモ膜下出血、硬膜下出血)での差はなし

結論:今回のセッティングでは、ダビガトランはワルファリンに比べて、入院時死亡率がより高くはなかった。したがって、中和薬がないことを理由にダビガトランの使用を避ける事はこの結果からは支持されない。

###一旦出血を起こしてしまった症例の予後の比較ですね。

アウトカムが「大出血」においてはダビガトランのほうがやや良いという結果も出ています。
http://dobashin.exblog.jp/18716677/

ダビガトランの頭蓋内出血のほう軽傷で済むという報告もありますが、今回の報告では死亡をアウトカムにすると同じくらいということです。
http://dobashin.exblog.jp/19645660/

アリストテレス試験では大出血後の予後はアピキサバン群のほうがよかったとの報告もありますが、こちらはRCTです。
http://dobashin.exblog.jp/19815143/
もちろんだからアピキサバンのほうが有利とはいえません。

いつもながら観察研究ですので、スコアマッチング済といえども交絡因子はありますことは注意です。
by dobashinaika | 2014-07-04 20:01 | 抗凝固療法:ダビガトラン | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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