糖尿病と心臓病~第6回みやぎ心臓疾患症例検討会から

昨日、私が代表世話人を務めます循環器専門医対象の「第6回みやぎ心臓疾患症例検討会」が開催され、東北労災病院循環器科部長の小丸達也先生に循環器疾患と糖尿病についてご講演いただきました。

講演で印象的だったのは「糖尿病=心血管病」であるということです。糖尿病は一度心筋梗塞を患ったのと同じくらいのインパクトがあるとのことです。高血圧やコレステロールに比べ、切れ味のよい薬がなく、治療も医者泣かせのことが多い、医学の中でも難しいかつ重要な問題です。糖尿病の重みをもっと患者さんたちに伝えないととの意を強くしました。

新型インフルエンザであわただしい毎日ですが、このようなときにこそ日々の診療もしっかり足元を見据えて行う必要があるなと痛感します。
# by dobashinaika | 2009-05-19 00:03 | 開業医の勉強

新型インフルエンザ対策~仙台市急患センター当番の現場から~

今日は年に3回程度ある、仙台市急患当番の日でした。かぜ、胃腸炎の患者さんが多く、約50名を診察いたしました。かぜ気味だが、念のためインフルエンザの検査をしてほしいとのことで受診された方が数名いらっしゃいました。今後このような受診者が一般の医療機関でも増えることが予想されます。仙台市医師会では開業診療所が発熱外来を担う方向でアクションを進めていますが、このような念のため検査の人が受診した場合も想定に入れる必要があると感じました。
またかぜ症状のあるほとんどの患者さんに、待合室でマスクを渡していましたが、検査でマスクをはずしてもらう際に、大抵の方がマスクの表面を触られます。こうするとマスク表面に付いているかもしれないウイルスが手につくことになります。その手でもう1回マスクをかける際に自分の手や口に触るので、かえって感染する確率が高まるかもしれません。マスクの有効性は実は議論があることろで、以下のサイトは参考になります。
http://nxc.jp/tarunai/
もしマスクをするのであれば、掛け外しの際表面を触らない、いったん外したらそのあと手を洗い、その後できるだけ新しいマスクをかける、と言った心がけが必要と思います。マスコミ等ではマスクをかけることのみが言われていますが、もしそれを言うのであれば「正しくマスクをかけ、外す」ことをもっと啓蒙すべきではないでしょうか?
# by dobashinaika | 2009-05-17 19:37 | 新型インフルエンザ

半子町の藤の花

昨日(5月14日)午後、ご近所の半子町にある、有名な藤の花を見に行きました。実は、拝見するのは初めてだったのですが、お庭いっぱいに広がる藤棚には本当に圧倒されました。藤の薄紫が日差しに溶け合いなんともすがすがしい空間を醸し出しています。あちこちで歓声が上がっており、ご近所にこんなに素晴らしい世界があったのかと感激して帰ってまいりました。あれだけの「作品」を管理維持するだけでも相当なお手間とご苦労とお察しいたします。a0119856_2232367.jpg

今週は連休明けで連日医院は混雑し、皆様にはご迷惑をおかけいたしております。
今週の診療後のスケジュールは
月曜:血液サラサラ研究会(発表)
火曜;医師会青葉ブロック幹事会
水曜:せんだい治験委員会
木曜:今月末の研究会の準備
金曜;新型インフルエンザ講演会聴講
と相変わらずのフル回転でした。明日は東京出張、日曜は仙台市急患センター当番と続きます。
# by dobashinaika | 2009-05-15 22:04 | 土橋通り界隈

