日本人のNVAFの2.7%に抗凝固薬服用下でも左心耳血栓が見つかる:CJ誌


疑問:日本人のNVAFにおいて抗凝固薬投与下での左心耳血栓の頻度は?NOACとワルファリンの差は?

方法;
・日本のある施設における経食道心エコーを施行したNVAF症例連続559例
・抗凝固療法後最低3週間


結果:
1)445例,平均62歳,非発作性49%

2)左心耳:15例2.7%

3)DOAC2.6% ワルファリン2.8%(P=0.86)
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4)CHA2DS-VAScスコア0点,脳卒中/TIAの既往のない発作性AFでは左心耳血栓ゼロ

5)左心耳血栓の危険因子(単変量解析):非発作性,器質的心疾患,抗血小板薬,左房拡大,BNP高値,左心耳血流低下,CHA2DS-VAScスコア高値

6)左心耳血栓の危険因子(多変量解析):BNP173以上のみ

結論:左心耳血栓は,抗凝固療法下にも関わらず日本人NVAFの2.7%に見られる。その頻度はDOACとワルファリンで同じである

###  選択基準としては,日本の単一施設,直流除細動前,心臓手術やカテアブ前の例とのことです。

左心耳血栓発症例の内訳は,DOACではダビガトラン300mg2例,ダビガトラン220mg1例,リバーロキサバン15mg2例,リバーロキサバン10mg2例,アピキサバン5mg1例で,このうち不適切用量は1例のみです。ワルファリンのINR管理状況は1.6以上だった期間が35%が1例,48%が1例,56%が1例でほかは85%以上でした。

また血栓を見つけたあとは更に強力な抗凝固療法を行ほとんどの例では血栓の消失を確認しましたが,1例で脳卒中を発症したとのことでう。

左心耳血栓はでいるタイミングが様々であり,また必ずしもその後引き続いて脳血栓症が起こるわけではありませんので,この頻度がそのまま左心耳血栓の真の頻度なのかは検討の余地はありますが,BNPが高値であれば除細動やアブ前には必ず経食道心エコーを施行すべきかもしれません。

# by dobashinaika | 2017-02-10 18:50 | 抗凝固療法:抜歯、内視鏡、手術 | Comments(0)

NOAC処方1年以内に15%の人が服用中止となる:IJC誌



疑問:どのくらいの頻度でNOACの服用をやめてしまうのか

方法;
・イタリアのコホート
・非弁膜症性心房細動への定期的NOAC処方例
・処方1年の時点で恒久的にNOACをやめてしまう人を調査

結果:
1)1305人:ダビガトラン473人,リバーロキサバン425人,アピキサバン407人

2)201人15.4%の人は処方1年以内に中止

3)中止例の60%以上は半年以内に中止

4)中止理由:ディスペプシア2.9%,出血4.5%

5)ディスペプシアは50%が2ヶ月以内。出血は66%が4ヶ月以降

6)低用量処方が中止の要因:オッズ比1.74

7)中止率:ダビガトラン22.0%,リバーロキサバン14.4%,アピキサバン8.8%

8)出血による中止:ダビガトラン20.2%,リバーロキサバン44.3%,アピキサバン30.6%

9)ディスペプシアあるいは腹痛による中止:ダビガトラン35.6%,リバーロキサバン1.6%,アピキサバン0%

結論:NOACの中止は比較的普通のことで,処方後半年以内に起こりやすい。低用量処方は中止の大きな要因となる。

### NOACの15.4%が服薬1年以内に飲むのをやめるーーー。上記数字を計算すると辞める理由の30%が出血とのことでした。

ダビガトランは消化器症状,リバーロキサバンは出血が理由として多いようです。
各NOAC間で中止率に10ポイント以上の差がついています。この数字のほうが,アウトカム比較での頭蓋内出血の差より大きいですね。
出血があればやはり変更したくなりますし,消化器症状は他にない薬剤に代替可能です。

アドヒアランス「パーシステンス」維持には副作用管理が大切であることを痛感します。

# by dobashinaika | 2017-02-07 17:00 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

脳卒中発症時に初めて見つかる心房細動:Stroke誌

疑問:心房細動が脳卒中時発症時に診断されるのはどのくらいか?

