新型インフルエンザ

●<注意>新型インフルエンザについて
海外渡航から帰国され、38度以上の発熱等、インフルエンザを疑わせる症状がある方はまず以下にご連絡ください。
仙台市青葉区保健福祉センター 022-225-7211

マスク、手洗いが有効です。
●それに加えて、外出後はなるべく手で自分の鼻や口など顔を触らないこと、これも大切です。
●「咳エチケット」 これも大切です。せきやくしゃみ、鼻水が出るときはテッシュで口と鼻を覆う、または他の人から顔をそらし自分の服の袖のところで受け止めましょう。
宮城野区のホームページが参考になります。
http://www.city.sendai.jp/miyagino/center/sekietiquette.html
●うがいの効果については、確実であるとする根拠に乏しいのが現状です。
# by dobashinaika | 2009-05-03 14:49 | 新型インフルエンザ | Comments(0)

医療に対するゼロリスク志向 ~小松秀樹先生の講演を聴く~

仙台厚生病院春季セミナーで、小松秀樹先生の講演を拝聴しました。今夜の講演で先生は、著書「医療の限界」に沿って、医療におけるさまざまな軋轢を個人レベルと社会レベルとで分けて述べておられました。随所に、不確実性に対する哲学的考察、医療システムの人類史的来歴等々のことばが散りばめられ、哲学、世界史好きな私にとっては(共通一次試験で現役、浪人時とも「世界史」「倫社」選択)大変刺激的なひと時でした。

先生は言います。患者に医療の不確実性が許容されない、死や障害が受け入れられない、因果律への理解が不足している、調査と調査内容を結び付ける想像力が欠如している、根拠のない楽観主義がメディアをおおう...これらを私なりに解釈させていただくと「リスクリテラシーの欠如」ということになります。先生が述べられた「不確実性が許容されない」というのは人々が「完全な安全」つまり「ゼロリスク」を追求しがちであるということでしょう。

リスク心理学の中谷内一也先生著「環境リスク心理学」によれば、「人為的活動に伴う事故や産業活動の副産物などの影響ではゼロリスクが求められやすく、特に、原子力関係の事象や医療にはその要素が強い」といいます。さらに、病気に対してよりも、医療行為に対してゼロリスク要求が高い、つまり病気になってしまうことについては許容できるが、医療事故は許せない、ということです。ここには医療に対しては高ベネフィット、低リスクと認知されるいわゆる感情ヒューリスティクス(直感)が働くからだとされています。

たしかに、たとえば手術による合併症リスクが30%といわれて理解したつもりでも、もし自分にその合併症がふりかかったら、我々はどうしても、「なぜ私が」と原因を問わずには居られません。病気になったとき「なぜ私が」と、悩むのと同様、合併症が自分の身に生じた場合「どうして私だけが」と思い悩むことは万人が抱く感情と思われます。

となると、不確実性が許容されない背景にはこれらの「ヒューリスティクス」「感情」等、単にリテラシーの欠如として片づけられない側面があるともかんがえられます。目下のところ、このようなゼロリスク志向を矯正する手立ては、学校等におけるリスクリテラシーを向上させる教育、マスメディアがゼロリスクへの認識を改めること、等々しか浮かびませんが、そのような教育、啓蒙だけで矯正できるのかどうか、根源的なところでは悩ましい問題です。

とはいえ、社会全体でこのような医療に対する「ゼロリスク神話」を駆逐させていくことはやはり重要だと思われます。少なくとも無用な訴訟に対する抑止力となりうるのではないでしょうか?

この辺の「リスクシテラシー教育」については、また後日考えたいと思います。

# by dobashinaika | 2009-04-26 00:10 | 医療の問題 | Comments(0)

医院からのお知らせ

●次回の土橋EBM教室は5月30日(土)午後2時からです。テーマは「狭心症・心筋梗塞との付き合い方、どう予防するか、どう治療するか、ステントとどう付き合うか」です。お問い合わせは当院窓口までお願いいたします。

●ゴールデンウィークはカレンダー通り診療いたします。
# by dobashinaika | 2009-04-20 08:12 | インフォメーション | Comments(0)

待合室の床清掃しました。

今日は、専門業者さんによる当院待合室の床清掃が行われました。3~4カ月に一度ワックスがけを行いますと、床がピカピカになり、新たな気分で診療することができます。なにぶん、狭い待合室で恐縮ですが、少しでも広く感じられるようになれば幸いです。a0119856_22585074.jpg
# by dobashinaika | 2009-04-16 23:02 | 土橋内科医院 | Comments(0)

連続変数としてのリスク、名義変数としての行為

4月11日(土)、日本内科学会に出席。内科学会はとにかく医学書コーナーが圧巻。広いフロアに、ほとんどの医学関係出版社の書籍が所狭しと並ぶ。専門医の点数を取得する目的のほかに、この医学書あさりもお目当ての一つである。時にあまり店頭やパンフで見かけない本に出会ったりするからだ。今回は東大の統計学の権威、大橋靖雄先生の「Dr.オーハシの医学統計よもやま」(ライフサイエンス社)をゲット。わずか79ページのそこかしこに医学統計の肝がちりばめられている。帰りの新幹線で東京駅から宇都宮あたりまでの間に一気に読み終えた。とくに「相関と個別予測性のギャップ」のところは、「相関が統計学的に有意であるということと、個別の対象者が適切に分類できるか、とは別問題」というメタボ基準の矛盾の核心を突く記述であり、リスク因子評価のピットフォールを再認識させられた。

つまり、内臓脂肪面積という連続した値を、メタボありなしという二値に振り分けること、連続変数を名義変数に変換すること、その作業の困難さである。どこかにカットオフ値をひかないと我々は行動できないわけであり、そのためにROC曲線という概念が用意されているのであるが、予測因子として意味を持つためにはメタボあり、なし群間の分布自体の重なりが小さいことが条件となる。

そもそもリスクとは連続変数である。ここからが安全でここからが危険という境界線は原理的には存在しない。安全から危険への変化は連続的であり、その間は灰色である。一方医療行為に限らず、われわれの取りうる「行為」「態度」はするか、しないかの二値しかない。ここにリスクに対する「認知」と「行動」のカテゴリーエラーが生じることとなる。

さてカテゴリーエラーだからどうにもならない、と考えていては医者の仕事は立ち行かない。「リスクは定量的に把握するもの」という視点がまずファーストステップである。大切なのはこの視点を医療者と患者とで共有したい、ということ。医療者はまだしも、患者はリスクを安全、危険の二分法で考えやすい。マスコミの煽情的情報がそれにさらに拍車をかける。我々医療者は、医学上の判断は白黒つけられないことばかりである、ことを患者に説明すべきである。おなか周り90cmだから大変危険だ、82cmだから大丈夫と簡単に判断できないことを丹念に伝えていくべきだと思う。少なくともマスコミと同じような煽情的二値的コミュニケーションはさけたいものである。

この「リスクリテラシー」問題は大問題なので、また別の日にゆっくり考えてみます。

# by dobashinaika | 2009-04-15 00:34 | EBM | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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