心房細動治療ガイドライン2008についての講演~血液サラサラ研究会で~

本日、私が世話人の一人をしています、血液サラサラ研究会(抗凝固療法抗血小板療法研究会)が開催され、話題提供として「新しい心房細動のガイドライン」という演題で講演いたしました。昨年2008年に心房細動の薬物療法ガイドライン(以下GL)が改訂されましたが、抗血栓療法については初めての改訂だと思われ、いくつかの点で今までとはっきり異なっており、自分で講演していても大変興味深かったです。
私はGLを読むときに一般的におおよそ以下の点を注目しています。
1)エビデンスレベルと推奨度に解離がある場合がある。
2)推奨度クラスIIaとIIbとの境に注目する
3)推奨度クラスIIIを見逃さない
1)のエビデンスレベルと推奨度の解離ですが、たとえば今回のGLでは月1回のINR測定はエビデンスレベルはCと低いものの、推奨度はクラスIです。これはエビデンスがなくても一般的に広く行われコンセンサスが十分得られているからです。推奨度はEBMだけでは当然決まらず、GL策定委員会の価値判断を含みます。われわれはその価値判断がどの程度エビデンスに依拠しているのか、それ以外の要素が加味されているのかをエビデンスレベルから判断する必要があります。
2)については、同じクラスIIでもIIaは「有効である可能性が高い」であり、IIbは「有効性がそれほど確立されていない」ですので、かなりお勧め度が違ってしまいます。この境目をよく吟味する必要があります。たとえば今回ワーファリンを投与できない場合の抗血小板薬はお勧め度IIbであり、積極的お勧めはできないといった治療法になっています。ワーファリンを投与しにくい例に安易にアスピリンを処方することはGL上慎重さが必要ということです。
3)は推奨度のI,IIaまでは見て、IIIを読み飛ばしがちになるので(少なくとも私は)そうしないようにしようということです。今回もワーファリンの適応があり禁忌でない例へのアスピリン投与はクラスIIIとなっており、アスピリンをワーファリンの代わりといった感覚で出すことに警鐘が鳴らされています。

いまさらここで強調するのもなんですが、2008年の心房細動GLの特徴は抗血栓療法に限って言えば、CHAD2スコアを尊重したリスク層別化、および原則としてアスピリンでなくワーファリン(しかもINRガイド下)という2点を特に銘記すべき内容となっているとa0119856_2358585.jpgいうことです。その他発作性と持続性とに関わらないワーファリン療法、日本のエビデンスを取り入れた心筋症への対応とアスピリンの使用制限等、現時点で内外のエビデンスを十分取り入れ、抗血栓療法のAtoZがほぼ網羅された内容であり、ここだけでも大変読みごたえがありました。一方、抜歯時や手術時のワーファリンの扱いに関しては推奨度クラスIはなく、エビデンスレベルもほとんどBかCであり、この点に関しては、ローカルなコンセンサスの構築が最善であると再認識しました。
以前からできたらいいなあと思っていることにガイドラインを批判的に吟味するジャーナルクラブを仙台で開くことがあります(できれば定期的に)。今後各方面に呼びかけてやりたいなあと思っていますが。。。

# by dobashinaika | 2009-05-11 23:59 | 抗凝固療法:ガイドライン

新型インフルエンザについて参考になるホームページ

新型インフルエンザに関する情報を得るのにまずアクセスすべきサイトをまとめました。医療関係者の方向けですが、医療従事者でない方でも仙台市、宮城県、国立感染症研究所、厚生労働省のホームページは参考になる情報が豊富です。

仙台市http://www.city.sendai.jp/kenkou/hokeniryou/buta/index.html
宮城県http://www.pref.miyagi.jp/menu/inful.htm
国立感染症研究所 http://idsc.nih.go.jp/index-j.html
厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/index.html
首相官邸http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/flu/swineflu/index.html
WHO http://www.who.or.jp/influenzaj.html
アメリカCDC(疾病予防管理センターhttp://www.cdc.gov/h1n1flu/#stay_healthy

下記2つはEBM(根拠に基づいた医療)を実施する上で欠かせない情報源
Dynamed(医学情報サイト)http://www.ebscohost.com/dynamed/swineflu/
UpToDate(医学情報サイト)http://www.utdol.com/home/content/topic.do?topicKey=pulm_inf/18836 
# by dobashinaika | 2009-05-05 22:36 | 新型インフルエンザ | Comments(0)


土橋内科医院の院長ブログです。心房細動やプライマリ・ケアに関連する医学論文の紹介もしくは知識整理を主な目的とします。時々日頃思うこともつぶやきます。


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