低用量適応のない例での低用量使用時,アピキサバンでのみ脳卒中が増加し出血は変わらず:JACCより


目的:NOACの用量とアウトカムの関係

方法:
・米国の大規模データベース
・あらたにアピキサバン,リバーロキサバン,ダビガトランを開始した心房細動14865例
・低用量推奨例での標準量使用(オーバードーズ),低用量適応のない例での低用量使用(アンダードース)のアウトカムを評価

結果:
1)低用量推奨例1473例での標準量使用(オーバードーズ):43%
大出血のハザード比2.19,95%CI1.07-4.46
NOAC間で差はなし

2)標準用量推奨例13392例での低用量使用(アンダドーズ):13.3%
アピキサバンのみ脳卒中増加(ハザード比4.87,95%CI1.30-18.26),大出血は減らさず
ダビガトランとリバーロキサバンでは脳卒中,出血とも(標準用量使用と)有意差なし
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結論:日常臨床のプラクティスでは,ラベリング外の用量がしばしば処方されている。重症腎機能低下患者では効果はなく,より出血リスクが高くなり,正常または軽度腎機能低下患者でのアピキサバン使用は安全性の点で問題があった。

### アピキサバンのみ低用量で成績が落ちる機序として,筆者は1)リバーロは20から15だが,アピは5から2.5と半分になる,2)ダビは75(!)だが,より注意深く医師が使った,3)アピで減少する例が他より多く,目立った。4)アピキサバン群は他より高齢だった,などを挙げていますが,4)以外はやや意味不明な感があります。

用量設定通りに使わないことへの警鐘(特にアピキサバン)と捉えたいところです。

$$$ 今年は遅まきながら始めた家庭菜園。今年もミニトマトとナス
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# by dobashinaika | 2017-06-17 00:01 | Comments(0)

ワルファリンの管理状況が良ければ脳卒中/全身性塞栓症はNOACとほぼ同じ:RCTのメタ解析より


疑問:ワルファリンの管理状況 (その施設のTTR=cTTR)がどの程度であればNOACに負けないか?

方法:第3相比較試験のメタ解析。一次エンドポイントが脳卒中/全身性塞栓症と大出血あるいは小出血かつ臨床的に意義ある出血 (NMCR)

結果:
1)TTRについてのサブ解析対象:71,222例

2)cTTR<60%:脳卒中/全身性塞栓症でNOAC優位 (HR 0.79, 95% CI 0.68–0.90)

3)cTTR60~70%:脳卒中/全身性塞栓症でNOAC優位 (HR 0.82, 0.71–0.95)

4)cTTR≧70%:70%未満と比べて交互作用あり (1.00, 0.82–1.23)(p = 0.042)

5)大出血:すべてのサブグループでNOACが優位。ただしcTTR≧70%では優位性ないが交互作用はなし

結論:TTR70%以上ではNOACのワルファリンに比べた有効性は低い。しかし相対的に安全性(の優位性)についてはcTTRの影響は少ない。

### ちょっとややこしいですが,TTR70%以上なら有効性はNOAC=ワルファリンは確実。安全性も同等の傾向だが統計的には断言できない。ということかと思います。

注意すべき点としてはTTRはその施設のデータなので,ひとりひとりの患者さんのデータからの結論ではないことです。
ただ,Lip先生のTTR70%ではワルファリン変えなくて良い説をある意味,裏付ける結果とは思われます。

$$$ 散歩でいつも通るご近所のバラの花がここぞと咲き誇っています。
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# by dobashinaika | 2017-06-06 21:11 | 抗凝固療法:比較、使い分け | Comments(0)

第10回 どばし健康カフェ「介護が必要になった時、どうしますか?」 2017年6月10日開催いたします!

