第3回八幡地区包括ケア会議

今日の夜は八幡コミュニティーセンターで今年度第3回の八幡地区包括ケア会議があり。出席しました。包括ケア会議とは48号線沿いの早美ビルにあります国見包括支援センターさんが主催され、八幡地域の高齢者の包括的な支援について話し合う会合で、年3回開かれています。本日は八幡交番の署長さん、八幡地区赤十字奉仕団の団長さん、社会福祉法人青葉福祉会の理事長さん、東北福祉大学地域減災センターの先生、青葉区保健福祉センター障害高齢課の方などが参加されました。

今回は八幡地区での防災啓発活動、つまり地震等の災害に備え高齢者が準備すべきことをどう周知徹底させるかについて話し合いいたしました。国見包括支援センターさんは大変活発に地域活動を行っておられ、今回は防災チェックリストを作成し、緊急時の連絡先、避難場所、かかりつけ医療機関や内服薬などが、災害時に分かるようになっているかなどを高齢の方に呼びかけていこうと取り組んでおられました。

しかしまず第一の問題として、そのようなチェックリストをどの方に配ったらよいかということが議論に上りました。この八幡地区だけでも90歳以上でお元気な方は90人以上もおられるとのことです。一戸建てにご家族と同居されている方は良いとしまして、一人ぐらしの方、ご高齢のご夫婦二人暮らしの方などが、マンション等の集合住宅にお住まいの場合は、そのような方がどこに住んでいるのかさえ、赤十字奉仕団や町内会などでも把握できていないとのことです。個人情報保護が壁になっているようです。

災害発生時は、普段飲んでいる薬が入手できなくなる場合が想定されます。また万が一避難所生活になった場合、血圧の薬など何を飲んでいるかわからないと臨時診療所などにおいて困る場合もあります。当院では患者さんに「私のカルテ」にて薬の内容などを書いて渡すようにしておりますが、災害時にこの手帳を手元に置いておくように私のカルテに表示すること、緊急連絡先を書く欄を設けることなど、すぐに実践していこうと、強く思いました。
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# by dobashinaika | 2009-03-05 21:58 | 医療の問題 | Comments(0)

薬剤師とのミーティング

a0119856_21303272.jpg本日、昼、当院に近接するアイ薬局の薬剤師さんとのミーティングがありました。このミーティングは月1回、第4木曜日、昼食をとりながら行われるもので、土橋内科から出される薬の処方について、まず薬剤師さんから私に、なぜこの処方が出ているのか等や処方の間違い等の薬の情報について質問してもらい、私がそれについて答えます。次に、患者さんが、なにを薬剤師さんに質問したかなど、患者さんの情報を報告しもらいます。また、患者さんが薬をきちんと飲んでいるのかなどの情報も医師に伝えてもらうようにしています。アイ薬局さんではそれらの情報を一覧表にしてくださいますので、大変助かっています。

今日のミーティングでも、診察室で医師に言わずに、薬局で薬剤師さんに薬のことを聞く方が多数おられることが報告されました。たとえば風邪薬を睡眠薬と一緒に飲んでもよいか、とか朝飲み忘れた薬を昼に飲んでもよいかなどなど。こういうことは、医師に聞きづらいということもあるのでしょうが、短い診察時間の中でつい聞くことを忘れてしまう、もっと別のことを訴えていたら聞く時間がなかった、などのために薬剤師さんに尋ねるのではないかと思われます。

どうしても外来診療時間の短い日本の診療所においては、患者さんからの情報を集める、伝えるという大事な作業はやはり医師だけでは不十分であることをいつも痛感させられます。これを看護師、薬剤師、事務職などなどマンパワーをフル動員して今後とも取り組んでいきたいと思います。
# by dobashinaika | 2009-03-05 21:30 | 医療の問題

高校の同窓会~ルーブル美術館展

先週末(2月28日)は東京で、私の母校(高校)の同窓会に出席いたしました。学年全体の同窓会は卒業後初めてであり、多くの恩師、級友に実に29年ぶりに再開し、つかの間の時間旅行をした気分になりました。

母校の同窓会は「知道会」といいます。「知道」とは中国の五経のひとつ「易経」の中の「知 萬物に周(あまね)くして、道 天下を済(すく)う」に由来します。易経は占いの書ですので、ここでの「知」はいわゆる「知識(形式知)」ではなくて、最近よく言われる「暗黙知、経験知」のことではなかろうかと勝手に解釈しています。

この「知」は、医師にとっては、医学の教科書にある知識や私のモットーとしている科学的根拠(エビデンス)とかではなく、患者さんを診療する中から自然に身に付いた「改めて考えることなく使用できるなにものか」だろうと推察されます。

