新規抗凝固薬投与15万例でのダビガトランvsリバーロキサバンvsワルファリンの結果は?:JACC誌


疑問;リアルワールドでのNOACの実力は?

P:抗凝固薬新規投与の心房細動。66歳以上。米国。メディケア

E/C;
・ダビガトラン150mg約22,000例,リバーロキサバン約23,000例,ワルファリン10万例
・プロペンシィテースコアマッチ

O:脳卒中,塞栓症,消化管出血,それ以外の大出血,心筋梗塞,心不全,上記疾患にかかるコスト

結果:統計学的に有意なもの
1)脳卒中,非消化管出血,心筋梗塞,心不全,入院:ワルファリン>ダビガトラン≧リバーロキサバン
2)塞栓症:ワルファリン=ダビガトラン,ワルファリン>リバーロキサバン,ダビガトラン=リバーロキサバン
3)消化管出血:リバーロキサバン>ワルファリン=ダビガトラン
4)入院コスト:ワルファリン>ダビガトラン=リバーロキバン
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結論:新規のダビガトラン,リバーロキサバン服用患者の入院コストはワルファリンより低い。主に脳卒中,非消化管出血,心不全の減少による

### 15万人の大規模コホート。このコホートではリバーロキサバンの消化管出血がやや多いようでしたが,入院コストは両NOACともワルファリンより低いとのことです。
ダビガトラン150mgとありますが,1日1回なのでしょうか。詳しく記載はありませんでした。
(はじめ,誤った解釈を書いてしまいました。すみません,訂正します)

これは新規投与例ですね。リアルワールドデータのときはPECOのうちP (patient)の対象にまず注目します。つぎにマッチングしているか,統計処理も一応押え,その後結果を読むようにしています。

$$$ これからも連携を大切にしていきたいと思います。
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# by dobashinaika | 2017-02-01 18:30 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

第9回どばし健康カフェ3月4日開催です。今回は「がんについて考えてみましょう」

「コーヒーでも飲みながら、健康や医療について気軽に語り合いませんか?」

市民と医療者の交流の場として歩んできた「どばし健康カフェ」も今回で第9回を迎えます。

今回のテーマ

がん」について考えてみましょう

「がん」は怖い病気?もし「がん」になったら。。家族が「がん」と「いわれたら。。

 告知はしてほしい?家族にはどうやって話そう?がんを患っているかたとはどうやって接したらいいの?自分だったらどう接してほしい?先生からどんな風に病気や治療法の説明をされるのかな?本当はこんな風に説明してほしかった・・

 自分や家族の体験をお持ちの方もそうでない方も、「がん」との向き合い方を話し合ってみませんか?

 ご興味ある方はお気軽に参加ください。日時等は以下の通りです。ご連絡をお待ちいたします!!

場所:土橋内科医院待合室(仙台市青葉区八幡2−11−8)

時間:2017年3月4日(土)15:00〜(約2時間)

テーマ:「がん」について考えてみましょう

参加費:300円(コー匕ー,茶菓代含む)

参加ご希望の方は下記電話かメールを

お願い致します。

連絡先: 022-272-9220  dobashi@mist.ocn.ne.jp

どばし健康カフェ実行委員会 小田倉まで


以下のこくちーずproのサイトからもご参加できます。

http://www.kokuchpro.com/event/5811cd56886558de46e228b379f6c4a0/


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# by dobashinaika | 2017-01-31 08:23 | 医療の問題 | Comments(0)

抗凝固薬の適応と使い分けのシンプルなアルゴリズム:ESC誌より

Stroke prevention in Atrial Fibrillation
Gregory Y. H. LipEur Heart J (2017) 38 (1): 4-5. DOI:https://doi.org/10.1093/eurheartj/ehw584

ESCでLip先生の抗凝固薬に関するわかりやすいアルゴリズムが提唱されました。
3ステップとしていますが,どう考えてもCHA2DS2-VAScスコアとSAMe-TT2R2スコアの2ステップと思われますので,私なりにもっとシンプル化して図にしてみました。