いよいよ今週土曜日に迫りました。どばし健康カフェです。

第10回記念のテーマは「介護」。

身近な問題を取り上げます。なんでも話せます。

お気軽にご連絡ください。


第10回 どばし健康カフェ「介護が必要になった時、どうしますか?」 2017年6月10日開催いたします!皆様の参加をお待ちいたします。

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# by dobashinaika | 2017-06-06 08:17 | 医療の問題 | Comments(0)

やはり心房細動では血圧が高い(収縮期150mmHg以上)と血栓塞栓症と出血リスクが高かった;伏見AFレジストリーから


P:FUSHIMI AF Registryに登録した心房細動患者3713例。追跡期間中央値1,035日

E:高血圧あり:2304例,62.1%

C:高血圧なし:1409例

O:脳卒中/全身性塞栓症,大出血

結果:
1)高血圧の既往は,脳卒中/全身性塞栓症,虚血性脳卒中,頭蓋内出血,大出血ともに影響なし

2)ベースライン血圧150mmHg以上群(305例,13.3%):150mmHg未満群(1983例)にくらべ
脳卒中/全身性塞栓症多い:HR: 1.74, 95% confidence interval [CI]: 1.08–2.72
大出血多い:HR: 2.01, 95% CI: 1.21–3.23

3)150mmhg未満群は,非高血圧群と比べて脳卒中/全身性塞栓症,大出血に差はなし
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結論:脳卒中/全身性塞栓症,大出血とも,特に収縮期血圧の高い心房細動患者において発症リスクが高かった。

### 臨床に直結するデータですね。最近ではJ-RHYTYHレジストリーで同様研究があり,それでは収縮期血圧136mmHgで切られていました。
伏見では150がカットオフポイントですが,140−149mmHgは差がなかったようです。

Discussionにもあるように,血圧はベースラインのワンポイントの値なのでこれだけで目標値を定めるのは無理がありますが,自験例でも出血,梗塞を起こす症例は,だいたい145~150mmHgを超えるような症例であり,実感に合っているように思います。

抗凝固薬ありでもなしでもこのことは認められているので(抗凝固薬無し群はそれだけ低リスクであることに注意),抗凝固薬を出しっぱなしにして血圧を軽く見てはいけない,というメッセージを受け取りたいと思います。

いまさらながらですが,抗凝固療法の主眼は脳血管イベント予防にあるのだから,であるなら当然血圧管理が最大の課題であることを反芻します。


### ご近所ネコシリーズ
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# by dobashinaika | 2017-06-04 19:15 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

日本人の今後10年間の心房細動発症リスクがわかる予測スコア


目的:日本で心房細動を予測するリスク因子は何か?

方法:
・吹田市の一般住民コホート6898例,30−79歳。心房細動なし。1989年から登録,追跡
・2年に1回の検診,医療機関受診時心電図で診断された心房細動

結果;
1)311AF(95180人年)

2)以下のリスク因子を同定
男性/女性=0/-5(点)(30.40代)3/0(50台),7/5(60代),9/9(70代)
高血圧,肥満,アルコール過飲,冠動脈疾患:各2点
喫煙中:1点
非HDL中等度;-1点
不整脈:4点
心雑音:8点(30−40代),6点(50代),2点(60代)

3)C統計量0.749;95%CI 0.724-0.774)

4)今後10年の心房細動発症リスク:
スコア2点以下1%以下,スコア10−11点9%,スコア16点以上27%
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結論:我々が開発した従来からのリスク因子を用いた心房細動発症10年リスクスコアは,心電図なしで外来患者や健診でルーチンに簡便に利用できる。

### 心房細動の発症リスク因子はいろいろあります。日本の国立循環器病研究センターからのこの研究では,年齢,血圧,体重,アルコール,冠動脈疾患,喫煙などの従来からよく言われている因子にくわえ,心房細動以外の不整脈と心雑音を重視しています。

私自身に当てはめると,心雑音なし,ライフスタイル&脂質−1点(non-HD),心血管リスク6点(心室期外収縮,高血圧治療中)で50代男性ですと7%と出ました。

心房細動発症リスクに関する総説,ブログはこちら

$$$ ご近所町内会の張り紙。カフェは6月10日です。
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# by dobashinaika | 2017-05-25 15:14 | 心房細動:リアルワールドデータ | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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