ワーファリンという納豆が食べられなくなる薬がありますが、このくらいの血液サラサラ度だったら、このくらいの量を処方しよう、という知識は教科書にはのってはいません。これなど、まさに「経験知」だろうと思います。このような経験知、暗黙知の引き出しをできるだけ多く使える医師を「名医」というのだろうなあ、などと同窓会の案内を見ながら帰りの新幹線で、つらつら思いました。

と、その前に、同窓会は深夜まで続きましたので一泊し、翌日フェルメールパワーをもらいに国立西洋美術館「ルーブル美術館展」に行きました。「レースを編む女」を凝視していますと、ダリがリメイクしたかった気持ちがわかるような気がします。あの光の描き分け方も「暗黙知」でしょうねえ。
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# by dobashinaika | 2009-03-02 23:37 | 音楽、美術など

第16回寺子屋勉強会~新型インフルエンザ対策~

a0119856_043889.jpg一昨日(2月26日)、開業医仲間の勉強会である「寺子屋勉強会」の第16回が開催され。世話人の一人として参加いたしました。今回は東北大学大学院医学系研究科微生物学分野教授の押谷仁先生を講師にお招きして、新型インフルエンザについて勉強いたしました。押谷先生は、私の大学の同期で、長らくWHO(世界保健機構)などで活躍され、3年前から東北大学の教授に就任され、現在日本の新型インフルエンザ対策の第一人者です。

押谷先生からは大変多くのことを学びましたが、一番大切なメッセージは、新型インフルエンザに対する基本的な考え方です。押谷先生は講演の端々で、できる限り科学的な根拠(エビデンス)にもとづいて行動計画を作成すべきであることを力説されました。たとえば、うがいや手洗いの大切さはよく言われますが、ウイルスは数十秒で細胞の中に入り込み、しかも多くは鼻から入るので、外出から帰ってきたときだけうがいをしても効果は疑問がある、ということです。また手に付いたウイルスは5~10分そこで生息するので、帰宅時にだけ手を洗っても途中でウイルスのついた手を自分の口や鼻に持っていけば元も子もないのです。そこで、米国では「外に出たら自分の顔を触るな」「咳をする時は手を口で覆うな、服で受け止めよ」と啓蒙されているとのことです。

これは私がなるべく心がけているEBMと一見同じ精神かもしれません。ただ、診察室で患者さんの治療方針を決定する場合、「この薬を飲むと、飲まない時に比べ死亡率が10%減る」といった科学的証拠は、私は一つの参考情報として、患者さんにお知らせすることにとどめるようにしています。最終的に薬を飲むか飲まないかは患者さんの薬に対するイメージとか、経済的都合とかなどなども考えながら決めるようにしています。しばしば患者さんの嗜好がエビデンスを覆い隠す力を持ちます。そのため時にエビデンスを大雑把に扱いがちになりますが、それも時には許される雰囲気があります。

しかし医療政策となるとそうはいきません。患者さんとの共同作業だけというわけにはいきません。コストはより少ないほうへ、効果はより大きいほうへという姿勢が求められます。科学的根拠が、一人の患者さんの治療方針を決める時より、ある意味逆説的ですが、より重みがあり、厳密さも要求されるかもしれません。それを覆い隠す力は何だと言われたら「政治の力」とでもなるのでしょうか。
押谷先生のお話を聞きながら、エビデンスを医療政策に使う大切さ、難しさを改めて痛感した夜でした。
# by dobashinaika | 2009-02-28 00:08 | EBM | Comments(0)

日本心臓ペースメーカー友の会宮城県支部茶話会

本日、午後1時から仙台市市民生活サポートセンターにおいて、日本心臓ペースメーカー友の会宮城県支部の茶話会が開かれました。この会は、昨年から会員の方々の親睦を深める目的で開かれており、私も支部顧問として会員の方々のお話の輪に参加させていただきました。今日は30数名の方々が参加され、6名くらいずつのグループに分かれて、ペースメーカーに関する体験談、日ごろ感じておられる疑問や不安を話し合う形式で行われました。私は各グループをぐるぐる回ってお話を伺いましたが、会員の方々は大変熱心に質問され、あっという間に2時間が過ぎてしまいました。

ペースメーカー手帳に書いてある内容、交換の時どこを切るのか、リードが3本以上はいっても大丈夫かなどの質問から、ワーファリンの飲み方、IHや電気毛布に関する不安、ゴルフや水泳をしてもよいかなどに至るまで、皆さんの様々な疑問、不安をじっくりお聞きすることができました。話しやすい雰囲気があり、時間も十分にあるので、日ごろこんなことを医者に聞きたかったのか、と改めて再認識し明日からの診療に生かそうという思いを強くいたしました。以前、病院勤務時代私が担当した方にも再会でき、私のつたない説明でも、大変安心したと言っていただける方がおられたなど、心の高揚を感じながら帰途に就くことができました。a0119856_2303675.jpg
# by dobashinaika | 2009-02-22 20:17 | ペースメーカー友の会 | Comments(1)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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