解説は以下の通り

・心房細動があると脳卒中リスク5倍
・リスクファクターはホモジーニアス(各項目均一)ではない
・年間1%以上の脳卒中発症率が抗凝固薬投与の閾値
・アスピリンのNCB(ネットクリニカルベネフィト)は負の値
・CHADS2,CHA2DS2-VAScスコアの予測能は中有等:Cインデックス0.6くらい)
・CHA2DS2-VAScスコアは低リスク抽出に有効
・各種バイオマーカーを追加すれば予測能は上がるが,臨床での迅速性も考慮
・ステップ1:低リスクの同定
・ステップ2:CHA2DS2-VAScスコアの評価
・ステップ3:SAMe-TT2R2スコアの評価
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※ 男性1点以上,女性2点以上の場合,HAS-BLEDスコア3点以上であれば,出血の原因となる因子に注意し頻回のフォローアップを要す。

CHADS2スコア,CHA2DS2-VAScスコア,HAS-BLEDスコアは以下を参照

SAMe-TT2R2スコアは:女性,60歳未満,2つ以上の合併症,ワルファリンに影響ある薬剤(各1点),喫煙(2点),エスニックマイナリティー(2点)です。

### 私からコメントすると,
1.CHA2DS2-VAScスコアは日本人の低リスク患者同定には間口が広すぎる。(私見では65−69歳くらいの血圧,血糖安定時患者は保留?)
2.NOACオンリーでなく,ワルファリンを重視している点は非常に親近感を持つ
3.SAMe-TT2R2スコアが2てん以下の人は少ない(60歳以上の男性は既に2点以上)ということを踏まえて考えたいと思います。

ただ,かなりこのアルゴリズムでイケルと思います。このあとステップ4としてNOACの使い分けとなるととたんに面倒になりますが。。。

# by dobashinaika | 2017-01-24 19:10 | 抗凝固療法:適応、スコア評価 | Comments(0)

やはり発作性心房細動のほうが持続性,永続性よりも脳卒中が少ない:ENGAGE AFサブ解析

Stroke and Mortality Risk in Patients With Various Patterns of Atrial Fibrillation
Results From the ENGAGE AF-TIMI 48 Trial (Effective Anticoagulation With Factor Xa Next Generation in Atrial Fibrillation–Thrombolysis in Myocardial Infarction 48)
Circulation: Arrhythmia and Electrophysiology. 2017;https://doi.org/10.1161/CIRCEP.116.004267


疑問:発作性と持続性で心房細動の脳卒中や予後は変わるのか

方法:
・ENGAGE AF-TIMI 48試験における発作性心房細動(7日未満),持続性心房細動(7日以上1年未満)。永続性心房細動(1年以上)間でのアウトカム比較
・21105例,平均2.8年追跡

結果:
1)脳卒中/全身性塞栓症:発作性1.49%/年,持続性1.83%/年(P-adj =0.015),永続性1.95%/年(P-adj =0.004)

2)全死亡率:発作性3.0%/年,持続性(4.4%/年; P-adj <0.001) ,永続性(4.4%/年; P-adj <0.001)

3)年間大出血率;発作性2.86%,持続性2.65%,永続性2.73%
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結論:この試験では,発作性心房細動の血栓塞栓症発症率よび死亡率は持続性,永続性にくらべて少ない。ワルファリンに比較したエドキサバンの有効性安全性は心房細動の3パターンで同様であった。

### これまでは,おもにActive-Wの結果を引き合いに出して,「発作性も持続性もイベント発生率に差がないので発作性でも油断してはいけない」といったドグマが定説化してきたと思われます。

しかし最近になリ,RELYを除くNOACの2試験(ROCKET AF, ARISRTOTOLE)やSPORTIF,AVERROEAなどは発作性のほうが少ない
との結果を出しています。

最近のEHJのレビューでも同様のことが言われています。
http://dobashin.exblog.jp/22493317/

発作性,持続性同様というのは,実は前述のActive-WとSPAF試験くらいなんですね。

もちろん「発作性」と言ってもバリエーションが有り,「持続性」といっても持続化したburdenによって違いはありますが,こうした趨勢を見るとやはり適応の重み付けとして,たとえばCHADS2スコア1点でも持続性であればより積極的に抗凝固を考える気持ちにもなります。CHADS2やCHA2DS-VAScスコアに「持続性0.5点」くらいは追加できそうな最近の流れですね。

$$$ 認知症カフェで講話をしてきました。会場がお寺の講堂なので,自然と背筋が伸びました。
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# by dobashinaika | 2017-01-23 22:48 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