方法:
・フラミンガムハート研究
・脳梗塞の既往がなく,初めて見つかった心房細動のある人を抽出
・脳卒中発症が心房細動発見当日か,発見前30日以内,90日以内,365日以内かを調査

結果:
1)1809人の住民のうち,心房細動発見1年以内の脳卒中は87人

2)脳卒中が心房細動発見と同日は1.7%,30日以内は3.4%,90日以内は3.7%,1年以内は4.8%

3)脳卒中は心房細動の最初の臨床症状だったのは10000人年中2〜5人

結論:心房細動を呈する脳卒中は稀だが,ある程度存在する。一般住民での心房細動スクリーニングは費用対効果からみても有用で,脳卒中発症率の改善にも寄与する。

### 登録研究参加期間に初めて心房細動が見つかった人(脳梗塞なし)1809人のうち,見つかる1年前以内に脳卒中を発症していた人は89人とのことです。この内発症当日心房細動だった人は1.7%とすると約30人となります。他の59人は脳卒中発症時は分からず,1年以内の間に心房細動がわかったことになります。この89人は,頻度的には初発心房細動の5%程度とは言え,脳卒中発症前に心房細動を見つけられた可能性があり。スクリーニングの価値は高いといえます。

普通の外来で脈を取る意味は大きいです。

# by dobashinaika | 2017-02-03 19:09 | 心房細動:診断 | Comments(0)

新規抗凝固薬投与15万例でのダビガトランvsリバーロキサバンvsワルファリンの結果は?:JACC誌


疑問;リアルワールドでのNOACの実力は?

P:抗凝固薬新規投与の心房細動。66歳以上。米国。メディケア

E/C;
・ダビガトラン150mg約22,000例,リバーロキサバン約23,000例,ワルファリン10万例
・プロペンシィテースコアマッチ

O:脳卒中,塞栓症,消化管出血,それ以外の大出血,心筋梗塞,心不全,上記疾患にかかるコスト

結果:統計学的に有意なもの
1)脳卒中,非消化管出血,心筋梗塞,心不全,入院:ワルファリン>ダビガトラン≧リバーロキサバン
2)塞栓症:ワルファリン=ダビガトラン,ワルファリン>リバーロキサバン,ダビガトラン=リバーロキサバン
3)消化管出血:リバーロキサバン>ワルファリン=ダビガトラン
4)入院コスト:ワルファリン>ダビガトラン=リバーロキバン
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結論:新規のダビガトラン,リバーロキサバン服用患者の入院コストはワルファリンより低い。主に脳卒中,非消化管出血,心不全の減少による

### 15万人の大規模コホート。このコホートではリバーロキサバンの消化管出血がやや多いようでしたが,入院コストは両NOACともワルファリンより低いとのことです。
ダビガトラン150mgとありますが,1日1回なのでしょうか。詳しく記載はありませんでした。
(はじめ,誤った解釈を書いてしまいました。すみません,訂正します)

これは新規投与例ですね。リアルワールドデータのときはPECOのうちP (patient)の対象にまず注目します。つぎにマッチングしているか,統計処理も一応押え,その後結果を読むようにしています。

$$$ これからも連携を大切にしていきたいと思います。
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# by dobashinaika | 2017-02-01 18:30 | 抗凝固療法:リアルワールド | Comments(0)

第9回どばし健康カフェ3月4日開催です。今回は「がんについて考えてみましょう」

「コーヒーでも飲みながら、健康や医療について気軽に語り合いませんか?」

市民と医療者の交流の場として歩んできた「どばし健康カフェ」も今回で第9回を迎えます。

今回のテーマ

がん」について考えてみましょう

「がん」は怖い病気?もし「がん」になったら。。家族が「がん」と「いわれたら。。

 告知はしてほしい?家族にはどうやって話そう?がんを患っているかたとはどうやって接したらいいの?自分だったらどう接してほしい?先生からどんな風に病気や治療法の説明をされるのかな?本当はこんな風に説明してほしかった・・

 自分や家族の体験をお持ちの方もそうでない方も、「がん」との向き合い方を話し合ってみませんか?

 ご興味ある方はお気軽に参加ください。日時等は以下の通りです。ご連絡をお待ちいたします!!

場所:土橋内科医院待合室(仙台市青葉区八幡2−11−8)

時間:2017年3月4日(土)15:00〜(約2時間)

テーマ:「がん」について考えてみましょう

参加費:300円(コー匕ー,茶菓代含む)

参加ご希望の方は下記電話かメールを

お願い致します。

連絡先: 022-272-9220  dobashi@mist.ocn.ne.jp

どばし健康カフェ実行委員会 小田倉まで


以下のこくちーずproのサイトからもご参加できます。

http://www.kokuchpro.com/event/5811cd56886558de46e228b379f6c4a0/


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# by dobashinaika | 2017-01-31 08:23 | 医療の問題 | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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