ACCによる周術期の抗凝固療法に関する意思決定パスウェイ:ヘパリンブリッジの適応は超限定的

2017 ACC Expert Consensus Decision Pathway for Periprocedural Management of Anticoagulation in Patients With Nonvalvular Atrial Fibrillation
A Report of the American College of Cardiology Clinical Expert Consensus Document Task Force
Journal of the American College of Cardiology DOI: 10.1016/j.jacc.2016.11.024

ACCから周術期の抗凝固療法に関するエキスパ−トコンセンサスがでています。かなり詳しくシェーマも充実しており,現時点での集大成的なレビューと思われます
とてもまとめきれませんので,ACCのメルマガでお勉強

1.ここでの意思決定パスウェイは経口抗凝固薬長期内服の非弁膜症性心房細動における周術期の抗凝固薬管理に関する意思決定の迅速で有用なツールとなる

2.抗凝固薬中止を考えるときは,ビタミンK阻害薬(長期半減期)かDOAC((短期半減期)か,患者の出血リスク,手技の出血リスク,追加の医療情報に気を配る

3.以下の手技(ペースメーカー, ICD植え込みなど)は低出血リスクであり,抗凝固薬は継続

4.患者出血リスクはHAS-BLEDスコアを評価する。それに加え最近3ヶ月以内の出血,血小板以上,INRの上昇(VKA),手術手技による出血の既往に留意する

5.患者に出血リスクがないか低リスク手技場合かつ患者出血リスクが高くないときは,VKAは中止してはならない

6.VKAを中止するときは,INR1.5-1.9の場合手技の3〜4日前,INR2.0-3.0の場合5日,3.0を超える場合少なくとも5日中止する。手技前24時間以内にINRを再チェック

7.ヘパリンブリッジを考えるのは次の2つのシナリオのときのみ
 1)VKA使用患者で年間10%以上の脳卒中/全身性塞栓症リスク(CHA2DS2-VAScスコア27^9点)を持つ,または3ヶ月以内の虚血性脳卒中
  2)VKA使用患者で特に出血リスクのない脳卒中/全身性塞栓症の既往(3ヶ月以上前)のある人

8.DOACを中止するときは,中止日数はクレアチニンクリアランスとその手技の出血リスクで決まる。標準的な表はこの意思決定プロセスに沿っている。ヘパリンブリッジはDOAC治療には適応なし(すみません。表は掲載していません)
a0119856_23521160.gif

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9.抗凝固薬再開時は,完全止血の確認をすべき。その後24時間以内にVKA治療再開と24〜72時間のヘパリンブリッジ(適応ありの場合。継続時間は出血リスクによる:筆者注:低出血リスクは24時間以内,高リスク例は48〜72時間ヘパリンブリッジ後)。DOACはもし患者が経口投与に耐えられないのでなければ,ヘパリンブリッジなしに24〜72時間前(出血リスクによる)に再開すべきではない(筆者注:高リスクでは24〜72時間経ってから,低リスクではその日のうちに)

10. DOACは機械弁患者に使用してなならない

### このレビューはアルゴリズムのシェーマが充実していますので,興味のある方は見てみてください。ただしアメリカさんらしく?いろんな場合を想定して盛り過ぎの感があり,ここまで書かなくてもわかるよ的な感じかもしれません。
ヘパリンブリッジは,VKAではかなり虚血性脳卒中の高リスクまたは既往歴のある人に限っており,NOACでは必要ないと言い切っているのが小気味よいです。
なお高出血リスクとはHAS-BLEDスコア3点以上のことかと思われます。

$$$ 仙台では恒例のどんと祭です。
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# by dobashinaika | 2017-01-16 23:55 | 抗凝固療法:抜歯、内視鏡、手術 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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